Sun N1 System Manager 1.1 管理ガイド

OS プロファイルの管理

この節では、次の作業について説明します。

OS プロファイルの作成、一覧表示、変更

OS プロファイルには、次の情報が指定されています。

OS ディストリビューションがコピーされると、N1 System Manager は 管理サーバー 上に自動的に同じ名前の OS プロファイルを作成します。マニュアルでは、OS プロファイルは「デフォルト OS プロファイル」とも表記されています。パラメータの設定および OS プロファイルのカスタマイズの最適な方法については、 「デフォルト OS プロファイル」を参照してください。

デフォルト OS プロファイルを表示するには、show コマンドを、osprofile キーワードを付けて使用します。

新しい OS プロファイルを作成するには、create コマンドを、osprofile キーワードと os サブコマンドを付けて使用します。OS プロファイルには、ディストリビューショングループ、パーティション構成情報、および root パスワードが指定されている必要があります。OS プロファイルに、必要なディストリビューショングループを追加するには、add コマンドを、osprofile キーワードと distributiongroup サブコマンドを付けて使用します。OS プロファイルにパーティションを追加するには、add コマンドを、osprofile キーワードと partition サブコマンドを付けて使用します。次に例を示します。


N1-ok> create osprofile osprofile os os

N1-ok> add osprofile osprofile partition partition

N1-ok> add osprofile osprofile distributiongroup distributiongroup

既存の OS プロファイルの属性を変更するには、set コマンドを、osprofile キーワードと適切なサブコマンドを付けて使用します。

構文およびパラメータについては、 N1–ok コマンド行で、help create osprofile help add osprofile または help set osprofileと入力してください。

コマンド行の例については、例 3–5 および 例 3–6 を参照してください。

デフォルト OS プロファイル

OS ディストリビューションをコピーすると、その OS ディストリビューション用のデフォルトの OS プロファイルが自動的に作成されます。デフォルトプロファイルは、標準の Sun Fire V20z サーバー用に作成され、主に例として提供されます。デフォルトOS プロファイルの設定は、次の表のとおりです。

表 3–2 デフォルト OS プロファイルのパラメータ設定

パラメータ 

Solaris OS 

Red Hat OS 

Suse OS 

root パスワード 

admin

admin

admin

言語 

U.S. English 

U.S. English 

U.S. English 

タイムゾーン 

グリニッジ標準時 (GMT) 

グリニッジ標準時 (GMT) 

グリニッジ標準時 (GMT) 

パーティション 

  • c1t1d0s0 スライス上にルートマウントポイントとして、ファイルシステムサイズがフリーの ufs

  • c1t1d0s1 スライス上に swap マウントポイントとして 2048M バイトの swap

  • sda スライス上にルートマウントポイントとして、ファイルシステムサイズがフリーの ext3

  • sda スライス上に swap マウントポイントとして 2048M バイトの swap

  • /dev/sda スライス上にルートマウントポイントとして、ファイルシステムサイズがフリーの reiser

  • /dev/sda スライス上に swap マウントポイントとして 2048M バイトの swap

ディストリビューショングループ 

Entire Distribution plus OEM support

Everything

Default Installation

ネットワークインタフェース 

プロビジョニングインタフェース構成済み 

データインタフェース未構成 

プロビジョニングインタフェース構成済み 

データインタフェース未構成 

プロビジョニングインタフェース構成済み 

データインタフェース未構成 

V20z モデル以外のサーバーをプロビジョニングするためにデフォルトのプロファイルを使用する場合は、これを変更する必要があります。あるいは、新しい OS プロファイルを作成するか、既存の OS プロファイルのクローンを作成してパラメータの設定を変更することもできます。異なるハードウェア要件やプロビジョニング要件を伴うサイトにおける各サーバーには、カスタマイズされた OS プロファイルの作成が必要です。

ブラウザインタフェースでは、この操作の複雑さを緩和する新しい OS プロファイルを作成するウィザードを提供しています。手順については、「OS プロファイルを作成する」を参照してください。

デフォルト OS プロファイルを変更するよりよい方法を次に示します。

Procedure使用可能な OS プロファイルを一覧表示する

ここでは、ブラウザインタフェースを使用し、使用可能な OS プロファイルを一覧表示する手順を説明します。この説明のあとに、同じ操作をコマンド行で行う場合の例を示しています。

手順
  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. 「システムダッシュボード」タブをクリックします。

    ページの右側に「ショートカット」区画が表示されます。

  3. OS プロファイル一覧の下にある「一覧の編集」ボタンをクリックします。

    使用可能な OS プロファイルの一覧が表示されます。


例 3–4 コマンド行での使用可能な OS プロファイルの一覧表示

次の例は、システム内のすべての OS プロファイルを一覧表示する方法を示しています。


N1-ok> show osprofile all

使用可能なすべての OS プロファイルが出力に表示されます。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.1 コマンド行レファレンスマニュアル』「show osprofile」を参照してください。


ProcedureOS プロファイルを作成する

ここでは、ブラウザインタフェースの「OS プロファイル」ウィザードの使用方法を説明します。この説明のあとに、Solaris、Red Hat、Suse 用に OS プロファイルを作成してカスタマイズする同じ操作をコマンド行で行う場合の例を示しています。

始める前に

OS プロファイルを作成するには、OS ディストリビューションをコピーしておく必要があります。 「CD または DVD から OS ディストリビューションをコピーする」 または 「ISO ファイルから OS ディストリビューションをコピーする」を参照してください。

手順
  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. 「システムダッシュボード」タブをクリックします。

    ページの右側に「ショートカット」区画が表示されます。

  3. OS プロファイル一覧の下にある「新規」ボタンをクリックします。

    「新規オペレーティングシステムプロファイルの作成」ウィザードが表示されます。

  4. ウィザードの手順に従って操作を進めます。


    注 –

    ウィザードの左区画にある「ヘルプ」タブをクリックすると、入力フィールドに関する詳細な説明を見ることができます。


  5. OS プロファイルの作成を完了してもよければ、ウィザードの「完了」ボタンをクリックします。

    ウィザードのウィンドウが閉じます。

  6. OS プロファイルショートカットにある「一覧の編集」ボタンをクリックします。

    ダイアログが表示されます。

  7. OS プロファイルのチェックボックスを選択し、「了解」ボタンをクリックします。

    OS プロファイルのショートカット一覧にドラッグアンドドロップアイコンが表示されます。


例 3–5 コマンド行での Solaris OS プロファイルの作成

次の例は、Solaris OS ディストリビューション用の OS プロファイルの作成に使用するコマンドを示しています。最初のコマンドは、 S10profile という名前の Solaris 10 プロファイルを作成し、root パスワードに admin を設定しています。


N1-ok> create osprofile S10profile rootpassword admin 
description "S10 for host123" os solaris10

次のコマンド例は、2048M バイトの swap パーティションを構成する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile s10profile partition / size 2048 device c1t1d0s1 
type swap

次のコマンド例は、フリーの ufs パーティションを構成する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile s10profile partition / sizeoption free device c1t1ds0 
type ufs

次のコマンド例は、Solaris ディストリビューショングループを追加する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile s10profile distributiongroup "Entire Distribution plus OEM support"

Core System Support ディストリビューショングループのみをインストールする OS プロファイルは、OS 監視機能を使用して監視することはできません。



例 3–6 コマンド行での Red Hat OS プロファイルの作成

以下の例は、Red Hat ディストリビューション用の OS プロファイルの作成に使用するコマンドを示しています。


N1-ok> create osprofile RH30profile rootpassword admin 
os RedHat30

次のコマンド例は、root パーティションを構成する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile RH30profile partition / device sda type ext3 
sizeoption free

次のコマンド例は、swap パーティションを構成する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile RH30profile partition swap device sda type swap 
size 2048 sizeoption fixed

次のコマンド例は、ディストリビューショングループを指定する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile RH30profile distributiongroup "Everything"


例 3–7 コマンド行での Suse OS プロファイルの作成

以下の例は、Suse ディストリビューション用の OS プロファイルの作成に使用するコマンドを示しています。


N1-ok> create osprofile default os suse rootpassword admin

次のコマンド例は、root パーティションを構成する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile default partition / device /dev/sda type reiser 
sizeoption free

次のコマンド例は、swap パーティションを構成する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile default partition swap device /dev/sda type swap 
size 2048 sizeoption fixed

次のコマンド例は、ディストリビューショングループを指定する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile default distributiongroup "Default Installation"

注意事項
参照

OS プロファイルをロードする方法については、「サーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをロードする」を参照してください。

Procedure既存の OS プロファイルのコピーを作成する

ここでは、既存の OS プロファイルのクローン (すなわち、コピー) を作成する手順を説明します。OS プロファイルのコピーを作成するのは、たとえば既存の OS プロファイルの変更する必要があるのだが、配備されていて変更できない場合です。配備された OS プロファイルとは、現在プロビジョニング可能なサーバーにインストールされているプロファイルです。

始める前に

/mnt マウントポイントの外にすべてのファイルシステムを移動します。

手順
  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. 次のコマンドを入力します。


    N1-ok> create osprofile osprofile clone oldprofile
    

    新しい OS プロファイルが作成されます。『Sun N1 System Manager 1.1 コマンド行レファレンスマニュアル』「create osprofile」を参照してください。

  3. 次のコマンドを入力します。


    N1-ok> show osprofile osprofile
    

    新しい OS プロファイルが出力に表示されます。

参照

OS プロファイルをロードする方法については、「サーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをロードする」を参照してください。

ProcedureOS プロファイルを変更する

ここでは、OS プロファイルに設定されているスクリプトやパーティション、アップデート、ディストリビューショングループを変更する手順を説明します。


注 –

現在配備中の OS プロファイルは変更できません。


手順
  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. 次のいずれかの行うことによって OS プロファイルを変更します。

  3. 新しい OS プロファイルの詳細を表示します。


    N1-ok> show osprofile osprofile
    

    変更した OS プロファイル情報が出力に表示されます。


例 3–8 コマンド行での OS プロファイルの変更

この例は、solaris_ver10 OS プロファイルを変更することによってフラッシュアーカイブおよび post-installation スクリプトを使用する方法を示しています。

ここでは、管理サーバーの /etc/sysconfig/network-scripts ディレクトリに、プロビジョニング可能なサーバーの bge1 データネットワークインタフェースを構成する次のスクリプトが作成されていて使用できると仮定します。このスクリプト例では、データネットワーク DHCP を使用し、システム起動時に bge1 ポートを構成します。


DEVICE=bge1
BOOTPROTO=dhcp
ONBOOT=yes

また、この例では、archive1.flar という名前のフラッシュアーカイブが作成され、「管理サーバーにフラッシュアーカイブをコピーする」の手順が完了していると仮定します。

次の例は、OS プロファイルにスクリプトを追加する方法を示しています。


N1-ok> add osprofile solaris_ver10 script 
/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-bge1 type post

次の例は、フラッシュアーカイブを使用するように OS プロファイルを設定する方法を示しています。


N1-ok> set osprofile solaris_ver10 flar /jumpstart/Flash/archive1.flar

参照

変更した OS プロファイルのロード方法については、「サーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをロードする」を参照してください。

ProcedureOS プロファイルを削除する

配備されている OS プロファイルを削除することはできません。現在プロファイルがプロビジョニング可能なサーバーにインストールされているとき、それは「配備」されています。

手順
  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. 次のコマンドを入力します。


    N1-ok> delete osprofile osprofile
    

    管理サーバー から OS プロファイルが削除されます。

  3. 次のコマンドを入力します。


    N1-ok> show osprofile all
    

    削除した OS プロファイルが出力に含まれていないことを確認します。