Sun Enterprise 10000 Dynamic Reconfiguration ユーザーマニュアル

一時停止に対して安全な装置と一時停止に対して危険な装置

DR 操作によりオペレーティング環境の動作が一時停止するとき、オペレーティング環境に接続しているデバイスドライバもすべて一時停止する必要があります。ドライバを一時停止(および、停止後の再開)できないと、DR 操作は失敗します。

一時停止に対して安全な装置は、オペレーティング環境が休止しているときにメモリーアクセスやシステム割り込みを行いません。オペレーティング環境の休止 (一時停止・再開) に対応しているドライバは、一時停止に対して安全なドライバです。また、このようなドライバは、一時停止要求が行われたとき、そのドライバが管理する装置が開いていても、要求が正常に完了するまで、装置はメモリーへアクセスしないことを保証します。一方、一時停止に対して危険な装置とは、オペレーティング環境が休止しているときでも、メモリーアクセスやシステム割り込みを許可する装置です。

DR 操作では、dr.conf ファイル(DR モデル 2.0 の場合) と ngdr.conf ファイル (DR モデル 3.0 の場合) に保存されている一時停止に対して危険なドライバのリストを使用し、DR 操作中に、一時停止に対して危険な装置がメモリーへアクセスしたり、オペレーティング環境に割り込みを行ったりしないようにしています。この危険なドライバのリストは、dr.conf ファイルと ngdr.confファイルにしか保存されず、また、リストのエントリは以下の形式となります。


unsupported-io-drivers="driver1","driver2","driver3";

DR はオペレーティング環境の一時停止を準備するときにこのリストを読み込みますので、メモリーコンポーネントの構成を解除することができます。DR が一時停止に対して危険なドライバのリストから、動作中のドライバを見つけると、DR 操作を中止してエラーメッセージを表示します。このメッセージには、動作中の危険なドライバのIDが含まれます。以下の作業のいずれか、または組み合わせた作業を行うことにより、装置の使用を手動で解除する必要があります。

装置の使用を解除したら、DR 操作をやり直すことができます。


注 -

初めから DR モデルの切り替えを想定していない場合でも、一時停止に対して危険なドライバはすべて、dr.confngdr.conf の両方のファイルにリストしておくことを推奨します。このようにしておくと、後から DR モデルを切り替えることになっても、すべての危険なドライバへの参照が両方の構成ファイルに含まれるようになります。