Trusted Solaris 環境には、スーパーユーザーはいません。スーパーユーザーの作業は、管理役割で分担されます。Trusted Solaris の管理役割は、プロファイルシェル (pfsh(1M) という特殊なシェルで処理されます。役割が直接ログインすることはありません。セキュリティ管理者によって役割を割り当てられたユーザーが、これらの「役割になり」ます。役割は、他の Trusted Solaris ワークステーション上の同じ役割から、リモートでのみログイン可能です。役割についての詳細は、『Trusted Solaris 管理の手順』の「特定の役割への移行と役割ワークスペースでの作業」を参照してください。
Solaris SSP 3.1.1 における ssp ユーザーは、Trusted Solaris SSP 3.1.1 では ssp 役割に置き換えられています。ssp ユーザーが Solaris 環境で実行するコマンドは、Trusted Solaris 環境では ssp 役割によって実行されます。ssp 役割はプロファイルシェル (pfsh) を使用して実行されます。他のシェルで実行するよう変更してはなりません。
ssp 役割のホームディレクトリ (/export/home/ssp) は、インストール時にマルチレベルディレクトリ (MLD) として作成されます。ssp 役割はラベル admin_low
で実行され、そのファイルはラベル admin_low
の SLD (シングルラベルディレクトリ) に格納されます。Trusted Solaris 環境および概念については、『Trusted Solaris 管理の概要』を参照してください。
Solaris のスーパーユーザー (root) は、Trusted Solaris では root 役割に置き換えられます。Trusted Solaris SSP 3.1.1 と Trusted Solaris AP 2.2 では、Solaris 環境のスーパーユーザーが実行するコマンドは、Trusted Solaris 環境の root 役割によって実行されます。root 役割はプロファイルシェル (pfsh) を使用して実行されます。他のシェルで実行するよう変更してはなりません。