Sun Enterprise 10000 SSP 3.4 ユーザーマニュアル

データ同期の管理

フェイルオーバーのためにスペア SSP 上で管理する必要があるユーザー作成ファイル (SSP ディレクトリに含まれていない非 SSP ファイル) がある場合は、データ同期に使用されるデータ伝播リストでこれらのファイルを特定する必要があります。datasyncd デーモンは、このリストを使用して、メイン SSP からスペア SSP にコピーするファイルを判定します。


注 -

データ同期デーモンは、/tmp ディレクトリの使用可能なディスク領域を使用してメイン SSP からスペア SSP にファイルをコピーします。コピーするファイルが /tmp ディレクトリの容量を超える場合は、これらのファイルを伝播することはできません。たとえば、データ同期バックアップファイル (ds_backup.cpio)/tmp ディレクトリの使用可能容量を超える場合は、データの伝播を行う前にこのファイルのサイズを小さくする必要があります。データ同期バックアップファイルのサイズを小さくする方法の詳細については、「データ同期バックアップファイルのサイズを小さくする」を参照してください。


setdatasync(1M) コマンドを使用して、以下の処理を行います。


注 -

スペア SSP 上のファイルは、datasyncd デーモンによって監視されません。つまり、スペア SSP 上のユーザー作成ファイルを削除した場合に、そのファイルはメイン SSP からスペア SSP に自動的に復元 (コピー) されるわけではありません。


詳細は、setdatasync(1M) マニュアルページを参照してください。

ファイルをデータ伝播リストに追加する
  1. ユーザー名 ssp でメイン SSP にログインし、以下のように入力します。


    ssp% setdatasync -i interval schedule filename 
    

    ここで、interval は、filename で指定したファイルがデータ同期プロセスの一部としてチェックされる頻度 (分) です。ファイル名は、絶対パスで指定する必要があります。データ伝播リストのファイルがスペア SSP にコピーされるのは、これらのファイルがメイン SSP 上で変更された場合だけです。ファイルがチェックされるたびにコピーされるわけではありません。

ファイルをデータ伝播リストから削除する
  1. ユーザー名 ssp でメイン SSP にログインし、以下のように入力します。


    ssp% setdatasync cancel filename 
    

    ここで、filename はデータ伝播リストから削除するファイルです。ファイル名は、絶対パスで指定する必要があります。

データ伝播リストを削除する

このオプションは、シングル SSP 構成でディスク容量を制御するのに有用です。この構成では、データ伝播リストが非常に大きくなり、不要なディスク容量が消費されます。このオプションによってメイン SSP とスペア SSP の間でデータが非同期になることがあるため、デュアル SSP 構成ではこのオプションをなるべく使用しないでください。

  1. ユーザー名 ssp でメイン SSP にログインし、以下のように入力します。


    ssp% setdatasync clean  
    

ファイルをスペア SSP にプッシュする
  1. ユーザー名 ssp でメイン SSP にログインし、以下のように入力します。


    ssp% setdatasync push filename 
    

    ここで、filename は、データ伝播リストに追加しないでスペア SSP に移動するファイルです。ファイル名は、絶対パスで指定する必要があります。

メイン SSP とスペア SSP の間で再び SSP 構成ファイルの同期をとる
  1. ユーザー名 ssp でメイン SSP にログインし、以下のように入力します。


    ssp% setdatasync backup  
    

    メイン SSP 上のすべての SSP 構成データのデータ同期バックアップファイルが作成され、スペア SSP 上に復元されます。バックアップファイルが /tmp ディレクトリの使用可能ディスク容量を超えた場合は、データ同期バックアップが失敗します。データ同期バックアップファイルのサイズを小さくする方法の詳細は、以下の手順を参照してください。

データ同期バックアップファイルのサイズを小さくする
  1. ssp_backup(1M) を実行して SSP 環境のアーカイブを作成します。

  2. 以下のファイルを削除して、setdatasync backup の実行時に作成されるデータ同期バックアップファイルのサイズを小さくします。

    • $SSPLOGGER/messages.x

    • $SSPLOGGER/domain/Edd-recovery_files

    • $SSPLOGGER/domain/messages.x

    • $SSPLOGGER/domain/netcon.x

    • $SSPLOGGER/domain/post/files

    ここで、x はファイルのアーカイブ番号です。これらのファイルはフェイルオーバーの後に新しいメイン SSP からスペア SSP に伝播されるため、メイン SSP とスペア SSP の両方でこれらのファイルを削除して、ファイルが再び作成されないようにする必要があります。

データ同期情報の取得

メイン SSP 上で showdatasync(1M) コマンドを使用して、データ同期に関する情報を取得します。この節の例では、showdatasync コマンドで表示されるさまざまな情報を示しています。

次の例は、datasyncd デーモン (ファイル伝播) の状態、現在のデータ伝播リストに含まれるファイル、データ伝播のために待ち行列に入れられたファイルを示しています。


ssp% showdatasync 
File Propagation Status:  ACTIVE
Active File:              -
Queued files:             0

次の例は、データ伝播リストを示しています。


ssp% showdatasync -l  
TIME PROPAGATED         INTERVAL     FILE
Mar 23 16:00:00         60           /tmp/t1
Mar 23 17:00:00         120          /tmp/t2

次の例は、データ同期のために待ち行列に入れられたファイルを示しています。


ssp% showdatasync -Q  
FILE
/tmp/t1
/tmp/t2

詳細は、showdatasync(1M) マニュアルページを参照してください。