Sybase ASE データベースアクセスの構成と Sybase ASE データベース環境の作成には、次の作業が含まれます。
使用するボリュームマネージャーで Sybase ASE データベースアクセスを構成します。
Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager を使用する場合は、「Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager で Sybase ASE データベースアクセスを構成する」を参照してください。
VERITAS Volume Manager (VxVM) を使用する場合は、「VERITAS Volume Manager で Sybase ASE データベースアクセスを構成する」を参照してください。
Sybase ASE データベース環境の作成
Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアが使用するディスクデバイスを構成します。
Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager を構成する方法については、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』を参照してください。
データベースを raw デバイスに格納する場合は、次のコマンドを実行して各 raw ミラー化メタデバイスの所有者、グループ、モードを変更します。
raw デバイスを使用しない場合は、次の各手順を実行しないでください。
raw デバイスを作成する場合は、Sybase ASE リソースグループをマスターできる各ノードのデバイスごとに、次のコマンドを実行します。
# chown sybase /dev/md/metaset/rdsk/dn # chgrp dba /dev/md/metaset/rdsk/dn # chmod 600 /dev/md/metaset/rdsk/dn |
ディスクセットの名前を指定します。
metaset ディスクセット内の raw ディスクデバイスの名前を指定します。
変更が有効になっているか確認します。
# ls -lL /dev/md/metaset/rdsk/dn |
「Sybase ASE データベース環境を作成する」に進みます。
VxVM ソフトウェアが使用するディスクデバイスを構成します。
VERITAS Volume Manager を構成する方法については、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』を参照してください。
データベースを raw デバイスに格納する場合は、現在のディスク-グループ主ノードで次のコマンドを実行して各デバイスの所有者、グループ、モードを変更します。
raw デバイスを使用しない場合は、次の各手順を実行しないでください。
raw デバイスを作成する場合は、raw デバイスごとに次のコマンドを実行します。
# vxedit -g diskgroup set user=sybase group=dba mode=0600 volume |
リソースグループの名前を指定します。どのような名前でもかまいませんが、クラスタ内のリソースグループごとに一意である必要があります。
潜在マスターを識別するための物理ノード名または ID をコンマで区切って指定します (省略可能)。フェイルオーバー時、ノードはこのリスト内の順番に従ってプライマリとして判別されます。
変更が有効になっているか確認します。
# ls -lL /dev/vx/rdsk/diskgroup/volume |
ディスクデバイスグループをクラスタに再登録して、クラスタ内での VxVM 名前空間の整合性を確保します。
# scconf -c -D name=diskgroup |
「Sybase ASE データベース環境を作成する」に進みます。
Sybase ASE データベース環境は、次のサーバーから構成されます。
データサーバー
バックアップサーバー
モニターサーバー
テキストサーバー
XP サーバー
Sybase ASE データベース環境の作成には、次の作業が含まれます。
次の作業を完成していることを確認してください。
可用性の高い IP アドレスと名前 (つまり、インストール時に動作するネットワークリソース) を確立します。
可用性の高いローカルファイルシステムまたはクラスタファイルシステムにあるすべての Sybase ASE デバイス (マスターデバイスやシステムデバイスを含む) へのデバイスパスを見つけます。これらのデバイスパスを次のいずれかのファイルタイプとして構成します。
通常のファイル
RAW デバイス
Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアまたは VxVM ソフトウェアが管理するファイル
クラスタファイルシステムまたはローカルファイルシステムのどちらかで、Sybase ASE サーバーのログを見つけます。
Sybase ASE システム管理者アカウント用のパスワードを正しく指定していることを確認します。
Sun Cluster HA for Sybase ASE は、モニターサーバーを起動して監視できる必要があります。この要件を満たすために、Sybase ASE システム管理者アカウント (sa) 用のパスワードを RUN_monitor-server ファイルに正しく指定していることを確認します。monitor-server は Sybase ASE モニターサーバーの名前です。この名前は、Sybase ASE のインストール時に定義します。詳細は、Sybase ASE のマニュアルを参照してください。
必要なパスワードを RUN_monitor-server ファイルに設定していない場合、 Sun Cluster HA for Sybase ASE データサービスはモニターサービスを起動できません。sa アカウント用のパスワードを設定していない場合、RUN_monitor-server ファイルを編集する必要はありません。
クラスタ用の interfaces ファイルを作成します。
interfaces ファイルは、クラスタ全体で 1 つしか存在できません。このファイルは $SYBASE ディレクトリに含まれています。ノードごとにファイルのコピーを保持する場合は、ファイルの内容が同一でなければなりません。
Sybase ASE サーバーに接続するクライアントはすべて、Sybase OpenClient のライブラリとユーティリティーに接続します。Sybase ASE ソフトウェアを構成するときには、interfaces ファイルに、ネットワークリソースとさまざまなポートの情報を入力します。すべてのクライアントはこの接続情報を使用して、Sybase ASE サーバーに接続します。
GUI ベースのユーティリティー srvbuild を実行して、Sybase ASE データベースを作成します。
このユーティリティーは、$SYBASE/ASE_major-version /bin ディレクトリにあります。major-version は、使用している Sybase ASE のメジャーバージョンです。たとえば、Sybase ASE バージョン 12.5.1 を使用している場合、major-version は 12-5 です。
srvbuild ユーティリティーについては、Sybase ASE のマニュアル『Installing Sybase Adaptive Server Enterprise on Sun Solaris 2.x (SPARC)』を参照してください。
データベースが正しくインストールされていることを確認するために、すべてのサーバーが正しく起動するか確認します。
ps(1) コマンドを実行して、すべてのサーバーの動作を確認します。Sybase ASE サーバーログは、発生したすべてのエラーを記録します。
Sybase ASE システム管理者アカウント用のパスワードを設定します。
sa ログインパスワードを変更する方法についての詳細は、『Sybase Adaptive Server Enterprise System Administration Guide』を参照してください。
障害監視用の新しい Sybase ASE アカウントを作成します。
障害モニターは、このアカウントを使って次の作業を行うことができます。
システムテーブルの照会をサポートします。
ユーザーテーブルを作成または更新します。
この目的で sa アカウントを使用することは避けてください。
次の例に、障害監視用の新しい Sybase ASE アカウントを作成する方法を示します。
# isql -Usa -Psybase -Sasedb 1> use master 2> go 1> create database sc3xdb 2>go 1> sp_addlogin dbmon, dbmonp, sc3xdb 2> go 1> use sc3xdb 2> go 1> sp_changedbowner dbmon 2> go 1> sp_modifylogin dbmon, defdb, sc3xdb 2> go 1> exit |
詳細は、『「Sun Cluster HA for Sybase ASE 障害モニターの調整」』を参照してください。
停止ファイルで sa パスワードを変更します。
停止ファイルには sa パスワードが入っているため、このファイルは適切なアクセス権で保護し、システム管理者が選択したディレクトリに格納してください。停止ファイルを読み取り、書き込み、および実行できるのは、sybase ユーザーだけにします。
停止ファイルについての詳細は、「Sun Cluster HA for Sybase ASE のセキュリティーの問題」を参照してください。
Sybase ASE データベース環境を作成したあとは、「Sun Cluster HA for Sybase ASE パッケージのインストール」に進みます。