Sun Cluster ソフトウェアをクラスタのすべてのノードで構成するには、クラスタの 1 つのノードからこの手順を実行します。
Solaris OS がインストールされて、Sun Cluster ソフトウェアをサポートしていることを確認します。
Solaris ソフトウェアがすでにノード上にインストールされている場合は、Solaris のインストールが Sun Cluster ソフトウェアの必要条件、およびそのクラスタにインストールする予定の他のソフトウェアの必要条件を満たしていることを確認してください。Sun Cluster ソフトウェア必要条件を満たして、Solaris ソフトウェアをインストールするための詳細については、「Solaris ソフトウェアをインストールする」を参照してください。
Sun Cluster ソフトウェアのインストール時にリモート構成を無効にした場合は、リモート構成をもう一度有効にします。
無効にしている場合は、すべてのクラスタノードに対して スーパーユーザーのリモートシェル (rsh(1M)) またはセキュアシェル (ssh(1) ) アクセスを有効に にします。
(省略可能) scinstall(1M) ユーティリティーを使用してパッチをインストールするには、パッチをパッチディレクトリにダウンロードします。
「通常」モードを使用してクラスタをインストールする場合は、/var/cluster/patches/ または /var/patches/ のいずれかの名前のディレクトリを使用します。「通常」モードでは、scinstall コマンドはこれらのディレクトリの両方でパッチをチェックします。
これらのディレクトリのどちらも存在しない場合は、パッチは追加されません。
両方のディレクトリが存在する場合は、/var/cluster/patches/ ディレクトリのパッチだけが追加されます。
「カスタム」モードを使用してクラスタをインストールする場合、パッチへのパスを指定するため、「通常」モードで scinstall がチェックするパッチディレクトリを使用する必要はありません。
パッチリストファイルは、パッチディレクトリに保存できます。デフォルトのパッチリストファイル名は patchlist です。パッチリストファイルの作成方法については、patchadd(1M) のマニュアルページを参照してください。
次の構成ワークシートの 1 つに必要事項を記入します。
計画のガイドラインについては、「Sun Cluster 環境の計画」を参照してください。
表 2–2 対話形式の scinstall の構成ワークシート (通常)
コンポーネント |
説明/例 |
回答記入欄 |
|
---|---|---|---|
クラスタ名 |
確立するクラスタの名前 | ||
クラスタノード |
初期クラスタ構成で構成するその他のクラスタノードの名前 | ||
クラスタトランスポートアダプタおよびケーブル |
ノードをプライベートインターコネクトに接続する 2 つのクラスタトランスポートアダプタの名前 |
1
|
2
|
チェック |
sccheck エラー発生時にインストールを中断するかどうか(sccheck が事前構成要件を満たしていることを確認します) |
Yes | No |
「通常」を指定した Sun Cluster ソフトウェアの構成では、scinstall ユーティリティが自動的に以下のデフォルト構成を指定します。
コンポーネント |
デフォルト値 |
---|---|
プライベートネットワークアドレス |
172.16.0.0 |
プライベートネットワークネットマスク |
255.255.0.0 |
クラスタトランスポート接続点 |
switch1 および switch2 |
広域デバイスファイルシステム名 |
/globaldevices |
インストールセキュリティ (DES) |
制限付き |
Solaris および Sun Cluster パッチディレクトリ |
/var/cluster/patches/ |
表 2–3 対話形式の scinstall の構成ワークシート (カスタム)
scinstall 処理の完了後は、プライベートネットワークアドレスやネットマスクを変更できません。別のプライベートネットワークアドレスやネットマスクを使用する必要があり、ノードがインストールモードのままの場合は、「Sun Cluster ソフトウェアのアンインストールによるインストール問題を解決する」の手順に従います。次に「Sun Cluster ソフトウェアパッケージをインストールする」とこの手順を実行し、ソフトウェアを再インストールして、正しい情報を使用してノードを構成します。
クラスタを構成するクラスタノードでスーパーユーザーになります。
以下の機能を使用する場合は、追加パッケージをインストールします。
Remote Shared Memory Application Programming Interface (RSMAPI)
インターコネクトトランスポート用の SCI-PCI アダプタ
RSMRDT ドライバ
RSMRDT ドライバを使用できるのは、Oracle9i リリース 2 SCI 構成を RSM を有効にして実行しているクラスタだけです。インストールと構成手順についての詳細は、Oracle9i リリース 2 のユーザーマニュアルを参照してください。
インストールするパッケージを決めます。
下の表は、各機能で必要な Sun Cluster 3.1 9/04 パッケージとそれぞれの機能にグループをインストールする順序を示しています。installer プログラムはこれらのパッケージを自動的にはインストールしません。
機能 |
インストールする追加の Sun Cluster 3.1 9/04 パッケージ |
---|---|
RSMAPI |
SUNWscrif |
SCI-PCI アダプタ |
SUNWsci SUNWscid SUNWscidx |
RSMRDT ドライバ |
SUNWscrdt |
関連する Solaris パッケージが既にインストールされていることを確認します。
「Solaris ソフトウェアをインストールする」の手順 8 を参照してください。
Sun Cluster 3.1 9/04 CD-ROM を CD-ROM ドライブに入れます。
Solaris_arch/Product/sun_cluster/Solaris_ver/Packages/ ディレクトリに変更します。ここでは arch は sparc または x86 で、ver は 8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) となります。
# cd /cdrom/cdrom0/Solaris_arch/Product/sun_cluster/Solaris_ver/Packages/ |
追加のパッケージをインストールします。
# pkgadd -d . packages |
CD-ROM に含まれていないディレクトリに移動し、CD-ROM を取り出します。
# eject cdrom |
クラスタ内のそれぞれの追加ノードで手順を繰り返します。
1 つのノードで scinstall ユーティリティーを開始します。
# /usr/cluster/bin/scinstall |
対話形式の scinstall ユーティリティーを使用するときは、次のガイドラインに従ってください。
対話式 scinstall を使用すると、先行入力が可能になります。したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、Return キーを押すのは一度だけにしてください。
特に指定のある場合を除いて、Control-D キーを押すと、関連する一連の質問の最初に戻るか、メインメニューに戻ります。
前のセッションのデフォルトの解凍が、質問の最後に角かっこ ([ ]) で囲まれて表示されます。入力せずに角かっこ内の回答を入力するには、Return キーを押します。
「メインメニュー」から「クラスタまたはクラスタノードをインストール」という項目を選択します。
*** メインメニュー *** 次の (*) オプションのうちから 1 つを選択してください: * 1) クラスタまたはクラスタノードをインストール 2) このインストールサーバーから JumpStart できるようにクラスタを構成 3) 新しいデータサービスのサポートをこのクラスタノードに追加 * 4) このクラスタノードのリリース情報を出力 * ?) メニューオプションのヘルプ * q) 終了 オプション: 1 |
「インストールメニュー」から「新しいクラスタのすべてのノードをインストール」という項目を選択します。
「インストールのタイプ」メニューから「通常」または「カスタム」を選択します。
メニュープロンプトに従って 手順 4 で作成したワークシートから回答を入力します。
scinstall ユーティリティーは、すべてのクラスタノードのインストールを行い、クラスタを再起動します。クラスタ内ですべてのノードが正常に起動されると、クラスタが確立されます。Sun Cluster のインストール出力は、/var/cluster/logs/install/scinstall.log.N に記録されます。
Sun StorEdge QFS ファイルシステムソフトウェアをインストールします。
初期インストールについては、『Sun StorEdge QFS and Sun StorEdge SAM-FS Software Installation and Configuration Guide』の手順に従ってください。
(省略可能) SPARC: VERITAS File System をインストールするには、「SPARC: VERITAS File System ソフトウェアをインストールする」 に進みます。
ネームサービスの参照順序を設定します。
「ネームサービススイッチを構成する」 に進みます。
ここでは、scinstall を使用して 2 ノードクラスタで構成作業を完了したときに、ログに記録される scinstall 進行状況メッセージの例を示します。クラスタノード名は、phys-schost-1 と phys-schost-2 です。指定されたアダプタ名は、qfe2 と hme2 です。
インストールと構成 ログファイル- /var/cluster/logs/install/scinstall.log.834 「/globaldevices」用のテストを「phys-schost-1」上で実行しています... done 「/globaldevices」用のテストを「phys-schost-2」上で実行しています... done インストール状態を検査しています... done Sun Cluster ソフトウエアは「phys-schost-1」に既にインストールされています。 Sun Cluster ソフトウエアは「phys-schost-2」に既にインストールされています。 クラスタトランスポート構成の検出を開始します。 次の接続が見つかりました: phys-schost-1:qfe2 switch1 phys-schost-2:qfe2 phys-schost-1:hme2 switch2 phys-schost-2:hme2 クラスタトランスポート構成の検出を終了しました。 sccheck を「phys-schost-1」上で開始しました。 sccheck を「phys-schost-2」上で開始しました。 sccheck が終了しました。「phys-schost-1」にエラーまたは警告はありません。 sccheck が終了しました。「phys-schost-2」にエラーまたは警告はありません。 「phys-schost-2」を構成しています... done 「phys-schost-2」を再起動しています... done 「phys-schost-1」を構成しています... done 「phys-schost-1」を再起動しています... ログファイル- /var/cluster/logs/install/scinstall.log.834 リブートしています... |