Sun WorkShop 入門

sbquery によるソースのブラウズ

sbquery コマンドは、端末または端末をエミュレートするワークステーションからアクセスできるコマンド行ブラウズ環境を提供します。

sbquery について

sbquery は、Sun WorkShop のソースブラウズモードに対応するコマンド行インタフェースです。

コマンド行から問い合わせを発行するには、sbquery と入力した後に、コマンド行のオプションと引数、検索対象のシンボルを順に指定します。


sbquery options symbols

symbols を含む行がすべて表示されます。

シンボルを含むファイル、行番号、シンボルを含む関数、シンボルを含むソース行が、sbquery によって「一致」リストに表示されます。

デフォルトでは、sbquery は現在の作業用ディレクトリのデータベースでシンボルを検索します。別のディレクトリに格納されているデータベースをブラウズしたい場合は、sb_init によるブラウザデータベースの制御」を参照してください。

コマンドリファレンス

sbquery のコマンド行オプションを一覧表示するには、シェルプロンプトで sbquery と入力します。表 D-1 に、このコマンドのオプションを示します。

表 D-1 sbquery のオプション

引数 

説明 

-break_lock

データベースのロックを解除する。索引ファイルの更新が異常終了した後に問い合わせを発行すると、データベースがロックされているというメッセージが表示され、この引数が必要になることがある。なお、このオプションを使用した後には、データベースの状態が不整合になる可能性がある (整合性を確保するには、データベースディレクトリを削除してから、プログラムを再コンパイルする)ビルダー 

-help

sbquery コマンドの形式を表示する。sbquery をオプションなしで入力しても同じ

-help_focus

ディレクトリ内の特定のプログラムのみを問い合わせるためのフォーカスオプションのリストを表示する。このオプションを使用して、プログラムや関数といった特定のコード単位のみに対して問い合わせを発行できる 

-help_filter

フィルタオプションを使用できる言語のリストを表示する。フィルタオプションを使用して、シンボルをプログラム内での使い方に基づいて検索する 

-max_memory size

索引ファイルの構築時、sbquery が一時ファイルを使用する前に割り当てる必要のあるメモリー容量の概算 (メガバイト単位)

-no_update

コンパイルの後に問い合わせを発行するときに索引ファイルを再構築しない。このオプションを指定しないでコンパイルまたは再コンパイルの後に問い合わせを発行すると、データベースによって問い合わせの更新と処理が行われる 

-o file

問い合わせの出力をファイルに送信する 

-show_db_dirs

問い合わせを発行したときに走査されたデータベースディレクトリのリストを表示する。リストに含まれるのは、現在の作業ディレクトリ内のデータベースディレクトリと、sb_init ファイルの import または export コマンドで指定されたその他すべてのデータベースディレクトリ

-version | -V

現在のバージョン番号を表示する  

-files_only

検索対象のシンボルが含まれるファイルのみをリスト表示する 

-no_secondaries

一次的一致のみを返し、二次的一致を返さない。二次的一致とは、マクロ内部の識別子。フィルタ付き問い合わせを多数発行し、問い合わせ内容に一致するシンボルが多くのマクロで使用されている場合、二次一致をオフにすることができる 

-no_source

各一致に関連するファイル名と行番号だけを表示する 

-symbols_only

検索パターン内のパターンに一致するシンボルのリストを表示する。問い合わせでワイルドカードを使用する場合に役立つ 

-pattern symbol

ダッシュ (-) など、特別な文字を含むシンボルを問い合わせる。このオプションでは、コマンド行オプションのようなシンボルに対する問い合わせが可能。たとえばシンボル -help の問い合わせは、sbquery では 通常の -help オプションと区別される

-no_case

問い合わせで大文字と小文字を区別する 

-sh_pattern

ワイルドカードを含む問い合わせを発行するときにシェルスタイルの式を使用する。このワイルドカードの設定はデフォルト。同じコマンド行で別のパターンマッチングを実行している場合、このオプションを指定する。シェルスタイルのパターンマッチングについては、sh(1) を参照

-reg_expr

ワイルドカードを含む問い合わせを発行するときに正規表現を使用する。このオプションを指定しないと、シェルスタイルのパターンとみなされる 

-literal

問い合わせにワイルドカード表現を使用しない。別のワイルドカードスキーマからメタキャラクタの含む文字列を検索したい場合に役立つ 

検索を絞り込むためのオプションには、フィルタオプション (表 D-2) とフォーカスオプション (表 D-3) の 2 種類があります。

言語フィルタオプション

表 D-2 のフィルタオプションでは、プログラム内でそのシンボルがどのように使用されているかに応じて、シンボルを検索します。たとえば、フィルタオプションを使用して、変数の宣言に検索対象を限定することができます。


sbquery -help_filter language

表 D-2 言語フィルタオプション

フィルタオプション 

説明 

ansi_c

sun_as

アセンブリ言語 

sun_c_plus_plus

C++ 

sun_f77

FORTRAN 77 

sun_f90

Fortran 90 

フォーカスオプション

表 D-3 のフォーカスオプションでは、特定のプログラム、関数、ライブラリなど、検索対象がコードの特定のクラスに限定されます。

sbquery focus_option symbol

表 D-3 フォーカスオプション

フォーカスオプション 

説明 

-in_program program

プログラムでの一致のみを問い合わせる 

-in_directory directory

ディレクトリでの一致のみを問い合わせる 

-in_source_file source_File

ソースファイルでの一致のみを問い合わせる 

-in_function function

関数での一致のみを問い合わせる 

-in_class class

クラスでの一致のみを問い合わせる 

-in_template template

テンプレートでの一致のみを問い合わせる 

-in_language language

言語での一致のみを問い合わせる 


注 -

フォーカスオプションを 2 つ以上指定した場合、いずれかに一致するものが検出されると一致項目が返されます。


環境変数

環境変数は、sbquery (および Sun WorkShop のソースブラウザ) の操作に影響する情報を提供します。sb_init の詳細については、sb_init によるブラウザデータベースの制御」を参照してください。

変数 

説明 

HOME

ログインディレクトリの名前 

PWD

現在のディレクトリの完全パス名 

SUNPRO_SB_ATTEMPTS_MAX

ロックされたデータベースに対して索引ビルダーがアクセスを試行する最大回数 

SUNPRO_SB_EX_FILE_NAME

sun_source_browser.ex ファイルの絶対パス名

SUNPRO_SB_INIT_FILE_NAME

sb_init ファイルの絶対パス名