Solstice PPP 3.0.1 管理者ガイド

キーワード

dialup_path

非同期パスの必須パラメータ。非同期 (ダイヤルアップ) パス定義の始まりを示します。

ip_interface interface

非同期パスの必須パラメータ。ファイルの ifconfig セクションに定義されているポイントツーポイント (ipdptpn) IP インタフェースまたはポイントツーマルチポイント (ipdn) IP インタフェースのいずれかと非同期パスとを関連付けます。

ポイントツーポイント IP インタフェースには、静的なものと動的なものとの 2 種類があります。静的なポイントツーポイント IP インタフェースは番号によって識別され (ipdptp0ipdptp1、...、ipdptpn)、以下のように 1 組の発信元 IP アドレスと宛先 IP アドレスをダイヤルアップパスと関連付けます。


dialup_path
    ip_interface        ipdptp0

動的 IP インタフェースはサーバー側の IP アドレス動的割り当てに使用され、アスタリスクによって識別されます (ipdptp*)。プールの中にインタフェースが存在するかぎり、必要に応じてインタフェースが割り当てられます。たとえば、以下のように割り当てられます。


dialup_path
    ip_interface        ipdptp*

remote_host name

発信に使用する非同期パスの必須パラメータ。ファイル link.conf に定義されているリモートホストのいずれかと非同期パスとを関連付けます。name 値は、任意の文字列です。

remote_ip_addr ip_addr

ポイントツーマルチポイント接続の必須パラメータ。ポイントツーポイント接続の場合は不要です。非同期パスに関連しているリモートホストの IP アドレスを指定します。ip_addr 値は、ファイル /etc/hosts に定義されているホスト名または IP アドレス (ドット表記による) です。

expect_login_id login

着信呼の受信に使用する非同期パスの必須パラメータ。リモートホストが要求するログイン識別子を指定します。このパラメータは着信呼を特定の非同期パスと関連付けるので、各リモートホストが一意のログイン識別子を持っている必要があります。

login 値は、1 〜 8 文字の任意の小文字の文字列です。リモートホスト上の関連する接続スクリプトに定義されているログイン識別子と等しい必要があります。

admintool(1M) を使用して、このログイン識別子を持つユーザーアカウントを作成することも必要です。詳しい手順については、「着信接続のためのユーザーアカウントの追加」を参照してください。

default_route

ポイントツーポイント IP インタフェースの省略可能パラメータ。IP インタフェースに up のマークが付いている場合は、デフォルトの宛先として送信経路がルーティングテーブルに自動的に追加されます。IP インタフェースに down のマークが付いている場合は、送信経路はルーティングテーブルから削除されます。これはクライアント構成、つまり発信呼専用のリンクで使用することが多いパラメータです。ルーティングデーモンがマシン上で実行されているときにこのパラメータを使用すると、ネットワークトラフィックが必要以上に増大するため、このデーモンとの併用は避けてください。

inactivity_timeout seconds

非同期パスの省略可能パラメータ。非同期接続が自動的に切断されるまでの非活動時間を秒数で指定します。

seconds 値は、任意の整数です。デフォルト値は 120 秒 (2 分) です。seconds 値がゼロに設定されている場合は、明示的に切断されるまで接続はオープン状態のままとなります。

request_ip_addr state

非同期パスの省略可能パラメータ。クライアント側に対してだけ、IP アドレス動的割り当て機能を有効にします。state 値が on に設定されている場合は、サーバー側で割り当てられているインタフェースプールにある IP アドレスをクライアントが要求します。

state 値は、on (使用可能) または off (使用不可) です。デフォルト値は off です。

private ip_interface

非同期パスの省略可能パラメータ。サーバー側の IP アドレス動的割り当て用に定義されているインタフェースプールからの指定 IP インタフェースを隠ぺいします。同期接続に使用することを目的としたポイントツーポイント IP インタフェースの予約に使用することができます。

accept_any_ip_addr state

非同期パスの省略可能パラメータ。リモートホストからの IP アドレスを受け付けます。ローカルマシンのインタフェースに割り当てられている IP アドレスと異なる場合でも、受け付けます。

state 値は、on (使用可能) または off (使用不可) です。デフォルト値は off です。

lcp_async_map mask

非同期パスの省略可能パラメータ。リモートホストが使用する LCP 非同期マップを指定します。LCP 非同期マップは、PPP フレームを使用した送信においてどの制御文字を転置するかを定義する、ネゴシエーション用のパラメータです。

一部のデバイスでは、CTRL-SCTRL-Q などの 0x000x1f の範囲にある制御文字をソフトウェアのフロー制御に使用します。これらのデバイスは PPP フレームで送信する制御文字を解釈し、その結果リンクを切断する場合があります。この問題を避けるには、32 個のすべての制御文字を自動的に転置させ、上記の範囲に該当しないようにします。制御文字のコード化や符号化を行うと、リンクの両端に処理オーバーヘッドがかかります。

LCP 非同期マップは、どの制御文字をリモートホストに転置させるかを定義します。mask 値で 1 に設定されているビットは制御文字を転置することをリモートホストに指示し、ゼロに設定されているビットは制御文字を転置しないことをリモートホストに指示します。リンク内の各デバイスが PPP フレームで受信する制御文字に対してどのように応答するかを予測できる場合は、特定の mask 値を指定することによって一部の制御文字だけをリモートホストに転置させることができます。たとえば、0x0000ffffmask 値は、最初の 16 個の制御文字だけを転置することをリモートホストに指示します。

デフォルトの mask 値は 0xffffffff です。これによって、32 個のすべての制御文字が転置することがリモートホストに指示されます。mask 値が 0x0 の場合は、制御文字はすべて変更されません。

lcp_compression state

非同期パスの省略可能パラメータ。PPP フレームのアドレスフィールドとプロトコルフィールドを圧縮するかどうかを指定します。詳細については、付録 A 「PPP リンクの動作」 を参照してください。

state 値は、on (使用可能) または off (使用不可) です。デフォルト値は on です。

lcp_mru mru

同期パスと非同期パスの省略可能パラメータ。ローカルマシンの最大受信ユニット (MRU) を指定します。このパラメータは LCP Configure-request フレームで配信され、リモートホストの最大伝送ユニット (MTU) を設定します。詳細については、付録 A 「PPP リンクの動作」 を参照してください。

デフォルトでは、mru 値は Ethernet ネットワーク用の 1500 バイトに設定されています。

lcp_restart_timer seconds

同期パスと非同期パスの省略可能パラメータ。連続的 LCP Cofigure-Request フレームの経過時間を秒数で指定します。衛星接続など遅延時間が長いネットワークを使用して接続する場合は、LCP 再起動タイマー値を上げる必要があることがあります。詳細については、付録 A 「PPP リンクの動作」 を参照してください。

seconds 値は、ゼロより大きい任意の整数です。デフォルト値は 3 秒です。

lcp_max_restart max_restart

同期パスと非同期パスの省略可能パラメータ。エンドポイントに接続不可とみなされ、IP インタフェースに down のマークが付けられるまでに生成される未応答 LCP Configure-request フレームの数を指定します。詳細については、付録 A 「PPP リンクの動作」 を参照してください。

max_restart 値は、1 〜 255 の任意の整数です。デフォルト値は 10 です。max_restart 値が 255 に設定されている場合は、リモートホストが応答するまで LCP Configure-Request フレームが定期的に出力されます。

ppp_link_name name

同期パスと非同期パスの省略可能パラメータ。ppptracepppstat が使用するリンク名を割り当てます。name 値は、任意の文字列です。

ipcp_compression state

同期パスと非同期パスの省略可能パラメータ。低速リンクにおける性能を Van Jacobson 圧縮方式によって高めるヘッダー圧縮機能の現在状態を示します。詳細については、 付録 A 「PPP リンクの動作」 を参照してください。

state 値は、vj (使用可能) または off (使用不可) です。デフォルト値は vj です。

expect_authentication mode

同期パスと非同期パスの省略可能パラメータ。ローカルホストがリモートホストによる認証を要求すること、および認証プロトコルを使用することを指定します。認証機能が使用可能のときにリモートホストが自分自身を認証しなかった場合は、接続が切断されます。

mode 値は、off (認証なし)、pap (PAP による認証)、chap (CHAP による認証)、または pap|chap (PAP と CHAP による認証) です。デフォルト値は off です。

PAP と CHAP の両方が使用可能の場合は、CHAP 認証が最初に行われます。CHAP 認証をサポートしないリモートホストは、PAP 認証だけを行うことができます。

expect_pap_id pap_id

ローカルホストが PAP 認証を要求する場合の必須パラメータ。リモートホストが要求する PAP 識別子を指定します。pap_id 値は、0 〜 255 文字の任意の文字列です。ゼロ長の値は、expect_pap_id "" によって表します。

expect_pap_passwd pap_passwd

ローカルホストが PAP 認証を要求する場合の必須パラメータ。リモートホストが要求する PAP パスワードを指定します。pap_passwd 値は、0 〜 255 文字の任意の文字列です。ゼロ長の値は、expect_pap_passwd "" によって表します。

expect_chap_name chap_name

ローカルホストが CHAP 認証を要求する場合の必須パラメータ。リモートホストが要求する CHAP 名を指定します。chap_name 値は、1 〜 255 文字の任意の文字列です。

chap_peer_secret chap_secret

ローカルホストが CHAP 認証を要求する場合の必須パラメータ。リモートホストが要求する応答を生成するために、チャレンジ値とともに使用する CHAP シークレットを指定します。chap_secret 値は、1 〜 255 文字の任意の文字列です。

send_authentication mode

省略可能パラメータ。リモートホストが要求する認証ネゴシエーションをローカルホストが行うかどうか、および認証プロトコルを使用するかどうかを指定します。

mode 値は、off (認証なし)、pap (PAP による認証)、chap (CHAP による認証)、または pap|chap (PAP と CHAP による認証) です。デフォルト値は off です。

send_pap_id pap_id

リモートホストが PAP 認証を要求する場合の必須パラメータ。認証を要求したリモートホストに送信する PAP 識別子を指定します。pap_id 値は、0 〜 255 文字の任意の文字列です。

ゼロ長の値は、expect_pap_id "" によって表します。

send_pap_passwd pap_passwd

リモートホストが PAP 認証を要求する場合の必須パラメータ。認証を要求したリモートホストに送信する PAP パスワードを指定します。pap_passwd 値は、0 〜 255 文字の任意の文字列です。

ゼロ長の値は、expect_pap_passwd "" によって表します。

send_chap_name chap_name

リモートホストが CHAP 認証を要求する場合の必須パラメータ。認証を要求したリモートホストに送信する CHAP 名を指定します。chap_name 値は、1 〜 255 文字の任意の文字列です。

chap_own_secret chap_secret

リモートホストが CHAP 認証を要求する場合の必須パラメータ。リモートホストに対する応答を生成するためにチャレンジ値とともに使用する CHAP シークレットを指定します。chap_secret 値は、1 〜 255 文字の任意の文字列です。