Sun N1 System Manager 1.2 の概要

N1 System Manager の管理

この節では、N1 System Manager の管理作業の大まかな流れをフローチャートで示します。また、各作業の概要と、関連するマニュアルや作業手順を示します。

この章では、次の内容について説明します。

N1 System Manager の管理作業の流れ

次の図に、プロビジョニング可能なサーバーの検出、プロビジョニング、および管理を含む、Sun N1 System Manager の管理作業の大まかな流れを示します。

図 2–3 N1 System Manager の管理作業の流れ

図: N1 System Manager の管理作業の流れ

次の各項目では、上に示した N1 System Manager の管理作業の概要と、関連するマニュアルや作業手順を示します。

管理するプロビジョニング可能なサーバーの検出

プロビジョニング可能なサーバーを管理するには、N1 System Manager がそれらのサーバーを検出し、それらのサーバーにアクセスできる必要があります。プロビジョニング可能なサーバーの検出、識別、およびネットワークアクセスの設定は、検出プロセスを使用して行います。検出プロセスを実行するには、「検出」ボタン (ブラウザインタフェース) をクリックするか、「コマンド行 」区画で discover コマンドを実行します。

検出されたプロビジョニング可能なサーバーは、ブラウザインタフェース内の「システムダッシュボード」タブに表示されます。また、「コマンド行」区画で show server all コマンドを実行して、検出されたすべてのプロビジョニング可能なサーバーを表示することもできます。すべてのプロビジョニング可能なサーバーを検出したら、業務上または組織上のニーズに基づいて、サーバーをグループ化することもできます。

N1 System Manager ブラウザインタフェースまたはコマンド行から、プロビジョニング可能なサーバーに対して行うことのできる管理作業は次のとおりです。

詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』「サーバーの検出」を参照してください。

プロビジョニング可能なサーバーの検出および通知の設定が終わったら、このあとの各項目で説明する反復的な管理作業を実行できます。

イベント通知の設定

N1 System Manager では、N1 System Manager 内またはプロビジョニング可能なサーバーでイベントが発生したときに電子メールまたは SNMP の通知が送信されるように設定できます。必要とされるさまざまな状況に応じた通知規則を作成することができます。通知の設定は、コマンド行からのみ行うことができます。

通知の設定については、『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』「イベント通知の設定」を参照してください。

サーバーへのファームウェアアップデートのインストール

プロビジョニング可能なサーバー上のファームウェアの更新は、主要な管理作業の 1 つです。プロビジョニング可能なサーバーに初めてファームウェアアップデートをインストールする作業は、次の 2 つのステップに分かれます。

  1. N1 System Manager にファームウェアアップデートをコピーします。プロビジョニング可能なサーバーにファームウェアアップデートをインストールするには、N1 System Manager が、そのアップデートにシステムアクセスできる必要があります。

    create firmware コマンドを使用し、Web サイト、または管理サーバーからアクセス可能なファイルシステムからファームウェアアップデートをコピーできます。ファームウェアアップデートを管理サーバーにコピーすると、ブラウザインタフェースの「ショートカット」にそのアップデートを表示したり、show firmware コマンドで確認したりできます。

  2. 適切なプロビジョニング可能なサーバーにファームウェアアップデートをインストールします。この操作には、ブラウザインタフェースか load serverload group コマンドを使用します。

詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』「ファームウェア SP、BIOS、および ALOM アップデートの管理」を参照してください。

プロビジョニング可能なサーバーへの OS のインストール

N1 System Manager の核となる機能の 1 つに、単一のインタフェースから複数のプロビジョニング可能なサーバーに OS をインストールする機能があります。プロビジョニング可能なサーバーに初めて OS をインストールする作業は、次の 3 つのステップに分かれます。

  1. プロビジョニング可能なサーバーに OS ディストリビューションをインストールするには、N1 System Manager が、そのディストリビューションにシステムアクセスできる必要があります。create os コマンドを使用して、OS バイナリまたは OS ディストリビューションを N1 System Manager にコピーします。コピーが終わったら、show os コマンドを使用して、N1 System Manager 上で使用可能な OS ディストリビューションを表示できます。

    詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』「OS ディストリビューションの管理」を参照してください。

  2. OS プロファイルは、インストールする OS コンポーネントや、OS とともにインストールする追加ファイルおよびプログラム、root パスワードやディスクのパーティション分割などの構成情報を指定します。OS プロファイルを使用して、サーバーグループに対し、一貫したインストールや構成ができます。サーバーのインストール方法の相違に応じて、1 つ以上の OS プロファイルを作成できます。


    注 –

    OS ディストリビューションを新しく作成すると、その OS ディストリビューションと同じ名前の OS プロファイルが、デフォルトで自動的に作成されます。


    ブラウザインタフェースには、OS プロファイルの作成手順を案内するウィザードが用意されています。また、コマンド行から OS プロファイルを作成することもできます。どちらの場合も、OS プロファイルを作成すると、ブラウザインタフェースの「ショートカット」の下にそのプロファイルを表示したり、show osprofile コマンドで確認したりできます。

    詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』「OS プロファイルを作成する」を参照してください。

  3. ブラウザインタフェースには、単一のプロビジョニング可能なサーバーまたはプロビジョニング可能なサーバーのグループに OS ディストリビューションをインストールするためのウィザードが用意されています。コマンド行から load server コマンドまたは load group コマンドを使用することもできます。

    詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』「OS プロファイルの配備による OS ディストリビューションのインストール」を参照してください。

特定の OS についてステップ 1 を行い、ステップ 2 にある適切な OS プロファイルを作成した後は、OS のインストールは、複数のサーバーであっても 1 つのステップで行えるようになります。

プロビジョニング可能なサーバーへの OS アップデートのインストール

プロビジョニング可能なサーバーに OS をインストールしたら、N1 System Manager で OS アップデートをインストールできます。OS アップデートは、プロビジョニング可能なサーバーの OS によって異なり、Solaris のパッケージやパッチ、または Linux の RPM から構成されます。サーバーに初めて OS アップデートをインストールする作業は、次の 2 つのステップに分かれます。

  1. プロビジョニング可能なサーバーに OS アップデートをインストールするには、N1 System Manager が、そのアップデートにシステムアクセスできる必要があります。必要な OS アップデートを N1 System Manager にコピーするには、create update コマンドを使用します。

    create update コマンドを使用し、Web サイト、または管理サーバーからアクセス可能なファイルシステムから OS アップデートをインポートします。OS アップデートを管理サーバーにコピーすると、ブラウザインタフェースの「ショートカット」にそのアップデートを表示したり、show update コマンドで確認したりできます。

  2. ブラウザインタフェースを使用して、適切なプロビジョニング可能なサーバーにOS アップデートをインストールします。コマンド行から load server コマンドまたは load group コマンドを使用することもできます。

詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』「パッケージ、パッチ、および RPM の管理」を参照してください。

プロビジョニング可能なサーバーの管理エージェントのアップグレード

N1 System Manager システムを旧バージョンからアップグレードしたら、次のいずれかの方法でプロビジョニング可能なサーバーの管理エージェントも最新のバージョンにアップグレードする必要があります。

N1 System Manager ジョブの監視

ジョブは、N1 System Manager で主なアクションを行うたびに 1 つ作成されます。ジョブのログを使用して、現在実行中のアクションのステータスを監視したり、ジョブが終了したかどうかを確認したりできます。ジョブの監視は、1 つ以上のプロビジョニング可能なサーバーへの OS ディストリビューションのインストールなど、完了するまでに長い時間がかかることがある N1 System Manager のアクションに特に有用です。

ジョブは、ブラウザインタフェースの「ジョブ」タブあるいは show job コマンドで監視できます。ブラウザインタフェースの場合は、ページ最上部のフレームにある「実行中のタスク」欄に実行中のジョブ数が表示されます。

ジョブの管理と追跡については、『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』「ジョブの管理」を参照してください。

プロビジョニング可能なサーバーの監視

N1 System Manager には、ハードウェアと OS リソースの健全性属性、ファイルシステム、およびネットワーク接続を監視する機能があります。監視対象の OS リソースの健全性属性については、しきい値を変更できます。単一のアクセスポイントから、すべてのプロビジョニング可能なサーバーのステータスを監視できます。


注 –

デフォルトでは、プロビジョニング可能なサーバーが検出されると、ハードウェアの健全性が監視されます。サーバーの OS リソースの健全性を表示するには、プロビジョニング可能なサーバーに OS 監視機能を追加する必要があります。


監視については、『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』の第 5 章「サーバーの監視」を参照してください。