Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理

Hitachi TrueCopy 保護グループの無効化

保護グループは、次のレベルで無効にできます。

一方のクラスタで Hitachi TrueCopy 保護グループを無効にすると、データ複製層に次のような影響が出ます。

保護グループを無効にすると、アプリケーション層に次のような影響が出ます。

データ複製の停止に使用する Hitachi TrueCopy コマンドは、次の要因によって変わります。

次の表に、これらの要因の考えられる組み合わせごとに、データ複製の開始に使用する Hitachi TrueCopy コマンドを示します。コマンド中、dg はデバイスグループ名です。

表 10–5 Hitachi TrueCopy データ複製の停止に使用するコマンド

全体的なデバイスグループ状態 

保護グループの有効なローカルな役割 

Hitachi TrueCopy 停止コマンド 

SMPL

primary または secondary

複製されるデータがないため、コマンドは発行されません。 

Regular Primary

primary

ローカル状態コードが 22、23、26、29、42、43、46、または 47 の場合は、次のコマンドが発行されます。pairsplit -g dg [- l]

ローカル状態コードが 11、24、25、44、45、または 48 の場合は、複製されるデータがないため、コマンドは発行されません。 

Regular Secondary

secondary

ローカル状態コードが 32、33、35、36、39、52、53、55、56、または 57 の場合は、次のコマンドが発行されます。pairsplit -g dg

ローカル状態コードが 33 または 53 で、リモート状態が PSUE の場合、複製を停止するコマンドは発行されません。

ローカル状態コードが 11、34、54、または 58 の場合は、複製されるデータがないため、コマンドは発行されません。 

Takeover Primary

primary

複製されるデータがないため、コマンドは発行されません。 

Takeover Secondary

secondary

複製されるデータがないため、コマンドは発行されません。 

ProcedureHitachi TrueCopy 保護グループを無効にする方法

手順
  1. クラスタノードの 1 つにログインします。

    この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. 保護グループを無効にします。

    保護グループを無効にすると、そのアプリケーションリソースグループもオフラインになります。


    # geopg stop -e scope [-D] protection-group-name
    
    -e scope

    コマンドの適用範囲を指定します

    範囲が Local の場合、このコマンドはローカルクラスタだけを対象に実行されます。この範囲が Global の場合、このコマンドは保護グループが配備されている両方のクラスタを対象に実行されます。


    注 –

    GlobalLocal などのプロパティー値は、大文字と小文字は区別されません。


    -D

    保護グループをオンラインにしたままデータ複製だけを停止することを指定します。

    このオプションを省略した場合、データ複製サブシステムと保護グループは両方とも停止されます。

    protection-group-name

    保護グループの名前を指定します。


例 10–19 Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアで複製停止コマンドを実行する

次に、データ複製の停止に使用する Hitachi TrueCopy コマンドを Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアが決定する例を示します。

Hitachi TrueCopy デバイスグループ devgroup1 の現在の状態は、pairdisplay コマンドの出力に示されます。


phys-paris-1# pairdisplay -g devgroup1
Group PairVol(L/R) (Port#,TID,LU),Seq#,LDEV#,P/S,Status,Fence,Seq#,P-LDEV# M 
devgroup1 pair1(L) (CL1-A , 0, 1) 12345   1..P-VOL PAIR ASYNC,54321  609   - 
devgroup1 pair1(R) (CL1-C , 0, 20)54321 609..S-VOL PAIR ASYNC,-----   1    - 
devgroup1 pair2(L) (CL1-A , 0, 2) 12345   2..P-VOL PAIR ASYNC,54321  610   - 
devgroup1 pair2(R) (CL1-C , 0,21) 54321 610..S-VOL PAIR ASYNC,-----   2    -

デバイスグループ devgroup1 を保護グループ tcpg に追加します。


phys-paris-1# geopg add-device-group -p fence_level=async devgroup1 tcpg

Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは pairvolchk -g <DG> -ss コマンドをデータ複製レベルで実行します。そして、値 43 を返します。


pairvolchk -g devgroup1 -ss
Volstat is P-VOL.[status = PAIR fence = ASYNC]
phys-paris-1# echo $?
43

次に、geopg stop コマンドを使用して、保護グループ tcpgを無効にします。


phys-paris-1# geopg stop -s local tcpg

Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは pairsplit -g devgroup1 コマンドをデータ複製レベルで実行します。

このコマンドが成功した場合、pairdisplay コマンドの出力に devgroup1 の状態が次のように表示されます。


phys-paris-1# pairdisplay -g devgroup1
Group PairVol(L/R) (Port#,TID,LU),Seq#,LDEV#,P/S,Status,Fence,Seq#,P-LDEV# M
devgroup1 pair1(L) (CL1-A , 0, 1) 12345   1..P-VOL PSUS ASYNC,54321  609   - 
devgroup1 pair1(R) (CL1-C , 0, 20)54321 609..S-VOL SSUS ASYNC,-----   1    - 
devgroup1 pair2(L) (CL1-A , 0, 2) 12345   2..P-VOL PSUS ASYNC,54321  610   - 
devgroup1 pair2(R) (CL1-C , 0,21) 54321 610..S-VOL SSUS ASYNC,-----   2    -


例 10–20 全クラスタの保護グループの無効化

次に、すべてのクラスタ上の保護グループを無効にする例を示します。


# geopg stop -e global tcpg


例 10–21 ローカルクラスタ上の保護グループの無効化

次に、ローカルクラスタ上の保護グループを無効にする例を示します。


# geopg stop -e local tcpg


例 10–22 保護グループをオンラインにしたままデータ複製を停止

次に、ローカルクラスタ上でデータ複製だけを停止する例を示します。


# geopg stop -e local -D tcpg

このコマンドを実行したあと、保護グループとその基盤であるデータ複製サブシステムの両方を無効にすることを管理者が決定した場合、-D オプションを指定せずにこのコマンドをもう一度実行できます。


# geopg stop -e local tcpg


例 10–23 アプリケーションリソースグループをオンラインに維持した状態での Hitachi TrueCopy 保護グループの無効化

次に、2 つのアプリケーションリソースグループ apprg1apprg2 をオンラインにしたまま両方のクラスタ上の保護グループ tcpg を無効にする例を示します。

  1. 保護グループからアプリケーションリソースグループを除去します。


    # geopg remove-resource-group apprg1,apprg2 tcpg
  2. 保護グループを無効にします。


    # geopg stop -e global tcpg