ping コマンドによって接続が確認されたにも関わらず、依然としてバックアップの問題が解決できない場合は、rpcinfo コマンドを使って検査することもできます。Backup はポートのマッピングに非常に大きく依存しているので、rpcinfo コマンドを使ってポートマッパの動作を調べます。ping コマンドは、OSI モデルで言えばネットワーク層までの接続を検査するもので、rpcinfo コマンドは、そのセッション層までの通信を調べるものと言えます。
rpcinfo コマンドによる検査は、ping コマンドの場合と同じです。サーバーそのものが唯一のクライアントである場合は、前述の操作のうちアスタリスク (*) を付けた検査だけを行います。
rpcinfo コマンドを実行するためには、コマンド行にホスト名が入力されるマシンにおいてポートマッパが稼働していなければなりません。Sun のポートマッパは、ほとんどの場合、完全な機能を備えた Sun 以外のベンダー製のポートマッパ と互換性があります。独自のポートマッパ付きの製品を使用している場合は、Backup が環境内のほかの部分に対しても動作することが検証されるまでは、サードパーティのポートマッパをロードしないことをお勧めします。これで、未知のポートマッパを追加せずにポートマッパの互換性を検証できます。
Solaris では、rpcbind デーモンが動作していなければなりません。rpcinfo ユーティリティは、オペレーティングシステムの一部に組み込まれています。
TCP を使用しているポートを表示するための rpcinfo コマンドの構文は、次のとおりです。
rpcinfo -p hostname |
ping コマンドの場合と同様に、hostname 変数の位置にロングネームとショートネームを指定します。
そのほかの rpcinfo コマンド行オプションを表示するには、コマンド行に rpcinfo と入力します。rpcinfo コマンドについての注意とエラーメッセージは、UNIX の rpcinfo のマニュアルページを参照してください。このマニュアルの ping の説明で示したすべてのサーバーおよびクライアントの位置を繰り返し指定して、rpcinfo コマンドを入力してください。
rpcinfo コマンドが正常に実行されると、ポートの番号と名前が一覧表示されます。障害追跡で必要となるのは、エラーメッセージの正確なテキストです。rpcinfo コマンドに対する正常な応答の一般的な形式は、次のとおりです。
rpcinfo for mars program vers proto port 100000 2 tcp 111 portmapper 100000 2 udp 111 portmapper 390103 2 tcp 760 390109 2 tcp 760 390110 1 tcp 760 390103 2 udp 764 390109 2 udp 764 390110 1 udp 764 390113 1 tcp 7937 390105 5 tcp 821 390107 4 tcp 819 390107 5 tcp 819 390104 105 tcp 822 |