この節では、次の作業について説明します。
OS プロファイルには、次の情報が指定されています。
インストールする OS ディストリビューション
インストール対象のホストのデフォルトの言語とタイムゾーン
使用するフラッシュアーカイブファイル
ディストリビューションとともにインストールする追加のパッケージ
パーティションの構成情報
実行するカスタムインストールスクリプト
OS ディストリビューションがコピーされると、N1 System Manager は 管理サーバー 上に自動的に同じ名前の OS プロファイルを作成します。マニュアルでは、OS プロファイルは「デフォルト OS プロファイル」とも表記されています。パラメータの設定および OS プロファイルのカスタマイズの最適な方法については、 「デフォルト OS プロファイル」を参照してください。
デフォルト OS プロファイルを表示するには、show コマンドを、osprofile キーワードを付けて使用します。
新しい OS プロファイルを作成するには、create コマンドを、osprofile キーワードと os サブコマンドを付けて使用します。OS プロファイルには、ディストリビューショングループ、パーティション構成情報、および root パスワードが指定されている必要があります。OS プロファイルに、必要なディストリビューショングループを追加するには、add コマンドを、osprofile キーワードと distributiongroup サブコマンドを付けて使用します。OS プロファイルにパーティションを追加するには、add コマンドを、osprofile キーワードと partition サブコマンドを付けて使用します。次に例を示します。
N1-ok> create osprofile osprofile os os |
N1-ok> add osprofile osprofile partition partition |
N1-ok> add osprofile osprofile distributiongroup distributiongroup |
既存の OS プロファイルの属性を変更するには、set コマンドを、osprofile キーワードと適切なサブコマンドを付けて使用します。
構文およびパラメータについては、 N1–ok コマンド行で、help create osprofile、 help add osprofile または help set osprofileと入力してください。
コマンド行の例については、例 3–5 および 例 3–6 を参照してください。
OS ディストリビューションをコピーすると、その OS ディストリビューション用のデフォルトの OS プロファイルが自動的に作成されます。デフォルトプロファイルは、標準の Sun Fire V20z サーバー用に作成され、主に例として提供されます。デフォルトOS プロファイルの設定は、次の表のとおりです。
表 3–2 デフォルト OS プロファイルのパラメータ設定
V20z モデル以外のサーバーをプロビジョニングするためにデフォルトのプロファイルを使用する場合は、これを変更する必要があります。あるいは、新しい OS プロファイルを作成するか、既存の OS プロファイルのクローンを作成してパラメータの設定を変更することもできます。異なるハードウェア要件やプロビジョニング要件を伴うサイトにおける各サーバーには、カスタマイズされた OS プロファイルの作成が必要です。
ブラウザインタフェースでは、この操作の複雑さを緩和する新しい OS プロファイルを作成するウィザードを提供しています。手順については、「OS プロファイルを作成する」を参照してください。
デフォルト OS プロファイルを変更するよりよい方法を次に示します。
OS の構成の速度を高めるには、フラッシュアーカイブを使用するよう OS プロファイルを変更します。デフォルトプロファイルの変更例は、例 3–8を、手順については、「管理サーバーにフラッシュアーカイブをコピーする」を参照してください。
OS プロファイルのインストールのあとにデータネットワークインタフェースを自動的に構成するには、add osprofile コマンドを使用してスクリプトを追加します。手順 4を参照してください。
V20z サーバー以外のサーバー用に OS プロファイルを変更します。必ず既存のパーティションを削除し、サーバーモデルに適した新しいパーティション情報を追加します。手順については、「Sun Fire V40z または SPARC v440 サーバー用にデフォルトの Solaris OS プロファイルを変更する」を参照してください。
ここでは、ブラウザインタフェースを使用し、使用可能な OS プロファイルを一覧表示する手順を説明します。この説明のあとに、同じ操作をコマンド行で行う場合の例を示しています。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
「システムダッシュボード」タブをクリックします。
ページの右側に「ショートカット」区画が表示されます。
OS プロファイル一覧の下にある「一覧の編集」ボタンをクリックします。
使用可能な OS プロファイルの一覧が表示されます。
次の例は、システム内のすべての OS プロファイルを一覧表示する方法を示しています。
N1-ok> show osprofile all |
使用可能なすべての OS プロファイルが出力に表示されます。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.1 コマンド行レファレンスマニュアル』の「show osprofile」を参照してください。
ここでは、ブラウザインタフェースの「OS プロファイル」ウィザードの使用方法を説明します。この説明のあとに、Solaris、Red Hat、Suse 用に OS プロファイルを作成してカスタマイズする同じ操作をコマンド行で行う場合の例を示しています。
OS プロファイルを作成するには、OS ディストリビューションをコピーしておく必要があります。 「CD または DVD から OS ディストリビューションをコピーする」 または 「ISO ファイルから OS ディストリビューションをコピーする」を参照してください。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
「システムダッシュボード」タブをクリックします。
ページの右側に「ショートカット」区画が表示されます。
OS プロファイル一覧の下にある「新規」ボタンをクリックします。
「新規オペレーティングシステムプロファイルの作成」ウィザードが表示されます。
ウィザードの手順に従って操作を進めます。
ウィザードの左区画にある「ヘルプ」タブをクリックすると、入力フィールドに関する詳細な説明を見ることができます。
OS プロファイルの作成を完了してもよければ、ウィザードの「完了」ボタンをクリックします。
ウィザードのウィンドウが閉じます。
OS プロファイルショートカットにある「一覧の編集」ボタンをクリックします。
ダイアログが表示されます。
OS プロファイルのチェックボックスを選択し、「了解」ボタンをクリックします。
OS プロファイルのショートカット一覧にドラッグアンドドロップアイコンが表示されます。
次の例は、Solaris OS ディストリビューション用の OS プロファイルの作成に使用するコマンドを示しています。最初のコマンドは、 S10profile という名前の Solaris 10 プロファイルを作成し、root パスワードに admin を設定しています。
N1-ok> create osprofile S10profile rootpassword admin description "S10 for host123" os solaris10 |
次のコマンド例は、2048M バイトの swap パーティションを構成する方法を示しています。
N1-ok> add osprofile s10profile partition / size 2048 device c1t1d0s1 type swap |
次のコマンド例は、フリーの ufs パーティションを構成する方法を示しています。
N1-ok> add osprofile s10profile partition / sizeoption free device c1t1ds0 type ufs |
次のコマンド例は、Solaris ディストリビューショングループを追加する方法を示しています。
N1-ok> add osprofile s10profile distributiongroup "Entire Distribution plus OEM support" |
Core System Support ディストリビューショングループのみをインストールする OS プロファイルは、OS 監視機能を使用して監視することはできません。
以下の例は、Red Hat ディストリビューション用の OS プロファイルの作成に使用するコマンドを示しています。
N1-ok> create osprofile RH30profile rootpassword admin os RedHat30 |
次のコマンド例は、root パーティションを構成する方法を示しています。
N1-ok> add osprofile RH30profile partition / device sda type ext3 sizeoption free |
次のコマンド例は、swap パーティションを構成する方法を示しています。
N1-ok> add osprofile RH30profile partition swap device sda type swap size 2048 sizeoption fixed |
次のコマンド例は、ディストリビューショングループを指定する方法を示しています。
N1-ok> add osprofile RH30profile distributiongroup "Everything" |
以下の例は、Suse ディストリビューション用の OS プロファイルの作成に使用するコマンドを示しています。
N1-ok> create osprofile default os suse rootpassword admin |
次のコマンド例は、root パーティションを構成する方法を示しています。
N1-ok> add osprofile default partition / device /dev/sda type reiser sizeoption free |
次のコマンド例は、swap パーティションを構成する方法を示しています。
N1-ok> add osprofile default partition swap device /dev/sda type swap size 2048 sizeoption fixed |
次のコマンド例は、ディストリビューショングループを指定する方法を示しています。
N1-ok> add osprofile default distributiongroup "Default Installation" |
「Sun Fire V40z または SPARC v440 サーバー用にデフォルトの Solaris OS プロファイルを変更する」
「Sun Fire V20z サーバー (K2.0 マザーボード) 用に Solaris 9 OS プロファイルを変更する」
OS プロファイルをロードする方法については、「サーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをロードする」を参照してください。
ここでは、既存の OS プロファイルのクローン (すなわち、コピー) を作成する手順を説明します。OS プロファイルのコピーを作成するのは、たとえば既存の OS プロファイルの変更する必要があるのだが、配備されていて変更できない場合です。配備された OS プロファイルとは、現在プロビジョニング可能なサーバーにインストールされているプロファイルです。
/mnt マウントポイントの外にすべてのファイルシステムを移動します。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
次のコマンドを入力します。
N1-ok> create osprofile osprofile clone oldprofile |
新しい OS プロファイルが作成されます。『Sun N1 System Manager 1.1 コマンド行レファレンスマニュアル』の「create osprofile」を参照してください。
次のコマンドを入力します。
N1-ok> show osprofile osprofile |
新しい OS プロファイルが出力に表示されます。
OS プロファイルをロードする方法については、「サーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをロードする」を参照してください。
ここでは、OS プロファイルに設定されているスクリプトやパーティション、アップデート、ディストリビューショングループを変更する手順を説明します。
現在配備中の OS プロファイルは変更できません。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
次のいずれかの行うことによって OS プロファイルを変更します。
新しい OS プロファイル属性を追加する。
N1-ok> add osprofile osprofile [configuration-attributes] |
詳細は『Sun N1 System Manager 1.1 コマンド行レファレンスマニュアル』の「add osprofile」を参照してください。
既存の OS プロファイル属性を削除する。
N1-ok> remove osprofile osprofile [configuration-attributes] |
詳細は、『Sun N1 System Manager 1.1 コマンド行レファレンスマニュアル』の「remove osprofile」を参照してください。
既存の OS プロファイルパラメータを変更する。
N1-ok> set osprofile osprofile [configuration-attributes] |
詳細は、『Sun N1 System Manager 1.1 コマンド行レファレンスマニュアル』の「set osprofile」を参照してください。
新しい OS プロファイルの詳細を表示します。
N1-ok> show osprofile osprofile |
変更した OS プロファイル情報が出力に表示されます。
この例は、solaris_ver10 OS プロファイルを変更することによってフラッシュアーカイブおよび post-installation スクリプトを使用する方法を示しています。
ここでは、管理サーバーの /etc/sysconfig/network-scripts ディレクトリに、プロビジョニング可能なサーバーの bge1 データネットワークインタフェースを構成する次のスクリプトが作成されていて使用できると仮定します。このスクリプト例では、データネットワーク DHCP を使用し、システム起動時に bge1 ポートを構成します。
DEVICE=bge1 BOOTPROTO=dhcp ONBOOT=yes |
また、この例では、archive1.flar という名前のフラッシュアーカイブが作成され、「管理サーバーにフラッシュアーカイブをコピーする」の手順が完了していると仮定します。
次の例は、OS プロファイルにスクリプトを追加する方法を示しています。
N1-ok> add osprofile solaris_ver10 script /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-bge1 type post |
次の例は、フラッシュアーカイブを使用するように OS プロファイルを設定する方法を示しています。
N1-ok> set osprofile solaris_ver10 flar /jumpstart/Flash/archive1.flar |
変更した OS プロファイルのロード方法については、「サーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをロードする」を参照してください。
配備されている OS プロファイルを削除することはできません。現在プロファイルがプロビジョニング可能なサーバーにインストールされているとき、それは「配備」されています。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
次のコマンドを入力します。
N1-ok> delete osprofile osprofile |
管理サーバー から OS プロファイルが削除されます。
次のコマンドを入力します。
N1-ok> show osprofile all |
削除した OS プロファイルが出力に含まれていないことを確認します。