Sun Management Center 3.5 インストールと構成ガイド

遠隔マシンへのインストール

この節では、es-inst コマンドを使用して、Sun Management Center 3.5 を Network File System アクセス可能な (NFS マウントされた) 遠隔マシンにインストールする手順について説明します。この手順では、ネットワーク上の CD イメージディレクトリから Sun Management Center をインストールしていると想定します。詳細については、CD イメージの作成を参照してください。

遠隔マシンに Sun Management Center をインストールするには、ソフトウェアをインストールするまえに、その遠隔マシンの準備作業を行う必要があります。また、ローカルマシンが Solaris 2.6、Solaris 7、または Solaris 8 ソフトウェアを使用している場合、パッチをインストールする必要があります。pkgadd のパッチをインストールするを参照してください。

この節の作業では、例として次のマシン名が使用されています。

pkgadd のパッチをインストールする

ローカルマシンが Solaris 2.6、Solaris 7、または Solaris 8 ソフトウェアを使用している場合、その OS バージョン固有の pkgadd パッチがローカルマシンにインストールされていなければなりません。このパッチをあらかじめインストールしてから、ローカルマシンを使用して遠隔マシンに Sun Management Center 3.5 をインストールする必要があります。

ローカルマシンが Solaris 9 リリースを使用している場合、パッチをインストールする必要はありません。遠隔マシンを準備するに進みます。

  1. ローカルマシンにスーパーユーザとしてログインします。

  2. OS のパッチレベルが最新であるか確認します。

    パッチがすでにインストールされているかどうかを確認するには、コマンド showrev -p | grep patchnum を使用します。patchnum には、必要となる OS パッチを次のように指定します。

    • Solaris 2.6 リリース: 106292

    • Solaris 7 リリース: 107443

    • Solaris 8 リリース: 110934

    たとえば、ローカルマシンが Solaris 8 リリースを使用している場合は次のように入力します。

    admin-host# showrev -p | grep 110934
    admin-host# 

    上記の例では、パッチはインストールされません。パッチのダウンロードとインストールは、手順 3 に示された方法で行う必要があります。

    パッチがインストールされている場合、次のような一覧が表示されます。


    admin-host# showrev -p | grep 110934
    admin-host# Patch: 110934-13 Obsoletes: Requires: Incompatibles: 
    Packages: pkgtrans, pkgadd, pkgchk

    ローカルマシンで動作している Solaris に必要なパッチがすでにインストールされている場合、遠隔マシンを準備するに進みます。

  3. 必要に応じて、Solaris に必要なパッチをインストールします。

    1. http://www.sunsolve.sun.com から必要なパッチをダウンロードします。

    2. ダウンロードした tar 形式のパッチアーカイブファイルを解凍し、zip ファイルをさらに解凍します。

    3. patchadd コマンドを使用してパッチをインストールします。

遠隔マシンを準備する
  1. 遠隔マシンにスーパーユーザとしてログインします。

  2. Sun Management Center データベースアクセスグループとユーザアカウントを作成します。

    1. groupadd コマンドを使用し、アクセスグループ smcorag を作成します。


      remote# /usr/sbin/groupadd smcorag
      

    2. ディレクトリ /var/opt/SUNWsymon を作成します。

      このディレクトリは、データベースユーザアカウントが置かれる場所です。


      remote# mkdir -p /var/opt/SUNWsymon
      

    3. useradd コマンドを使用してデータベースユーザアカウント smcorau を作成し、続いてこのユーザアカウントをグループ smcorag に追加します。


      remote# /usr/sbin/useradd \
      ...-d /var/opt/SUNWsymon/smcorau \
         -m -g smcorag -s /bin/sh smcorau
      

  3. NFS デーモン mountd を停止します。


    remote# /etc/init.d/nfs.server stop
    
  4. 遠隔ホスト上の /etc/dfs/dfstab ファイルを編集します。

    次の行を追加します。

    share —F nfs —o rw=admin-host,root= admin-host /

    admin-host は、遠隔ホストに対して Sun Management Center をインストールするマシンの名前です。

    たとえば、遠隔ホスト名が remote-server で、remote-server に Sun Management Center をインストールするために使用するマシンの名前が adminserver の場合、remote-server/etc/dfs/dfstab ファイルのエントリは次のようになります。

    share —F nfs —o rw=adminserver,root=adminserver

    遠隔マシンの dfstab ファイル内のこのエントリは、マシン adminserver にログインしたルートユーザアカウントにだけ遠隔の読み取り権限および書き込み権限を与えます。

  5. /etc/dfs/dfstab を保存して閉じます。

  6. NFS デーモン mountd を起動します。


    remote# /etc/init.d/nfs.server start
    
  7. 遠隔マシンで稼動している Solaris バージョンを確認します。


    remote# /usr/bin/uname -r
    

    遠隔ホスト上に Sun Management Center をインストールする場合、es-inst スクリプトによって遠隔ホストで稼動している Solaris バージョンの入力を求められます。

  8. 遠隔ホストマシンのタイプを確認します。

    遠隔ホストに Sun Management Center をインストールする場合、es-inst スクリプトによって遠隔マシンのマシンタイプを求めるメッセージが表示されます。

    遠隔ホストマシンの es-inst が必要とするこの情報は、次のコマンドで生成できます。


    remote# /usr/platform/platform/sbin/prtdiag | /usr/bin/head -1 \
          | /usr/bin/cut -f2 -d:
    

    platform は、コマンド uname -i の出力です。

    例えば、


    remote# /usr/bin/uname -i
    SUNW,Ultra-5_10
    remote# /usr/platform/SUNW,Ultra-5_10/sbin/prtdiag \
      | /usr/bin/head -1 | /usr/bin/cut -f2 -d:
    Sun Microsystems  sun4u Sun Ultra 5/10 UPA/PCI (UltraSPARC-IIi 333 MHz)

    ヒント –

    遠隔ホストのマシンタイプ情報をローカルホスト上の一時ファイルにコピーします。コピーしておくことで、es-inst が遠隔ホストのマシンタイプの入力を求める際にその情報をペーストできます。


  9. 遠隔マシンからログオフします。

    以上の操作が終わると、以下に示された方法で遠隔ホストに Sun Management Center をインストールできるようになります。

遠隔マシンに Sun Management Center をインストールする
  1. ローカルマシンにスーパーユーザとしてログインします。

  2. Sun Management Center Installation Disk 1 のディレクトリ sbin に移動します。

    • CD-ROM からインストールしている場合、Disk 1 を挿入して、/cdrom/cdrom0/sbin ディレクトリに移動します。

      選択した内容によっては、インストールの作業中に CD を入れ替えるように求めるメッセージが表示される場合があります。

    • CD イメージからインストールする場合、ディレクトリ /cd-image-dir/disk1/sbin に移動します (cd-image-dir はインストール CD をコピーしたディレクトリ、または Web からインストールイメージをダウンロードしたディレクトリ)。

  3. -R path/remote パラメータで遠隔ホストマシンを指定して es-inst インストールスクリプトを実行します。


    #./es-inst -R path/remote
    

    path/remote には、遠隔マシンのフルパスを指定します。たとえば、遠隔ホストのパスと名前が /net/remote-server の場合、次のように入力します。


    local-machine# ./es-inst -R /net/remote-server
    

    遠隔マシン上で稼動している Solaris のバージョンの入力を求めるメッセージが表示されます。

  4. 遠隔マシンで稼動している Solaris バージョンを入力します。

    遠隔マシンを準備する手順 7 を参照してください。

    遠隔ホストのマシンタイプを求めるメッセージが表示されます。

  5. 遠隔ホストのマシンタイプを入力します。

    遠隔マシンを準備する手順 8 で生成したマシンタイプ文字列を入力します。 あるいは、生成したテキストをローカルホスト上のファイルにコピーしてある場合、プロンプトに答えてそのマシンタイプ文字列をペーストできます。


    注 –

    遠隔ホストに対して Sun Management Center インストールを行うために必要な作業は、デフォルトの Sun Management Center インストールに必要な作業と同じです。


  6. インストールが完了します。