scconf(1M) コマンドを使用すると、定足数の管理手順をすべて実行できます。また、scsetup(1M) 対話型ユーティリティーや SunPlex Manager GUI を使用しても、いくつかの管理手順を実行できます。この章の管理手順は、可能な限り scsetup を使用して説明してあります。GUI を使用して定足数手順を実行する方法については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
定足数関連の scconf コマンドが中断または失敗すると、定足数の構成情報は、クラスタ構成データベースで矛盾することになります。この場合、コマンドを再度実行するか、reset オプションを指定して scconf を実行し、定足数の構成をリセットしてください。
scsetup コマンドは、scconf コマンドの対話的なインタフェースです。scsetup を実行すると、scconf コマンドが生成されます。これらのコマンドは、各説明の後にある例の中で示しています。
定足数の構成を表示できるコマンドには、scstat -q と scconf -p の 2 つがあります。この章の手順では、通常、scconf を使用していますが、scstat -q も使用できます。
表 5–1 作業リスト: 定足数の管理
タスク |
参照箇所 |
---|---|
定足数デバイスをクラスタに追加 - scsetup(1M) を使用します | |
定足数デバイスをクラスタから削除 - scsetup を使用して scconf を生成します。 | |
最後の定足数デバイスをクラスタから削除 - scsetup を使用して scconf を生成します。 | |
クラスタの定足数デバイスの交換 - 上記の追加および削除手順を使用します。 | |
定足数デバイスリストの変更 - 追加および削除手順を使用します。 | |
定足数デバイスを保守状態に変更 (保守状態にある場合、定足数デバイスは定足数確立の投票に参加しません。) - scsetup を使用して scconf を生成します。 | |
定足数構成をデフォルトの状態にリセット - scsetup を使用して scconf を生成します。 | |
定足数デバイスおよび投票数の一覧表示 - scconf(1M) を使用します |
クラスタ内の定足数デバイス上で動的再構成 (DR) を実行するときには、いくつかの問題を考慮する必要があります。
Solaris の DR 機能の説明で述べられているすべての必要条件、手順、制限は Sun Cluster の DR サポートにも適用されます (オペレーティング環境での休止操作をしない場合を除く)。したがって、Sun Cluster ソフトウェアで DR 機能を使用する前に、必ず、Solaris の DR 機能についての説明を参照してください。特に、DR Detach 操作中に、ネットワークに接続されていない入出力デバイスに影響する問題について確認してください。
Sun Cluster は、定足数デバイス用に構成されたインタフェースが存在する場合 DR 削除操作を実行できません。
DR 操作がアクティブなデバイスに影響する場合、Sun Cluster はその操作を拒否して、その操作から影響を受けるデバイスを識別します。
定足数デバイスを削除するには、次の手順をその順番どおりに行います。
表 5–2 Task Map: 定足数デバイスへの動的再構成
タスク |
参照箇所 |
---|---|
1. 削除する定足数デバイスと交換する、新しい定足数デバイスを有効に設定 | |
2. 削除する定足数デバイスを無効に設定 | |
3. 削除する定足数デバイス上で DR 削除操作を実行 |
「Solaris 8 on Sun Hardware」コレクションと「Solaris 9 on Sun Hardware」コレクションの『Sun Enterprise 10000 DR 構成マニュアル』と『Sun Enterprise 10000 Dynamic Reconfiguration リファレンスマニュアル』) |
この節では、定足数デバイスを追加する手順について説明します。クラスタに必要な定足数投票数を確認する方法、推奨される定足数構成、障害回避などについては、『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』の「定足数と定足数デバイス」を参照してください。
Sun Cluster は、2 種類の定足数デバイス、SCSI と Network Appliance (NetApp) NAS をサポートします。これらのデバイスを追加する方法については、次の節で説明しています。
これらの作業は、SunPlex Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
以下の作業で使用されているコマンドの詳細は、scsetup(1M) と scconf(1M) のマニュアルページを参照してください。
この手順を実行するには、ノードが共有するデバイス ID (DID) によりディスクドライブを確認します。scdidadm コマンドを使用して、DID 名の一覧を参照します。詳細については、scdidadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
クラスタ内の任意のノード上でスーパーユーザーになります。
scsetup ユーティリティーを起動します。
# scsetup |
scsetup のメインメニューが表示されます。
定足数のオプションに対応する番号を入力します。
「定足数メニュー」が表示されます。
定足数デバイスを追加するオプションに対応する番号を入力し、定足数デバイスを追加するかを確認するメッセージが表示されたら「yes」と入力します。
追加する定足数デバイスの種類を確認するメッセージが表示されます。
SCSI 定足数デバイスのオプションに対応する番号を入力します。
どの広域デバイスを使用するかを確認するメッセージが表示されます。
使用している広域デバイスを入力します。
指定した広域デバイスに新しい定足数デバイスを追加するか確認を求めるメッセージが表示されます。
「yes」と入力し、新しい定足数デバイスの追加を続行します。
新しい定足数デバイスが正常に追加されると、その影響についてのメッセージが表示されます。
定足数デバイスが追加されていることを確認します。
# scstat -q |
次の例は、SCSI 定足数デバイスを追加する際に scsetup コマンドによって生成される scconf コマンドと、検証ステップを示しています。
クラスタの任意のノード上でスーパーユーザーになる [scsetup ユーティリティーを実行する:] # scsetup 「定足数」を選択し、次に「定足数デバイスを追加する」を選択する. SCSI デバイスを選択する 使用している広域デバイスを入力する d20 「yes」と入力し、新しい定足数デバイスの追加を続行する yes [scconf コマンドが正常に終了したことを確認する:] scconf -a -q globaldev=d20 コマンドの実行が正常に終了しました scsetup の「定足数」メニューとメインメニューを終了する [定足数デバイスが追加されたことを確認する:] # scstat -q -- 定足数の概要 -- 可能な定足数投票数: 4 必要な定足数投票数: 3 現在の定足数投票数: 4 -- ノードによる定足数の投票数 -- ノード名 現在の数 可能な数 状態 --------- ------- -------- ------ ノードの投票数: phys-schost-1 1 1 Online ノードの投票数: phys-schost-2 1 1 Online -- デバイスによる定足数の投票数 -- デバイス名 現在の数 可能な数 状態 ----------- ------- -------- ------ デバイスの投票数: /dev/did/rdsk/d20s1 1 1 Online デバイスの投票数: /dev/did/rdsk/d20s2 1 1 Online |
次に、Network Appliance (NetApp) ネットワーク接続ストレージ (NAS) デバイスを定足数デバイスとして使用する場合の要件を示します。
NetApp の iSCSI ライセンスをインストールする必要があります。
クラスタ化されたファイラを定足数デバイスとして使用する場合は、そのファイラに iSCSI LUN を構成する必要があります。
時間の同期をとるために NTP を使用するには、NetApp NAS ユニットを構成する必要があります。
クラスタ化されたファイラに選択されている NTP サーバーのうち少なくとも 1 つは、Sun Cluster ノードの NTP サーバーでなければなりません。
クラスタを起動する場合は、常にクラスタノードを起動する前に NAS デバイスを起動する必要があります。
誤った順序でデバイスを起動すると、ノードは定足数デバイスを検出できません。このような状況でノードが停止した場合、クラスタはサービスに対応できなくなる可能性があります。このような状態が発生した場合は、クラスタ全体を起動し直すか、NetApp NAS 定足数デバイスを削除して追加し直す必要があります。
クラスタは、各 NAS デバイスを単一の定足数デバイスにしか使用できません。
定足数デバイスがさらに必要な場合は、ほかの共有ストレージを構成できます。同じ NAS デバイスを使用するほかのクラスタは、そのデバイスの別の LUN をそれらの定足数デバイスとして使用できます。
Network Appliance NAS デバイスと LUN の構築と設定については、以下の Network Appliance NAS マニュアルを参照してください。これらのマニュアルは、http://now.netapp.com で利用できます。
NAS デバイスの設定
『System Administration File Access Management Guide』
LUN の設定
『Host Cluster Tool for Unix Installation Guide』
ONTAP ソフトウェアのインストール
『Software Setup Guide』、『Upgrade Guide』
クラスタのボリュームのエクスポート
『Data ONTAP Storage Management Guide』
クラスタノードへの NAS サポートソフトウェアパッケージのインストール
http://now.netapp.com にログインし、「Software Download」ページから『Host Cluster Tool for Unix Installation Guide』をダウンロードしてください。
Sun Cluster 環境で NetApp NAS ストレージデバイスをインストールする方法については、Sun Cluster のマニュアル『Sun Cluster 3.1 With Network-Attached Storage Devices Manual for Solaris OS』を参照してください。
すべての Sun Cluster ノードがオンライン状態であり、クラスタ化された NetApp ファイラと通信が行えることを確認します。
クラスタ内の任意のノード上でスーパーユーザーになります。
scsetup ユーティリティーを起動します。
# scsetup |
scsetup のメインメニューが表示されます。
定足数のオプションに対応する番号を入力します。
「定足数メニュー」が表示されます。
定足数デバイスを追加するオプションに対応する番号を入力し、定足数デバイスを追加するかを確認するメッセージが表示されたら「yes」と入力します。
追加する定足数デバイスの種類を確認するメッセージが表示されます。
netapp_nas 定足数デバイスのオプションに対応する番号を入力し、netapp_nas 定足数デバイスを追加するかを確認するメッセージが表示されたら「yes」と入力します。
新しい定足数デバイスの名前を入力するようにメッセージが表示されます。
追加する定足数デバイスの名前を入力します。
定足数デバイスの名前は任意に選択できます。この名前は、今後の管理コマンドの処理だけに使用されるものです。
新しい定足数デバイスのファイラの名前を入力するようにメッセージが表示されます。
新しい定足数デバイスのファイラの名前を入力します。
この名前には、ネットワークアクセスが可能なファイラ名またはファイラのアドレスを指定してください。
ファイラの LUN ID を指定するようにメッセージが表示されます。
ファイラの定足数デバイス LUN の ID を入力します。
ファイラに新しい定足数デバイスを追加するか確認を求めるメッセージが表示されます。
「yes」と入力し、新しい定足数デバイスの追加を続行します。
新しい定足数デバイスが正常に追加されると、その影響についてのメッセージが表示されます。
定足数デバイスが追加されていることを確認します。
# scstat -q |
次の例は、NetApp NAS 定足数デバイスを追加する際に scsetup コマンドによって生成される scconf コマンドと、検証手順を示しています。
すべての Sun Cluster ノードがオンライン状態で、クラスタ化された NetApp ファイラと通信が可能であることを確認する クラスタの任意のノード上でスーパーユーザーになる [scsetup ユーティリティーを実行する:] # scsetup 「定足数」を選択し、次に「定足数デバイスを追加」を選択する. Netapp_nas 定足数デバイスを選択する 追加する定足数デバイスの名前を入力する qd1 新しい定足数デバイスのファイラの名前を入力する nas1.sun.com ファイラの定足数デバイス LUN の ID を入力する 0 「yes」と入力し、新しい定足数デバイスの追加を続行する yes [scconf コマンドが正常に終了したことを確認する:] scconf -a -q name=qd1,type-=netapp_nas,filer=nas1.sun.com,lun_id=0 コマンドは正常に完了しました。 >scsetup の「定足数」メニューとメインメニューを終了する [定足数デバイスが追加されたことを確認する:] # scstat -q -- 定足数の概要 -- 可能な定足数投票数: 5 必要な定足数投票数: 3 現在の定足数投票数: 5 -- ノードによる定足数の投票数 -- ノード名 現在の数 可能な数 状態 --------- ------- -------- ------ ノードの投票数: phys-schost-1 1 1 Online ノードの投票数: phys-schost-2 1 1 Online -- デバイスによる定足数の投票数 -- デバイス名 現在の数 可能な数 状態 ----------- ------- -------- ------ デバイスの投票数: qd1 1 1 Online デバイスの投票数: /dev/did/rdsk/d3s2 1 1 Online デバイスの投票数: /dev/did/rdsk/d4s2 1 1 Online |
この手順は、SunPlex Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
定足数デバイスを削除すると、そのデバイスは定足数確立の投票に参加できなくなります。2 ノードクラスタでは、定足数デバイスが少なくとも 1 つは構成されている必要があります。構成されているデバイスが、クラスタの最後の定足数デバイスの場合は、scconf(1M) は失敗してデバイスは構成から削除されません。
削除するデバイスがクラスタの最後の定足数デバイスの場合は、「クラスタから最後の定足数デバイスを削除する」の手順を参照してください。
クラスタ内にある任意のノード上でスーパーユーザーになります。
削除する定足数デバイスを判別します。
# scconf -pv | grep Quorum |
scsetup(1M) ユーティリティーを実行します。
# scsetup |
メインメニューが表示されます。
定足数のオプションに対応する番号を入力します。
定足数デバイスを削除するオプションに対応する番号を入力します。
削除プロセス中に表示される質問に答えます。
scsetup を終了します。
定足数デバイスが削除されたことを確認します。
# scstat -q |
次に、2 つ以上の定足数デバイスが構成されているクラスタから定足数デバイスを削除する例を示します。
任意のノード上でスーパーユーザーになり削除するノードを保守状態にする [[削除する定足数デバイスを判別する:] # scconf -pv | grep "定足数" [scsetup ユーティリティーを実行する:] # scsetup 「定足数」を選択し、次に「定足数ディスクを削除」を選択する. プロンプトが表示されたら答える [sconf コマンドが正常に終了したことを確認:] scconf -r -q globaldev=d4 コマンドは正常に完了しました。 「定足数」メニューとメインメニューを終了する [定足数デバイスが削除されたことを確認する:] # scstat -q -- 定足数の要約 -- 可能な定足数投票数: 3 必要な定足数投票数: 2 現在の定足数投票数: 3 -- ノードによる定足数の投票数 -- ノード名 現在の数 可能な数 状態 --------- ------- -------- ------ ノードの投票数: phys-schost-1 1 1 Online ノードの投票数: phys-schost-2 1 1 Online -- デバイスによる定足数の投票数 -- デバイス名 現在の数 可能な数 状態 ----------- ------- -------- ------ デバイスの投票数: /dev/did/rdsk/d3s2 1 1 Online |
削除するデバイスが、クラスタ内の最後の定足数デバイスではない場合は、先の手順「定足数デバイスを削除する」を使用してください。
2 ノードクラスタでは、定足数デバイスが少なくとも 1 つは構成されている必要があります。構成されているデバイスが、2 ノードクラスタの最後の定足数デバイスの場合は、scconf(1M) を使用して構成からデバイスを削除できるように、このクラスタをインストールモードにする必要があります。これは、クラスタからノードを削除する場合にだけ行います。
クラスタ内の任意のノードでスーパーユーザーになり、削除するノードを保守状態にします。
「ノードを保守状態にする」を参照してください。
クラスタをインストールモードにします。
# scconf -c -q installmode |
scconf コマンドを使用して定足数デバイスを削除します。
クラスタがインストールモードである場合、scsetup(1M) クラスタ管理メニューオプションは利用できません。
# scconf -r -q name=device |
定足数デバイスが削除されたことを確認します。
# scstat -q |
次に、クラスタ構成の最後の定足数デバイスを削除する例を示します。
[任意のノード上でスーパーユーザーになる] [クラスタをインストールモードにする:] # scconf -c -q installmode [定足数デバイスを削除する:] # scconf -r -q name=d3 [定足デバイスが削除されたことを確認する:] # scstat -q -- 定足数の概要 -- 可能な定足数投票数: 2 必要な定足数投票数: 2 現在の定足数投票数: 2 -- ノードによる定足数の投票数 -- ノード名 現在の数 可能な数 状態 --------- ------- -------- ------ ノードの投票数: phys-schost-1 1 1 Online ノードの投票数: phys-schost-2 1 1 Online -- デバイスによる定足数の投票数 -- デバイス名 現在の数 可能な数 状態 ----------- ------- -------- ------ |
この作業は、既存の定足数デバイスをほかの定足数デバイスに交換する場合に行います。定足数デバイスは、類似したデバイスタイプに交換することも (例: NAS デバイスをほかの NAS デバイスに置き換える)、あるいは類似点がないデバイスに交換することも (例: NAS デバイスを共有ディスクに置き換える) こともできます。
新しい定足数デバイスを構成します。
最初に、古いデバイスの代わりに、新しい定足数デバイスを構成に追加する必要があります。クラスタに新しい定足数デバイスを追加する方法は、「定足数デバイスの追加」を参照してください。
定足数デバイスとして交換するデバイスを削除します。
構成から古い定足数デバイスを削除する方法は、「定足数デバイスを削除する」を参照してください。
定足数デバイスが障害が発生したディスクである場合は、ディスクを取り替えます。
『Sun Cluster 3.0-3.1 Hardware Administration Manual for Solaris OS』で、使用しているディスク装置のハードウェア作業を参照してください。
scsetup(1M) ユーティリティーを使用すると、既存の定足数デバイスのノードリストにノードを追加したり、ノードリストからノードを削除できます。定足数デバイスのノードリストを変更するには、定足数デバイスを削除し、削除した定足数デバイスへのノードの物理的な接続を変更して、定足数デバイスをクラスタ構成に追加し直す必要があります。定足数デバイスを追加すると、scconf(1M) は自動的に、ディスクが接続されているすべてのノードについて、ノードからディスクへのパスを構成します。
クラスタ内の任意のノード上でスーパーユーザーになります。
変更したい定足数デバイスの名前を判別します。
# scconf -p | grep "定足数" |
scsetup ユーティリティーを実行します。
# scsetup |
メインメニューが表示されます。
定足数オプションに対応する番号を入力します。
「定足数メニュー」が表示されます。
定足数デバイスを削除するオプションに対応する番号を入力します。
指示に従います。削除するディスクの名前を問い合わせられます。
定足数デバイスへのノードの物理的な接続を追加または削除します。
定足数デバイスを追加するオプションに対応する番号を入力します。
指示に従います。定足数デバイスとして使用するディスクの名前を問い合わせられます。
定足数デバイスが追加されていることを確認します。
# scstat -q |
次に、scsetup ユーティリティーを使用して、定足数デバイスのノードリストにノードを追加したり、ノードリストからノードを削除する例を示します。この例では、定足数デバイスの名前は d2 であり、この手順の最終目的は別のノードを定足数デバイスのノードリストに追加することです。
[クラスタ内の任意のノードでスーパーユーザーになる ] [変更したい定足数デバイス名を判別する:] # scconf -p | grep Quorum 定足数デバイス: d2 定足数デバイス名: d2 定足数デバイス投票権: 1 有効な定足数デバイス: yes 定足数デバイス名: /dev/did/rdsk/d2s2 定足数デバイスのホスト(有効): phys-schost-1 phys-schost-2 定足数デバイスのホスト(無効): [ユーティリティーを実行する:] # scsetup 定足数オプションに対応する番号を入力 . 定足数デバイスを削除するオプションに対応する番号を入力 . プロンプトが表示されたら、質問に答える。 項目: 例: 定足数デバイス名 d2 [scconf コマンドが正常に終了したことを確認する:] scconf -r -q globaldev=d2 コマンドの実行が正常に終了しました。 定足数オプションに対応する番号を入力 . 定足数デバイスを追加するオプションに対応する番号を入力 プロンプトが表示されたら、質問に答える。 項目: 例: 定足数デバイス名 d2 [scconf コマンドが正常に終了したことを確認する:] scconf -a -q globaldev=d2 コマンドの実行が正常に終了しました。 scsetup ユーティリティーを終了する [正しいノードが定足数デバイスに接続されることを確認する。 この例では、ノード phys-schost-3 が有効ホストリストに追加されていることを確認する] # scconf -p | grep "定足数" 定足数デバイス: d2 定足数デバイス名: d2 定足数デバイス投票権: 2 有効な定足数デバイス: yes 定足数デバイス名: /dev/did/rdsk/d2s2 定足数デバイスホスト (有効): phys-schost-1 phys-schost-2 phys-schost-3 定足数デバイスホスト(無効): [変更した定足数デバイスがオンラインであることを確認する] # scstat -q -- デバイスによる定足数の投票数 -- デバイス名 現在の数 可能な数 状態 ----------- ------- -------- ------ デバイスの投票数: /dev/did/rdsk/d2s2 1 1 オンライン [定足数デバイスが削除されたことを確認する:] # scstat -q -- 定足数の概要 -- 可能な定足数投票数: 4 必要な定足数投票数: 3 現在の定足数投票数: 4 -- ノードによる定足数の投票数 -- ノード名 現在の数 可能な数 状態 --------- ------- -------- ------ ノードの投票数: phys-schost-1 1 1 Online ノードの投票数: phys-schost-2 1 1 Online -- デバイスによる定足数の投票数 -- デバイス名 現在の数 可能な数 状態 ----------- ------- -------- ------ デバイスの投票数: /dev/did/rdsk/d3s2 1 1 Online デバイスの投票数: /dev/did/rdsk/d4s2 1 1 Online |
定足数デバイスを保守状態にするには、scconf(1M) コマンドを使用する必要があります。現在、scsetup(1M) ユーティリティーにこの機能はありません。この手順は、SunPlex Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
サービスから定足数デバイスを長時間はずす場合は、その定足数デバイスを保守状態にします。定足数デバイスの定足数投票数 (quorum vote count) はゼロに設定されるため、そのデバイスが稼働中でも定足数確立の投票には参加しません。保守状態でも定足数デバイスの構成情報は保持されます。
2 ノードクラスタでは、定足数デバイスが少なくとも 1 つは構成されている必要があります。構成されているデバイスが 2 ノードクラスタの最後の定足数デバイスの場合は、scconf は失敗してデバイスは保守状態になりません。
クラスタノードを保守状態にする方法については、「ノードを保守状態にする」を参照してください。
クラスタ内の任意のノード上でスーパーユーザーになります。
定足数デバイスを保守状態にします。
# scconf -c -q name=device,maintstate |
scconf コマンドの変更フォームを指定します。
定足数オプションを管理します。
変更するディスクデバイスの DID 名 (d4 など) を指定します。
共有定足数デバイスを保守状態にします。
定足数デバイスが保守状態にあることを確認します。
保守状態にしたデバイスの出力は、定足数デバイスの投票数 (以下の例の Quorum device votes) がゼロになっていなければなりません。
# scconf -p | grep -i quorum |
次に、定足数デバイスを保守状態にし、結果を検証する例を示します。
# scconf -c -q name=d20,maintstate # scconf -p | grep -i 定足数 ノードの定足数投票数: 1 ノードの定足数投票数: 1 定足数デバイス: d20 定足数デバイス名: d20 定足数デバイス投票権: 0 有効な定足数デバイス: no 定足数デバイス名: /dev/did/rdsk/d20s2 定足数デバイスのホスト(有効): phys-schost-2 phys-schost-3 定足数デバイスのホスト(無効): |
定足数デバイスを有効にし直す方法については、「定足数デバイスを保守状態から戻す」を参照してください。
ノードを保守状態にする方法については、「ノードを保守状態にする」を参照してください。
この作業は、定足数デバイスが保守状態にある場合にその状態から定足数デバイスを戻して定足数投票数をデフォルトにリセットするときに実行します。
globaldev または node オプションのどちらも指定しない場合、定足数投票数はクラスタ全体でリセットされます。
定足数デバイスを構成する場合、Sun Cluster ソフトウェアは定足数デバイスに投票数として N-1 を割り当てます (N は定足数デバイスに結合された投票の数)。たとえば、2 つのノードに接続された、投票数がゼロ以外のクォーラムデバイスの投票数は 1 (2-1) になります。
クラスタノードと、そのクラスタノードに関係付けられた定足数デバイスを保守状態から戻す方法については、「ノードを保守状態から戻す」を参照してください。
定足数投票数の詳細については、『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』の「定足数投票数について」を参照してください。
クラスタ内の任意のノード上でスーパーユーザーになります。
定足数投票数をリセットします。
# scconf -c -q name=device,reset |
scconf コマンドの変更フォームを指定します。
定足数オプションを管理します。
リセットする定足数デバイスの DID 名 (d4 など) を指定します。
定足数をリセットする変更フラグです。
ノードが保守状態にあったために定足数投票数をリセットする場合は、このノードを再起動します。
定足数投票数を確認します。
# scconf -p | grep -i quorum |
次に、定足数デバイスの投票数をリセットしてデフォルト設定に戻し、結果を検証する例を示します。
# scconf -c -q name=d20,reset # scconf -p | grep -i "定足数" ノードの定足数投票数: 1 ノードの定足数投票数: 1 定足数デバイス: d20 定足数デバイス名: d20 定足数デバイス投票権: 1 有効な定足数デバイス: yes 定足数デバイス名: /dev/did/rdsk/d20s2 定足数デバイスのホスト: phys-schost-2 phys-schost-3 定足数デバイスのホスト(無効): |
この手順は、SunPlex Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
定足数構成を一覧表示するには、スーパーユーザーになる必要はありません。
定足数デバイスに対するノード接続の数を増減させる場合、定足数が自動的に再計算されることはありません。すべての定足数デバイスをいったん削除し、その後それらを構成に追加し直すと、正しい定足数が再設定されます。2 ノードクラスタの場合、定足数デバイスを取り外して、もとの定足数デバイスに戻す前に一時的に新しい定足数デバイスを追加します。次に一時的に追加した定足数デバイスを取り外します。
scconf(1M) を使用して、定足数構成を一覧表示します。
# scconf -p | grep -i quorum |
# scconf -p | grep “定足数” ノード定足数投票数: 1 ノード定足数投票数: 1 定足数デバイス: d20 定足数デバイス名: d20 定足数デバイス投票権: 1 有効な定足数デバイス: yes 定足数デバイス名: /dev/did/rdsk/d20s2 定足数デバイスのホスト(有効): phys-schost-2 phys-schost-3 定足数デバイスのホスト(無効): |
この作業は、動作が不正な定足数デバイスを交換する場合に行なってください。
定足数デバイスとして交換するディスクデバイスを削除します。
削除するデバイスが最後の定足数デバイスである場合は、必要に応じて初めにほかのディスクを新しい定足数デバイスとして追加してください。このような方法をとると、交換作業を行なっている間に障害が発生しても有効な定足数デバイスを確保できます。新しい定足数デバイスを追加する方法については、「定足数デバイスの追加」を参照してください。
定足数デバイスとしてのディスクデバイスを削除する方法については、「定足数デバイスを削除する」を参照してください。
ディスクデバイスを交換します。
ディスクデバイスを交換する方法については、『Sun Cluster 3.0-3.1 Hardware Administration Manual for Solaris OS』に記されたディスク装置のハードウェア作業の説明を参照してください。
交換したディスクを新しい定足数デバイスとして追加します。
ディスクを新しい定足数デバイスとして追加する方法については、「定足数デバイスの追加」を参照してください。
手順 1 で定足数デバイスを別途追加した場合は、デバイスを削除しても安全です。定足数デバイスを削除する方法については、「定足数デバイスを削除する」を参照してください。