Sun Cluster データサービス開発ガイド (Solaris OS 版)

完成した作業内容の再利用

Agent Builder を使用すると、次に示すように、完成した作業内容を再利用できます。

既存のリソースタイプからクローンを作成する方法

Agent Builder で作成した既存のリソースタイプのクローンを作成するには、次の手順に従います。

  1. 次のどちらかの方法で既存のリソースタイプを Agent Builder にロードします。

    • Agent Builder で作成された既存のリソースタイプの作業ディレクトリ (rtconfig ファイルが含まれている) から Agent Builder を起動します。Agent Builder がこのリソースタイプの値を「作成」や「構成」画面にロードします。

    • 「ファイル」プルダウンメニューの「Load Resource Type」オプションを使用します。

  2. 作成画面で作業ディレクトリを変更します。

    「ブラウズ」を使ってディレクトリを選択する必要があります。新しいディレクトリ名を入力するだけでは不十分です。ディレクトリを選択したあと、Agent Builder は「作成」ボタンを有効に戻します。

  3. 必要な変更を行います。

    この手順は、リソースタイプ用に生成されたコードのタイプを変更するときに使用できます。たとえば、最初は Korn シェルバージョンのリソースタイプを作成していたが、後で C バージョンのリソースタイプが必要になった場合などです。この場合、既存の Korn シェルバージョンのリソースタイプをロードし、出力用の言語を C に変更してから Agent Builder で C バージョンのリソースタイプを構築します。

  4. リソースタイプのクローンを作成します。

    「作成」をクリックして、リソースタイプを作成します。「次へ」をクリックして「構成」画面を表示します。「構成」をクリックしてリソースタイプを構成し、次に「キャンセル」をクリックして終了します。

生成されたソースコードの編集

リソースタイプを作成するプロセスを簡単にするために、Agent Builder は入力数を制限しています。必然的に、生成されるリソースタイプの範囲も制限されます。したがって、より複雑な機能、たとえば、追加のプロパティの妥当性を検査したり、Agent Builder がエクスポーズしないパラメータを調整したりする機能を追加するには、生成されたソースコードまたは RTR ファイルを修正する必要があります。

ソースファイルは install_directory/rt_name/src ディレクトリに置かれます。Agent Builder は、ソースコード内においてコードを追加できる場所にコメント文を埋め込みます。このようなコメントの形式は次のとおりです (C コードの場合)。


/* User added code -- BEGIN vvvvvvvvvvvvvvv */
/* User added code -- END   ^^^^^^^^^^^^^^^ */


注 –

コメントは Korn シェルソースコードのものと同じですが、Korn シェルソースコードの場合は、ポンド記号 (#) がコメントの始めを表します。


たとえば、rt_name.h は、異なるプログラムが使用するすべてのユーティリティールーチンを宣言します。宣言リストの最後はコメント文になっており、ここでは自分のコードに追加したいルーチンを宣言できます。

install_directory/rt_name/src ディレクトリには、適切なターゲットとともに、makefile も生成されます。make コマンドを使用すると、ソースコードを再コンパイルできます。また、make pkg コマンドを使用すると、リソースタイプパッケージを生成し直すことができます。

RTR ファイルは install_directory/rt_name/etc ディレクトリに置かれます。RTR ファイルは、普通のテキストエディタで編集できます。RTR ファイルについては 「リソースとリソースタイププロパティの設定」を、プロパティについては 付録 A 「標準プロパティ」をそれぞれ参照してください。