保護グループは、次のレベルで無効にできます。
グローバルに無効にする。つまり、保護グループが構成されている一次クラスタと二次クラスタの両方で保護グループを無効にします
二次クラスタ上だけを無効にする。主クラスタでは有効なままです
保護グループがすでに二次クラスタ上で無効にされている場合に、主クラスタ上で無効にする
一方のクラスタで Hitachi TrueCopy 保護グループを無効にすると、データ複製層に次のような影響が出ます。
保護グループのデータ複製構成が検証されます。検証中、保護グループの現在のローカルな役割が全体的なデバイスグループ状態と比較されます (表 10–3 を参照)。検証が成功した場合、データ複製が停止されます。
データ複製が停止されるのは、保護グループに構成されているデータ複製デバイスグループです。主クラスタと二次クラスタのどちらで無効にしたのかは関係ありません。
保護グループを無効にすると、アプリケーション層に次のような影響が出ます。
主クラスタで保護グループが無効になった場合、保護グループに構成されているすべてのアプリケーションリソースグループが停止され、管理の対象から外されます。
二次クラスタで保護グループが無効になった場合、二次クラスタのリソースグループは影響を受けません。保護グループに構成されているアプリケーションリソースグループは、主クラスタの有効状態によって、主クラスタで有効なままである場合もあります。
データ複製の停止に使用する Hitachi TrueCopy コマンドは、次の要因によって変わります。
全体的なデバイスグループ状態
保護グループのローカルな役割
現在のペアの状態
次の表に、これらの要因の考えられる組み合わせごとに、データ複製の開始に使用する Hitachi TrueCopy コマンドを示します。コマンド中、dg はデバイスグループ名です。
表 10–5 Hitachi TrueCopy データ複製の停止に使用するコマンド
全体的なデバイスグループ状態 |
保護グループの有効なローカルな役割 |
Hitachi TrueCopy 停止コマンド |
---|---|---|
SMPL |
primary または secondary |
複製されるデータがないため、コマンドは発行されません。 |
Regular Primary |
primary |
ローカル状態コードが 22、23、26、29、42、43、46、または 47 の場合は、次のコマンドが発行されます。pairsplit -g dg [- l] ローカル状態コードが 11、24、25、44、45、または 48 の場合は、複製されるデータがないため、コマンドは発行されません。 |
Regular Secondary |
secondary |
ローカル状態コードが 32、33、35、36、39、52、53、55、56、または 57 の場合は、次のコマンドが発行されます。pairsplit -g dg ローカル状態コードが 33 または 53 で、リモート状態が PSUE の場合、複製を停止するコマンドは発行されません。 ローカル状態コードが 11、34、54、または 58 の場合は、複製されるデータがないため、コマンドは発行されません。 |
Takeover Primary |
primary |
複製されるデータがないため、コマンドは発行されません。 |
Takeover Secondary |
secondary |
複製されるデータがないため、コマンドは発行されません。 |
クラスタノードの 1 つにログインします。
この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
保護グループを無効にします。
保護グループを無効にすると、そのアプリケーションリソースグループもオフラインになります。
# geopg stop -e scope [-D] protection-group-name |
コマンドの適用範囲を指定します
範囲が Local の場合、このコマンドはローカルクラスタだけを対象に実行されます。この範囲が Global の場合、このコマンドは保護グループが配備されている両方のクラスタを対象に実行されます。
Global や Local などのプロパティー値は、大文字と小文字は区別されません。
保護グループをオンラインにしたままデータ複製だけを停止することを指定します。
このオプションを省略した場合、データ複製サブシステムと保護グループは両方とも停止されます。
保護グループの名前を指定します。
次に、データ複製の停止に使用する Hitachi TrueCopy コマンドを Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアが決定する例を示します。
Hitachi TrueCopy デバイスグループ devgroup1 の現在の状態は、pairdisplay コマンドの出力に示されます。
phys-paris-1# pairdisplay -g devgroup1 Group PairVol(L/R) (Port#,TID,LU),Seq#,LDEV#,P/S,Status,Fence,Seq#,P-LDEV# M devgroup1 pair1(L) (CL1-A , 0, 1) 12345 1..P-VOL PAIR ASYNC,54321 609 - devgroup1 pair1(R) (CL1-C , 0, 20)54321 609..S-VOL PAIR ASYNC,----- 1 - devgroup1 pair2(L) (CL1-A , 0, 2) 12345 2..P-VOL PAIR ASYNC,54321 610 - devgroup1 pair2(R) (CL1-C , 0,21) 54321 610..S-VOL PAIR ASYNC,----- 2 - |
デバイスグループ devgroup1 を保護グループ tcpg に追加します。
phys-paris-1# geopg add-device-group -p fence_level=async devgroup1 tcpg |
Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは pairvolchk -g <DG> -ss コマンドをデータ複製レベルで実行します。そして、値 43 を返します。
pairvolchk -g devgroup1 -ss Volstat is P-VOL.[status = PAIR fence = ASYNC] phys-paris-1# echo $? 43 |
次に、geopg stop コマンドを使用して、保護グループ tcpgを無効にします。
phys-paris-1# geopg stop -s local tcpg |
Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは pairsplit -g devgroup1 コマンドをデータ複製レベルで実行します。
このコマンドが成功した場合、pairdisplay コマンドの出力に devgroup1 の状態が次のように表示されます。
phys-paris-1# pairdisplay -g devgroup1 Group PairVol(L/R) (Port#,TID,LU),Seq#,LDEV#,P/S,Status,Fence,Seq#,P-LDEV# M devgroup1 pair1(L) (CL1-A , 0, 1) 12345 1..P-VOL PSUS ASYNC,54321 609 - devgroup1 pair1(R) (CL1-C , 0, 20)54321 609..S-VOL SSUS ASYNC,----- 1 - devgroup1 pair2(L) (CL1-A , 0, 2) 12345 2..P-VOL PSUS ASYNC,54321 610 - devgroup1 pair2(R) (CL1-C , 0,21) 54321 610..S-VOL SSUS ASYNC,----- 2 - |
次に、すべてのクラスタ上の保護グループを無効にする例を示します。
# geopg stop -e global tcpg |
次に、ローカルクラスタ上の保護グループを無効にする例を示します。
# geopg stop -e local tcpg |
次に、ローカルクラスタ上でデータ複製だけを停止する例を示します。
# geopg stop -e local -D tcpg |
このコマンドを実行したあと、保護グループとその基盤であるデータ複製サブシステムの両方を無効にすることを管理者が決定した場合、-D オプションを指定せずにこのコマンドをもう一度実行できます。
# geopg stop -e local tcpg |
次に、2 つのアプリケーションリソースグループ apprg1 と apprg2 をオンラインにしたまま両方のクラスタ上の保護グループ tcpg を無効にする例を示します。
保護グループからアプリケーションリソースグループを除去します。
# geopg remove-resource-group apprg1,apprg2 tcpg |
保護グループを無効にします。
# geopg stop -e global tcpg |