Backup がテープ容量のすべてを使用できないことがあります。たとえば、公称容量 4000M バイト のテープにまだ 3000M バイトのデータしか書き込んでいないのに「full」マークが付けられることがあります。
Backup でテープを容量いっぱいまで使うには、現在のデバイスに適した最高の密度で書き込まれたデバイスドライバを選択します。テープにラベルを付けるときに、そのデバイスがサポートしている最高密度が Backup によって書き込みに使用されます。
テープの全容量が使われていないのにいっぱいになったとみなされる原因としては、次のものがあります。
バックアップ中に書き込みエラーが起こった
ほとんどのテープドライブは、書き込み動作のあとデータを読み取って、データがテープに正常に書き込まれたことを確認し、正常に書き込まれていなければもう一度書き込みます。書き込みエラーは、テープが終わったかまたは、読み取りエラーのいずれかを意味しています。どのようなテープエラーが起こっても、Backup ではテープに「full」のマークが付けられます。
テープの書き込みエラーを防ぐには、定期的にテープドライブをクリーニングして、データ品質のテープだけを使うようにします。ドライブをクリーニングしてもエラーが出る場合は、次のことを確認します。デバイスドライバが正しく設定されているか、テープドライブ上の必要なスイッチ設定がメーカーの仕様どおりに設定されているか、ケーブルはしっかり接続されているか、考えられるその他の SCSI 問題に対処しているか。
Backup が付けるファイルマークがテープの領域をとる
データ復旧を迅速に行うために、Backup によって定期的にファイルマークが書き込まれます。このファイルマークは領域を使います。この領域の大きさはテープドライブのタイプによって異なり、ある種のドライブでは数 M バイトになります。Backup によってテープに書き込まれるファイルマークの数は、そのテープ上のセーブセットの数に比例します。小さいセーブセットをたくさん格納すると、大きいセーブセットを少なく格納する場合よりもファイルマークが多くなります。
テープによって容量に差がある
テープの容量はテープによって異なり、一定ではありません。同じベンダーの、見かけ上まったく同じ 2 本のテープでも、容量がかなり違うことがあります。このためデータがいっぱいに書き込まれているテープをほかのテープにコピーする場合、特にコピー先のテープの容量がコピー元のテープの容量よりも小さい場合に、問題が起こることがあります。
テープ容量に対するデータ圧縮の影響
テープドライブでデータを圧縮すると、圧縮によってテープ容量がどう変わるかは予測できません。圧縮機能を使うドライブの容量は、圧縮機能を使わないドライブの 2 倍になる場合もありますが、これはバックアップされるデータの種類によって増減します。たとえば、非圧縮ドライブで特定のテープに 2G バイトのデータを書き込めるとすると、圧縮ドライブで 10G バイト、2G バイト、5G バイト、または予想をはるかに超える量のデータを書き込める場合があります。
テープの長さ
必ずテープの長さを確認します。120 m の DAT テープは、90 m の DAT テープよりも多くのデータを記録できます。ただし、2 つのテープは見かけは同じなので、テープカセットに記載されている情報を確認してください。
Solaris の場合、使用しているテープデバイスが Sun によって直接サポートされていなければ、st.conf ファイル内にエントリを作成し直す必要があります。このための支援が必要な場合は、ご購入先にお問い合わせください。