Solaris Container Manager 1.1 インストールと管理

プロジェクトの状態

アプリケーションに設定したリソース消費の境界は、実際にはプロジェクトによって適用されるのではありません。最小 CPU 予約数とメモリーキャップを指定し、プロジェクトが有効になったら、Solaris カーネルによってこれらの境界が適用されます。プロジェクトを使用する前に、プロジェクトの状態を理解する必要があります。プロジェクトには、定義済み、有効、および無効の 3 つの状態があります。

図 3–2 プロジェクトの状態

プロジェクトの状態を示す図。周りのテキストがコンテキストを表します。

プロジェクトは、その存続期間中、これらの状態の間を行き来します。

コンテナとプロジェクト

コンテナは、プロジェクト自体がまだ発生していない初期の段階で作成します。各プロジェクトには固有の名前が必要で、各プロジェクトは無限にデータベースに保存できます。

図 3–2 に、コンテナがホストに関連付けられた後でプロジェクトが有効な状態になるところを示しています。プロジェクトは、無効にし、ホストとの関連付けを解除したら、定義済みの状態に戻すことができます。

プロジェクトの有効化

プロジェクトを有効にするには、まずコンテナをホストに関連付けます。次に、プロジェクトの最小 CPU 予約数とメモリーキャップを割り当ててリソース境界を設定します。プロジェクトは、これらのリソース境界をサポートするホストに関連付ける必要があります。有効なプロジェクトとは、外に出されてホスト上に常駐しているという点から、配備済みとも言えます。

新規プロジェクトウィザードでアプリケーションベースのプロジェクトを作成するときは、アプリケーションに関連するプロジェクトを特定する一致式を指定できます。一致式と一致するプロセスがすべてこのコンテナの下に移動されます。プロジェクトを有効にすると、コンテナが関連付けられているホストで、/etc/project データベースにエントリが作成されます。これに対して、一致するプロセスがコンテナのプロジェクト名の下に移動します。プロセスが移動したら、プロジェクトのすべてのリソース使用状況データが収集され、保存されます。

プロジェクトの無効化

プロジェクトを無効にすると、リソース境界が適用されなくなります。無効にしたプロジェクトは無効な状態になり、ホストの /etc/project ファイルから削除されます。無効なプロジェクトはソフトウェアのデータベースに残っているので、再度有効にできます。無効なプロジェクトを再び有効にすると、コンテナのリソース境界が再び適用されます。

プロジェクトが有効であった間に収集された使用状況データは、すべてデータベースに保存されます。プロジェクトを無効にしてから 30 日以内は、そのプロジェクトの使用状況レポートを要求できます。