Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)

第 4 章 SPARC: VERITAS Volume Manager をインストールして構成する

この章では、「ボリューム管理の計画」の計画情報に基づいて、VERITAS Volume Manager (VxVM) 用のローカルディスクと多重ホストディスクをインストールして構成する手順を示します。詳細については、VxVM のマニュアルを参照してください。

この章の内容は、次のとおりです。

SPARC: VxVM ソフトウェアのインストールと構成

この節では、VxVM ソフトウェアを Sun Cluster 構成上でインストール、構成するための情報と手順を紹介します。

次の表に、 Sun Cluster 構成用の VxVM ソフトウェアのインストールと構成において行う作業を示します。

表 4–1 SPARC: Task Map: VxVM ソフトウェアのインストールと構成

作業 

参照先 

1. VxVM 構成のレイアウトを計画 

「ボリューム管理の計画」

2. 各ノード上のルートディスクグループをどのように作成するかを決定VxVM 4.0 以降、ルートディスクグループの作成は任意です。 

「SPARC: ルートディスクグループの設定の概要」

3. VxVM ソフトウェアをインストール 

「SPARC: VERITAS Volume Manager ソフトウェアをインストールする」

VxVM インストールマニュアル 

4. 必要に応じて、ルートディスクグループを作成。ルートディスクをカプセル化しても、ルートディスクグループをローカルのルート以外のディスクに作成してもかまいません。 

「SPARC: ルートディスクをカプセル化する」

「SPARC: ルート以外のディスクにルートディスクグループを作成する」

5. (省略可能) カプセル化したルートディスクをミラー化 

「SPARC: カプセル化されたルートディスクをミラー化する」

6. ディスクグループを作成 

「SPARC: クラスタへのディスクグループの作成」

SPARC: ルートディスクグループの設定の概要

VxVM 4.0 以降、ルートディスクグループの作成は任意です。ルートディスクグループを作成する予定がない場合は、「SPARC: VERITAS Volume Manager ソフトウェアをインストールする」に進みます。

VxVM 3.5 では、 VxVM をインストールしたあとに、各クラスタノードでルートディスクグループを作成する必要があります。このルートディスクグループは、VxVM が構成情報を格納するときに使用され、次の制限があります。

Sun Cluster ソフトウェアでは、次のルートディスクグループの構成方法がサポートされています。

詳細については、 VxVM のインストールマニュアルを参照してください。

ProcedureSPARC: VERITAS Volume Manager ソフトウェアをインストールする

この手順では、VERITAS Volume Manager (VxVM) ソフトウェアをインストールするノードごとに実行して、VxVM をインストールします。VxVM は、クラスタのすべてのノードにインストールしても、VxVM が管理する記憶装置が物理的に接続されているノードだけにインストールしてもかまいません。

始める前に

次の作業を実行します。

手順
  1. VxVM をインストールするクラスタノードでスーパーユーザーになります。

  2. ノードの CD-ROM ドライブに VxVM CD-ROM を挿入します。

  3. VxVM 4.1 では、VxVM インストールマニュアルの手順に従って、VxVM のソフトウェアとライセンスをインストールして構成します。


    注 –

    VxVM 4.1 では、scvxinstall コマンドは VxVM のパッケージとライセンスのインストールを行わずに、必要なインストール後の作業を実行します。


  4. scvxinstall ユーティリティーを非対話式モードで実行します。

    • VxVM 4.0 以前では、次のコマンドを使用します。


      # scvxinstall -i -L {license | none}
      -i

      VxVM をインストールしますが、ルートディスクのカプセル化は行いません。

      -L {license | none}

      特定のライセンスをインストールします。none 引数は、ライセンスキーが追加されないことを指定します。

    • VxVM 4.1 では、次のコマンドを使用します。


      # scvxinstall -i
      
      -i

      VxVM 4.1 では、VxVM がインストールされているが、ルートディスクがカプセル化されていないことを確認します。

    scvxinstall ユーティリティーはまた、クラスタ規模の vxio ドライブメジャー番号を選択して構成します。詳細については、scvxinstall(1M) のマニュアルページを参照してください。

  5. VxVM クラスタ機能を有効にする予定の場合、クラスタ機能ライセンスキーを指定していない場合は、これを指定します。

    ライセンスの追加方法については、VxVM のマニュアルを参照してください。

  6. (省略可能) VxVM GUI をインストールします。

    VxVM GUI のインストールの詳細については、VxVM のマニュアルを参照してください。

  7. CD-ROM を取り出します。

  8. すべての VxVM パッチをインストールします。

    パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 8/05 ご使用にあたって (Solaris OS 版)』「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。

  9. (省略可能) VxVM 4.0 以前では、VxVM のマニュアルページをクラスタノードに置かない場合、マニュアルページパッケージを削除します。


    # pkgrm VRTSvmman
    
  10. 手順 1 から 手順 9 までを繰り返して、VxVM を追加のノードにインストールします。


    注 –

    VxVM クラスタ機能を有効にする予定の場合は、クラスタ内にあるすべてのノードに VxVM をインストールする必要があります。


  11. VxVM で 1 つ以上のノードをインストールしない場合は、VxVM 以外の各ノード上で/etc/name_to_major ファイルを変更します。

    1. VxVM をインストールしたノード上で、vxio メジャー番号の設定を調べます。


      # grep vxio /etc/name_to_major
      
    2. VxVM をインストールしないノードでスーパーユーザーになります。

    3. /etc/name_to_major ファイルを編集して、vxio メジャー番号を NNN (手順 a で調べた番号) に設定するエントリを追加します。


      # vi /etc/name_to_major
      vxio NNN
      
    4. vxio エントリを初期化します。


      # drvconfig -b -i vxio -m NNN
      
    5. VxVM をインストールしないほかのすべてのノードで、手順 a から手順 d までを繰り返します。

      この作業が終了したとき、クラスタ内にある各ノードで /etc/name_to_major ファイルの vxio エントリが同じである必要があります。

  12. ルートディスクグループを作成する場合は、「SPARC: ルートディスクをカプセル化する」または 「SPARC: ルート以外のディスクにルートディスクグループを作成する」に進みます。

    それ以外の場合は、手順 13 に進みます。


    注 –

    VxVM 3.5 では、ルートディスクグループを作成する必要があります。VxVM 4.0 以降では、ルートディスクグループの作成は任意です。


  13. VxVM をインストールした各ノードを再起動します。


    # shutdown -g0 -y -i6
    
次の手順

ルートディスクグループを作成する場合は、「SPARC: ルートディスクをカプセル化する」または 「SPARC: ルート以外のディスクにルートディスクグループを作成する」に進みます。

それ以外の場合は、ディスクグループを作成します。「SPARC: クラスタへのディスクグループの作成」に進みます。

ProcedureSPARC: ルートディスクをカプセル化する

この手順は、ルートディスクをカプセル化することによって、ルートディスクグループを作成するときに実行します。VxVM 3.5 では、ルートディスクは必須です。VxVM 4.0 以降では、ルートディスクグループは任意です。詳細については、 VxVM のマニュアルを参照してください。


注 –

ルートディスクグループをルート以外のディスクに作成する場合は、代わりに、「SPARC: ルート以外のディスクにルートディスクグループを作成する」の手順を実行します。


始める前に

「SPARC: VERITAS Volume Manager ソフトウェアをインストールする」で説明されているとおりに、VxVM をインストールしていることを確認します。

手順
  1. VxVM をインストールしたノードでスーパーユーザーになります。

  2. ルートディスクをカプセル化します。


    # scvxinstall -e
    
    -e

    ルートディスクをカプセル化します。

    詳細については、scvxinstall(1M) のマニュアルページを参照してください。

  3. この作業を、VxVM をインストールしたほかの各ノードで繰り返します。

次の手順

カプセル化したルートディスクをミラー化する場合は、 「SPARC: カプセル化されたルートディスクをミラー化する」に進みます。

それ以外の場合は、「SPARC: クラスタへのディスクグループの作成」に進みます。

ProcedureSPARC: ルート以外のディスクにルートディスクグループを作成する

次の手順で、ローカルのルート以外のディスクをカプセル化または初期化することによってルートディスクグループを作成します。VxVM 4.0 以降、ルートディスクグループの作成は任意です。


注 –

ルートディスクグループをルートディスクに作成する場合は、代わりに、「SPARC: ルートディスクをカプセル化する」の手順を実行します。


始める前に

ディスクをカプセル化する場合は、各ディスクに 0 シリンダのスライスが少なくとも 2 つあることを確認します。必要に応じて、format(1M) コマンドを使用して、各 VxVM スライスに 0 シリンダを割り当てます。

手順
  1. ノードのスーパーユーザーになります。

  2. vxinstall ユーティリティーを起動します。


    # vxinstall
    

    プロンプトが表示されたら、次のようにします。

    • VxVM クラスタ機能を有効にする場合は、クラスタ機能のライセンスキーを指定します。

    • Custom Installation を選択します。

    • 起動ディスクはカプセル化しません。

    • ルートディスクグループに追加する任意のディスクを選択します。

    • 自動再起動は行いません。

  3. 作成したルートディスクグループに、複数のノードに接続する 1 つ以上のディスクがある場合は、localonly プロパティーを有効にします。

    以下のコマンドを使用して、ルートディスクグループ内の共有ディスクごとに localonly プロパティーを有効にします。


    # scconf -c -D name=dsk/dN,localonly=true
    

    localonly プロパティーが有効になった時点で、raw ディスクデバイスグループはそのノードリスト内のノードだけに使用されるようになります。これにより、ルートディスクグループが使用しているディスクが複数のノードに接続されている場合に、不意にノードがそのディスクから使用できなくなる状態を防止できます。

    localonly プロパティーの詳細については、scconf_dg_rawdisk(1M) のマニュアルページを参照してください。

  4. ノードからリソースグループとデバイスグループを移動します。


    # scswitch -S -h from-node
    
    -S

    すべてのリソースグループとデバイスグループを退避させます。

    -h from-node

    リソースグループまたはデバイスグループを移動させるノード名を指定します。

  5. ノードを再起動します。


    # shutdown -g0 -y -i6
    
  6. vxdiskadm コマンドを使用してルートディスクグループに多重ディスクを追加します。

    多重ディスクがあると、ルートディスクグループはディスク障害に対処しやすくなります。手順については、VxVM のマニュアルを参照してください。

次の手順

ディスクグループを作成します。「SPARC: クラスタへのディスクグループの作成」に進みます。

ProcedureSPARC: カプセル化されたルートディスクをミラー化する

VxVM をインストールしてルートディスクをカプセル化した後で、カプセル化されたルートディスクをミラー化するノードごとにこの作業を行なってください。

始める前に

「SPARC: ルートディスクをカプセル化する」で説明されているとおりに、ルートディスクをカプセル化していることを確認します。

手順
  1. カプセル化したルートディスクをミラー化します。

    VxVM のマニュアルの手順に従います。可用性を最大限に高め、管理を容易にするには、ローカルディスクをミラーとして使用してください。詳細なガイドラインについては、「ルートディスクのミラー化」を参照してください。


    注意 – 注意 –

    ルートディスクのミラー化に定足数デバイスを使用することは避けてください。ルートディスクのミラー化に定足数デバイスを使用すると、一定の条件下でルートディスクミラーからノードを起動できない可能性があります。


  2. DID マッピングを表示します。


    # scdidadm -L
    
  3. DID マッピングで、ルートディスクのミラー化に使用されているディスクを確認します。

  4. ルートディスクミラーのデバイス ID 名から raw ディスクデバイスグループ名を特定します。

    raw ディスクデバイスグループの名前は、dsk/dN という規則に従っています (N は番号)。次の scdidadm の出力例で、強調表示されているのが raw ディスクデバイスグループ名です。


    N         node:/dev/rdsk/cNtXdY     /dev/did/rdsk/dN
    
  5. raw ディスクデバイスグループのノードリストを表示します。

    出力は次のようになります。


    # scconf -pvv | grep dsk/dN
    Device group name:						dsk/dN
    …
     (dsk/dN) Device group node list:		phys-schost-1, phys-schost-3
    …
  6. ノードリストに複数のノード名が含まれる場合、ルートディスクをミラー化したノードを除くすべてのノードをノードリストから削除します。

    ルートディスクをミラー化したノードだけが raw ディスクデバイスグループのノードリストに残るはずです。


    # scconf -r -D name=dsk/dN,nodelist=node
    
    -D name=dsk/dN

    raw ディスクデバイスグループのクラスタ固有の名前を指定します。

    nodelist=node

    ノードリストから削除するノードの名前を指定します。

  7. raw ディスクデバイスグループの localonly プロパティーを有効にします。

    localonly プロパティーが有効になった時点で、raw ディスクデバイスグループはそのノードリスト内のノードだけに使用されるようになります。これにより、起動デバイスが複数のノードに接続されている場合に、不意にノードがその起動デバイスから使用できなくなることが防止されます。


    # scconf -c -D name=dsk/dN,localonly=true
    

    localonly プロパティーの詳細については、scconf_dg_rawdisk(1M) のマニュアルページを参照してください。

  8. カプセル化されたルートディスクをミラー化するクラスタノードごとにこの作業を繰り返します。


例 4–1 SPARC: カプセル化したルートディスクのミラー化

次の例は、ノード phys-schost-1 のルートディスクに作成されたミラーを示しています。このミラーは、ディスク c1t1d0 (raw ディスクデバイスグループ名は dsk/d2 ) で作成されています。ディスク c1t1d0 は多重ホストディスクであるため、ノード phys-schost-3 がディスクのノードリストから削除され、localonly プロパティーが有効に設定されています。


(DID マッピングを表示します)
# scdidadm -L 
…
2        phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t1d0 /dev/did/rdsk/d2   
2        phys-schost-3:/dev/rdsk/c1t1d0 /dev/did/rdsk/d2   
…
 
(ミラーディスクの raw ディスクデバイスグループのノードリストを表示します)
# scconf -pvv | grep dsk/d2
Device group name:						dsk/d2
…
  (dsk/d2) Device group node list:		phys-schost-1, phys-schost-3
…
 
(ノードリストから phys-schost-3 を削除します)
# scconf -r -D name=dsk/d2,nodelist=phys-schost-3
  
(localonly プロパティーを有効にします)
# scconf -c -D name=dsk/d2,localonly=true

次の手順

ディスクグループを作成します。「SPARC: クラスタへのディスクグループの作成」に進みます。

SPARC: クラスタへのディスクグループの作成

この節では、VxVM ディスクグループをクラスタに作成する方法について説明します。

次の表に、VxVM ディスクグループを Sun Cluster 構成用に作成するときに実行する作業を示します。

表 4–2 SPARC: Task Map: VxVM ディスクグループの作成

作業 

参照先 

1. ディスクグループとボリュームを作成 

「SPARC: ディスクグループの作成と登録を行う」

2. 必要であれば、新しいマイナー番号を割り当ててディスクデバイスグループ間のマイナー番号の衝突を解決 

「SPARC: ディスクデバイスグループに新しいマイナー番号を割り当てる」

3. ディスクグループとボリュームを確認 

「SPARC: ディスクグループの構成を確認する」

ProcedureSPARC: ディスクグループの作成と登録を行う

次の手順で、VxVM ディスクグループとボリュームを作成します。


注 –

ディスクグループをディスクデバイスグループとしてクラスタに登録した後には、VxVM コマンドを使用してVxVM ディスクグループをインポートまたはデポートしないでください。ディスクグループのインポートやデポートは、すべて Sun Cluster ソフトウェアで処理できます。Sun Cluster ディスクデバイスグループを管理する手順については、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』「ディスクデバイスグループの管理」を参照してください。


この手順は、追加するディスクグループを構成するディスクに物理的に接続されているノードから実行します。

始める前に

次の作業を実行します。

手順
  1. ディスクグループを所有するノードでスーパーユーザーになります。

  2. VxVM ディスクグループとボリュームを作成します。

    Oracle Real Application Clusters をインストールしている場合は、『VERITAS Volume Manager Administrator's Reference Guide』で説明されているとおりに、VxVM のクラスタ機能を使用して、共有 VxVM ディスクグループを作成します。このソフトウェアをインストールしない場合は、VxVM のマニュアルで説明されている標準の手順を使用して VxVM ディスクグループを作成してください。


    注 –

    ダーティーリージョンログ (DRL) を使用すると、ノードに障害が発生した場合のボリューム回復時間を短縮できます。ただし、DRL を使用すると I/O スループットが低下することがあります。


  3. VxVM クラスタ機能が有効に設定されていない場合は、ディスクグループを Sun Cluster ディスクデバイスグループとして登録してください。

    VxVM クラスタ機能が有効に設定されている場合は、共有ディスクグループを Sun Cluster ディスクデバイスグループとして登録しないでください。代わりに、「SPARC: ディスクグループの構成を確認する」に進みます。

    1. scsetup(1M) ユーティリティーを起動します。


      # scsetup
      
    2. メニュー項目「Device groups and volumes」を選択します。

    3. メニュー項目「Register a VxVM disk group」を選択します。

    4. 指示に従って、Sun Cluster ディスクデバイスグループとして登録する VxVM ディスクグループを指定します。

    5. 完了後 scsetup ユーティリティーを終了します。

    6. ディスクデバイスグループが登録されたことを確認します。

      次のコマンドを実行して表示される新しいディスクのディスクデバイス情報を検索します。


      # scstat -D
      
次の手順

「SPARC: ディスクグループの構成を確認する」に進みます。

注意事項

デバイスグループの登録の失敗 – ディスクデバイスグループを登録するときに、scconf: Failed to add device group - in use というエラーメッセージが表示された場合は、そのディスクデバイスグループに新しいマイナー番号を割り当てます。「SPARC: ディスクデバイスグループに新しいマイナー番号を割り当てる」の手順を使用します。この手順を使用すると、既存のディスクデバイスグループが使用しているマイナー番号とは衝突しない、新しいマイナー番号を割り当てることができます。

スタックオーバーフロー –ディスクデバイスグループをオンラインにするときに、スタックオーバーフローが発生した場合、スレッドスタックサイズのデフォルト値が十分でない可能性があります。各ノードで、/etc/system ファイルに set cl_comm:rm_thread_stacksize=0xsize というエントリを追加します (size はデフォルト値 8000 よりも大きな数です)。

構成の変更 – VxVM ディスクグループまたはボリュームに関する構成情報を変更した場合は、scsetup ユーティリティーを使用して、構成の変更を登録する必要があります。登録が必要な構成変更とは、ボリュームの追加または削除や、既存ボリュームのグループ、所有者、またはアクセス権の変更です。構成の変更をディスクデバイスグループに登録する手順については、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』「ディスクデバイスグループの管理」を参照してください。

ProcedureSPARC: ディスクデバイスグループに新しいマイナー番号を割り当てる

マイナー番号が他のディスクグループと衝突してディスクデバイスグループの登録が失敗する場合、新しいディスクグループに未使用の新しいマイナー番号を割り当てる必要があります。この作業を実行して、ディスクグループにマイナー番号を割り当てなおしてください。

手順
  1. 各クラスタのノードのスーパーユーザーになります。

  2. 使用中のマイナー番号を確認します。


    # ls -l /global/.devices/node@1/dev/vx/dsk/*
    
  3. 1000 の倍数で使用されていない値を、ディスクグループのベースとなるマイナー番号として選択します。

  4. ディスクグループにベースとなるマイナー番号を割り当てます。


    # vxdg reminor diskgroup base-minor-number
    

例 4–2 SPARC: ディスクデバイスグループに新しいマイナー番号を割り当てる

次の例では、マイナー番号 16000 から 16002 と 4000 から 4001 を使用しています。この vxdg reminor コマンドは、新しいディスクデバイスグループに、5000 をベースとするマイナー番号を割り当てます。


# ls -l /global/.devices/node@1/dev/vx/dsk/*
/global/.devices/node@1/dev/vx/dsk/dg1
brw-------   1 root     root      56,16000 Oct  7 11:32 dg1v1
brw-------   1 root     root      56,16001 Oct  7 11:32 dg1v2
brw-------   1 root     root      56,16002 Oct  7 11:32 dg1v3
 
/global/.devices/node@1/dev/vx/dsk/dg2
brw-------   1 root     root      56,4000 Oct  7 11:32 dg2v1
brw-------   1 root     root      56,4001 Oct  7 11:32 dg2v2
# vxdg reminor dg3 5000

次の手順

このディスクグループを Sun Cluster ディスクデバイスグループとして登録します。「SPARC: ディスクグループの作成と登録を行う」に進みます。

ProcedureSPARC: ディスクグループの構成を確認する

この作業はクラスタの各ノード上で行なってください。

手順
  1. ルートディスクグループにローカルディスクだけが含まれていること、およびディスクグループが現在の主ノードだけにインポートされていることを確認します。


    # vxdisk list
    
  2. すべてのボリュームが起動していることを確認します。


    # vxprint
    
  3. すべてのディスクデバイスグループが Sun Cluster ディスクデバイスグループとして登録されており、オンラインであることを確認します。


    # scstat -D
    
次の手順

「クラスタの構成」に進みます。

SPARC: ルートディスクのカプセル化の解除

この節では、Sun Cluster 構成のルートディスクのカプセル化を解除する方法について説明します。

ProcedureSPARC: ルートディスクのカプセル化を解除する

この作業は、ルートディスクのカプセル化を解除する場合に行なってください。

始める前に

次の作業を実行します。

手順
  1. カプセル化を解除するノード上でスーパーユーザーになります。

  2. すべてのリソースグループとデバイスグループをノードから移動させます。


    # scswitch -S -h from-node
    
    -S

    すべてのリソースグループとデバイスグループを退避させます。

    -h from-node

    リソースグループまたはデバイスグループを移動させるノード名を指定します。

  3. ノード ID 番号を確認します。


    # clinfo -n
    
  4. このノードの広域デバイスファイルシステムのマウントを解除します (N は、手順 3 で戻されたノード ID 番号です)。


    # umount /global/.devices/node@N
    
  5. /etc/vfstab ファイルを表示し、どの VxVM ボリュームが広域デバイスファイルシステムに対応しているかを確認します。


    # vi /etc/vfstab
    #device        device        mount    FS     fsck    mount    mount
    #to mount      to fsck       point    type   pass    at boot  options
    #
    #NOTE: volume rootdiskxNvol (/global/.devices/node@N) encapsulated 
    #partition cNtXdYsZ
    
  6. ルートディスクグループから、広域デバイスファイルシステムに対応する VxVM ボリュームを削除します。


    # vxedit -g rootdiskgroup -rf rm rootdiskxNvol
    

    注意 – 注意 –

    広域デバイスファイルシステムには、広域デバイス用のデバイスエントリ以外のデータを格納しないでください。VxVM ボリュームを削除すると、広域デバイスファイルシステム内のデータはすべて削除されます。ルートディスクのカプセル化を解除した後は、広域デバイスエントリに関連するデータだけが復元されます。


  7. ルートディスクのカプセル化を解除します。


    注 –

    コマンドからのシャットダウン要求を受け付けないでください



    # /etc/vx/bin/vxunroot
    

    詳細については、VxVM のマニュアルを参照してください。

  8. format(1M) コマンドを使用して、512M バイトのパーティションをルートディスクに追加して、広域デバイスファイルシステム用に使用できるようにします。


    ヒント –

    /etc/vfstab ファイルに指定されているように、ルートディスクのカプセル化の解除が行われる前に広域デバイスファイルシステムに割り当てられたものと同じスライスを使用してください。


  9. 手順 8 で作成したパーティションにファイルシステムを設定します。


    # newfs /dev/rdsk/cNtXdYsZ
    
  10. ルートディスクの DID 名を確認します。


    # scdidadm -l cNtXdY
    1        phys-schost-1:/dev/rdsk/cNtXdY   /dev/did/rdsk/dN 
    
  11. /etc/vfstab ファイルで、広域デバイスファイルシステムのエントリにあるパス名を、手順 10 で特定した DID パスに置き換えます。

    元のエントリの例を次に示します。


    # vi /etc/vfstab
    /dev/vx/dsk/rootdiskxNvol /dev/vx/rdsk/rootdiskxNvol /global/.devices/node@N ufs 2 no global

    DID パスを使用する変更後のエントリの例を次に示します。


    /dev/did/dsk/dNsX /dev/did/rdsk/dNsX /global/.devices/node@N ufs 2 no global
  12. 広域デバイスファイルシステムをマウントします。


    # mount /global/.devices/node@N
    
  13. クラスタの任意のノードから、任意の raw ディスクと Solstice DiskSuite または Solaris Volume Manager デバイス用のデバイスノードを使用して広域デバイスファイルシステムを生成し直します。


    # scgdevs
    

    次の再起動時に VxVM デバイスが作成し直されます。

  14. ノードを再起動します。


    # reboot
    
  15. クラスタの各ノードでこの手順を繰り返し、それらのノードのルートディスクのカプセル化を解除します。