Solstice Backup 5.1 管理者ガイド

オートチェンジャの操作

この節では、Backup でオートチェンジャを使用する場合に起こる問題の解決法を説明します。

デバイスドライバのインストールの検査

Backup デバイスドライバソフトウェアをインストールしたあと、lusdebug プログラムを使ってサーバーとの接続を検査し、jbexercise プログラムを使ってオートチェンジャを検査します。次に示すコマンドの control-port に、たとえば scsidev@0.6.0 などの、使用しているオートチェンジャに割り当てられている制御ポートの番号を指定します。


# lusdebug control-port 0
# jbexercise -c control-port -m model

これらのコマンドの実行が失敗した場合やエラーメッセージが表示された場合には、以降の節の説明を参考にして、原因を追及し、解決してください。

lusdebug コマンドが失敗する

lusdebug コマンドが失敗した場合は、次のヒントを参考にして、考えられる問題を特定し、解決をはかります。


scsidev@0.6.0:<EXABYTE EXB-10i EXB-10i >

このメッセージの情報に誤りがないことを確認します。

ベンダー名とモデル名が正しくない場合は、ドライバのインストール時に、デバイス ID に誤った SCSI ID を指定しています。インストールスクリプトでは、テープドライブではなく、機械的な機構の SCSI ID の指定が求められます。

上記の対応で問題が解決しないときは、ご購入先にお問い合わせください。その際は、「ご購入先に連絡する前に揃えておく情報」で説明した情報と、sjiinq および sjirjc の各プログラムの出力結果を提示してください。これら 3 つのプログラムの詳細は、付録 B 「コマンド行リファレンス」の該当箇所か、または各プログラムのマニュアルページを参照してください。

jbexercise コマンドが異常終了する

jbexercise コマンドが異常終了した場合は、次のヒントを参考にして考えられる問題を特定し、解決をはかります。

上記の対応で問題が解決しないときは、ご購入先にお問い合わせください。その際は、「ご購入先に連絡する前に揃えておく情報」で説明した情報と、jbexercisesjiinqsjirjc の各プログラムの出力結果を提示してください。これら 3 つのプログラムの詳細は、付録 B 「コマンド行リファレンス」の該当箇所か、または各プログラムのマニュアルページを参照してください。

自動検出 SCSI ジュークボックスオプションを使うとサーバーがハングする

jb_config オプションを使って自動検出 SCSI ジュークボックスをインストールしている場合にサーバーがハングしたときには、次の対策をお勧めします。

  1. SJI ジュークボックスをインストールするための jb_config オプションを選択します。ジュークボックスの一覧が表示されます。

  2. これからインストールするジュークボックスのタイプに該当する番号を入力します。

  3. 次のメッセージが表示されるまで、jb_config オプションを続行させます。


    Jukebox has been added successfully.

オートチェンジャのインベントリ作成での問題

次のいずれかの状況では、オートチェンジャのインベントリが無効となるため、Backup でそのオートチェンジャを使用できなくなります。

オートチェンジャを再び使用できるようにするには、次の手順に従います。

  1. メディアカートリッジが正しくオートチェンジャ内に取り付けられていて、オートチェンジャのドアが閉まっていることを確認します。

  2. Backup サーバーのスーパーユーザーになります。

  3. 次のようにして、オートチェンジャをリセットします。


    # nsrjb -Hv
    
  4. 次のようにして、インベントリを作成します。


    # nsrjb -Iv
    

    インベントリの作成が完了すると、再び Backup でオートチェンジャが使用できるようになります。

    nsrjb コマンドの使用法の詳細は、nsrjb(8) のマニュアルページか、または 第 7 章「オートチェンジャモジュール」を参照してください。

「Destination component full」メッセージ

通常、「Destination component full」のメッセージが表示されるのは、たとえば Backup を使ってボリュームのマウントを解除せずに、オートチェンジャのボタンを押して物理的にテープドライブをアンロードするといった、手動の操作をした場合です。このような操作をすると、オートチェンジャ内のメディアの状態を Backup は追跡できなくなります。

この問題を解決するには、Backup の nsrjb -H コマンドを使ってオートチェンジャをリセットします。

テープ容量のすべてを使用できない

Backup がテープ容量のすべてを使用できないことがあります。たとえば、公称容量 4000M バイト のテープにまだ 3000M バイトのデータしか書き込んでいないのに「full」マークが付けられることがあります。

Backup でテープを容量いっぱいまで使うには、現在のデバイスに適した最高の密度で書き込まれたデバイスドライバを選択します。テープにラベルを付けるときに、そのデバイスがサポートしている最高密度が Backup によって書き込みに使用されます。

テープの全容量が使われていないのにいっぱいになったとみなされる原因としては、次のものがあります。

サーバーが、オートチェンジャのコントロールポートにアクセスできない

コントロールポートによって、オートチェンジャの装着機能を制御します。コントロールポートが正しく接続されていることを確認する方法は、オートチェンジャのハードウェアインストールマニュアルに記載されています。コントロールポートが動作しているかどうかを判断できない場合は、オートチェンジャのベンダーにお問い合わせください。