Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)

アップグレード時のストレージ構成変更の回復

この節では、不注意からアップグレード中にストレージ構成が変更された場合に実行する修復手順を説明します。

アップグレード中のストレージの再構成に対処する

Sun Cluster コマンドの実行など、ストレージトポロジに対する変更は、クラスタを Solaris 9 ソフトウェアにアップグレードする前に行ってください。 ただし、アップグレード中にストレージトポロジが変更された場合は、次の手順を実行します。 この手順では、新しいストレージ構成が正しいことと、再構成されなかった既存のストレージは誤って変更されないことを保証します。

  1. ストレージトポロジが正しいことを確認します。

    変更されている可能性を示すフラグ付きデバイスが、実際に変更されているデバイスにマップされていないかどうかを確認します。 デバイスが変更されていない場合、誤ったケーブル接続など、偶発的な構成変更の可能性を調べて修正します。

  2. 確認されていないデバイスに接続するノードでスーパーユーザーになります。

  3. 未確認のデバイスを手動で更新します。


    # scdidadm -R device
    
    -R device

    指定した device で、修復手順を実行します。

    詳細については、scdidadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

  4. DID ドライバを更新します。


    # scdidadm -ui
    # scdidadm -r
    
    -u

    デバイス ID の構成テーブルをカーネルに読み込みます。

    -i

    DID ドライバを初期化します。

    -r

    データベースを再構成します。

  5. 手順 2から手順 4までの手順を、未確認のデバイスに接続するすべてのノード上で繰り返し実行します。

  6. 残りのアップグレード作業に戻ります。

アップグレード中の誤ったストレージ変更を解決する

アップグレード中に、ストレージのケーブル接続が誤って変更された場合、次の手順を実行して、ストレージ構成を正しい状態に戻します。


注 –

この手順では、物理ストレージが実際に変更されていないことを前提とします。 物理または論理ストレージデバイスが変更された場合は、代わりにアップグレード中のストレージの再構成に対処するの手順に従ってください。


  1. ストレージトポロジを元の構成に戻します。

    変更の可能性を示すフラグが付いたデバイスの構成を、ケーブル接続も含め検査します。

  2. スーパーユーザーで、クラスタ内の各ノードで DID ドライバを更新します。


    # scdidadm -ui
    # scdidadm -r
    
    -u

    デバイス ID の構成テーブルをカーネルに読み込みます。

    -i

    DID ドライバを初期化します。

    -r

    データベースを再構成します。

    詳細については、scdidadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

  3. 手順 2scdidadm コマンドがエラーメッセージを返したかどうかを確認します。

    • エラーメッセージがない場合は、手順 4に進みます。

    • エラーメッセージがある場合は、手順 1に戻ってストレージ構成を修正した後、手順 2の手順を繰り返します。

  4. 残りのアップグレード作業に戻ります。