Trusted Solaris 管理の手順

mount コマンドを実行するプロセスが特権を獲得する方法

この節では、「Trusted Solaris で 2 つの標準プログラムが特権を使用する方法」で例に挙げた mount コマンドがプロファイルシェルのプロセスでどのように実行され、どのように特権を獲得するかを説明します。mount がプロファイルシェルで実行されるとき、pfsh を実行しているプロセスは、次の処理を行います。

mount のプロセスでは、「継承可能な特権」は、mount を呼び出したプロファイルシェルのプロセスの「継承可能な特権」と同じに設定されます。次に、mount のプログラムファイルの「強制された特権」と「許容された特権」が「継承可能セット」と組み合わされプロセスの許可された特権、「有効な特権」、「保存された特権」が決定します。

「許可セット」と「有効セット」を決定するためには、まず、プロセスの「継承可能な特権」と、プログラムファイルの「強制された特権」の中の追加特権とが組み合わされます。mount には、「強制された特権」がないため、ここではこの特権は適用されません。「継承可能な特権」と「強制された特権」の組み合わせは、プログラムファイルに指定されている「許容された特権」に制限されますが、mount プログラムファイルに「許容された特権」すべてがあるため、すべての「継承可能な特権」を使用することができます。その結果、mount を実行するプロセスの「許可セット」および「有効セット」は、「継承可能な特権」のセットと同じになります。

mount の「保存セット」には、「継承可能セット」と、mount のプログラムファイルの「強制された特権」および「許容された特権」が設定されます。