役割は、特定のアプリケーションに対するユーザーアクセス権と、その実行に必要な承認や特権を与えるために使用する特別なユーザーアカウントです。同じ役割のユーザーはすべて、同じ役割のホームディレクトリを持ち、同じ環境で操作し、同じファイルにアクセスできます。ただし、最初から役割になってログインすることはできません。役割になる前に、各自のユーザーアカウントでログインしておく必要があります。この条件により、ユーザーの実際の UID が確実に記録され、これを監査に使用することができます。各役割には、その役割のワークスペースが割り当てられ、このワークスペースにはフロントパネルのボタンを使ってアクセスできます。役割になる前に、役割用のパスワードを入力して認証される必要があります。
場合によっては、あらかじめ定義されている 3 つの管理役割 (システムオペレータは非管理役割) のほかに、新しい役割を作成することがあります。新しい役割は、同じ 1 つのホームディレクトリ、ファイル、作業環境を共有しながら、他のユーザーには使用できない特別なコマンドアクション、特権を使用できる担当者を設定したい場合などに作成します。コマンドや特権を別のホームディレクトリや別のファイルに置いて、別のユーザーがこれを使用できるようにする必要がある場合は、役割を作成するのではなく、特別な実行プロファイルを作成します。これについては、「実行プロファイル」を参照してください。
役割には、管理役割とそれ以外の役割 (非管理役割) の 2 種類があります。管理役割では、セキュリティ関連の作業を行います。管理役割は、sysadmin グループ 14 に割り当てられ、NIS+ 主体の特権が与えられており、トラステッドパス属性を持つプロセスを起動できます。多くの管理役割用アプリケーションは、これらの条件が揃っていなければ実行できません。一方、非管理役割は、セキュリティとは無関係で、共用ファイルやディレクトリを利用する際に使用します。所有権が途中で交代する作業などは、非管理役割が行います。