Sun Management Center 3.5 インストールと構成ガイド

ポートアドレスの再構成

この節では、ポートアドレスが衝突する場合に Sun Management Center ソフトウェアを構成する方法について説明します。各 Sun Management Center コンポーネントのデフォルトポートの一覧は、表 9–3 を参照してください。


注 –

Sun Management Center の設定時には、各デフォルトポートが使用中であるかどうかがチェックされます。デフォルトポートが使用中でない場合は、デフォルトポートが割り当てられます。ポートが使用中の場合は、別のポートを指定できます。どちらの場合とも、ポートの割り当てはSNMP の概要に示されている方法で構成ファイルに保存されます。


デフォルトのポート

Sun Management Center コンポーネントが使用するデフォルトポートは、システム上にすでにインストールされているほかのプロセスによって使用されている可能性があります。デフォルトのポート割り当てによって Sun Management Center をインストールすると、ポートの衝突が起きて Sun Management Center を起動できない場合があります。Sun Management Center の設定時には、各コンポーネントのポートがチェックされ、代替ポートを割り当てるかデフォルトポートを使用するかを確認するメッセージが表示されます。

次の表は、Sun Management Center コンポーネントと各コンポーネントのデフォルトポートを示します。特定のポートが使用中であるかどうかをチェックする方法については、特定のポートが使用中であるかを確認するを参照してください。

表 9–3 Sun Management Center のデフォルトポートアドレス

レイヤ 

コンポーネント 

デフォルトポート番号 

エージェント 

エージェント

161 

サーバ 

トラップハンドラ

162 

サーバ 

イベントマネージャー

163 

サーバ 

トポロジマネージャー

164 

サーバ 

構成マネージャー

165 

サーバ 

プラットフォーム 

166 

高度なシステム監視アドオン 

システムイベントと構成を追跡するコンポーネント cstservice

167 

サーバ 

エージェント情報をキャッシングするコンポーネント metadata

168 

サーバ 

サーバ RMI

2099 

サーバ 

データベース

2521 

サーバ 

グループ化 

5600 

Tomcat 

Web サーバ 

8006 

サーバ 

Web サーバのデフォルトポート

8080 

サーバ 

Web サーバのセキュアポート

8443 

特定のポートが使用中であるかを確認する

    端末ウィンドウで、/bin/netstat -an | grep portnumber と入力します (portnumber は確認したいポート番号)。例えば、


    # /bin/netstat -an | grep 8443
    #

    • そのポートが使用されていない場合、上記のようにコマンド行プロンプトだけが返されます。

    • ポートが予約されているか、あるいは使用中の場合は、そのポートのステータスが返されます。例えば、


      # /bin/netstat -an | grep 1161
      #       *.1161                        Idle
      # /bin/netstat -an | grep 8080
      # 172.16.0.0.8080         *.*         0      0 24576      0 LISTEN

      この例では、netstat コマンドを入力したマシンの IP アドレスは 172.16.0.0 です。

Sun Management Center ポートの再構成

Sun Management Center ポートの構成には、es-config コマンドを使用してください。es-config コマンドの構文は次のとおりです。

es-config [ -Admnh ] [ -p component-name ] [ -c component:channel ] [ -P MinPort:MaxPort ]

次の表に、es-config のオプションを示します。

表 9–4 es-config のオプション

オプション 

説明 

  

Sun Management Center 3.5 のベース製品が使用するすべてのポートを表示する 

-A

 

すべてのポートを構成する 

-P

MinPort:MaxPort

プローブメカニズムが使用するポートの範囲を構成する。 MinPort は先頭のポート番号、MaxPort は最後のポート番号です。ポートの範囲は 100 以上でなければなりません (例: 1024:1124)。これらのポートは、Sun Management Center サーバとエージェント間の通信のために臨時のコマンドを実行する目的でプローブメカニズムによって使用されます。有効なポート番号は 1024 から 64500 です。


注 –

ファイアウォールを介して Sun Management Center サーバとエージェント間の通信をサポートするためには、このポート範囲を構成する必要があります。


-d

 

すべてのポートを 3.5 のデフォルト値に戻す。表 9–3を参照してください。

-c

component:channel

記録されているコンポーネントチャネルを有効または無効にする。チャネルを制御できる有効な Sun Management Center コンポーネントは、topologycfgservereventcstservicetrapmetadataagentplatform、および platform_instances です。有効なチャネルは、debuginfoerrorstatus、および history です。

-h

 

es-config オプションの一覧を表示する

-m

 

es-mcp-users 構成ファイルにユーザ名リストを加えることによってモジュール構成伝播を構成する

-n

 

Network Address Translation (NAT) サポートを有効にする 

-p

component-name

Sun Management Center コンポーネント component-name で使用されるようにポートを構成する。有効なコンポーネントは、topologycfgservereventcstservicetrapmetadatarmiagentgroupingHTTPHTTPSplatform、および platform_instances です。

次に、es-config コマンドを使用して Sun Management Center のポート割り当てを再構成する方法の例を示します。

エージェント SNMP ポートを再構成する
  1. Sun Management Center サーバレイヤマシンにスーパーユーザとしてログインします。

  2. 未使用のポートを見つけます。

    特定のポートが使用中であるかを確認するを参照してください。

  3. /opt/SUNWsymon/sbin/es-config -p agent を入力します。

    es-config は、Sun Management Center プロセスをすべて停止します。プロセスの停止後、Sun Management Center コンポーネントに現在割り当てられているポート番号が表示されます。続いて、エージェントに割り当てられているポート番号が表示され、ポート番号の入力を求めるメッセージが表示されます。


    # ./es-config -p agent
    Following ports are occupied by Sun Management Center:
    161,162,163,164,165,167,168,166,5600,2099,8080,8443.
    
    Sun Management center agent component is presently using port:161
    Hit RETURN key to continue with present configuration.
    Enter the port number you would like to use for agent component
        [ 1100 to 65535 ]: 
  4. 割り当てたいポート番号を入力するか、Return キーを押して、デフォルトのポート番号 161 を使用します。

    Sun Management Center コンポーネントを起動するかどうかを確認するメッセージが表示されます。

  5. Sun Management Center コンポーネントを起動する場合は y、コンポーネントを起動したくない場合は n と入力します。

サーバ RMI ポートアドレスを再構成する
  1. Sun Management Center サーバレイヤマシンにスーパーユーザとしてログインします。

  2. 未使用のポートを見つけます。

    特定のポートが使用中であるかを確認するを参照してください。

  3. /opt/SUNWsymon/sbin/es-config -p rmi を入力します。

    es-config は、Sun Management Center プロセスをすべて停止します。プロセスの停止後、Sun Management Center コンポーネントに現在割り当てられているポート番号が表示されます。続いて、サーバに割り当てられているポート番号が表示され、ポート番号の入力を求めるメッセージが表示されます。例えば、


    # ./es-config -p rmi
    Following ports are occupied by Sun Management Center:
    161,162,163,164,165,167,168,166,5600,2099,8080,8443.
    
    Sun Management center agent component is presently using port:2099
    Hit RETURN key to continue with present configuration.
    Enter the port number you would like to use for rmi component 
       [ 1100 to 65535 ]: 
  4. 割り当てたいポート番号を入力するか、Return キーを押して、デフォルトのポート割り当てを使用します。

    Sun Management Center コンポーネントを起動するかどうかを確認するメッセージが表示されます。

  5. Sun Management Center コンポーネントを起動する場合は y、コンポーネントを起動したくない場合は n と入力します。