Sun Enterprise 10000 SSP 3.5 ユーザーマニュアル

SSP フェイルオーバーの自動制御

SSP フェイルオーバー機能は、SSP のインストールまたはアップグレード時に自動的に使用可能になります。フェイルオーバー状態の制御には、setfailover(1M) コマンドを使用します。このコマンドで可能な処理は、以下のとおりです。

詳細は、setfailover(1M) マニュアルページを参照してください。

SSP フェイルオーバーを使用不可にする
  1. ユーザー名 ssp でメイン SSP にログインし、以下のように入力します。


    ssp% setfailover off
    

    SSP フェイルオーバーは、次の手順の説明に従ってユーザーが使用可能にするまで、使用不可のままとなります。


    注 -

    メイン SSP とスペア SSP をともに再起動すると、フェイルオーバーは自動的に使用可能に戻ります。


  2. showfailover(1M) コマンドを実行してフェイルオーバーが使用不可になっていることを確認します。

    詳細については、「フェイルオーバー状態情報の取得」を参照してください。フェイルオーバーの状態が Disabled と表示されなければなりません。

SSP フェイルオーバーを使用可能にする

使用不可のフェイルオーバーを setfailover(1M) コマンドを使用して使用可能にする場合は、その前に接続状態をチェックします。フェイルオーバーを使用可能にする前に、すべての接続リンクが正しく機能している必要があります。障害のある接続が1つでもあると、フェイルオーバーは使用不可になります。

  1. ユーザー名 ssp でメイン SSP にログインし、以下のように入力します。


    ssp% setfailover on
    

    両方の SSP およびその接続リンクが正常に機能していると、SSP フェイルオーバーが使用可能になります。

  2. showfailover(1M) コマンドを実行してフェイルオーバーが使用可能になっていることを確認します。

    フェイルオーバーおよび接続の状態を確認する方法については、「フェイルオーバー状態情報の取得」を参照してください。


    注 -

    フェイルオーバー状態が確認されるまでに数分間かかります。setfailover コマンドは、この間に制御ボードの接続をチェックし、SSP フェイルオーバーを使用可能にします。


スペア SSP に対してフェイルオーバーを強制する

注 -

SSP フェイルオーバーを強制する前に、メインとスペアの両方の SSP が同期していることを確認します。showdatasync(1M) コマンドを使用して、メイン SSP とスペア SSP 間のデータ同期の状態を調べます。詳細については、「データ同期情報の取得」を参照してください。


  1. ユーザー名 ssp でメイン SSP にログインし、以下のように入力します。


    ssp% setfailover force
    

    強制フェイルオーバーを行う前に setfailover コマンドを使用すると、データの同期状態を調べることができます。以下のいずれかの状態となっていると、強制フェイルオーバーは行われません。

    • データ同期のバックアップを行っている (アクティブアーカイブと呼びます) 場合

    • メイン SSP からスペア SSP へファイルを伝播中の場合

    • データ同期キュー内に少なくとも 1 つ以上のファイルが入っている場合

    showdatasync(1M) コマンドを実行すると、同期状態に関する情報を表示させることができます。

  2. showfailover(1M) コマンドを実行して、強制フェイルオーバーが行われたことを確認し、フェイルオーバーおよび接続の状態を調べます。

    詳細については、「フェイルオーバー状態情報の取得」を参照してください。

  3. 「SSP フェイルオーバーを使用可能にする」で説明したように、SSP フェイルオーバーを再度、使用可能にしてください。

ssp_resource ファイルのメモリーまたはディスク容量のしきい値を変更する

メモリーまたはディスク容量のリソースが一定のしきい値を下回っていると、フェイルオーバーが発生します。ただし、setfailover(1M) コマンドを使用すれば、これらのリソースのしきい値 (ssp_resource(4) ファイルに格納されています) を変更することができます。

  1. ユーザー名 ssp でメイン SSP にログインし、以下のいずれかの操作を行います。

    • メモリーのしきい値を変更する場合は、以下のように入力します。


      ssp% setfailover -m memory_threshold
      

      ここで、memory_threshold は更新後の仮想メモリーの値 (KB) です。

    • ディスク容量のしきい値を変更する場合は、次のように入力します。


      ssp% setfailover -d disk_space_threshold
      

      ここで、disk_space_threshold は更新後のディスク容量の値 (KB) です。

  2. setfailover(1M) コマンドに -m または -d オプションだけを指定し、更新後のしきい値を確認してください。

フェイルオーバー状態情報の取得

メイン SSP 上で showfailover(1M) コマンドを使用すれば、フェイルオーバー状態の情報を表示できます。たとえば、以下のようなフェイルオーバー情報が表示されます。


ssp% showfailover  
Failover State:
     SSP Failover: Disabled
     CB Failover:  Active
Failover Connection Map:
     Main SSP to Spare SSP thru Main Hub:   FAILED
     Main SSP to Spare SSP thru Spare Hub:  FAILED
     Main SSP to Primary Control Board:     GOOD
     Main SSP to Spare Control Board:       GOOD
     Spare SSP to Main SSP thru Main Hub:   FAILED
     Spare SSP to Main SSP thru Spare Hub:  FAILED
     Spare SSP to Primary Control Board:    FAILED
     Spare SSP to Spare Control Board:      FAILED
SSP/CB Host Information
     Main SSP:                              xf12-ssp
     Spare SSP:                             xf12-ssp2
     Primary Control Board (JTAG source):   xf12-cb1
     Spare Control Board:                   xf12-cb0
     System Clock source:                   xf12-cb1

フェイルオーバー状態の情報は、以下のとおりです。

showfailover(1M) コマンドで -r オプションを指定すれば、現在の SSP の役割についての情報を取得することができます。SSP の役割は、「UNKNOWN (SSP の役割が確定されていない)」、「MAIN」、または「SPARE」です。

showfailover(1M) コマンドの詳細については、showfailover(1M) マニュアルページを参照してください。