Trusted Solaris 管理の手順

パスワードの保護

ローカルファイルでは、DAC によりパスワードを見ることはできません。また、DAC と MAC によりパスワードが変更ができないように保護されています。ローカルアカウントのパスワードは、shadow (4) ファイルで保守されており、スーパーユーザーからしか読むことができません。


trusted4% ls -l /etc/shadow
-r------- 1 root

セキュリティ管理者役割は、DAC および MAC 属性が /etc/shadow ファイル用に変更されることのないようにしなければなりません。shadow ファイル上で保守をしなければならない属性を次の表に示します。

表 2-2 /etc/shadow で必要な属性

MAC

ADMIN_LOW

DAC

 

所有者

グループ

アクセス権

root 

sys 

400 

NIS+ passwd.org_dir テーブルのパスワードフィールドは、NIS+ アクセスがテーブル内のフィールドに限定されていることで保護されています。ユーザーや管理者が passwd.org_dir テーブルを見ようとしても、表示される符号化されたパスワードは、そのアカウントに属するものだけです。

次の例では、niscat(1) コマンドを起動したユーザーである roseanne は、自分自身のアカウントの符号化されたパスワードを見ることはできても、他のユーザーである ricc のパスワードフィールドには、*NP* と表示されるだけであることを示しています。


trusted5% whoami
roseanne
trusted6% niscat passwd.org_dir
. . .
ricc:*NP*:33333:10:Ric Cheshire:/home/ricc:/bin/csh:*NP*
roseanne:0dk1EW44:10:Roseanne Sullivan:/home/roseanne:/bin/csh:38442::::::
 

また、次の例に示すとおり、shadow.org_dir テーブルはありません。


trusted5% niscat shadow.org_dir
shadow.org_dir: Not Found, no such name