この節では、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』内の記述の誤りと漏れについて説明します。
『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の「データサービスソフトウェアパッケージをインストールする (pkgadd)」には、Solaris 10 上で稼働するクラスタに Sun Java System データサービスをインストールする方法が説明されています。この手順では、pkgadd -G コマンドを使用し、これらのデータサービスを大域ゾーンにだけインストールします。-G オプションを指定すると、既存の非大域ゾーン、またはあとから作成される非大域ゾーンにパッケージに関連したファイルが作成されることがありません。
システムに非大域ゾーンが含まれる場合は、一部の Sun Java Enterprise System (Java ES) アプリケーションと Java ES コンポーネントがサポートされない可能性があります。この制限は、インストールの時点で非大域ゾーンが存在するか、あるいは非大域ゾーンがあとから構成される場合に適用されます。pkgadd -G コマンドを使用してこのようなアプリケーション用のデータサービスをインストールしても、この制限は無効になりません。Java ES アプリケーションが非大域ゾーンと共存できない場合は、非大域ゾーンが存在するクラスタ上でそのアプリケーションのデータサービスを使用することはできません。
Solaris ゾーンの Java ES サポートについては、『Sun Java Enterprise System 2005Q5 Installation Guide』の「Solaris 10 Zones」を参照してください。
『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の「ノードの追加後に SCSI 予約を更新する」の手順を説明どおりに実行すると、ノードがパニック状態になる可能性があります。この手順を実行する際にノードパニックを防ぐには、定足数デバイスを削除したあと、新しい定足数デバイスを構成する前に、scgdevs コマンドを実行します。
『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の第 5 章「Sun Cluster ソフトウェアのアップグレード」で、アップグレードのガイドラインと手順の説明内に Solaris 10 OS の最初の更新リリースとして Solaris 10 10/05 と記載されています。このリリース日付は正しくありません。この文書の公開時点では、Solaris 10 OS の最初の更新バージョンがリリースされる日は不明です。また、この将来のリリースに対するアップグレードのサポートもまだ決定されていません。今後公開される Solaris 10 リリースへのアップグレードに対するサポートについては、ご購入先に問い合わせてください。
Java ES アプリケーションバイナリは、クラスタノードごとにインストールする代わりにクラスタファイルシステム上にインストールすることができます。Solaris 10 クラスタ構成では、pkgadd を使用してデータサービス (エージェント) をインストールする場合は、pkgadd によってアプリケーションに必要な Java ES 共有コンポーネントも手動でインストールする必要があります。
各 Java ES アプリケーションに必要な共有コンポーネントの一覧と、各共有コンポーネント製品のパッケージ一覧については、『Sun Java Enterprise System 2005Q5 Installation Guide』を参照してください。
『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の「ローリング以外の アップグレードの前に依存ソフトウェアをアップグレードする」と『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の「ローリングアップグレードの前に依存ソフトウェアをアップグレードする」に 2 つの共有コンポーネントについてバージョンレベルを確認する方法が説明されていますが、この説明に誤りがあります。
(誤)
# patchadd -p | grep 114016 |
(正)
# showrev -p | grep 114016 |
(誤)
# pkginfo -l SUNWexplo | grep SUNW_PRODVERS |
(正)
# pkginfo -l SUNWexplo | grep VERSION |
ローリングアップグレードは、今後の Sun Cluster ソフトウェアでサポートされなくなる可能性があります。その場合には、ソフトウェアのアップグレード中に Sun Cluster の停止を制限するほかの手順が用意される予定です。