名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | 環境 | 関連項目
bringup は以下のステップを実行して、環境変数 SUNW_HOSTNAME に指定されているドメインを起動します。いずれかのステップが失敗すると、bringup はエラーメッセージを表示して異常終了します。
power(1M) コマンドを実行して、ドメインの電源が入っているかどうかをチェックします。電源が入っていれば次のステップに進み、入っていない場合は、ドメインの電源を入れるように促すメッセージを表示して異常終了します。 -f が指定されている場合は、power(1M) コマンドは実行されません。
check_host(1M) を実行して、ドメインがすでに立ち上がっているかどうかを判別します。立ち上がっていない場合は、ドメインを起動します。すでに立ち上がっている場合は、bringup はそのことを知らせるメッセージを表示し、続行するかどうかを確認します。n を入力すると、bringup は終了します。y を入力すると、ドメインがハングしたために bringup を実行したのかどうかを確認するメッセージが表示されます。このメッセージに対して行った応答は、問題追跡のみを目的として記録されます。いずれの場合も、 bringup はドメインを起動します。
すでに立ち上がっているか、立ち上げが行われているドメインが他にないかどうかをチェックして、次のステップで hpost(1M) にオプションの -C (センタープレーンの設定) を指定するかどうかを決定します。別のドメインの立ち上げが行われていて、センタープレーンを設定している最中である場合は、 bringup はそのドメインのセンタープレーンの設定が終了するまで待ってから、処理を続行します。すでに立ち上がっているか、立ち上げが行われているドメインが他にない場合は、センタープレーンの設定の開始を知らせるメッセージが表示され、 処理を続行するかどうかを確認します (コマンド行で -f を指定した場合は、 bringup はこのメッセージを表示せずに処理を続行します)。
y を入力すると、bringup はセンタープレーンを設定し、処理を続行します。センタープレーンが設定済みである場合 (たとえば以前のドメインによって設定されている場合) は、再設定が行われます。再設定しても問題はありませんが、bringup の実行時間は少し長くなります。
n を入力し、センタープレーンがすでに設定されている場合は、bringup はセンタープレーンを再設定せずに処理を続行します。
n を入力した際にセンタープレーンが未だ設定されていない場合は、hpost(1M) は多くの場合失敗します。
注 - 立ち上がっているドメインがなく、センタープレーンが設定済みかどうか確かでない場合は、y を入力するのが一番安全です。
この時点で bringup は、ドメインが Solaris 2.6 よりも前のバージョンの Solaris で作成されたかどうかを判別します。Solaris 2.6 以前のバージョンの Solaris で作成されている場合は、次のステップ 4 を省略してステップ 5 に進みます。その他の場合は、ステップ 4 を実行してからステップ 5 に進みます。
ドメインごとに domain_unlink(1M) を実行して、それらのドメインが IDN のメンバーでないことを確認します。
その間以下のメッセージが表示されます。このメッセージは、ドメインの各 IDN のサイズおよびそれらのドメインメンバーの状態によって異なりますが、数秒間表示されます。
Checking domain IDN configuration...
確認作業が終了すると、done と表示されます。
IDN 操作中にエラーが発生すると、error と表示されると共に domain_unlink(1M) コマンドにより収集された出力が表示されます。別の IDN 操作が進行中の場合は、busy と表示され、前の IDN 操作が完了するまで待機します。
複数の IDN メンバーの状態が不明なために domain_unlink(1M) コマンドが失敗した場合は、bringup を実行する前に、それらの不明なドメインのリンクを解除するために、ドメインに対して 1 つずつ手動で domain_unlink(1M) コマンドを実行する必要があります。
各 IDN からのドメインのリンク解除は、一時的であり、MIB は更新されない点に注意してください。ドメインを起動すると、適切な IDN ソフトウェアが提供されている場合には、edd(1M) つまり SSP イベント検出デーモンがドメインの可用性を検出し、自動的に domain_link(1M) を実行してドメインを該当する IDN に再接続します。
-C オプションを付けて hpost(1M) を実行し、センタープレーンとドメインを続けて設定します。あるいは、-C オプションを付けずに hpost(1M) が実行された場合は、ドメインだけが設定されます。
obp_helper(1M) と netcon_server(1M) を起動し、OBP とオペレーティングシステムの起動処理を実行して、ネットワークコンソールを設定します。
最終的なドメイン設定に従って MIB を更新します。
以下のオプションがサポートされています。
そのドメインがすでに立ち上がっている場合でも、bringup を強制的に実行します。
注意: コマンド行に指定されているかどうかに関係なく、bringup は必要に応じて -C を hpost(1M) に渡します。ただし、-C と一緒に -f を指定すると、bringup は他に立ち上がっているドメインのあるなしにかかわらず -C を渡します。この結果、すでに立ち上がっていたドメインがあれば、それらはすべてリセットされます。したがって、-C と -f を一緒に指定するときには、細心の注意が必要となります。-f を使用すると、bringup はドメインの電源が入っているかどうかをチェックしないので注意してください。
このオプションはコマンド行では使用しないでください。このオプションは自動再起動スクリプト用に予約されています。edd(1M) を参照。
bringup コマンド行オプションの簡単な説明を出力します。
より高速な、限定されたバージョンの POST を実行するように hpost(1M) に要求します。
コマンド行で -Q を使用しないでください。-Q は、uadmin(2) システムコールまたは Openboot がリセットを開始した結果として、ドメインの再起動が要求されたとき、SSP ソフトウェア (edd(1M) 参照) によって起動されます。uadmin(2) システムコールは、reboot(1m)、uadmin(1m)、shutdown(1m)、および init(1m) コマンドによって使用されます。ドメインの状態によっては、手動で bringup -Q を実行すると、bringup で障害が発生することがあります。
-s と -v20 のオプションを使用するように hpost(1M) に要求します。この結果、出力はすべて syslog に送られます。
-v70 オプションを使用するように hpost(1M) に要求します。この結果、より詳細な情報が作成されます。
bringup は、このオプションを netcon_server(1M) に渡します。
上記以外の引数はブート引数とみなされ、obp_helper(1M) に渡されます。obp_helper(1M) はこれらの引数を 1 つずつ OpenBoot boot(1M) コマンドに渡します。
"−" の後の引数は、常に obp_helper(1M) に渡されます。これは bringup(1M) 引数と競合する引数、または"−" がついている名前を指定するに便利です。たとえば、以下の 2 つのコマンドは同等で、-D 引数は obp_helper(1M) に渡されます。
bringup-D
bringup--D
bringup はこれらのオプションを hpost(1M) に渡します。
bringup(1M) はこれらのオプションを obp_helper(1M) に渡します。
環境変数 SUNW_HOSTNAME には、ドメイン名が設定されている必要があります。
『Sun Enterprise 10000 SSP リファレンスマニュアル』の check_host(1M), domain_unlink(1M), hpost(1M), netcon_server(1M), obp_helper(1M), snmpd(1M), sys_reset(1M)
SunOS リファレンスマニュアルの boot(1M)