次の表は、プロセスが特権を獲得する方法を、例を挙げて示したものです。この表では、あるアプリケーションを想定して、それに対する許容セット、強制セット、継承可能セットの例を示します。
表 1-7 アプリケーションに割り当てられた特権セット (例)
特権 |
許容セット |
強制セット |
継承可能セット |
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○ |
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file_upgrade_sl |
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○ |
○ |
○ |
○ |
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win_fontpath |
○ |
○ |
○ |
win_colormap |
○ |
○ |
○ |
○ |
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○ |
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file_dac_read |
○ |
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○ |
○ |
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file_dac_execute |
○ |
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この例からは、次のことがわかります。
許容セット - 許容セットに含まれない特権は使用できない (例 : file_mac_write、file_upgrade_sl) ため、強力な特権を許容セットに含めないようにして、不用意に使用されるのを防ぐことができる。許容されているだけで強制されていない特権は、同じアプリケーションのプロファイルの継承可能セットに含まれている場合だけ使用可能 (例 : file_dac_search、file_dac_read)。許容されているだけで強制されておらず、継承可能でもない特権は、使用できない (例 : file_chown、file_dac_execute)
強制セット - 強制された特権は、そのアプリケーションを実行できるユーザーであれば無条件に使用できる。ただし、許容されていない特権を強制することはできない (win_dga、win_fontpath、win_colormap は、許容された特権のうち強制されたもの)