Sun Cluster Data Service for Sun Java System Web Server ガイド (Solaris OS 版)

Sun Cluster HA for Sun Java System Web Server 拡張プロパティの構成

この節では、Sun Cluster HA for Sun Java System Web Server の拡張プロパティについて解説します。 フェイルオーバーの場合、データサービスは強制的に Confdir_list のサイズを 1 にします。 複数の構成ファイル (インスタンス) が必要な場合は、それぞれが Confdir_list エントリを 1 つ持つ複数のフェイルオーバーリソースを作成してください。

通常、拡張プロパティは、Sun Java System Web Server リソースを作成するときに、コマンド行から scrgadm -x parameter=value を実行して構成します。 Sun Cluster のすべてのプロパティの詳細については、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の「標準プロパティ」を参照してください。

Sun Java System Web サーバーに構成する拡張プロパティの詳細については、表 1–2 を参照してください。 Sun Java System Web Server リソースの作成時に必要な拡張プロパティは、Confdir_list プロパティだけです。 拡張プロパティの中には動的に変更できるものがあります。 それ以外の拡張プロパティは、リソースを作成するときにしか更新できません。 そのプロパティをいつ変更できるかについては、説明欄の「調整 : 」を参照してください。

表 1–2 Sun Cluster HA for Sun Java System Web Server 拡張プロパティ

拡張プロパティ名  

説明 

Confdir_ list (文字配列)

特定の Sun Java System Web Server インスタンスのサーバールートディレクトリへのポインタ。 Sun Java System Web Server がセキュアモードの場合、パス名に keypass という名前のファイルを指定する必要があります。このファイルには、このインスタンスの起動に必要なセキュアキーパスワードが含まれています。

デフォルト: なし

範囲: なし

調整: 作成時

Failover_enabled (ブール)

Retry_interval で指定した期間内に Retry_count で指定した回数を超える再起動が発生しようとした場合、障害モニターが Sun Java System Web Server リソースをフェイルオーバーするかどうかを指定します。 この拡張プロパティの値は次のとおりです。

  • True – 障害モニターが Sun Java System Web Server リソースをフェイルオーバーすることを指定します。

  • False – 障害モニターが Sun Java System Web Server リソースをフェイルオーバーしないことを指定します。

 

デフォルト: True

範囲: 該当なし

調整: リソースが無効時

Monitor_retry_count (整数)

Monitor_retry_interval プロパティの指定時間に、プロセスモニター機能 (PMF) が障害モニターを再起動する回数。 このプロパティは、障害モニターの再起動回数を制御するものであり、リソースの再起動を制御するわけではありません。 リソースの再起動は、システム定義プロパティの Retry_intervalRetry_count によって制御されます。

 

デフォルト: 4

範囲: 02,147,483,641

–1 は、再試行の数が無限であることを示します。 

調整:任意の時点

Monitor_retry_interval (整数)

障害モニターの失敗回数をカウントする期間 (分)。 この期間内に、障害モニターの失敗回数が、拡張プロパティ Monitor_retry_count の指定値を超えた場合、PMF は障害モニターを再起動しません。

デフォルト: 2

範囲: 02,147,483,641

–1 は、再試行の間隔が無限であることを示す。 

調整: 任意の時点

Probe_ timeout (整数)

障害モニターが Sun Java System Web Server インスタンスの検証において使用するタイムアウト値 (秒単位)。 

デフォルト: 90

範囲: 02,147,483,641

調整: 任意の時点

Monitor_Uri_List (文字列)

Sun Java System Web Server 上に配備された任意のアプリケーションを検証するために障害モニターが使用できる単一の URI または URI のリスト。 Sun Java System Web Server 上に配備されているアプリケーションが応対する 1 つ以上の URI にプロパティを設定することによって、配備されているアプリケーションを検証します。 

デフォルト: Null

調整: 任意の時点

導入されたリリース: 3.1 10/03

任意 URI の監視

Web サーバーの障害モニターで、Web サーバーが提供するアプリケーション (URI) の任意リストを検証する場合は、 Monitor_Uri_List 拡張プロパティを設定する必要があります。 この拡張プロパティによって、拡張された検証機能が提供されます。また、使用している Web サーバーのほかにサービスを階層状にする場合に、このプロパティは有用です。 Monitor_uri_list 拡張プロパティは、セキュア Sun Java System Web Server インスタンスではサポートされません。 Monitor_Uri_List 拡張プロパティを設定しない場合、障害モニターは通常の検証を行います。 詳細については、Sun Cluster HA for Sun Java System Web Server 障害モニター を参照してください。 次の例は、Sun Java System Web Server インスタンスを構成に追加する場合の Monitor_Uri_List 拡張プロパティの設定方法を示しています。

例— スケーラブル Sun Java System Web Server インスタンスのための Monitor_Uri_List の設定


(デフォルトの負荷分散を使う非セキュア Sun Java System Web Server インスタンスを追加します。)

example# scrgadm -a -j web-not-secure-1 -g resource-group-1 -t SUNW.iws \
-x Confdir_List=/opt/SunONE/https-Sun-app-insecure-1 \
-y Scalable=True -y Network_resources_used=schost-1 -y Port_list=8000/tcp
-x Monitor_Uri_list=http://schost-1:8000/servlet/monitor

例 — フェイルオーバー Sun Java System Web Server インスタンスのための Monitor_Uri_List の設定


(非セキュア Sun Java System Web Server アプリケーションリソースインスタンスを追加します。)

example# scrgadm -a -j web-not-secure-1 -g resource-group-1 -t SUNW.iws \
-x Confdir_list=/opt/SunONE/conf -y Scalable=False \
-y Network_resources_used=schost-1 -y Port_list=80/tcp \
-x Monitor_Uri_list=http://schost-1:80/servlet/monitor