例 8-8 には、合成語句 word 9 を示します。これは、word 7 と word 8 を合成したものです。この例では、初期マーキングビットでビット 6 とビット 7 が 1 と指定されていないことを仮定しています。このエンコーディングでは、word 7 がすでに含まれているラベルに word 8 を追加すると、どちらの語句も自動的にword 9 に置換されます。なお、この例では、合成語句を他の語句の前に指定することが重要です。word 9 を word 7 と word 8 の後に指定すると、内部形式から変換された人が読める形式のラベルに word 9 は表示されません。逆に、word 7 と word 8 が表示され、word 9 はこれらの語句のエイリアスとなります。
name= word9; markings= 6 7; name= word7; markings= 6; name= word8; markings= 7;
例 8-9 は、合成語句をエンコーディングする別の方法を示しています。この例では、word 7 と word 8 のエンコーディングでは明示的に 0 ビット (‾6 と ‾7) を指定しているため、語句の順序は問題ではありません。0 ビットはインバースビットではないので、初期マーキングビットで 1 と指定する必要はありません。
name= word7; markings= 6 ‾7; name= word8; markings= ‾6 7; name= word9; markings= 6 7;
指定方法判定という観点からは、この代替指定方法は前の例と同じです。ただし、この例と前の例との重要な機能上の相違点は、変換ソフトウェアの動作方法です。前の例では、word 8 が word 7 を含んでいるラベルに追加される場合 (この逆の場合も同様)、ラベルは、word 7 や word 8 ではなく word 9 を含むよう変更されました。しかし、この例では、明示的に 0 ビットを指定しているため、word 7 とword 8 のエンコーディングが互いに排他的になり、第 7 章「エンコーディングを指定する際の一般的な考慮事項」で説明するように、たとえば、次の組み合わせ制約によって、ラベル上に同時に表示することを避けなければいけません。
word7 ! word8
したがって、すでに word 7 が含まれているラベルに word 8 を追加しても、上記の例のように、それらの語句が word 9 に置換されることはなく、word 8 の追加が無視されます。なお、どちらの例でも、word 7 または word 8 のどちらか一方が含まれているラベルに word 9 を追加すると、その語句が word 9 に置換されます。
付録 B 「説明付きのエンコーディングサンプル」 では、合成語句の例として、all eyes (p1 eyes only と p2 eyes only の合成語句) を挙げています。