しきい値のデフォルト値は、monitoring.properties 構成ファイルを編集することによって変更できます。monitoring.properties 構成ファイルが存在しない場合は、作成して、/etc/opt/sun/n1gc/monitoring.properties に保存してください。デフォルトでは、インストール時にこのファイルは作成されません。
今回のバージョンの Sun N1 System Manager では、ハードウェアの健全性属性のしきい値の設定および変更はサポートされていません。
N1 System Manager ソフトウェアでは、一部の OS リソース使用属性について、工場出荷時のデフォルトしきい値が用意されています。これらの値は、百分率値で表されています。表 6–1 は、OS リソースの使用属性のデフォルト値の一覧です。
表 6–1 OS リソースの使用属性のデフォルトしきい値の出荷時設定
属性名 |
説明 |
デフォルトしきい値 |
デフォルトしきい値 |
---|---|---|---|
cpustats.pctusage |
全体の CPU 使用率 |
warninghigh 80% |
criticalhigh 90% |
cpustats.pctidle |
全体の CPU アイドル率 |
warninglow 20% |
criticallow 10% |
memusage.pctmemused |
メモリーの使用率 |
warninghigh 80% |
criticalhigh 90% |
memusage.pctmemfree |
メモリーの未使用率 |
warninglow 20% |
criticallow 10% |
memusage.pctswapused |
スワップ空間の使用率 |
warninghigh 80% |
criticalhigh 90% |
fsusage.pctused |
ファイルシステム空間の使用率 |
warninghigh 80% |
criticalhigh 90% |
OS リソースの使用属性については、付録 A 「ハードウェアおよび OS リソースの属性」の全一覧にまとめています。
monitoring.properties 構成ファイル内の 表 6–1 に示す属性のしきい値を変更すると、対応するしきい値の出荷時設定デフォルト値が上書きされます。
monitoring.properties 構成ファイルは 管理サーバーにのみ保存し、プロビジョニング可能なサーバーには保存しないでください。
monitoring.properties 構成ファイルを変更するか、エントリを追加すると、N1 System Manager によって管理されているすべてのプロビジョニング可能なサーバーに影響します。
個々のしきい値は、「しきい値の設定」で説明している手順に従って コマンド行で設定することができます。
monitoring.properties 構成ファイルに手動で監視対象項目のデフォルト値を追加することによってデフォルト値を変更すると、コマンド行から監視対象の属性の値が個別に設定されているサーバーを除くすべてのプロビジョニング可能なサーバーに、その変更後のデフォルト値が適用されます。
monitoring.properties ファイルに対する変更を有効にするために、管理サーバーや監視対象のプロビジョニング可能なサーバーを再起動する必要はありません。
百分率で表されるハードウェアの健全性の監視対象属性は、コマンド行 から変更することも、また monitoring.properties ファイルを編集することによって変更することもできます。
デフォルトしきい値を変更するには、/etc/opt/sun/n1gc/monitoring.properties ファイルをエディタで編集します。変更できるのは、OS リソースの使用属性に関係するデフォルトしきい値だけです。ハードウェアの健全性属性のデフォルトしきい値は変更できません。
server という名前のサーバー上の管理エージェント IP およびセキュリティ資格を有効にするには、「OS 管理エージェントをインストールする」の説明に従って、そのサーバーに管理エージェントをインストールします。
エディタで /etc/opt/sun/n1gc/monitoring.properties ファイルを開きます。
このファイルが存在しない場合は、作成してください。
monitoring.properties ファイル内のデフォルトしきい値を定義している行を変更するか、追加します。
threshold. attribute.threshold= value
この構文では、threshold キーワードの後に、しきい値を設定する attribute を続ける必要があります。attribute は、OS リソースの使用属性です。OS リソースの使用属性については、「OS リソースの使用の監視」で説明しています。
threshold は、criticallow か warninglow、 warninghigh、criticalhigh のいずれかです。
値は数字で、通常は百分率値を表します。
ファイルを保存します。
変更を有効にするために、管理サーバーおよびプロビジョニング可能なサーバーを再起動する必要はありません。これで、N1 System Manager が管理するすべてのサーバーに変更後のデフォルトしきい値が適用されます。
この例では、ファイルシステム使用のデフォルトの criticalhigh しきい値を最大ファイルシステム使用量の 75% に変更します。/etc/opt/sun/n1gc/monitoring.properties ファイルに次の行を追加するか、既存の行を変更します。
threshold.fsusage.pctused.criticalhigh=75 |
「しきい値の設定」で説明にしたがってコマンド行からset コマンドを使い、個別にしきい値の値を設定していないかぎり、この値はすべてのプロビジョニング可能なサーバーに適用されます。
しきい値は無効にすることができます。この方法は、例 6–4 で示します。