コンソールウィンドウ、/var/adm/messages ディレクトリ、および $SSPLOGGER/domain_name/messages ディレクトリへそれぞれ送信される DR ドライバエラーメッセージを以下の表に示します。
表 A-15 DR ドライバエラーメッセージ
エラーメッセージ |
推定される原因 |
対処方法 |
---|---|---|
dr:Internal error:dr.c line_number |
DR ドライバ内で内部エラーが発生しました。 |
失敗した操作の再試行を行います。エラーが再発生する場合は、各種 DR ソフトウェアコンポーネントをいったん終了して再起動し、操作の再試行を行います。以上の操作を行ってもエラーが発生する場合は、ドメインを再起動します。その他の原因があるかどうか、コンソールまたはシステムログをチェックします。 |
dr:Insufficient memory:resource |
KPHYSM_ERESOURCE エラーまたは cpu_configure()/cpu_unconfigure() エラーと同時に ENOMEM errno が発生したため、DR フレームワークはリソースを構成また構成解除できませんでした。 |
この状態は一時的な場合があります。DR 操作の再試行を行います。エラーが再発生し、失敗する操作が構成解除操作である場合、別のドメインからそのドメインへメモリーを移動して構成してみます。以上の操作を行ってもエラーが発生する場合は、ドメインを再起動します。 |
dr:Device busy:resource |
cpu_configure() または cpu_unconfigure() から想定される EBUSY errno メッセージの変換結果を表わします。または、入出力デバイスが使用されているため、切り離せないことを示しています。dr_pre_detach_cpu を呼び出したときに、切り離そうとしている CPU がオンライン状態にある場合も、このエラーメッセージが表示されます。メモリードレイン操作を行っている間は、CPU を切り離せません。 |
システムコントローラで showdevices(1M) を使用して、リソースが使用中となっている原因を見つけます。または、ドメイン上で fuser(1M)、psrinfo(1M)、prtdiag(1M)、あるいは同様なツールを使用して、デバイスが使用中となっている原因を見つけます。また、他のメモリードレイン操作がすでに実行されていないかどうかを調べます。 どの原因でエラーが発生したかにより、リソースを使用している対象を再構成するか、終了します。あるいは、すでに行われているメモリードレイン操作が完了するまで待ちます。この後で、DR 操作の再試行を行います。 |
dr:Operation already in progress:resource |
cpu_configure() または cpu_unconfigure() から想定される EALREADY errno の変換結果を表わします。 |
システムコントローラで showdevices(1M) を使用して、指定したリソースの構成を調査します。または、ドメイン上で cfgadm(1M)、pbind(1M)、psrinfo(1M)、または同様なコマンドを使用して、リソースの構成を調査します。このリソースですでに実行されている操作を調べます。操作が完了するまで待つか、その操作をキャンセルします。この後で、DR 操作の再試行を行います。先に操作が実行されていてもすでに終了していることがありますので、この操作を再試行すると正常に終了する可能性もありますし、エラーが再発生する場合もあります。 |
dr:I/O error:resource |
kphysm_del_start の呼出しにより、未知のエラーコードが返されました。さらに詳細な cmn_err message のメッセージも表示されます。 |
システムログまたはコンソールに表示された cmn_err の詳細なエラーメッセージから、エラー状態を特定し対処方法を調べます。 |
dr:Bad address:resource |
kphysm_add_memory_dynamic は、KPHYSM_EFAULT を返しました。 |
DR 操作の再試行を行います。エラーが再発生する場合は、購入先にお問い合わせください。 |
dr:No device(s) on board:board_path |
デバイス (入出力、メモリーまたは CPU) を持たないボードが接続されました。または、そのようなボードの接続を解除しました。 |
ボードにデバイスが実装されていると思われる場合は、そのボードの接続を解除してシステムからボードを取り外してください。認定された技術者により、そのコンポーネントを再実装する必要があります。 |
dr:Invalid argument:attachment_point |
無効な引数を DR に渡しました。 |
DR 操作の再試行を行います。エラーが再発生する場合は、購入先にお問い合わせください。 |
dr:Invalid state transition:attachment_point |
DR 操作の順番が誤っていました。 順番を誤って cfgadm(1M) コマンドを実行した場合は、オペレータの操作ミスの可能性があります。 または、なんらかの内部エラー状態により、DR ドライバが正常に動作しなかった可能性があります。 |
DR 操作の再試行を行います。 エラーが再発生する場合は、DR ソフトウェアコンポーネントをいったん停止させ、再起動 (つまり、読み込みを解除し、再度、読み込ませて)、このエラー状態から復旧してください。 以上の操作を行ってもエラーが発生する場合は、ドメインを再起動します。 |
dr:Device in fatal state |
デバイスを停止できません。または、デバイスが停止を拒否しました。 |
DR 操作の再試行を行います。 エラーが再発生する場合は、そのデバイスが一時停止に対して危険なモードであった可能性があります。一時停止に対して危険なデバイスのリストを調べます。デバイスが一時停止に対して危険なデバイスであるならば、showdevices(1M) または fuser(1M) を使用してそのデバイスが使用されているかどうかを調べ、リソースを手動で再構成します。この後で、手動によりドライバの読み込みを解除し、デバイスの種類によっては、デバイスに接続しているケーブルを外します。以上の操作により、デバイスを停止させても安全な状態になりますので、操作の再試行を行います。DR 操作が正常に完了するまでは、このデバイスへのケーブルの再接続、デバイス用ドライバの再読込み、あるいは、リソースの再構成といった作業は行わないでください。 |
dr:Device failed to resume:path |
停止させたデバイスの動作を再開できませんでした。 |
|
dr:Cannot stop user thread |
デバイスを停止させる準備段階で、DR はユーザースレッドを終了できませんでした。 |
DR 操作の再試行を行います。このエラーが再発生する場合は、停止できなかったユーザースレッドを調査し、停止できなかった原因を調べます。DR 操作を続行させるには、スレッドを終了しなければならない場合があります。 |
dr:Cannot quiesce realtime thread |
オペレーティングシステムを停止しようとしたときに、リアルタイムスレッドが作動していました。リアルタイムスレッドを中断、または休止することはできません。すべてのリアルタイムスレッドを終了するか、非リアルタイムスレッドに変更しないと、中断操作は失敗します。 |
リアルタイムスレッドを終了するか、priocntl(1M) コマンドを使用してスレッドの優先順位を調整します。(リアルタイムスレッドの優先順位を調整するには PID が必要です) |
dr:Cannot stop kernel thread:name |
DR はカーネルのスレッドを停止できませんでした。 |
DR 操作の再試行を行います。このエラーが再発生する場合は、停止できなかったユーザースレッドを調査し、停止できなかった原因を調べます。カーネルのスレッドを終了できる場合はスレッドを終了し、DR 操作を続行します。 |
dr:Failed to off-line:cpu |
CPU をオフラインにできなかったため、CPU の構成を解除することができません。CPU に接続しているスレッドがある可能性があります。CPU に接続しているスレッドがある場合は、cmn_err メッセージもログに記録されています。ボードを切り離すには、DR が CPU をオフライン状態にし、CPU の電源を切断できなければなりません。 |
コンソールおよびシステムログをチェックして、CPU に接続しているスレッドがあるかどうかを調べます。スレッドがある場合は、手動により接続を解除するか、ドメイン内の別のボードの CPU へ再接続することができます。CPU に接続しているスレッドがない場合は、psrset(1M)、pbind(1M)、およびpsrinfo(1M) を使用して、どのように変更すれば、DR が CPU をオフラインにできるようになるのかを調べます。たとえば、別のボードの CPU をドメインへ追加しなければならない場合があります。あるいは、他の CPU をオンラインにしなければならないこともあります。最終的には、CPU 作業負荷を分散させるため CPU ボードを追加しなければならない場合もあります。 |
dr:Failed to on-line:cpu |
DR は、新たに接続したボード、または以前に構成を解除したボード上の CPU をオンラインにできませんでした。 |
|
dr:Failed to start CPU:cpu |
DR は、新たに接続したボード、または以前に構成を解除したボード上の CPU を起動できませんでした。 |
|
dr:Failed to stop CPU:cpu |
DR は、構成を解除するボードの CPU の電源を切断できませんでした。構成を解除するボード上の CPU をすべてオフラインにして、かつ電源を切断しないと、構成解除操作は失敗します。 |
|
dr:Kernel cage is disabled:resource |
カーネルケージが無効になっていると、常時メモリーをホストしているボードを切り離せません。 |
/etc/system を修正してカーネルケージを有効に設定し、ドメインを再起動します。 |
dr:No available memory target:resource |
ボードが常時メモリーをホストし、メモリーの移動先となるターゲットが他にないため、DR はボードを切り離せません。ボードの常時メモリーをドメイン内にある別のメモリーコンポーネントへ移動しないと、DR 操作に失敗します。 |
このボードのターゲットとして動作するのに十分なメモリー容量を持つ他のメモリーコンポーネントを構成します。この後で、DR 操作の再試行を行います。 |
dr:VM viability test failed:resource |
kphysm_del_start が返したエラーコードの変換を表わします。 |
他のメモリーコンポーネントをドメインに構成して、メモリーリソースの負荷を軽減します。この後で、DR 操作の再試行を行います。 |
dr:kphysm_pre_del failed:resource |
kphysm_del_start が返したエラーコードの変換を表わします。 |
他のメモリーコンポーネントをドメインに構成して、メモリーリソースの負荷を軽減します。この後で、DR 操作の再試行を行います。 |
dr:Non-relocatable pages in span:resource |
|
|
dr:kphysm_del_cancel:resource |
|
|
dr:Memory operation failed:resource |
DR は、新たに接続したボードのメモリーを接続できませんでした。 |
|
dr:Can鱈t unconfig cpu if mem online |
ボードのメモリーがオンライン状態のとき、DR は CPU の構成を解除できません。 |
メモリーをオフラインにすると、ボードの構成を解除できます。 |
ngdrmach:Cannot read property value:Device Node node_address:property property_name |
DR は、表示されたデバイスノードの指定の属性を入手できませんでした。 |
|
ngdrmach:Cannot determine property length:board::slot:property |
DR は、表示されたデバイスノードの指定の属性の詳細を入手できませんでした。 |
|
ngdrmach:No CPU specified for connect:slot |
|
|
ngdrmach:Cannot move SIGB assignment |
|
|
ngdrmach:Cannot disconnect CPU; SIGB is currently assigned:slot::board |
|
|
ngdrmach:Device driver failure:path |
|
|
ngdr:Must specify a CPU on the given board:cpu_id |
|
|
ngdrmach:No such device:board::slot |
|
|
ngdrmach:Memory configured with inter-board interleaving:board::slot |
|
|
ngdrmach:Invalid board number:board_number |
ボード割り当て操作で無効なボード番号が指定されました。 |
別のボード番号を使用するか、ドメインのシステムコントローラに保存されている使用可能なコンポーネントのリストを修正して、割り当て操作が失敗したボードをリストに含めます。 |
ngdrmach::Cannot proceed; Board is configured or busy:component_name |
ボードが構成されているか、使用中のため、DR はそのボードの電源を切断できません。または割り当てを解除できません。 |
ボードの構成を解除するか、ボードですでに行われている DR 操作が完了するまで待ちます。この後で、DR 操作の再試行を行います。 |
ngdrmach:Firmware probe failed:attachment_point |
OBP はボードをプローブできませんでした。 |
|
ngdrmach:Firmware deprobe failed:attachment_point |
OBP はボードをデプローブできませんでした。 |
|
ngdrmach:Operation not supported |
実行しようとした操作はサポートされていません。 |
なし |
ngdrmach:Unrecognized platform command:command/options |
DR が認識できないコマンドを DR に渡しました。 |
cfgadm_sbd(1M) のマニュアルページを参照して、有効な引数を使用していることを確認します。有効な引数を使用しているのに、エラーが再発生する場合は、購入先にお問い合わせください。 |
ngdrmach:drmach parameter is not a valid ID |
指定された drmachid_t の値は無効でした。 |
|
ngdrmach:drmach parameter is inappropriate for operation |
誤ったタイプの drmachid_t を関数へ渡しました。 |
|
ngdrmach:Unexpected internal condition:drmach.c line_number |
内部 drmach エラーが発生しました。 |
modunload(1M) と modload(1M) を使用して、drmach ドライバの読み込みをいったん解除し、再度、読み込みます。この後で、DR 操作の再試行を行います。以上の操作を行ってもこのエラーが発生する場合は、ドメインを再起動する必要があります。 |
ngdrmach:No CPU specified for connect. |
|
|
ngdrmach:Firmware move_cpu0 failed:CPU cpu_id |
|
|
ngdrmach:Cannot move SIGB assignment |
|
|
ngdrmach:Cannot disconnect CPU; SIGB is currently assigned |
|
|