Trusted Solaris 管理の手順

新しいトラステッドプログラムを追加する場合

プログラムの開発者がソースコードに組み込む特権をセットを操作できてもセキュリティ管理者役割がプログラムに必要な特権を割り当てなければ、プログラムで特権を使用することはできません。セキュリティポリシーを無効にできなければ、そのプログラムは期待通りの処理を完全に行えなかったり、Trusted Solaris システムで実行することができなかったりします。

開発者の業務

Trusted Solaris システムに追加されるプログラムを作成する開発者には、次の条件が必要です。

  1. プログラムが機能するために特権が必要かどうか判断できる

  2. 特権ブラケットなどの技術を習得しており、プログラムで安全に特権を行使するために使用できる

  3. プログラムに特権を割り当てるときは、セキュリティの実現に注意し、プログラムがセキュリティポリシーに違反しないことを確認する

  4. セキュリティ管理者役割との共同作業により、「特権プログラムがトラステッド共用ライブラリを使用する理由」の説明に従って、プログラムにリンクされた共用ライブラリをトラステッドディレクトリ内に格納する。また、プログラムをコンパイルするときは、「」 に従って、トラステッドディレクトリの場所を使用する

    プログラム内で特権を使用する方法については、『Trusted Solaris 開発ガイド』を参照してください。

セキュリティ管理者役割の業務

セキュリティ管理者役割は、Trusted Solaris のシステムコールやルーチンを使用してセキュリティポリシーの範囲内で処理を行うプログラムが、絶対に Trusted Solaris システムのセキュリティに違反しないようにする必要があります。

  1. プログラマやプログラム配布プロセスが信頼できることを確認する

  2. 次の情報源から、プログラムに必要な特権を決定する

    1. プログラマに確認する

    2. ソースコードを調べて、プログラムが使用する予定の特権を検索する

    3. runpd を使用する。これについては、「アプリケーションに必要な特権を調べるには」で説明しています。

  3. ソースコードを綿密に調査し、処理に必要な特権を使用する際に信頼できる方法で動作することを確認する