SSP フェイルオーバー機能は、SSP のインストールまたはアップグレード時に自動的に使用可能になります。フェイルオーバー状態の制御には、setfailover(1M) コマンドを使用します。このコマンドで可能な処理は、以下のとおりです。
SSP フェイルオーバーを使用不可、使用可能にしたり、強制する。
ssp_resource ファイルのメモリーまたはディスク容量のしきい値を表示または設定する。
ユーザー名 ssp でメイン SSP にログインし、以下のように入力します。
ssp% setfailover off |
SSP フェイルオーバーは、次の手順の説明に従ってユーザーが使用可能にするまで、使用不可のままとなります。
メイン SSP とスペア SSP をともに再起動すると、フェイルオーバーは自動的に使用可能に戻ります。
showfailover(1M) コマンドを実行してフェイルオーバーが使用不可になっていることを確認します。
詳細については、「フェイルオーバー状態情報の取得」を参照してください。フェイルオーバーの状態が Disabled と表示されなければなりません。
使用不可のフェイルオーバーを setfailover(1M) コマンドを使用して使用可能にする場合は、その前に接続状態をチェックします。フェイルオーバーを使用可能にする前に、すべての接続リンクが正しく機能している必要があります。障害のある接続が1つでもあると、フェイルオーバーは使用不可になります。
ユーザー名 ssp でメイン SSP にログインし、以下のように入力します。
ssp% setfailover on |
両方の SSP およびその接続リンクが正常に機能していると、SSP フェイルオーバーが使用可能になります。
showfailover(1M) コマンドを実行してフェイルオーバーが使用可能になっていることを確認します。
フェイルオーバーおよび接続の状態を確認する方法については、「フェイルオーバー状態情報の取得」を参照してください。
フェイルオーバー状態が確認されるまでに数分間かかります。setfailover コマンドは、この間に制御ボードの接続をチェックし、SSP フェイルオーバーを使用可能にします。
SSP フェイルオーバーを強制する前に、メインとスペアの両方の SSP が同期していることを確認します。showdatasync(1M) コマンドを使用して、メイン SSP とスペア SSP 間のデータ同期の状態を調べます。詳細については、「データ同期情報の取得」を参照してください。
ユーザー名 ssp でメイン SSP にログインし、以下のように入力します。
ssp% setfailover force |
強制フェイルオーバーを行う前に setfailover コマンドを使用すると、データの同期状態を調べることができます。以下のいずれかの状態となっていると、強制フェイルオーバーは行われません。
データ同期のバックアップを行っている (アクティブアーカイブと呼びます) 場合
メイン SSP からスペア SSP へファイルを伝播中の場合
データ同期キュー内に少なくとも 1 つ以上のファイルが入っている場合
showdatasync(1M) コマンドを実行すると、同期状態に関する情報を表示させることができます。
showfailover(1M) コマンドを実行して、強制フェイルオーバーが行われたことを確認し、フェイルオーバーおよび接続の状態を調べます。
詳細については、「フェイルオーバー状態情報の取得」を参照してください。
「SSP フェイルオーバーを使用可能にする」で説明したように、SSP フェイルオーバーを再度、使用可能にしてください。
メモリーまたはディスク容量のリソースが一定のしきい値を下回っていると、フェイルオーバーが発生します。ただし、setfailover(1M) コマンドを使用すれば、これらのリソースのしきい値 (ssp_resource(4) ファイルに格納されています) を変更することができます。
ユーザー名 ssp でメイン SSP にログインし、以下のいずれかの操作を行います。
メモリーのしきい値を変更する場合は、以下のように入力します。
ssp% setfailover -m memory_threshold |
ここで、memory_threshold は更新後の仮想メモリーの値 (KB) です。
ディスク容量のしきい値を変更する場合は、次のように入力します。
ssp% setfailover -d disk_space_threshold |
ここで、disk_space_threshold は更新後のディスク容量の値 (KB) です。
setfailover(1M) コマンドに -m または -d オプションだけを指定し、更新後のしきい値を確認してください。
メイン SSP 上で showfailover(1M) コマンドを使用すれば、フェイルオーバー状態の情報を表示できます。たとえば、以下のようなフェイルオーバー情報が表示されます。
ssp% showfailover Failover State: SSP Failover: Disabled CB Failover: Active Failover Connection Map: Main SSP to Spare SSP thru Main Hub: FAILED Main SSP to Spare SSP thru Spare Hub: FAILED Main SSP to Primary Control Board: GOOD Main SSP to Spare Control Board: GOOD Spare SSP to Main SSP thru Main Hub: FAILED Spare SSP to Main SSP thru Spare Hub: FAILED Spare SSP to Primary Control Board: FAILED Spare SSP to Spare Control Board: FAILED SSP/CB Host Information Main SSP: xf12-ssp Spare SSP: xf12-ssp2 Primary Control Board (JTAG source): xf12-cb1 Spare Control Board: xf12-cb0 System Clock source: xf12-cb1 |
フェイルオーバー状態の情報は、以下のとおりです。
フェイルオーバー状況 (Failover State)
フェイルオーバー状況は、以下のいずれかです。
有効 (Active) ― 自動フェイルオーバーが使用可能で正常に機能しています。
使用不可 (Disabled) ― オペレータの要求、またはフェイルオーバーを発生できない障害状態によって自動フェイルオーバーが使用不可になっています。
障害発生 (Failed) ― フェイルオーバーが発生しています。
フェイルオーバーの後は、setfailover(1M) コマンドを使用してフェイルオーバーを再び使用可能にするまでフェイルオーバー状態は「障害発生 (Failed)」です。すべての接続を修正しフェイルオーバー接続マップで「GOOD」と示された場合でも、フェイルオーバーを手作業で再び使用可能にする必要があります (以下を参照)。
フェイルオーバーが発生すると、フェイルオーバーは複数の状態に変化することに注意してください。詳細については、71 ページの「SSP フェイルオーバーの状態変化」を参照してください。
フェイルオーバー接続マップ
接続マップには、フェイルオーバープロセスによって監視された制御ボードの接続リンク状態が示されます。接続リンクの状態は、「GOOD」(接続が正しく機能していることを示します) または「FAILED」(接続が機能していないことを示します)です。
接続に障害が発生している場合は、この接続マップを使用して障害状態を判定してください。さまざまな障害箇所における障害状態についての詳細は、第 10 章「SSP の内部構造」の「フェイルオーバー検出箇所の説明」を参照してください。
SSP/CB ホスト情報
このホスト情報部は、SSP、制御ボード、JTAG インタフェースとシステムクロックを管理する制御ボードに関するものです。
showfailover(1M) コマンドで -r オプションを指定すれば、現在の SSP の役割についての情報を取得することができます。SSP の役割は、「UNKNOWN (SSP の役割が確定されていない)」、「MAIN」、または「SPARE」です。
showfailover(1M) コマンドの詳細については、showfailover(1M) マニュアルページを参照してください。