N1 System Manager では、次の OS アップデートの管理作業を行えます。
次の図は、各作業を実行する順に示しています。
N1 System Manager では、プロビジョニング可能なサーバーに OS をインストールしたあと、OS アップデートをインストールすることができます。これらの OS アップデートは、Solaris パッケージ、Solaris パッチ、および Linux RPM からなります。
Solaris のパッケージまたはパッチでは、スクリプトを使用し、アップデートをインストールするためのオプションパラメータを実行できます。このパラメータは、依存関係のある一連のパッケージまたはパッチをインストールするために役立ちます。スクリプトを指定するには、create update コマンドに installscriptfile パラメータを付けて使用します。スクリプト例およびコマンド構文の例については、例 3–16 を参照してください。
N1 System Manager を使用すると、サーバーへ OS アップデートを初めてインストールする際、次の 4 つの手順で行えます。
OS アップデートをダウンロードします。
N1 System Manager に OS アップデートをコピーします。
プロビジョニング可能なサーバーに OS アップデートをインストールするには、N1 System Manager が、そのアップデートにシステムアクセスできる必要があります。
create update コマンドを使用し、Web サイト、または管理サーバー上でアクセス可能なファイルシステムから OS アップデートをインポートできます。OS アップデートをインポートしたあとは、ブラウザインタフェース の「ショートカット」区画にそのアップデートを表示したり、show update コマンドで確認したりできます。
ブラウザインタフェースの「ショートカット」区画の表示、または show update コマンドを使用して、OS アップデートがコピーされていることを確認します。
適切なプロビジョニング可能なサーバーに OS アップデートをインストールします。この操作には、ブラウザインタフェース、 load server、または load group コマンドを使用します。プロビジョニング可能なサーバーが、基本管理機能をサポートしている必要があります。
OS アップデートのインストールは、オペレーティングシステムによって動作が異なります。これは、ネイティブのパッケージインストール機構が使用されるためです。たとえば、対象のサーバーにインストール済みの Solaris パッケージをインストールした場合、エラーが報告されずに成功することがあります。しかし、同じ操作でも、Linux RPM の場合は、パッケージがインストール済みであることを示すエラーメッセージが生成されます。
障害追跡に関する情報については、「OS アップデートの問題」を参照してください。
ここでは、N1 System Manager に OS アップデートをコピーする手順を説明します。OS アップデートをコピーすると、コマンド行または ブラウザインタフェースを使って、プロビジョニング可能なサーバーにその OS アップデートをインストールできます。
次の図は、OS アップデートに成功したことを確認するための、ブラウザユーザーインタフェースの使用を示しています。
OS アップデートはローカルファイルシステムかネットワーク上のアクセス可能なファイル、または Web サイト上にあって、必ず管理サーバーからアクセスできることを確認します。コピーできる OS アップデートの形式は次のとおりです。
*.rpm – Linux RPM
*.pkg または *.tar – Solaris パッケージ
*.zip – Solaris パッチ
*.tar ファイル名は、tar 展開後、最上位のディレクトリ名と一致する必要があることに注意してください。たとえば tar ファイルが SUNWstade.tar の場合、tar の展開後の最上位ディレクトリ名は SUNWstade である必要があります。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
N1 System Manager に OS アップデートをコピーします。
N1-ok> create update update file file ostype ostype [adminfile adminfile] [responsefile responsefile] [installscriptfile installscriptfile] |
有効なostype の値は次のとおりです。
redhat-es3 – Red Hat Enterprise Linux ES 3.0
redhat-ws3 – Red Hat Enterprise Linux WS 3.0
redhat-as3 – Red Hat Enterprise Linux、AS 3.0
redhat-as4 – Red Hat Enterprise Linux、AS 4.0
redhat-es4 – Red Hat Enterprise Linux、ES 4.0
redhat-ws4 – Red Hat Enterprise Linux、WS 4.0
redhat-es3-64 – Red Hat Enterprise Linux ES 3.0、64 ビット
redhat-ws3-64 – Red Hat Enterprise Linux WS 3.0、64 ビット
redhat-as3-64 – Red Hat Enterprise Linux、AS 3.0、64 ビット
redhat-as4-64 – Red Hat Enterprise Linux、AS 4.0、64 ビット
redhat-es4-64 – Red Hat Enterprise Linux、ES 4.0、64 ビット
redhat-ws4-64 – Red Hat Enterprise Linux、WS 4.0、64 ビット
solaris9x86 – Solaris x86 Version 9 Update 7
solaris10x86 – Solaris x86 Version 10
solaris9sparc – Solaris SPARC Version 9 Update 7
solaris10sparc – Solaris SPARC Version 10
suse-es9 – SUSE LINUX Enterprise Server 9
suse-es9-64 –SUSE LINUX Enterprise Server 9、64 ビット
suse-pro92 – SUSE Professional Edition 9.2
suse-pro92-64 – SUSE Professional Edition 9.2、64 ビット
suse-pro93 – SUSE Professional Edition 9.3
suse-pro93-64 – SUSE Professional Edition 9.3、64 ビット
詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 コマンド行レファレンスマニュアル』の「create update」を参照してください。
次のコマンド例は、OS アップデートの作成方法を示しています。OS アップデートは RH3_update という名前で、ostype が Red Hat Enterprise Linux、AS 3.0、 アップデートファイルの場所が /tmp/test-i386.rpm の場合です。
N1-ok> create update RH3_update file /tmp/test-i386.rpm ostype=redhat-as3 |
この例は、実行可能な Bourne (/bin/sh) シェルのパッケージインストールスクリプトを示しています。
#!/bin/sh echo "This is from the install script:" echo "pkgadd -n -a /tmp/combo-pkgs.pkg.admin -d /tmp/combo-pkgs.pkg SUNWtest1 SUNWtest2" pkgadd -n -a /tmp/combo-pkgs.pkg.admin -d /tmp/combo-pkgs.pkg SUNWtest1 SUNWtest2 exit $?
次のコマンド例は、パッケージインストールスクリプトと OS アップデートファイルとの関連付け方法を示しています。この例では、スクリプトを 管理サーバー の /tmp ディレクトリに install.sh という名前でコピーしてあることが前提になっています。
N1-ok> create update combo file /tmp/combo-pkgs.pkg ostype solaris10x86 adminfile /tmp/combo-pkgs.pkg.admin installscriptfile /tmp/install.sh |
この例では、/tmp/combo-pkgs.pkg には 2 つの Solaris パッケージがデータストリーム形式で格納されています。
create os コマンドを実行すると、スクリプトと OS アップデートのソースファイルが対象サーバーにコピーされます。スクリプトファイルは Bourne シェルを使用し、パッケージファイルへの完全パスを唯一の引数として実行されます。adminfile サブコマンドが指定されなかった場合は、デフォルトの admin ファイルも対象サーバーにコピーされ、ソースファイル名に .admin を付けた名前に変更されます。
この例は、実行可能な Bourne (/bin/sh) シェルのパッチインストールスクリプトを示しています。
最適な方法としては、使用するインストールスクリプトで /tmp ディレクトリなどに新しいサブディレクトリを作成するとよいでしょう。そのあとで、スクリプトで OS アップデートの .tar ファイルをそのサブディレクトリに移動または展開します。アップデートの完了後は、このサブディレクトリをスクリプトで削除する必要があります。
デフォルトでは、スクリプトは実行したユーザーの home ディレクトリで実行されます。この場合は、root ディレクトリです。また、インストールスクリプトはパッケージソースファイルを完全パスで参照し、衝突を防止するものになっている必要があります。
#!/bin/sh mkdir /tmp/layer cd /tmp/layer echo "untar the source:" tar -xvf /tmp/mypatches.tar echo "let's install mypatches:" patchadd -M /tmp/layer 117448-01 117466-01 exit $?
次のコマンド例は、パッチインストールスクリプトと OS アップデートファイルとの関連付け方法を示しています。この例では、スクリプトを 管理サーバー の /tmp ディレクトリに install.sh という名前でコピーしてあることが前提になっています。
N1-ok> create update mypatches file /tmp/mypatches.tar ostype solaris10x86 installscriptfile /tmp/install.sh |
この例では、/tmp/mypatches.tar には Solaris パッチ 117448–01 と 117466–01 がデータストリーム形式で格納されています。
create os コマンドを実行すると、スクリプトと OS アップデートのソースファイルが対象サーバーにコピーされます。スクリプトファイルは Bourne シェルを使用し、パッケージファイルへの完全パスを唯一の引数として実行されます。
OS アップデートの作成時に installscriptfile パラメータを使用する場合は、大規模なサーバーグループにロードする前に、1 台のサーバーに OS アップデートをロードしてスクリプトが正常に機能することをテストするようにしてください。
一般的なエラーに対する解決方法については、「OS アップデートの作成の失敗」を参照してください。
OS アップデートのロード方法については、「サーバーまたはサーバーグループに OS アップデートをロードする」を参照してください。
ここでは、ブラウザインタフェースを使用して OS アップデートをロードする手順を説明します。この説明のあとに、同じ操作をコマンド行で行う場合の例を示しています。
Solaris パッケージのインストールには、次のデフォルトの admin ファイルが使用されます。
mail=root instance=unique partial=nocheck runlevel=nocheck idepend=nocheck rdepend=nocheck space=quit setuid=nocheck conflict=nocheck action=nocheck basedir=default authentication=nocheck |
admin ファイルは、管理サーバー上の /opt/sun/n1gc/etc ディレクトリにあります。
N1 System Manager に OS アップデートをコピーします。詳細は、「OS アップデートをコピーする」を参照してください。
プロビジョニング可能なサーバーの監視を無効にします。この操作が必要になるのは、OS アップデートのインストール後のサーバーの再起動で障害通知が出されないようにする場合です。詳細は、「サーバーまたはサーバーグループの監視を無効にする」を参照してください。
プロビジョニング可能なサーバーに基本管理機能が追加されていることを確認します。この操作によって、OS アップデートのインストールに必要なサポートが得られます。OS 監視機能を追加することによって基本管理機能を自動的に追加することができます。詳細は、「OS 監視機能を追加する」を参照してください。
パッケージのファイル名がパッケージの名前と一致していることを確認します。ファイル名がパッケージ名と一致しない状態で adminfile を使用して OS アップデートをインストールすると、アンインストールできなくなります。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のブラウザインタフェースにアクセスする」を参照してください。
次のいずれかの操作を行い、「サーバー」表、または「サーバーグループ」表を表示します。
「ショートカット」区画からサーバーまたはサーバーグループに OS アップデートアイコンをドラッグ & ドロップします。
「OS アップデートのロード」確認ダイアログボックスが表示されます。
「了解」ボタンをクリックし、選択したサーバーに OS アップデートをロードします。
ダイアログが閉じます。
「ジョブ」タブをクリックします。
ジョブの一覧表に、「OS アップデートのロード」ジョブに関する情報が表示されます。
インストールが成功したことを確認します。
N1-ok> show server server |
次の例は、load コマンドを使用し、2 つのサーバーに OS アップデートをインストールする方法を示しています。
N1-ok> load server server1,server2 update SUNWn1gcsolsparcag |
詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 コマンド行レファレンスマニュアル』の「load server」を参照してください。
次の例は、load コマンドを使用し、サーバーグループに OS アップデートをインストールする方法を示しています。
N1-ok> load group devgroup update SUNWupdate1,SUNWupdate2 |
詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 コマンド行レファレンスマニュアル』の「load group」を参照してください。
ここでは、N1 System Manager にコピーされた使用可能な OS アップデートを一覧表示する手順を説明します。これらの OS アップデートは、プロビジョニング可能なサーバーにインストールすることができます。
この説明のあとに、同じ操作をコマンド行で行う場合の例を示しています。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のブラウザインタフェースにアクセスする」を参照してください。
「システムダッシュボード」タブをクリックします。
「ショートカット」区画が表示されます。
「アップデート」タイトルバーにある「一覧の展開/折り畳み」アイコンをクリックします。
アップデートの一覧が展開されます。
「一覧の編集」ボタンをクリックします。
使用可能なアップデートの一覧が含まれた「一覧の編集」ダイアログボックスが表示されます。
次のコマンドは、システム内のすべての OS アップデートを一覧表示する方法を示しています。
N1-ok> show update all |
ブラウザインタフェースの「サーバーの詳細」ページを使用し、サーバーにインストールされているすべての OS アップデートを表示することもできます。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
プロビジョニング可能なサーバーにインストールされている OS アップデートを一覧表示します。
N1-ok> show server server |
詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 コマンド行レファレンスマニュアル』の「show server」を参照してください。
ここでは、N1 System Manager から OS アップデートを削除する手順を説明します。この手順で、プロビジョニング可能なサーバーの OS アップデートが削除されるわけではありません。削除方法についての詳細は、「プロビジョニング可能なサーバーから OS アップデートをアンインストールする」を参照してください。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
N1 System Manager から OS アップデートを削除します。
N1-ok> delete update update |
詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 コマンド行レファレンスマニュアル』の「delete update」を参照してください。
プロビジョニング可能なサーバーの監視を無効にします。監視を無効にすると、OS アップデートのアンインストール後に行われるサーバーの再起動の際に、エラーの通知が生成されなくなります。詳細は、「サーバーまたはサーバーグループの監視を無効にする」を参照してください。
プロビジョニング可能なサーバーで、OS 監視機能がサポートされていることを確認します。この操作によって、OS アップデートのアンインストールに必要なサポートが得られます。詳細は、「OS 監視機能を追加する」を参照してください。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
プロビジョニング可能なサーバーから OS アップデートをアンインストールします。
N1-ok> unload server server[,server...] update update |
ユーザーが指定した名前のアップデートが見つからない場合、コマンドは、一致するファイル名を持つ OS アップデートのアンインストールを試みます。show update コマンドで OS アップデートに対応するファイル名を一覧表示することができます。
詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 コマンド行レファレンスマニュアル』の「unload server」を参照してください。
admin ファイルでインストールされた OS アップデートをアンインストールできない場合は、パッケージファイル名がパッケージの名前と一致しているかどうか確認してください。名前が異なる場合は、プロビジョニング可能なサーバーの /tmp ディレクトリにある admin ファイルの名前をパッケージの名前と一致するよう変更し、unload コマンドを再実行してみてください。それでもパッケージがアンインストールされない場合は、pkgrm を使用してプロビジョニング可能なサーバーからパッケージを削除します。
プロビジョニング可能なサーバーの監視を無効にします。この操作が必要になるのは、OS アップデートのアンインストール後のサーバーの再起動で障害通知が出されないようにする場合です。詳細は、「サーバーまたはサーバーグループの監視を無効にする」を参照してください。
プロビジョニング可能なサーバーで、OS 監視機能がサポートされていることを確認します。この操作によって、OS アップデートのアンインストールに必要なサポートが得られます。詳細は、「OS 監視機能を追加する」を参照してください。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
サーバーグループ内のプロビジョニング可能なサーバーから OS アップデートをアンインストールします。
N1-ok> unload group group update update |
ユーザーが指定した名前のアップデートが見つからない場合、コマンドは、一致するファイル名を持つ OS アップデートのアンインストールを試みます。show update コマンドを使用すると、OS アップデートに対応するファイル名を一覧表示することができます。
詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 コマンド行レファレンスマニュアル』の「unload group」を参照してください。