オブジェクトの監視とは、監視対象オブジェクトを定期的に検査、すなわち、ポーリングすることです。ポーリングの頻度は、ポーリング間隔で制御します。監視対象オブジェクトのポーリング間隔がどのぐらいが適切かは、監視対象のオブジェクトやその環境、監視対象のオブジェクトが置かれているパフォーマンス条件に関係しています。ファンなどのサーバーハードウェアオブジェクトなど、一部の監視対象オブジェクトについては、デフォルトのポーリング間隔が用意されています。デフォルトのポーリング間隔は、set コマンドを使って特定の間隔値が設定されていないすべてのサーバーおよびサーバーグループに適用されます。
ハードウェアの健全性や OS リソースの使用、ネットワークの到達可能性のポーリング間隔値は、monitoring.properties 構成ファイルを編集することによって変更できます。monitoring.properties 構成ファイルが存在しない場合は、作成して、/etc/opt/sun/n1gc/monitoring.properties に保存してください。デフォルトでは、インストール時に monitoring.properties は作成されません。
N1 System Manager ソフトウェアには、出荷時設定のデフォルトポーリング間隔が用意されています。これら値は秒単位で表します。出荷時設定のデフォルト値は、表 6–2 に示すとおりです。
表 6–2 デフォルトポーリング間隔の出荷時設定
監視対象 |
デフォルト値の出荷時設定 |
---|---|
ハードウェアの健全性 |
120 秒 |
OS リソースの使用 |
120 秒 |
ネットワークの到達可能性 |
60 秒 |
monitoring.properties 構成ファイルを変更すると、ソフトウェアに用意されている出荷時設定のデフォルト値が上書きされます。デフォルト値は、表 6–2 に示すとおりです。
設定可能な最小デフォルトポーリング間隔は 60 秒です。
monitoring.properties 構成ファイルは管理サーバーにのみ存在し、プロビジョニング可能なサーバーには存在しません。monitoring.properties 構成ファイルを変更するか、エントリを追加すると、N1 System Manager によって管理されているすべてのプロビジョニング可能なサーバーに影響します。
monitoring.properties ファイルに対する変更を有効にするために、管理サーバーや監視対象のプロビジョニング可能なサーバーを再起動する必要はありません。
monitoring.properties 内のデフォルトポーリング間隔は、コマンド行から特定のサーバーまたはサーバーグループに対して個別に値が設定されていないかぎり、すべてのサーバーに適用されます。「ポーリング間隔の設定」で説明しているように、個別のポーリング間隔は、set コマンドを使って設定します。
インストールして配備した後、ある程度の使用期間が経過すると、ハードウェアの健全性属性や OS リソースの使用属性をどのぐらいの頻度でポーリングすべきか、またネットワークの到達可能性をどのぐらいの頻度でポーリングする必要があるかが判明してきます。これらの優先順位は、N1 System Manager の構成によって、またイベントの重要性から見た優先順位によって異なります。ポーリング間隔を設定あるいはデフォルトポーリング間隔を変更する場合は、N1 System Manager ソフトウェアを使って管理するサーバー数を考慮してください。また、プロビジョニング可能なサーバーのアプリケーション負荷、予想アプリケーション負荷およびネットワークの能力も考慮してください。イベントに対する期待応答性も関係してきます。イベントの発生とともに速やかに対処できる場合は、より頻繁にポーリングを行うのが適切です。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
show server コマンドを入力します。
N1-ok> show server server |
この例の server は、ポーリング間隔を読み出すプロビジョニング可能なサーバーの名前です。
サーバーのハードウェア健全性、OS のリソース使用、ネットワークの到達可能性などの詳細な監視ポーリング間隔情報が出力に表示されます。
コマンドの詳細は、「show server」を参照してください。
server という名前のサーバー上の管理エージェント IP およびセキュリティ資格を有効にするには、「OS 管理エージェントをインストールする」の説明に従って、そのサーバーに管理エージェントをインストールします。
エディタで /etc/opt/sun/n1gc/monitoring.properties ファイルを開きます。
このファイルが存在しない場合は、作成してください。
monitoring.properties ファイル内のデフォルトポーリング間隔を定義している行を変更するか、追加します。
pollinginterval. monitor.value
この構文では、pollinginterval キーワードが必要です。
monitor は、hardwarehealth か osresources 、 network のいずれかです。
value は秒単位で、最小値は 60 です。
ファイルを保存します。
変更を有効にするために、管理サーバーおよびプロビジョニング可能なサーバーを再起動する必要はありません。これで、N1 System Manager が管理するすべてのサーバーに変更後のデフォルトポーリング間隔が適用されます。
この例では、ハードウェアの健全性の監視ポーリング間隔を 180 秒、OS リソースの使用監視ポーリング間隔を 175 秒、ネットワークの到達可能性監視ポーリング間隔を 160 秒に設定します。monitoring.properties 構成ファイルに次のエントリを入力します。
pollinginterval.hardwarehealth=180 pollinginterval.osresources=175 pollinginterval.network=160 |
ここでは、サーバーまたはサーバーグループにポーリング間隔を設定する手順を説明します。
以下は、コマンド行からサーバーのポーリング間隔を設定する方法を示しています。この方法で値を設定すると、出荷時設定のデフォルト値や、monitoring.properties 構成ファイル (存在する場合) 内の値が上書きされます。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
monitor 属性を付けて set server コマンドを入力します。
set server server monitor monitor interval value |
このコマンドは、指定された名前のサーバーに対して実行されます。ここでは、この名前は server と表記しています。このコマンドの詳細は、「set server」を参照してください。
monitor は、hardwarehealth か osresources、 network のいずれかです。
値は秒数を表す数字です。
設定可能な最小デフォルトポーリング間隔は 60 秒です。
この例では、serv1 という名前のプロビジョニング可能なサーバーのハードウェアの健全性監視ポーリング間隔を 280 秒に設定しています。
N1-ok> set server serv1 monitor hardwarehealth interval 280 |
この方法で値を設定すると、出荷時設定のデフォルト値や、monitoring.properties 構成ファイル (存在する場合) 内の値が上書きされます。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
monitor 属性を付けて set group コマンドを入力します。
set group group monitor monitor interval value |
このコマンドは、指定された名前のグループのサーバーに対して実行されます。ここでは、この名前は group と表記しています。詳細は、「set group」を参照してください。
monitor は、hardwarehealth か osresources、 network のいずれかです。
値は秒数を表す数字です。
設定可能な最小デフォルトポーリング間隔は 60 秒です。
この例では、grp5 という名前のプロビジョニング可能なサーバーグループのネットワーク到達可能性監視ポーリング間隔を 250 秒に設定しています。
N1-ok> set group grp5 monitor network interval 250 |