Sun Enterprise 10000 SSP 3.3 ユーザーマニュアル

第 9 章 スペア SSP の使用

SSP は、定義済みのハードウェア構成を持つ Sun ワークステーションまたは Sun サーバーです。SPARCstation 5、Sun Ultra 5、Sun Enterprise 250 のワークステーションまたはサーバーを SSP として使用できます。メイン SSP に障害が発生した場合のバックアップ用に、これらのシステムのいずれかをスペア SSP として使用することもできます。スペア SSP 付きで Sun Enterprise 10000 サーバーを注文することも可能です。


注 -

SPARCstation 5 は最大 8 つのドメインをサポートします。9 つ以上のドメインを使用する場合は、Sun Ultra 5 または Sun Enterprise 250 のワークステーションかサーバーをメインおよびスペアの SSP としてください。


スペア SSP は、常に使用できる状態にしておきます。このようにしておくと、メイン SSP に障害が発生した場合に、直ちにスペア SSP に切り替えることができます。スペア SSP マシン上でサン以外のソフトウェアを実行しないでください。

スペア SSP を利用するには、以下の条件を満たす必要があります。

メイン SSP とスペア SSP を切り替える

注 -

メイン SSP とスペア SSP の両方に SSP 3.3 をインストールすることをお勧めします。メインおよびスペア SSP を SSP 3.3 にアップグレードする手順、およびメインおよびスペア SSP を以前のバージョンの SSP に戻す手順については『Sun Enterprise 10000 SSP 3.3 インストールマニュアルおよびご使用の手引き』を参照してください。


  1. メイン SSP がスペア SSP へ切り替え可能なように正しく構成されているかどうかを確認します。

    メイン SSP で SSP 3.3 を、スペア SSP で SSP 3.1.1 を実行し、かつ、メイン SSP で IDN を使用している場合は、スペア SSP に切り替える前に以下の手順を実行する必要があります。

    1. メイン SSP で、すべての IDN ドメインのリンクを解除します。

      domain_unlink(1M) を参照してください。

    2. ドメインで、すべての /etc/hostname.idnx (x は整数) ファイルを削除します。

    3. 各 IDN ドメインで、ドメインを停止し、idn-smr-size 環境変数を 0 に設定します。

    4. 手順 c. で停止したドメインを再起動します。

    『InterDomain Networks ユーザーマニュアル』を参照してください。

  2. メイン SSP をスペア SSP に切り替えます。

    1. メイン SSP にスーパーユーザーとしてログインし、以下のように入力します。


      ssp# /opt/SUNWssp/bin/ssp_backup backup_dir
      

      このコマンドは、SSP 構成情報を backup_dir/ssp_backup.cpio ファイルにバックアップします。

    2. 以下のように入力して、スペア SSP を構成します。


      ssp# /opt/SUNWssp/bin/ssp_config
      Beginning setup of this workstation to act as a MAIN or SPARE SSP.
      Are you currently configuring the MAIN SSP? (y/n)n
      SPARE SSP configuration completed.
      ssp#

  3. スペア SSP をメイン SSP に切り替えます。

    1. スペア SSP にスーパーユーザーとしてログインします。

    2. 手順 2 で作成した ssp_backup.cpio ファイルを復元します。


      ssp# /opt/SUNWssp/bin/ssp_restore backup_dir/ssp_backup.cpio
      

      ここで、backup_dirは、バックアップファイルがあるディレクトリです。


      注 -

      ssp_backup(1M) を実行してから、ssp_restore(1M) を実行するまでの間に SSP の環境を変更しないでください。たとえば、ssp_backup(1M) を実行した後は、ssp_restore(1M) を実行するまで、ドメインの停止や起動、ボードの電源の投入や切断を行ってはなりません。


    3. 以下のように入力して、スペア SSP をメイン SSP に切り替えます。


      ssp# /opt/SUNWssp/bin/ssp_config spare
      Configuring the spare SSP to control the Host
      
      Beginning set up of the SPARE SSP workstation to control the host.
      
      Platform name = allxf4
      Control board 0 = xf4-cb0 => 129.153.151.123
      Control board 1 = xf4-cb1 => 129.153.152.123
      Primary Control Board = 0
      
      Is this correct? (y/n)y
      
      This SPARE SSP is NOW configured to control the host.
      
      This machine is the MAIN SSP now.


      注 -

      次に進む前に、すべての SSP デーモンが起動されているかどうかを確認します。


  4. ホスト上の各ドメインに対して、以下の手順を実行します。

    この手順を実行するときにドメインが停止している場合は、スペア SSP によってそのドメインが起動された後にコンソールウィンドウが使用できなくなることがあります。コンソールが使用できない場合は、rlogin セッションまたは telnet セッションを使用して以下のステップを実行します。

    1. 新しいメイン SSP、またはネットワーク上の別のワークステーションから、スーパーユーザーとしてドメインに rlogin でログインします。

    2. /etc/ssphostname ファイルを編集して、メイン SSP のホスト名をスペア SSP のホスト名で置き換えます。

      たとえば、メイン SSP の名前が xf4-ssp、スペア SSP の名前が xf4-ssp2 である場合は、/etc/ssphostname の内容を xf4-ssp2 に変更します。

    3. 以下のように入力して、コンソールの接続先をメイン SSP からスペア SSP に切り替えます。


      # ps -ef | grep cvcd
      # kill -9 cvcd_pid
      # cvcd_path/cvcd
      

      ここで cvcd_path は、Solaris 2.6 オペレーティングシステムの場合は /sbinになり、Solaris 7 および Solaris 8 オペレーティングシステムの場合は /platform/SUNW,Ultra-Enterprise-10000/lib/cvcd になります。

    4. 必要に応じて、メイン SSP のホスト名をスペア SSP のホスト名で置き換えるため、各ドメインの /etc/syslog.conf ファイルを更新します。