Trusted Solaris 管理の手順

SLD の命名規則

SLD の名前には必ず「.SLD.」という接頭辞が付けられます。SLD 接頭辞は、MLD 接頭辞とは異なり変更できません。1 つの MLD 内部で新しい SLD が作成されるたびに、その SLD の名前として順序番号が与えられます。たとえば、1 つの MLD 内部で最初に作成された SLD に与えられる番号は 0 (SLD 名は「.SLD.0」)、2 番目に作成された SLD に与えられる番号は 1 (SLD 名は「.SLD.1」)のようになります。

PUBLIC ワークスペースで作業している場合に、ユーザー roseanne がコマンド行から pwd コマンドを実行するか、またはファイルマネージャを使って自分のホームディレクトリのフォルダを見た場合、roseanne には現在のディレクトリ名は /export/home/roseanne としか見えません。一見、roseanne は自分のホームディレクトリで作業しているように見えますが、実際には roseanne は機密ラベル PUBLIC を持つ SLD (その名前は /export/home/.MLD.roseanne/.SLD.0) 内で作業しているのです。

SLD 名に含まれる番号は、そのディレクトリの持つ機密ラベルとは関係がありません。たとえば、どんな機密ラベルを持つユーザーのために作成されたとしても、最初に作成される SLD の名前は /export/home/.MLD.roseanne/.SLD.0 になります。

MLD は個々の SLD の持つラベルを記録しています。このため、同一 MLD に対して特定の機密ラベルでのアクセスが複数回実行された場合、2 回目以降のアクセスでは、アクセスを行なったユーザーは正しい機密ラベルを持つ SLD に自動的に移動されることになります。

たとえば、機密ラベル PUBLIC で作成された最初の SLD (名前は「.SLD.0」) があるとします。次回、ユーザー roseanne が機密ラベル PUBLIC で作業中に自分のホームディレクトリに移動した場合、roseanne は意識せぬままに実際には機密ラベル PUBLIC を持つ SLD に移動し、その後、彼女の作成したファイルはすべてディレクトリ「.SLD.0」内に保存されることになります。これらの仕組みは、ユーザーが接頭辞を使って MLD や SLD を直接参照しない限り、ユーザーの目からは見えません (「MLD 接頭辞と SLD 接頭辞の例」を参照のこと)。