このマニュアルでは、SolsticeTM PPP を使用することによって、ローカルマシンとリモートサーバーを公衆電話回線網を通して接続する方法について説明します。
Solstice PPP は、シリアル接続によってマルチプロトコルデータグラムの送信を行う標準方法を定義している、PPP (ポイントツーポイントプロトコル) の標準実装です。つまり、Solstice PPP は他の PPP 標準実装と相互にやりとりすることができます。
このマニュアルは、SolarisTM オペレーティング環境に不慣れで、PPP クライアントを初めて接続するユーザーを対象読者としています。ユーザー (クライアント) からの呼を受信できるようにリモートサーバーを構成するのは、システム管理者やインターネットプロバイダが行うことを前提としています。また、クライアントマシンの構成に必要なすべての情報がユーザーに提供されていることを前提としています。
このマニュアルをお読みになる前に、製品ソフトウェアをインストールしてください。また、接続先サーバーの電話番号など、クライアントマシンの構成に必要な情報をあらかじめ確認しておいてください。
第 1 章「Solstice PPP の概要」では、Solstice PPP を使用することによって、クライアントマシンとリモートサーバーを公衆電話回線網を介して接続する方法について説明します。
第 2 章「Solstice PPP クライアントの構成」では、構成スクリプト pppinit(1m)を使用して Solstice PPP クライアントを構成する方法について説明します。
第 3 章「Solstice PPP クライアントとサーバーの接続」では、ppptool(1m) を使用して Solstice PPP クライアントをリモートサーバーに接続する方法、および mailtool(1)や NetscapeTM 社の Web ブラウザなどのネットワークアプリケーションを PPP リンクで実行する方法について説明します。
第 4 章「Solstice PPP クライアントにおける問題の解決法」では、クライアントマシンにインストールされている Solstice PPP で発生する代表的な問題を検出し解決する方法について説明します。
付録 A 「構成ファイルと CHAT スクリプト」 では、Solstice PPP で使用する CHAT スクリプトの構文について説明し、対話型 CHAT スクリプトと非対話型 CHAT スクリプトの例を紹介します。
SunDocsTM プログラムでは、米国 Sun MicrosystemsTM, Inc. (以降、SunTM とします) の 250 冊以上のマニュアルを扱っています。このプログラムを利用して、マニュアルのセットまたは個々のマニュアルをご注文いただけます。
マニュアルのリストと注文方法については、米国 SunExpressTM, Inc. のインターネットホームページ http://www.sun.com/sunexpress にあるカタログセクションを参照してください。
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P-1 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、またはコード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力とは区別して示します。 |
system% su password: |
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、または強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
¥ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を越える場合、バックスラッシュは継続を示します。 |
sun% grep `^#define ¥ XV_VERSION_STRING' |
ただし AnswerBook2TM では、ユーザーが入力する文字と画面上のコンピュータ出力は区別して表示されません。
コード例は次のように表示されます。
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の場合、filename は省略してもよいことを示します。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。
このマニュアルでは、英語環境での画面イメージを使っています。このため、実際に日本語環境で表示される画面イメージとこのマニュアルで使っている画面イメージが異なる場合があります。本文中で画面イメージを説明する場合には、日本語のメニュー、ボタン名などの項目名と英語の項目名が適宜、併記されています。
「x86」という用語は、一般に Intel 8086 ファミリに属するマイクロプロセッサを意味します。これには、Pentium、Pentium Pro の各プロセッサ、および AMD と Cyrix が提供する互換マイクロプロセッサチップが含まれます。このマニュアルでは、このプラットフォームのアーキテクチャ全体を指すときに「x86」という用語を使用し、製品名では「Intel 版」という表記で統一しています。