Trusted Solaris のラベル管理

認可上限、最下位のラベル、アカウントラベルの範囲の概要

認可上限ラベルと最下位のラベルは、各新規ユーザーと役割アカウントに割り当てられます。これらのラベルは、ユーザーマネージャの「ラベル (Labels)」ダイアログボックスを使用してアカウントのセキュリティ面の設定を行うときに、セキュリティ管理者役割によって割り当てられます。認可上限はアカウントが作業を行えるラベルの上限を設定し、最下位のラベルは下限を設定します。認可上限ラベルは、label_encodingsCLEARANCES セクションで定義されています。「認可上限ラベルの詳細」を参照してください。

アカウントラベルの範囲

ユーザーや役割がいつでも作業を行えるラベルの集合を「アカウントラベルの範囲」といいます。アカウントラベルの範囲の上限はアカウントの認可上限で、下限はアカウントの最下位のラベルです。1 つのラベルだけでしか作業が許可されていないユーザーの認可上限は、最下位のラベルと同じです。システムの全ユーザーが使用できるすべてのラベルの中からアカウント認可上限を選択する方法については、「認可範囲の例」を参照してください。

認可上限の 2 つのタイプ

認可上限には、アカウントの作成時に割り当てられるアカウント認可上限と「セッション認可上限」の 2 種類があります。社員がシステムにログインするとき、その人はログインからログアウトまでの間の有効なセッション認可上限を指定します。セッション認可上限は、アカウント認可上限の範囲内になければなりません。セッション認可上限の詳細については、次の項および 「セッションの許可上限の指定方法」を参照してください。

セッション認可上限

セッション認可上限を使用すると、複数のラベルで作業を行える設定のアカウントが特定のセッションで使用できるラベルの範囲を自主的に制限できます。セッション認可上限のデフォルト値は、アカウント認可上限です。それより下位の認可上限が選択される場合もあります。

セッション認可上限は、セッション中の通常のユーザーに代わって処理が行われる範囲の上限を設定できます。役割アカウントのセッション認可上限は、アカウント認可上限と同じです。ユーザーの最下位のラベルは常に、セッション中のアカウントが作業できるラベルの下限です。