名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | 使用法 | 注意事項 | 環境 | 関連項目
netcon コマンドは、ドメインのホストコンソールプログラムに対するリモート接続を実現し、SSP ウィンドウ (このウィンドウでコマンドが実行されます) を環境変数 SUNW_HOSTNAME により指定されたドメインのコンソールウィンドウにします。netcontool(1M) も参照してください。netcontool(1M) は netcon を実行するメニュー方式のプログラムです。
ネットワーク上の複数のシステムで、複数のドメインコンソールウィンドウ (「コンソールセッション」とも呼ばれます) を同時に開くことができます。各コンソールウィンドウはそれぞれのドメインホストの出力を表示します。ただし、特定のドメインについて、複数のコンソールウィンドウが同時に書き込み権限を持つことはできません。書き込み権限には「ロックなし」のものと「ロック付き」のものがあります。
ロックなしの書き込み権限の保護レベルはあまり高くありません。netcon -g、 netcon -l、または netcon -f によって別のコンソールセッションが始まった場合、あるいは別のドメインコンソールウィンドウで ‾@、‾&、または ‾* が実行された場合には、既存のロックなしの書き込み権限は消失します。チルダ (‾) コマンド については、下記の「使用法」を参照してください。
ロック付きの書き込み権限の保護レベルはもっと高くなります。この権限が消失するのは、netcon -f によって別のコンソールセッションが始まった場合、あるいは別のドメインコンソールウィンドウで ‾* が実行された場合だけです。いずれの場合も、新しいコンソールセッションは排他セッションであり、他のセッションはすべて終了します。
該当するドメインの他のコンソールセッションに書き込み権限がないときに、オプションを指定せずに netcon を実行すると、ロックなしの書き込み権限付きのドメインコンソールウィンドウが始まります。他のセッションにすでに書き込み権限が与えられている場合には、読み取り専用モードのセッションが始まります。
netcon では、ドメインコンソールウィンドウとの通信には、標準のネットワークインタフェースまたは JTAG インタフェースのいずれかを使用できます。これらのインタフェースは、チルドイコール (‾=) コマンドを使用すると、手動で切り替えることができます。これは、ネットワークが操作不能になったとき、つまり netcon コンソールセッションがハングしたときに便利です。
JTAG インタフェースでは、ドメインコンソールウィンドウの自動サイズ調整がサポートされない点に注意してください。それでJTAG インタフェースを使用すると、ネットワークインタフェースを使用した場合よりも入出力のパフォーマンスが遅くなります。
同時に複数のオプションを付けて netcon を実行することはできません。ただし、例外は、-e オプションで他のどのオプションとも組み合わせて使用できます。複数のオプションを指定すると、最も優先順位の高いオプションだけが有効になります。オプションは -f、-l、-g、-r の順に優先されます。
デバッグモードをオンにします。このオプションを使用する前に、必ずサービスアドバイザに相談してください。
デフォルトのエスケープ文字 (‾) を esc_char に変更します。esc_char には、次の文字以外であればどんな文字でも指定できます。@、 #、 ^、 &、 *、(、)、 =、|、[、;、"、'、<、>、.、 ?
(Force オプション) ロック付きの書き込み権限でドメインコンソールウィンドウを開き、他のすべてのコンソールセッションを終了して、新しいセッションを開始できないようにします。 このオプションは排他セッションモードを開始します。コンソールを排他的に使用する必要があるとき (たとえば、プライベートのデバッグセッションを実行するとき) には、このオプションを選択してください。
注 - マルチセッションのモードに復帰するには、(‾^ を実行して) ロックを解除するか、または (‾. を実行して) netcon -f セッションを終了します。
(Grab オプション) ロックなしの書き込み権限でドメインコンソールウィンドウを開きます。別のセッションがロックなしの書き込み権限を与えられている場合、新しいドメインコンソールウィンドウがこの権限を奪うことになります。別のセッションがロック付き書き込み権限を与えられている場合、 この要求は拒否され、読み取り専用のセッションが始まります。
(Lock オプション) ロック付きの書き込み権限でコンソールウィンドウを開きます。別のセッションがロックなしの書き込み権限を与えられている場合、新しいドメインコンソールウィンドウがこの権限を奪うことになります。別のセッションがロック付き書き込み権限を与えられている場合、この要求は拒否され、読み取り専用のセッションが始まります。
(Read Only オプション) 読取り専用権限でドメインコンソールウィンドウを開きます。
ドメインコンソールウィンドウでは、行の最初に表示されるチルダ (‾) は、エスケープシグナルとして解釈され、netcon に対して次のような特別な動作をとるように指示します。
OBP または kadb に割り込みます。
接続を解除して、netcon セッションを終了します。
ロックなしの書き込み権限を取得します (-g を参照)。
書き込み権限を解除します。
実行中の全コンソールセッションおよび使用中の通信経路の状態を表示します。
ネットワークと JTAG インタフェースの通信経路を切り替えます。‾= は、(‾* を実行して) プライベートモードでのみ使用してください。
ロック付きの書き込み権限を取得します (-l を参照)。このシグナルは、読み取り専用セッションあるいはロックなしの書き込み権限によるセッションが実行されているときに出すことができます。
ロック付きの書き込み権限を取得し、他のセッションをすべて終了して、新しいセッションを開始できないようにします (-f を参照)。マルチセッションのモードに復帰するには、ロックを解除するか、またはこのセッションを終了します。
netcon セッションをログに記録するには、/etc/syslog.conf ファイルの locall.debug 行のコメントを解除した後、kill -HUP `cat /etc/syslog.pid` を実行して、強制的に syslogd(1M) が構成ファイルを再度読み込むようにします。netcon セッションのログへの記録が有効になると、netcon(1M) セッションの出力が /var/opt/SUNWssp/adm/domain_name/netcon ファイルに記録されます。
kill -9 コマンドを使用して netcon コンソールセッションを終了すると、netcon コマンドを実行しているウィンドウまたは端末は raw モードに入り、ハングしたようになります。この状態から抜け出すには、^j、stty sane、^j の順に入力します。
ドメインコンソールウィンドウで vi(1) を実行し、エスケープシーケンス (チルダコマンド) を正常に実行するには、環境変数 TERM と Netcon ウィンドウの設定が一致していなくてはなりません。たとえば、netcon コマンドを実行したウィンドウで TERM が xterm に設定されている場合は、ドメインコンソールウィンドウの TERM も xterm に設定されている必要があります。
該当ドメインで bringup(1M) が実行されていない場合には、以下のエラーメッセージが表示されます。
netcon_server is not running for domain_name. |
環境変数 SUNW_HOSTNAME が該当ドメイン名に設定されている必要があります。
SunOS リファレンスマニュアルの boot(1M)、cvcd(1M)。