ここでは、ジョブおよびサーバー監視におけるジョブの重要性について説明します。
ジョブは、N1 System Manager で主なアクションを行うたびに 1 つ作成されます。ジョブのログを使用して、現在実行中のアクションのステータスを監視したり、ジョブが終了したことを確認したりできます。N1 System Manager におけるアクションには、完了までに時間がかかるものがあるため、監視ジョブはとても役立ちます。そのようなアクションの 1 例として、1 つ以上の プロビジョニング可能なサーバー への OS ディストリビューションのインストールがあげられます。
ジョブは、ブラウザインタフェース の「ジョブ」タブあるいは show job コマンドで監視できます。show job コマンドは、次の特性のほとんどに関する情報を表示します。
生成された一意のジョブ識別子。
ジョブが開始された日付。
ジョブの種類。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.1 コマンド行レファレンスマニュアル』の「show job」を参照してください。type パラメータを付けて show job コマンドを使用すると、ジョブは次のいずれかに分類されます。
addbase – 基本管理サポート追加
addbasemonitor – OS 監視サポート追加
createos – メディア (CD/DVD) または ISO ファイルから OS ディストリビューションを作成
deletejob – ジョブの削除
discover – サーバー検出
loadfirmware – ファームウェアアップデートのロード
loados – OS のロード
loadupdate – OS アップデートのロード
refresh – サーバー更新
removeosmonitor – OS 監視サポート削除
setagentip – OS 監視サポートの変更
start – サーバーの電源投入
stop – サーバーの電源切断
unloadupdate – OS アップデートのアンロード
現在のジョブステップの状態。ジョブステップは、ジョブの進行状況と更新結果を示します。ジョブステップでは、それぞれ種類と開始日時、ジョブの完了の日付と時刻が示されます。ジョブの進行状況は、次のステータスとして示されます。このステータスでジョブを選別することができます。
「未開始」 状態のジョブは停止できません。
ID によってジョブを選択し、ジョブの詳細を表示すると、ジョブの各ステップが 2 つ (テストと実際の実行) 表示されます。
ジョブは現在実行中です。現在実行中のジョブは、delete job コマンドで削除することはできません。実行を完了させるか、stop job コマンドで中止します。
ジョブの完了状況は、次の結果で示されます。
ジョブが正常に完了したことを示します。
ジョブの実行中に警告があったことを示します。警告は、エラーを伴っており、ジョブステップまたはジョブを終了させるほど重大であることもあれば、そうでないこともあります。
ジョブステップが完了する前に停止したことを示します。
ジョブはまだ実行中だが、ジョブステップを正常に完了できない状態を示します。
ジョブステップの一般エラーを示します。
すべてのジョブステップが完了しないうちにジョブがタイムアウトした、または、現在のステップを終えないうちにジョブの次のステップが開始されたことを示します。
完了 - 警告は、ジョブがすべてのステップを正常に完了したが、ジョブの実行中のステップに警告状態の問題が少なくとも 1 つあり、その問題がエラーでジョブを終了させるほど重大でなかった場合に、ジョブ全体のステータスとして発行されます。
ジョブは、その状態に従って選別することができます。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.1 コマンド行レファレンスマニュアル』の「show job」を参照してください。
ジョブを開始したユーザー。ジョブの作成者ともいいます。
完了したジョブの結果の詳細情報です。リモートコマンド操作および他のすべての種類のジョブの完了ステータスの標準出力を見ることができます。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
ジョブの一覧を表示します。
N1-ok> show job all |
N1 System Manager のすべてのジョブの一覧が返されます。
詳細は、『Sun N1 System Manager 1.1 コマンド行レファレンスマニュアル』の「show job」を参照してください。
この例は、show job コマンドを all オプションを付けて使用した場合に返されるジョブ ID 別のジョブの一覧を示しています。ジョブが開始された日付と時刻が表示されています。ジョブの種類、ステータス、ジョブを作成したユーザーの ID も返されます。
N1-ok> show job all Job ID Date Type Status Creator 7 2005-09-16T10:51:07-0700 Discovery Completed root 6 2005-09-14T14:42:52-0700 Server Reboot Error root 5 2005-09-14T14:38:25-0700 Server Power On Completed root 4 2005-09-14T14:29:20-0700 Server Power Off Completed root 3 2005-09-09T13:01:35-0700 Discovery Completed root 2 2005-09-09T12:38:16-0700 Discovery Completed root 1 2005-09-09T10:32:40-0700 Discovery Completed root |
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
特定のジョブを表示します。
N1-ok> show job job |
指定したジョブの詳細情報が出力に表示されます。
詳細は、『Sun N1 System Manager 1.1 コマンド行レファレンスマニュアル』の「show job」を参照してください。
この例は、show job コマンドを、ジョブ ID を付けて使用した場合に返される出力を示しています。ジョブが開始された日付と時刻、ジョブの種類とステータス、ジョブを作成したユーザーの ID が表示されています。ジョブの各ステップの詳細も表示されています。詳細には、ステップが開始時刻と完了時刻、ステップが成功したかどうかか含まれています。
N1-ok> show job 5 Job ID: 5 Date: 2005-02-14T14:38:25-0700 Type: Server Power On Status: Completed Creator: root Errors: 0 Warnings: 0 Step 1: Type: 103 Description: native procedure /bin/sh /opt/sun/n1gc/bin/serverPowerOn.sh :[SERVER_NAME] :[JOBID_KEY] Start: 2005-02-14T14:38:25-0700 Completion: 2005-02-14T14:38:25-0700 Result: Complete Exception: No Data Available Step 2: Type: 103 Description: native procedure /bin/sh /opt/sun/n1gc/bin/serverPowerOn.sh :[SERVER_NAME] :[JOBID_KEY] Start: 2005-02-14T14:38:28-0700 Completion: 2005-02-14T14:38:35-0700 Result: Complete Exception: No Data Available Step 3: Type: 135 Description: connect and lock hosts Start: 2005-02-14T14:38:25-0700 Completion: 2005-02-14T14:38:25-0700 Result: Complete Exception: No Data Available Step 4: Type: 135 Description: connect and lock hosts Start: 2005-02-14T14:38:27-0700 Completion: 2005-02-14T14:38:28-0700 Result: Complete Exception: No Data Available Result 1: Server: 192.168.200.3 Status: 0 Message: The server operation was successful. N1-ok> |
各ステップの出力は 2 つ表示されます。ステップの初めの出力表示はテストの、2 つ目の出力表示はステップの実際の実行のものです。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
特定のジョブを停止します。
N1-ok> stop job job |
ジョブが停止します。
詳細は、『Sun N1 System Manager 1.1 コマンド行レファレンスマニュアル』の「stop job」を参照してください。
ジョブの詳細を表示します。
N1-ok> show job job |
出力の「結果」セクションに、ジョブが停止されたことが示されます。
ジョブはどれも停止できます。ただし、実際には、停止できるのは、その最終ステップになっていないジョブだけです。ジョブにはステップが 1 つだけのものもあり、その場合は停止できません。「未開始」 状態のジョブは停止できません。多くのサーバーからなるグループに対して行う操作は大量のステップから構成され、時間がかかることがあります。
詳細は、『Sun N1 System Manager 1.1 コマンド行レファレンスマニュアル』の「show job」を参照してください。
この例は、ジョブ ID を付けて stop job コマンドを使用すると返される、要求が受信されたことを確認するメッセージを示しています。
N1-ok> stop job 9 Stop Job "9" request received. |
次の例のように、show job コマンドに、停止したジョブのジョブ ID を付けて使用すると、停止したジョブのより詳細な情報を得ることができます。Status に、ジョブが停止されたことの確認が返されます。また、ジョブがリモートコマンドジョブであることが確認できます。ジョブの各ステップの詳細も表示されています。詳細には、ステップが開始時刻と完了時刻、ステップが成功したかどうかか含まれています。 Result の項目には、ジョブが取り消されたことが示されています。
N1-ok> show job 9 Job ID: 9 Date: 2005-02-15T16:43:58-0700 Type: Remote Command Status: Stopped Owner: root Errors: 0 Warnings: 0 Step 1: Type: 135 Description: connect and lock hosts Start: 2005-02-15T16:43:58-0700 Completion: 2005-02-15T16:43:58-0700 Result: Complete Exception: No Data Available Step 2: Type: 103 Description: native procedure /bin/sh /opt/sun/n1gc/bin/remotecmd.sh :[RCMD_KEY] Start: 2005-02-15T16:43:58-0700 Completion: 2005-02-15T16:43:58-0700 Result: Complete Exception: No Data Available Step 3: Type: 135 Description: connect and lock hosts Start: 2005-02-15T16:44:00-0700 Completion: 2005-02-15T16:44:00-0700 Result: Complete Exception: No Data Available Step 4: Type: 103 Description: native procedure /bin/sh /opt/sun/n1gc/bin/remotecmd.sh :[RCMD_KEY] Start: 2005-02-15T16:44:00-0700 Completion: 2005-02-15T16:44:49-0700 Result: Incomplete - Aborted Exception: No Data Available Result : Server: server1 Status: -1 Message: Command running on server1 was canceled. Command: /root/sleep.sh 60 Standard Output: Sleeping for 60 seconds... |
各ステップの出力は 2 つ表示されます。ステップの初めの出力表示はテストの、2 つ目の出力表示はステップの実際の実行のものです。
「サーバーまたはサーバーグループにリモートコマンドを発行する。」
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
削除するジョブを確認します。
N1-ok> show job all |
すべてのジョブ およびジョブ ID が出力に表示されます。
詳細は、『Sun N1 System Manager 1.1 コマンド行レファレンスマニュアル』の「show job」を参照してください。
適切なジョブを削除します。
N1-ok> delete job job |
ジョブが削除されます。
詳細は、『Sun N1 System Manager 1.1 コマンド行レファレンスマニュアル』の「delete job」を参照してください。
ジョブが削除されたことを確認します。
N1-ok> show job all |
削除したジョブが出力に表示されていないことを確認します。
詳細は、『Sun N1 System Manager 1.1 コマンド行レファレンスマニュアル』の「show job」を参照してください。
この例は、ジョブを削除する方法を示しています。
まず、show job コマンドをall オプションを付けて使用します。これは、すべてのジョブを降順で一覧表示します。
N1-ok> show job all Job ID Date Type Status Creator 7 2005-02-16T10:51:07-0700 Discovery Completed root 6 2005-02-14T14:42:52-0700 Server Reboot Error root 5 2005-02-14T14:38:25-0700 Server Power On Completed root 4 2005-02-14T14:29:20-0700 Server Power Off Completed root 3 2005-02-09T13:01:35-0700 Discovery Completed root 2 2005-02-09T12:38:16-0700 Discovery Completed root 1 2005-02-09T10:32:40-0700 Discovery Completed root |
ジョブ ID 6 にはエラーがあり、削除することができます。削除するジョブのジョブ ID を付けて delete job コマンドを使用します。
N1-ok> delete job 6 |
再度 show job コマンドをall オプションを付けて使用します。すべてのジョブが降順で一覧表示されます。削除されたジョブは、もう一覧には表示されていません。
N1-ok> show job all Job ID Date Type Status Creator 7 2005-02-16T10:51:07-0700 Discovery Completed root 5 2005-02-14T14:38:25-0700 Server Power On Completed root 4 2005-02-14T14:29:20-0700 Server Power Off Completed root 3 2005-02-09T13:01:35-0700 Discovery Completed root 2 2005-02-09T12:38:16-0700 Discovery Completed root 1 2005-02-09T10:32:40-0700 Discovery Completed root |
この例は、すべてのジョブを削除する方法を示しています。
まず、show job コマンドをall オプションを付けて使用します。これは、すべてのジョブを降順で一覧表示します。
N1-ok> show job all Job ID Date Type Status Creator 7 2005-09-16T10:51:07-0700 Discovery Completed root 6 2005-09-14T14:42:52-0700 Server Reboot Error root 5 2005-09-14T14:38:25-0700 Server Power On Completed root 4 2005-09-14T14:29:20-0700 Server Power Off Completed root 3 2005-09-09T13:01:35-0700 Discovery Running root 2 2005-09-09T12:38:16-0700 Discovery Completed root 1 2005-09-09T10:32:40-0700 Discovery Completed root |
all オプションを付けて delete job コマンドを使用し、すべてのジョブを削除します。
N1-ok> delete job all Unable to delete job "3" |
all オプションを付けて show job コマンドを使用し、すべてのジョブが正常に削除されたかどうかを確認します。
N1-ok> show job all Job ID Date Type Status Creator 3 2005-09-09T13:01:35-0700 Discovery Running root |
ジョブ ID 3 はまだ実行中です。これは、delete job コマンドが発行されたときに、ジョブの状態が「実行中」であったためです。 ジョブは、削除する前に実行が完了しているか停止されている必要があります。
ジョブを停止してから削除するには、停止するジョブのジョブ ID を付けて stop job コマンドを使用します。
N1-ok> stop job 3 Stop Job "3" request received. |
show job コマンドを使用してジョブが停止されたことを確認します。
N1-ok> show job all Job ID Date Type Status Creator 3 2005-09-09T13:02:35-0700 Discovery Aborted root |
ジョブは実行中に停止され、「停止」状態にあります。all オプションを付けて delete job コマンドを使用し、すべてのジョブを削除します。
N1-ok> delete job all |
show job コマンドを使用し、すべてのジョブが削除されたことを確認します。
N1-ok> show job all Job ID Date Type Status Creator |