厳密にいえば、ルーターは 2 個以上のネットワークインタフェースを持ち、あるネットワークから別のネットワークにパケットを転送するマシンのことをいいます。「ルーター」の代わりに「ゲートウェイ」という用語が使用されることもあります。セキュリティ管理者は通常、Trusted Solaris 環境のルートを慎重に選択しなければならないため、機密情報に使用するすべてのルーターのセキュリティ特性を理解しておく必要があります。
信頼度の最も高いルーティングを確保するには、ルーターに Trusted Solaris ホストを使用してルートを設定します。他の種類のルーター上では、必ずしもすべての Trusted Solaris セキュリティ機能が使えるわけではなく、さらに、パケットはラベル付き (MAC) セキュリティ保護なしでルーターを通過できることを念頭に置いておくことが必要です。
Solaris ルーターは、IP オプションセクションに認識不能なラベルが検出されても、パケットを破棄せず、そのまま転送します。しかし、CIPSO、RIPSO、MSIX ルーターの場合は、対応するラベル型がパケットの IP オプションセクションに検出されないと、パケットを破棄してしまいます。たとえば、CIPSO ルーターでは、パケットの IP オプションセクションに CIPSO ラベルが検出されなければ、そのパケットは破棄されます。ホスト間の通信を設定する際は、このような注意事項を理解したうえで、パケットが適切なルーターに経由されるようにしなければなりません。