セキュリティ管理者役割は、各アカウントに対する最初のパスワードを指定します。セキュリティ管理者役割が選択したパスワードは、表 2-1 に示すようなトラステッドパス (TP) メニューでのパスワード変更で求められているものと同じ条件を満たす必要があります。これらの条件を表 2-1 に示します。
表 2-1 手操作で作成されるパスワードについての規則
規則 |
---|
パスワードの長さは、8 文字。 |
パスワードには、少なくとも2 文字のアルファベットが含まれていなければならない。 |
パスワードには、少なくとも 1 文字の数字あるいは特殊文字が含まれていなければならない。 |
パスワードは、ユーザーのログイン名、その逆やシフトしたものとは異なったものでなければならない (この場合、大文字と小文字は同一と見なす)。 |
新規に作成したパスワードは、その中の少なくとも 3 文字以上が古いパスワードと異なっていなければならない (この場合、大文字と小文字は同一と見なす)。 |
新規にローカルアカウントあるいは NIS+ 管理アカウントを作成するときに、管理役割は、一意のユーザー名を指定する必要があり、セキュリティ管理役割は、一意のユーザー ID を指定する必要があります。新規アカウントに名前や ID を選択するときは、管理者は、ユーザー名および関連 UID ともネットワーク上の他のものと重複しないことを確認しなければなりません。
システムが同一である限り、管理者は、ユーザー名やUID は、同じものを決して再使用しないようにする必要があります。ユーザー名や UID を再使用しないことによって、次のような混乱を防ぐことができます。
監査レコードの解析中、どのユーザーがどのアクションを実行しているか
アーカイブファイルの復元中、どのユーザーがどのファイルを所有しているか
セキュリティ管理者役割は、いつでもどのアカウントのパスワードも変更できる権限があります (セキュリティ管理者役割のパスワードは例外で、「自分を変更することを許可」承認を必要とします)。パスワードが誰か他の者によって知られたかもしれないと思われるときは、セキュリティ管理者は、そのアカウントのパスワードを変更する必要があります。セキュリティ管理者は、他の誰にも知られない方法により、そのアカウントにパスワードを手渡す必要があります。
管理者は、何らかの作業を始める指示をユーザーに与えるときに電子メールは使うべきではなく、ユーザーには、管理者からのメールであることを装ってくる指示を信用しないように指示する必要があります。それによって、偽の電子メールでユーザーにパスワードをある値に変更するか公表する指示を与えて、そのパスワードを使用してログインを行い、システムに被害を与えるといった事態を防ぐことができます。
アカウントのためにパスワードの指定を行うセキュリティ管理者役割は、セキュリティ管理役割になることのできるアカウントが「常に開く」に設定されていることを確認しておく必要があります。そうすることによって、少なくとも 1 人のアカウントが常にログインできる状態で、セキュリティ管理役割になることができ、仮にアカウントのすべてがロック状態になってもそれらを再びオープンすることができるようになります。