Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理

Hitachi TrueCopy デバイスグループの状態を検証する

検証のため、Sun Cluster Geographic Edition は各 Hitachi TrueCopy デバイスグループに、そのペアの現在の状態に従った状態を与えます。この状態は、pairvolchk -g <DG> -ss コマンドで返されます。

この節の残りの部分では、個々のデバイスグループ状態と、保護グループのローカルな役割に照らしてこれらの状態を検証する方法について説明します。

個々の Hitachi TrueCopy デバイスグループの状態の判断

個々の Hitachi TrueCopy デバイスグループは、次に示す状態のいずれかになります。

特定のデバイスグループの状態を判断するには、pairvolchk -g <DG> -ss コマンドで返される値を使用します。次の表に、pairvolchk コマンドで返される値に関連付けられたデバイスグループ状態を示します。

表 10–1 個々の Hitachi TrueCopy デバイスグループ状態

pairvolchk の出力

個々のデバイスグループ状態 

11 = SMPL

SMPL

22 / 42 = PVOL_COPY

23 / 42 = PVOL_PAIR

26 / 46 = PVOL_PDUB

47 = PVOL_PFUL

48 = PVOL_PFUS

Regular Primary

24 / 44 = PVOL_PSUS

25 / 45 = PVOL_PSUE

これらの戻りコードで個々のデバイスグループのカテゴリを判断するためには、リモートクラスタの horcmd プロセスをアクティブにし、該当するデバイスグループの remote-pair-state 取得できるようにする必要があります。

Regular Primary (remote-cluster-state !=SSWS の場合)

または 

Takeover Secondary (remote-cluster-state == SSWS の場合)

SSWS の状態は、pairdisplay -g <DG> -fc コマンドを使用すると表示できます。

32 / 52 = SVOL_COPY

33 / 53 = SVOL_PAIR

35 / 55 = SVOL_PSUE

36 / 56 = SVOL_PDUB

57 = SVOL_PFUL

58 = SVOL_PFUS

Regular Secondary

34 / 54 = SVOL_PSUS

Regular Secondary (local-cluster-state !=SSWS の場合)

または 

Takeover Primary (local-cluster-state == SSWS の場合)

SSWS の状態は、pairdisplay -g <DG> -fc コマンドを使用すると表示できます。

Hitachi TrueCopy デバイスグループの全体的な状態の判断

保護グループに Hitachi TrueCopy デバイスグループ 1 つだけが含まれている場合、全体的なデバイスグループ状態は個々のデバイスグループ状態と同じです。

次の表に、保護グループに複数の Hitachi TrueCopy デバイスグループが含まれているときに、全体的なデバイスグループ状態を取得する方法を示します。

表 10–2 全体的なデバイスグループ状態を判断する条件

条件 

全体的なデバイスグループ状態 

個々のデバイスグループ状態がすべて SMPL である場合

SMPL

個々のデバイスグループ状態がすべて Regular Primary または SMPL である場合

Regular Primary

個々のデバイスグループ状態がすべて Regular Secondary または SMPL である場合

Regular Secondary

個々のデバイスグループ状態がすべて Takeover Primary または SMPL である場合

Takeover Primary

個々のデバイスグループ状態がすべて Takeover Secondary または SMPL である場合

Takeover Secondary

個々のデバイスグループ状態のほかの組み合わせについては、全体的なデバイスグループ状態は取得できず、ペア状態の検証の失敗であると見なされます。

全体的なデバイスグループ状態に照らして保護グループのローカルな役割を検証する

次の表に、全体的なデバイスグループ状態に照らして Hitachi TrueCopy 保護グループのローカルな役割を検証する方法を示します。

表 10–3 保護グループのローカルな役割に照らして全体的なデバイスグループ状態を検証する

全体的なデバイスグループ状態 

保護グループの有効なローカルな役割 

SMPL

primary または secondary

Regular Primary

primary

Regular Secondary

secondary

Takeover Primary

primary

Takeover Secondary

secondary


例 10–12 全体的なデバイスグループ状態の検証

次に、 Hitachi TrueCopy デバイスグループが属する Hitachi TrueCopy 保護グループの役割に照らしてこのデバイスグループの状態を検証する例を示します。 まず、次のように、保護グループを作成します。


phys-paris-1# geopg create -s paris-newyork-ps -o primary -d truecopy tcpg

次のように、デバイスグループ devgroup1 を保護グループ tcpg に追加します。


phys-paris-1# geopg add-device-group -p fence_level=async devgroup1 tcpg

Hitachi TrueCopy デバイスグループ devgroup1 の現在の状態は、pairdisplay コマンドの出力に示されます。


phys-paris-1# pairdisplay -g devgroup1 
Group PairVol(L/R) (Port#,TID,LU),Seq#,LDEV#,P/S,Status,Fence,Seq#,P-LDEV# M 
devgroup1 pair1(L) (CL1-A , 0, 1) 12345   1..P-VOL PAIR ASYNC,54321  609   -
devgroup1 pair1(R) (CL1-C , 0, 20)54321 609..S-VOL PAIR ASYNC,-----   1    - 
devgroup1 pair2(L) (CL1-A , 0, 2) 12345   2..P-VOL PAIR ASYNC,54321  610   - 
devgroup1 pair2(R) (CL1-C , 0,21) 54321 610..S-VOL PAIR ASYNC,-----   2    -

pairvolchk -g <DG> -ss コマンドを実行すると、値 23 が戻ります。


phys-paris-1# pairvolchk -g devgroup1 -ss
parivolchk : Volstat is P-VOL.[status = PAIR fence = ASYNC]
phys-paris-1# echo $?
23

pairvolchk コマンドの出力は 23 です。これは、表 10–1 内で、Regular Primary の個々のデバイスグループ状態に対応します。保護グループにはデバイスグループが 1 つだけ含まれているため、全体的なデバイスグループ状態は個々のデバイスグループ状態と同じです。-o オプションで指定した保護グループのローカルな役割は、表 10–3 からわかるように primary です。このため、このデバイスグループ状態は有効です。