Sun Management Center 製品は、管理オブジェクトの特定のデータプロパティを監視します。データプロパティは表形式またはグラフ形式で表示することができます。この章では、Sun Management Center が提供するグラフ形式を使用したデータプロパティの監視機能について説明します。この章の内容は次のとおりです。
Performance Reporting Management (PRM) 製品は、複数のホストとプロパティ用にグラフ定義を保存する機能、グラフをイメージとして保存する機能、履歴データを基準にグラフを作成する機能などの最新機能を提供します。詳細については、『Sun Management Center 3.5 Performance Reporting Manager ユーザーガイド』を参照してください。
データプロパティを表形式で表示する方法については、第 8 章「データプロパティの監視」を参照してください。
「詳細」ウィンドウを使用して、特定のデータプロパティの現在値 (指定ホスト上での使用メモリー量など) を表示することができます。該当する管理オブジェクトは、階層 (ツリー) 表示をナビゲートして表示できます。ホスト階層の最下位オブジェクトは監視されたプロパティです。
デフォルトでは、監視されたデータプロパティの情報は表形式で表示されます。ただし、インスタンスによっては、この情報をグラフ形式で表示した方が有益な場合があります。例えば、時間関数としてメモリ使用を示すグラフを作成すると、メモリーの最高使用時が一目で分かるようになります。
Sun Management Center ソフトウェアでは、ほとんどの監視データプロパティをグラフ表示できます。
「詳細」ウィンドウから、次のいずれかの方法で「グラフ」ウィンドウを表示します。
データプロパティを含むテーブルセルでマウスボタン 3 を押して、ポップアップメニューから「グラフを開く」を指定します。
希望するデータプロパティを選択し、「詳細」ウィンドウの最上部にある「グラフプロパティ」ボタンをクリックします。
「グラフ」ウィンドウが開きます。プロパティの値は、時間関数として示されます。グラフは動的に作成されるため、「グラフ」ウィンドウを最小化しても継続して作成されます。ただし、ウィンドウを閉じるとグラフの作成は停止します。
次の図に、一般的な「グラフ」ウィンドウを示します。
データプロパティテーブルのセルをクリックします。
例えば、オペレーティングシステムからカーネルリーダ (簡易)、さらにシステム負荷統計情報へと階層を追跡する場合は、直前 1 分間の負荷平均のテーブルセルを選択します。
次のいずれかの方法でセルをグラフにコピーします。
テーブルセルでマウスボタン 3 をクリックして、ポップアップメニューから「グラフクリップボードにコピー」コマンドを指定します。
「詳細」ウィンドウで、「オプション」アイコンメニューから「グラフクリップボードにコピー」を指定します。
「グラフクリップボードにコピー」コマンドは、データ項目の単位が同じ場合にのみ使用できます。「グラフクリップボードにコピー」でもクリップボードにデータを配置できますが、次の手順が完了するまでデータはグラフ上にコピーされません。
追加のプロパティを作成する、「グラフ」ウィンドウに進みます。
「グラフプロパティ」メニューから「グラフクリップボードから追加」を 指定します。
2 番目のデータプロパティが追加されます (図 9–2 )。
1 つのグラフに同時に最高 5 つのデータプロパティのグラフを作成できます。
「グラフ」ウィンドウの「グラフプロパティ」メニューから「保存されたグラフを開く」を指定します。
「グラフを開く」ダイアログボックスが表示されます。
リストから保存されたグラフを選択します。
選択したグラフを表示するには、「了解」ボタンをクリックします。
グラフ要求を保存すると、グラフパラメータは保存されますがデータは保存されません。そのため、グラフを開くと最新データでグラフが作成されます。
「グラフ要求を保存」機能は、グラフ化されたホスト名とデータプロパティを保存します。一旦保存したグラフは、「グラフ」ウィンドウの内部からすぐに呼び出せるだけでなく、メインコンソールウィンドウの「ツール」メニューからもアクセスできます。新規にグラフを開くと、最新データのグラフが作成を開始します。
グラフのプロパティを保存するには、「グラフ」ウィンドウの「グラフプロパティ」メニューから「グラフ要求を保存」を指定します。
グラフの名前を「グラフ名の入力」フィールドに入力します。
「保存」ボタンをクリックします。
グラフテンプレートを使用して、グラフの外観を定義することができます。グラフテンプレートを作成する場合は、1 つのグラフの画像を定義してからそのグラフのテンプレートを保存します。このときグラフテンプレートとして保存されるのは、データプロパティ、ホスト情報、テンプレートのみで、現在のグラフの状態は保存されません。同じ外観にするために新規グラフに定義済みテンプレートを適用する場合は、グラフテンプレートを適用する を参照してください。
グラフのプロパティを保存します (グラフパラメータを保存する を参照)。
グラフに適用したカスタム機能を保存するには、「グラフ」ウィンドウの「グラフプロパティ」メニューから「テンプレートの保存」を指定します。
「テンプレートの保存」機能を使用すると、グラフに追加した全てのカスタム機能 (軸ラベル、ヘッダ、フッタ、説明文など) を保存できます。
テンプレートの名前を「テンプレートの入力」フィールドに入力します。
「保存」ボタンをクリックします。
グラフテンプレートを使用して、グラフの外観を定義することができます。定義したグラフテンプレートは (グラフテンプレートを定義する を参照)、複数のグラフに適用可能です。
「グラフ」ウィンドウの「グラフプロパティ」メニューから「テンプレートの適用」を指定します。
「テンプレートの適用」ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスで、保存されたカスタム機能を現在のグラフに適用することができます。
リストから保存されたテンプレートを選択します。
テンプレートを現在のグラフに適用するために、「了解」ボタンをクリックします。
デフォルトでは線グラフが表示されますが、棒グラフや面グラフを選択することもできます。
「グラフ」ウィンドウで 「編集」メニューから「グラフの種類」を選択します。
表示するグラフタイプを選択します。
棒グラフの場合は「棒」を選択します。
面グラフの場合は「面」を選択します。
線グラフの場合は「折れ線」を選択します。
「了解」ボタンをクリックします。
「グラフ」ウィンドウは、選択されたグラフタイプでデータを表示します。
「グラフ」ウィンドウの「編集」メニューから「メインタイトル」を選択して、変更するラベルを指定します。
次のオプションのいずれかを指定します。
ヘッダを追加または変更する場合は「ヘッダ」を指定します。
フッタを追加または変更する場合は「フッタ」を指定します。
データ説明文を追加または変更する場合は「説明文」を指定します。
X 軸 (グラフの横軸) のラベルを追加または変更する場合は「X 軸タイトル」を指定します。
Y 軸 (グラフの縦軸) のラベルを追加または変更する場合は「Y 軸タイトル」を指定します。
各オプションのダイアログボックスで、同様のパラメータを設定することができます。
タイトルテキストを変更するには、「文字」フィールドに情報を入力するか、情報を変更します。
タイトルのスタイルを変更するには、「書式」領域で使用したいスタイルを選択します。
デフォルトではほとんどのテキストがプレインスタイルですが、ボールドやイタリックも選択できます。
フォントファミリーを指定してタイトルに適用するには、「名前」領域でフォントファミリーの内容を選択します。
デフォルトではほとんどのタイトルが Serif フォントですが、SansSerif や Monospaced も選択できます。
タイトルのサイズを指定するには、「サイズ」領域のスクローリングリストでサイズを選択します。
デフォルトサイズはタイトルの種類によって異なります。中心となるサイズは 10–14 ポイントですが、6 ポイントから 26 ポイントの間で指定することができます。
タイトルの向きを変更するには、「方向」領域から該当するボックスを選択します。
デフォルトはタイトルの種類によって異なります。例えば 、ほとんどの X 軸のタイトルは水平方向です。選択可能な方向は以下のとおりです。
横向き – 左から右方向
上下逆 – 右から左方向で反転
縦向き – 左向き、下から上方向
縦に反転 – 右向き、上から下方向
タイトルの周囲に枠を作成するには、「枠の種類」メニューからスタイルを指定します。
グラフの軸を編集する場合は、正確な値を指定するよう注意してください。グラフ作成ができない最小や最大の値を指定すると、通常ダイアログボックスに問題を示すエラーメッセージが表示されます。ただし、グラフ作成可能な値で結果的に作成された点が画面で確認できない場合は、エラーメッセージは表示されません。
X 軸に使用する値を変更するには、「グラフ」ウィンドウの「編集」メニューから「軸」を指定します。
「軸の編集」ウィンドウが表示されます。
X 軸値の自動入力を使用不可にするには、「自動目盛り」の選択を解除します。
ウィンドウフィールドの「自動」の表示が数字に切り替わります。
該当する値を「表示時間 (分)」、「目盛り間隔」、「グリッド間隔」の各フィールドに入力します。
Y 軸に使用する値を変更するには、「軸の編集」ウィンドウから「Y 軸」タブをクリックします。
Y 軸値の自動入力を使用不可にするには、「自動目盛り」の隣のチェックボックをクリックします。
ウィンドウフィールドの「自動」の表示が数字に切り替わります。
該当する値を「範囲最小」、「最大」、「大目盛り」、「小目盛り」、「グリッド間隔」の各フィールドに入力します。
変更を適用して「軸の編集」ウィンドウを閉じるには、「了解」ボタンをクリックします。
「枠」ウィンドウにアクセスするには、「グラフ」ウィンドウの「編集」メニューから「枠」を指定します。
2 つの領域を持つ「枠」ウィンドウが 表示されます。
「グラフ領域」はグラフ全体の枠に適用します。
「作園領域」はデータ部分の枠に適用します。
グラフ全体の枠を変更するには、「グラフ領域」領域の 「枠の種類」リストから枠のタイプを選択します。
数種類の枠が用意されています。
データ部分の枠を変更するには、「作園領域」領域の「枠の種類」から枠の種類を選択します。
数種類の枠が用意されています。
枠の変更を適用して「枠」ウィンドウを閉じるには、「了解」ボタンをクリックします。
「グラフ」ウィンドウの「表示」メニューは、さまざまなグラフコンポーネントを表示または非表示にしたり、データの表示形式を変更したりする際に使用します。コンポーネントは、以下の手順以外の順番でも表示または非表示にできます。
ライブデータ (現在のデータ) の表示を使用可能または使用不可にするには、「グラフ」ウィンドウの「表示」メニューで「ライブデータ」を選択または選択解除します。
ライブデータを使用可能にすると、グラフは継続的に最新データを更新します。
ライブデータを使用不可にすると、グラフは静的になり、ライブデータが再び使用可能になるまで新規データを更新しません。
ヘッダを表示または非表示にするには、「グラフ」ウィンドウの「表示」メニューから「ヘッダを表示」を選択または選択解除します。
フッタを表示または非表示にするには、「グラフ」ウィンドウの「表示」メニューから「フッタを表示」を選択または選択解除します。
X 軸と Y 軸のタイトルを表示または非表示にするには、「グラフ」ウィンドウの「表示」メニューから「軸タイトルを表示」を選択または選択解除します。
X 軸と Y 軸 のラベルを表示または非表示にするには、「グラフ」ウィンドウの「表示」メニューから「軸を表示」を選択または選択解除します。
グリッドラインを表示または非表示にするには、「グラフ」ウィンドウの「表示」メニューから「グリッドを表示」を選択または選択解除します。
データ説明文を表示または非表示にするには、「グラフ」ウィンドウの「表示」メニューから「説明文を表示」を選択または選択解除します。
グラフを回転させる場合は、次の手順で行います。
データ表示の順番を変更する場合は、次の手順で行います。
X 軸を反転させると、Y 軸がグラフの反対側に移動して、時間の配列が逆になります。つまり、グラフの左側には一番古いデータではなく最新のデータが表示されます。
Y 軸を反転させると、X 軸がグラフの最上部に移動して、データの配列が逆になります。つまり、グラフの底辺部ではなく最上部により小さな値が表示されます。
回転値と反転値をリセットするには、「グラフ」ウィンドウの「表示」メニューから「表示リセット」を指定します。
グラフの特定領域を拡大するには、「グラフ」ウィンドウの「ツール」メニューから「ズーム」を指定します。
Shift キーを押したままマウスボタン 1 を押して、拡大する領域の輪郭をドラッグします。
マウスボタンを離して、拡大した領域を表示します
グラフを元の状態に戻すには、「グラフ」ウィンドウの「ツール」メニューから「復元」を指定します。
通常グラフは現在の情報を表示しますが、グラフ上の情報を変換して、例えば過去に遡って情報を表示することも可能です。