Solstice Backup 5.1 管理者ガイド

付録 B コマンド行リファレンス

Backup ソフトウェアには、コマンド行インタフェースとグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) が組み込まれています。GUI の使用方法については、プログラムに組み込まれているオンラインヘルプを参照してください。シェルプロンプトで nwadmin コマンドを実行すると、プログラムが起動します。

付録 B では、コマンド行インタフェースで使用できるオプションの一部を、要点をまとめたリファレンスとして掲載しています。掲載情報は、関連するタスクごとに編集してあります。各コマンドの詳細と使用例については、Backup ソフトウェアに組み込まれているオンラインマニュアルページを参照してください。

マニュアルページを参照する場合は、Backup マニュアルページがインストールされているディレクトリへのパスを MANPATH 環境変数に追加してから、man command-name と入力します。たとえば、man nsrjb のように入力します。マニュアルページについての説明ページを表示させるには、man man と入力します。Backup マニュアルページ全部を印刷するには、シェルプロンプトで、次の例のようにオプションを指定して troff コマンドを入力します。


$ troff -t -man `nsr_man -l'| lpr -t -P printer-name

入力するコマンドは、使用しているマシンのオペレーティングシステムやインストールされている PostScript ソフトウェアのバージョンによって異なる場合があります。たとえば、印刷コマンド lprlp になることがあります。

イネーブラの入力と登録

イネーブラコードを入力すると、Backup 機能のロックが解除され、45 日間だけ使用できるようになります。45 日の期間が経過したあとも Backup を使い続けるためには、イネーブラ証明書に記載されている指示に従って、有効にしたソフトウェアを登録しなければなりません。ソフトウェアを登録すると、そのシステムの情報とイネーブラコードに基づいた一意の認証コードが生成されます。この認証コードを取得して入力すれば、Backup ソフトウェアを期限に制限なく使用できます。

nsr_ize

対話型の nsr_ize プログラムは、Backup ソフトウェアとファイルをマシンにインストールしたり、マシンから削除したりする場合に使用します。質問が表示されて、ユーザーがそれに対して答えるというかたちで進められます。ほとんどの質問には、標準的な環境で使用するためのデフォルトの答えが用意されています。

nsr_ize プログラムでは、/etc/rpc などの一部のシステム管理ファイルを変更します。使用しているシステムが YP の場合は、nsr_ize プログラムによって /etc/rpc のローカルコピーが変更されたとおりに YP マスターの /etc/rpc ファイルを変更してください。

nsr_ize プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nsr_ize [-i | -r -u] [-c | -s] [-kmnqxv>

nsrlic

nsrlic プログラムは、Backup サーバーで現在アクティブになっているすべてのライセンス情報に関するレポートを作成します。このコマンドは、Backup リソースデータベースに照会して、書式を設定し、標準出力にその結果を表示します。nsrlic を呼び出すためにスーパーユーザーになる必要はありません。

シェルプロンプトでオプションのフラグを付けずに nsrlic コマンドを入力すると、次の例に示すように、コマンドを呼び出したサーバーに関するレポートが得られます。


SERVER (UNIVERSAL) CLIENT LICENSES
                     Available: 10
                          Used: 0
          Borrowed from Server: 0
                     Remaining: 10
             Connected Clients: ;
               Defined Clients: ;
WORKSTATION CLIENT LICENSES
                     Available: 0
                          Used: 0
                     Remaining: 0
             Connected Clients: ;
               Defined Clients: ;
SERVER CLIENT TYPES
                           AIX: 0
                            HP: 0
                       Solaris: 0
                         SunOS: 0
             Windows NT Server: 0
                       NetWare: 0
WORKSTATION CLIENT TYPES
                           DOS: 0
                     Macintosh: 0
                          OS/2: 0
                  Windows 3.1x: 0
                    Windows 95: 0
        Windows NT Workstation: 0
                        Others: 4

nsrlic プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nsrlic -vi -s server

-i オプションは、nsrlic を対話型モードで使用する場合に使用します。このモードで、別のレポートの要求、情報の再表示、または別のサーバーへの切り替えが可能です。対話型モードでは、次のようにプロンプトと選択肢が表示されます。


connecting to jupiter...
Available commands are:
   summary - display a summary report of licenses
   detail - display a detailed report of licenses
   connect [server name] - connect to server
   help - list command helps.
   quit - quit out of nsrlic command.
nsrlic> 

一度要求した情報は、nsrlic> プロンプトで別の接続コマンドを実行するまでキャッシュに格納されています。

「NSR license」

「NSR license」リソースには、イネーブラコードと認証コードが入力されている各 Backup ソフトウェアの機能が記述されています。Backup サーバーの「NSR license」リソースを検査するには、スーパーユーザーになり、GUI を使用して「Registration」ウィンドウを表示するか、シェルプロンプトで次のコマンドを入力します。


# nsradmin -c "type:NSR license"

「NSR license」の作成、有効化、または認証の操作は GUI から行えますが、既存の「NSR license」リソースを更新する場合は nsrcap コマンドを使用しなければなりません。

nsrcap

nsrcap プログラムは、インストールした Backup ソフトウェアの機能を有効にするための固有のイネーブラコードを、Backup サーバーの「NSR license」リソースに入力する場合に使用します。nsrcap プログラムを使用して、新しい機能のイネーブラコードを入力します。あるいは nsrcap プログラムを使用して、既に使用している Backup ソフトウェアの機能をアップグレードまたはダウングレードするためのイネーブラコードを入力します。

nsrcap プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nsrcap [-vn] {-c | -u | -d} enabler-code 

nsrcap プログラムを使用する場合は、Backup サーバーのスーパーユーザーになり、次のオプションの中から 1 つだけ指定します。

nsr_shutdown

nsr_shutdown コマンドは、Backup サーバー上の Backup プロセスを識別し、停止する場合に使用します。Backup ソフトウェアをインストールまたは削除する必要がある場合は、必ずこのコマンドを使用します。スーパーユーザーになり、nsr_shutdown コマンドを使用します。

次の例で、nsr_shutdown に使用できる形式とコマンドオプションについて説明します。

ユーザーインタフェースの始動

Backup ソフトウェアは、コマンド行インタフェースまたは GUI で使用できます。管理プログラムはネットワーク上の任意のマシンから開始できますが、管理特権を持つユーザーだけが実際に変更を加えることができます。バックアップと復旧、およびオプションのアーカイブと取り出しのためのユーザープログラムは、クライアントリソースでその機能が有効になっているクライアントマシンでのみ使用できます。

サーバーの選択に関連するクライアントコマンドは、管理と操作の 2 つのグループに分類されます。管理コマンドには nwadminnsrwatch、および mminfo があります。操作コマンドには savesavefs、および recover があります。どちらのコマンドグループも、明示的に Backup サーバーを指定するための -s server オプションを使用できます。

サーバーが明示的に指定されていなければ、操作コマンドは次の順序に従って、いずれかのサーバーを選択します。最初に検出されたサーバーが使用されます。

  1. 現在選択されているディレクトリが実際に存在するマシンの判定が実行されます。これは NFS サーバーかローカルマシンのどちらかです。RAP に照会して、そのマシンが Backup サーバーのクライアントであると判定されたら、その Backup サーバーが選択されます。現在選択されているディレクトリをバックアップするサーバーが複数ある場合は、いずれか 1 つのサーバーが選択され、他のサーバーの名前を示す情報メッセージが出力されます。

  2. 現在選択されているディレクトリが実際に存在するマシンが Backup サーバーであるかどうかが確認されます。Backup サーバーであれば、そのマシンが使用されます。

  3. ローカルマシンが Backup サーバーであるかどうかが確認されます。Backup サーバーであれば、そのローカルマシンが使用されます。

  4. これでも Backup サーバーが見つからない場合には、nsrhost というホスト名のマシンが選択されます。

nsradmin

nsradmin プログラムは、Backup システム用のコマンド行を使用する管理プログラムです。通常 nsradmin は、ネットワーク全域の Backup リソースの監視と変更に使用します。標準入力でコマンドを入力し、標準出力でそのコマンド出力が表示されます。

コマンドオプションを指定せずに nsradmin コマンドを入力すると、次のようなコマンドプロンプトが表示されて、必要な追加オプションを入力するように要求されます。


nsradmin>

nsradmin プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nsradmin [-c] [-i file] [-s server] [-p prognum] [v version] [query]
nsradmin [-c] [-i file] [-f resource-file] [-t typefile] [query>

属性とは、名前と、オプションでその後にコロンと 0 以上の値 (空白の場合もある) が入っているものです。複数の値を指定する場合は、コンマで区切ります。次の行に続ける場合は、行の末尾にコンマを付けます。


attribute list ::= attribute [; attribute]* 

属性リストとは、1 つまたは複数の属性をセミコロンで区切ったものです。次の行に続ける場合は、行の末尾にセミコロンを付けます。属性リストの最後には改行文字を入れ、この改行文字の前にはコンマやセミコロンは入れません。


name: mars;
type: NSR client;
remote access: mars, venus, jupiter

nsradmin の入力プロンプトごとに、コマンド名とオプションの引数を入力します。コマンド名は、最も短い固有の文字列に短縮できます。たとえば、print コマンドの場合は、p と入力できます。コマンド引数は、属性リストの形式で指定します。通常 nsradmin コマンドは、照会によって得られる一連のリソースで動作します。照会には、次の規則に従ってリソースと照合する属性リストを指定します。

nsradmin のコマンドオプション

以下に、使用できるコマンドとその機能を説明します。

nsradmin プログラムで使用できるリソース

nsradmin プログラムは、nwadmin プログラムで使用できるリソースと同じリソースを管理するためのキャラクタベースのインタフェースを提供します。以下のリソースがあります。

「NSR client」

「NSR client」リソースには、保存すべきファイル、バックアップスケジュール、ファイルを保存の対象から除外するための指示、ファイルのインデックスエントリをオンラインファイルインデックスとメディアインデックスに保持する期間、および、クライアントのファイルに対してバックアップ、ブラウズ、復旧の権限が与えられるユーザーが記述されます。Backup サーバーの「NSR client」リソースの編集には、nsradminまたは nwadminを使用します。

「NSR client」リソースには以下の属性があります。

「NSR device」

「NSR device」リソースには、Backup サーバーが使用する各ストレージデバイスが記述されます。Backup サーバーの「NSR device」リソースの編集には、nsradminまたは nwadminを使用します。

「NSR device」リソースには以下の属性があります。

「NSR directive」

「NSR directive」リソースを使用して、保存するファイルと、特定のタイプのファイルに対する特殊な処理指定を制御します。Backup サーバー「 NSR directive」リソースの編集には、nsradminまたは nwadminを使用します。

「NSR directive」リソースには以下の属性があります。

「NSR group」

「NSR group」リソースを使用して、Backup クライアントのグループがデータの保存を開始する時刻と、スケジュールされたバックアップを毎日自動的に開始するかどうかを制御します。Backup サーバー「 NSR group」リソースの編集には、nsradminまたは nwadminを使用します。

「NSR group」リソースには以下の属性があります。

「NSR jukebox」

「NSR jukebox」リソースには、Backup が「NSR Jukebox」という単一のリソースタイプで認識している各オートチェンジャの物理的特性が記述されます。Backup サーバーの「NSR jukebox」リソースの編集には、nsradminまたは nwadminを使用します。

「NSR jukebox」リソースには以下の属性があります。

「NSR label」

「NSR label」リソースには、ボリュームラベルを生成するためのテンプレートが記述されます。Backup サーバーの「NSR label」リソースの編集には、nsradminまたは nwadminを使用します。

「NSR label」リソースには以下の属性があります。

「NSR license」

「NSR license」リソースには、Backup をインストールした時点で有効になっている機能が記述されます。Backup サーバーの「NSR license」リソースの確認には、nsradminまたは nwadminを使用します。

「NSR license」リソースには以下の属性があります。

「NSR migration」

「NSR migration」リソースには、保存するファイル、スケジュール、保存対象からファイルを除外するためのディレクティブ、事前マイグレートするグループファイル、マイグレートの判断に使用する上限値、下限値、アクセスするのにかかる最短時間と最小ファイルサイズ、マイグレート対象に含めるまたは除外するファイルの所有者とグループのリスト、およびマイグレートしないファイル名パターンのリストを指定します。

Backup サーバーの「NSR migration」リソースの編集には、nsradminまたは nwadminを使用します。

「NSR migration」リソースには以下の属性があります。

「NSR notification」

「NSR notification」リソースを使用して、Backup 通知システムによって処理されるイベント、優先順位、およびアクションをそれぞれ組み合わせることができます。Backup 通知は、単一のイベントタイプ、単一の優先順位、および 1 つのメッセージから構成されています。通知システムでは、各メッセージは、イベントタイプと優先順位が指定されている個々の「NSR notification」リソースのアクションに送られます。Backup サーバーの「NSR notification」リソースの編集には、nsradminまたは nwadminを使用します。

「NSR notification」リソースには以下の属性があります。

「NSR policy」

「NSR policy」リソースを使用して、クライアントのオンラインファイルインデックスにエントリをどれだけの期間残すか、また、セーブセットをいつ再利用可能としてマークするかを制御します。各「NSR client」リソースは、ブラウズポリシーと保持ポリシーの 2 つのポリシーを使用します。各ポリシーには、「period」と「number of periods」を使って一定の時間を定義します。

Backup サーバーの「NSR policy」リソースの編集には、nsradminまたは nwadminを使用します。

「NSR policy」リソースには以下の属性があります。

「NSR pool」

「NSR pool」リソースには、各 Backup プールが記述されます。このリソースによって、ブラウズポリシーと保持ポリシーが決まります。また、ボリュームのセーブセットの特性に基づいて、ボリュームのセーブセットが書き込まれる位置が決まります。

プールには次の 4 つのタイプがあります。

「NSR schedule」

「NSR schedule」リソースには、Backup クライアントが保存するデータの量を制御するための一連のレベルが記述されます。各 Backup スケジュールについて 1 つの「NSR schedule」リソースが存在します。

Backup サーバーの「NSR schedule」リソースの編集には、nsradminまたは nwadminを使用します。

「NSR schedule」リソースには以下の属性があります。

「NSR Stage」

「NSR Stage」リソースには、Backup サーバーが使用するステージングポリシーが記述されます。Backup サーバーの「NSR Stage」リソースの編集には、nsradminまたは nwadminを使用します。

「NSR stage」リソースには以下の属性があります。

「NSR」

「NSR」リソースには、Backup サーバーとそのクライアントが記述されます。各リソースは、管理が必要な Backup システムのコンポーネントを表しています。これらのリソースを操作することで、Backup システムを制御できます。ファイルとその中のリソースは、nwadmin および nsradmin プログラムを使ってアクセスできます。また、テキストエディタで見ることもできます。

各リソースは属性のリストによって記述されています。各属性は、名前と、必要な場合には値の並びで構成されています。属性名と属性オプションはコロン (:) で区切り、属性値どうしはカンマ (,) で区切り、各属性はセミコロン (;) で終了します。行の末尾にあるカンマ、セミコロン、またはバックスラッシュ (¥) は、次の行に継続することを示します。

次に、8 つの属性を持つリソースの例を示します。


          type: NSR client;

          name: venus;

        server: earth;

      schedule: Default;

     directive: Unix standard directives;

         group: Default;

      save set: All;

remote access: ;

各「NSR」リソースには以下の属性があります。

キャラクタベースのディスプレイ用のサーバー状態確認リソース

nsrwatch プログラムでは、カーソルを配置するための termcap 機能を備えた任意のシステムから、Backup サーバーの状態を表示することができます。nsrwatch プログラムは、指定されたサーバーへの遠隔手続き呼び出し (Remote Procedure Calls, RPC) を通じてサーバーの状態に関する情報を取得します。また、nsrwatch プログラムは、ネットワークを通じて Backup サーバーにアクセスできる任意のマシンから呼び出すことができます。特定のサーバーを指定しないと、サーバー選択規則が適用されます。

nsrwatch の表示は、ヘッダーといくつかのパネル (「Server」パネル、「Device」パネル、「Sessions」パネル、「Messages」パネル、「Pending」メッセージパネル) に分かれています。パネルの大きさは、使用する端末やウィンドウの大きさに応じて調節できます。

ヘッダーには、サーバー名と現在の時間が表示されます。「Server」パネルには、サーバーの現在の状態に関する情報 (エラーメッセージ、サーバーの連続稼動時間、このサーバーが使用する Backup ソフトウェアのバージョン) が表示されます。「Device」パネルには、Backup サーバーが認識するすべてのデバイスが表示されます。各デバイスごとに、デバイスタイプ、現在マウントされているボリューム名 (ボリュームがマウントされていない場合は「unmounted」)、そのデバイスの状態が表示されます。デバイス名の後に (J) が記載されている場合は、オートチェンジャまたはサイロ内にあるデバイスを表します。「Sessions」パネルには、アクティブセッションごとに現在のセーブセット情報 (保存、復旧、またはブラウズ) が表示されます。「Messages」パネルには、Backup メッセージの履歴が表示されます。「Pending」メッセージパネルには、手動操作を要求するメッセージが表示されます。

nsrwatch プログラムは、q キー、Control-z キーまたは Control-c キーでプログラムを停止するまで、稼動し続けます。Control-l のキーを押すと、画面がクリアされ、現在の情報が再表示されます。

nsrwatch プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nsrwatch [-s server] [-p polltime]

nwadmin

nwadmin プログラムは X Window System のアプリケーションで、Backup サーバーの管理と監視に使用します。nwadmin コマンドに -s オプションを使って、管理する Backup サーバーを指定します。このオプションを使わないと、「ユーザーインタフェースの始動」に説明されているサーバー選択の規則に従ってサーバーが選択されます。

nwadmin プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nwadmin [-s server]

nwarchive

nwarchive プログラムは X Window System のアプリケーションで、nsrarchive プログラムの GUI 版です。nsrarchive プログラムは、手動でファイルを Backup サーバー上にアーカイブするのに使います。アーカイブデータの宛先となる Backup サーバーは、nwarchive コマンドに -s オプションを付けて指定できます。このオプションを使用しないと、「ユーザーインタフェースの始動」で説明されているサーバー選択の規則に従ってサーバーが選択されます。

nwarchive プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nwarchive [-s server]

nwbackup

nwbackup プログラムは、Backup サーバーの管理と監視に使用する X Window System のアプリケーションで、save プログラムの GUI 版です。管理対象となる Backup サーバーは、nwbackup コマンドに -s オプションを付けて指定できます。このオプションを使わないと、「ユーザーインタフェースの始動」で説明されているサーバー選択の規則に従ってサーバーが選択されます。

nwbackup プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nwbackup [-s server]

nwrecover

nwrecover プログラムは、Backup サーバーの管理と監視に使用する X Window System のアプリケーションです。復旧する Backup クライアントのデータは、nwrecover コマンドに -c オプションを付けて指定できます。また、復旧するデータを持った復旧元の Backup サーバーは、このコマンドに -s オプションを付けて指定できます。-s オプションを使用しないと、「ユーザーインタフェースの始動」で説明されているサーバー選択の規則に従ってサーバーが選択されます。

nwrecover プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nwrecover [-c client] [-s server]

nwretrieve

nwretrieve プログラムは X Window System のアプリケーションで、nsrretrieve プログラムの GUI 版です。nsrretrieve プログラムは、アーカイブファイルを Backup サーバーから手動で取り出すのに使います。アーカイブデータを持った取り出し元の Backup サーバーは、nwretrieve コマンドに -s オプションを付けて指定できます。このオプションを使わないと、「ユーザーインタフェースの始動」で説明されているサーバー選択の規則に従ってサーバーが選択されます。

nwretrieve プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nwretrieve [-s server]

デバイスとメディアの管理

この節では、デバイスとメディアの管理に使用する Backup コマンド行のリファレンスを掲載しています。オートチェンジャまたはサイロ内に組み込まれているデバイスに関するコマンドや、スタンドアロンまたはオートチェンジャ内の SCSI デバイスに使用するコマンドもあります。

SCSI デバイスライブラリは、Backup が SCSI デバイスとの通信に使用する一連のインタフェースです。SCSI デバイスの名前は、プラットフォームに依存しない方法で命名します。SCSI デバイスに割り当てられる名前は、基本的には b.t.l を組み合わせたものです。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI 論理ユニット番号 (lun) です。

論理 SCSI バス番号は、特定のプラットフォームのハードウェアバス番号とは関連がありません。この番号は、密度の高い、正の整数のアドレス空間になることがあり、システムのハードウェア設定が同じであれば、システムの再起動を行なってもこの番号に固定されます。ターゲットと lun は、接続されている SCSI 周辺装置とその設定値によって決まります。プラットフォームによっては、SCSI デバイスを動的に追加したり削除したりできるものもありますが、この場合には、キャッシュに書き込まれたデバイス情報をフラッシュさせる必要があります。

通常、デバイスにシステムドライバが組み込まれていない場合は、ユーザーに SCSI デバイスライブラリコマンドを送信するアクセス権が与えられます。デバイスにシステムドライバが組み込まれている場合 (たとえば、テープドライブ) は、コマンドを送信するためにはシステム特権が必要です。

changers

changers プログラムは、システムに接続されている SCSI オートチェンジャを一覧表示します。

changers プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


changers [-dv] [-a b.t.l] 

hpflip

hpflip プログラムでは、HP の光ディスクドライブから「Vendor Unique」モードページを読み込み、デバイスタイプを OPTICAL か DIRECT ACCESS に切り替えます。通常、ほとんどのシステムには、着脱可能なデバイスタイプである DIRECT ACCESS (通常、512 バイト/セクターフォーマットのディスクに限定されている) を処理できるドライバが組み込まれています。このデバイスタイプのシステムでは、ほとんどの場合、デバイスタイプ OPTICAL 用のデバイスドライバは装備していません。hpflip を使用して、HP の光ディスクドライブのレポート方式を制御し、これによって、デバイスタイプ OPTICAL を有効にします。有効にできない場合には、追加のデバイスドライバが必要です。

hpflip プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


hpflip -a b.t.l [-r] 

ielem

ielem プログラムを使用して、INITIALIZE ELEMENT STATUS コマンドを指定の SCSI デバイスに送信します。

ielem プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


ielem -a b.t.l [-r element-address.number-of-elements] 

inquire

Solaris システムの /etc/LGTOuscsi にある inquire プログラムを使用すると、使用可能な SCSI デバイスが一覧表示されます。inquire プログラムは、指定された SCSI デバイス (-a オプションで指定した場合)、あるいはシステムに接続されているすべての SCSI デバイスの INQUIRY データを戻します。

inquire プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


inquire [-c] [-a b.t.l] 

jb_config

jb_config プログラムには、Backup で使用するオートチェンジャリソースを構成するための対話型スクリプトがあります。jb_config プログラムを実行するためには、Backup サーバーまたはストレージノード上で nsrd デーモンが稼働している必要があります。

このスクリプトは、定期的に、ユーザーから応答が入力されるまで一時停止します。中括弧内に表示されているデフォルトの選択肢を受け入れる場合は、Return キーを押します。デフォルト以外の値を入力する場合は、その値を入力してから Return キーを押します。

オートチェンジャを構成したのち、nsrcap コマンドまたは「Registration」ウィンドウを使用して、オートチェンジャソフトウェアモジュールのイネーブラコードを入力します。Backup に使用するオートチェンジャごとに、別々のイネーブラが必要です。

ldunld

ldunld プログラムは、指定したテープデバイスに LOAD コマンドまたは UNLOAD コマンドを送信し、メディアのロードとアンロードを行います。

ldunld プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


ldunld {-u | -l} -a b.t.l 

次の 3 つのコマンドオプションがあります。

libsji

libsji プログラムを使って、標準ジュークボックスインタフェース (Standard Jukebox Interface, SJI) ライブラリを指定します。SJI ライブラリの格納場所は、プラットフォームによって異なります。

SJI ライブラリとは、Backup がジュークボックスとの通信に使用する公共のインタフェースセットです。通常は、このライブラリを使って、Backup によって生成された SJI コマンドを適切な SCSI コマンドに変換します。このインタフェースは、ジュークボックスとの基本的な接続を行うためのものではありません。

SJI ライブラリへのエントリポイントは、次の 3 つがあります。

lrescan

lrescan プログラムは、SCSI ライブラリに、可能な場合はキャッシュに書かれた情報を破棄し、新しいデバイスでもう一度読み取るように命令します。

lreset

lreset プログラムは、SCSI ライブラリに、指定した論理 SCSI バスをリセットするように指示します。このコマンドを実行するには、管理特権を持っている必要があります。このコマンドの形式は次のとおりです。


lreset busnumber 

注意 - 注意 -

lreset コマンドによって SCSI バスがリセットされるため、このコマンドが原因で重要なデータが破損される場合があります。また、このコマンドにより、システムに障害が発生することもあります。この lreset コマンドは、応答のない処理を終了するための最後の手段として使用してください。


lusbinfo

lusbinfo プログラムは、システムに接続されている SCSI バスに関する限定された量の情報を出力する場合に使用します。オプションの -v 引数を使用すると、SCSI バスに接続されているデバイスに関する詳細な情報も出力されます。lusbinfo プログラムに使用する形式は、次のとおりです。


lusbinfo [-v] 

lusdebug

lusdebug プログラムは、Backup SCSI デバイスドライバにデバッグレベルを設定する場合に使用します。デバッグレベルを 0 (ゼロ) にすると、デバッグ機能がオフになります。整数を大きくすればするほど、デバッグ情報のレベルも高くなります。無効なデバッグレベルを入力すると、lusdebug プログラムは、デフォルトのデバッグレベルである 0 に設定されます。lusdebug プログラムに使用できる形式は、次のとおりです。


lusdebug debug-level 

lusmode

lusmode プログラムは、システムに接続されている SCSI デバイスに関する大量の MODE 情報を出力する場合に使用します。

msense

msense プログラムは、指定した SCSI デバイスに MODE SENSE コマンドを送信する場合に使用します。また、msense プログラムは、pmode コマンドへの入力としてインデントされます。

msense プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


msense -a b.t.l. [-p pagecode] 

nsrjb

nsrjb プログラムは、Backup サーバーのオートチェンジャを管理する場合に使用します。nsrmm コマンドではなく nsrjb コマンドを使用して、オートチェンジャ内に組み込まれているボリュームに対してラベル付け、ロード、アンロードの操作を行います。一度にオートチェンジャにアクセスできる nsrjb コマンドは 1 つだけです。

nsrjb プログラムは、オプション -j-f、または volume_name に基づいて、使用するオートチェンジャを判別します。これらの 1 つまたは複数のオプションを使ってもオートチェンジャを一意に識別できないのに、1 つのオートチェンジャを選択しなければならない場合は、nsrjb プログラムは、オートチェンジャを選択するようにユーザーに要求します。別の方法として、環境変数 NSR_JUKEBOX に、nsrjb プログラムのデフォルトとして使用させるオートチェンジャ名を設定することもできます。

nsrjb プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nsrjb [-C] [-j autochanger-name] [-v]

[-f media-device] [-S slots] [volume-name]
nsrjb -L [-j autochanger-name] [-gnqvM] [-R | -B]

[-Y | -N] [-b pool] [-f media device] [-e expire]

[-c capacity] [-o mode] [-S slots | -T tags]

[volume-name]
nsrjb -l [-j autochanger-name] [-nvqrMR]

[-f media-device] {-S slots | -T tags | volume-name}
nsrjb -u [-j autochanger-name] [-qvM]

[-f media-device] [-S slots -T tags] [volume-name]
nsrjb -I [-j autochanger-name] [-Ev]

[-f media-device] [-S slots | -T tags]
nsrjb -p [-j autochanger-name] [-v]

[-f media-device] [-S slots -T tags]
nsrjb -o mode [-j autochanger-name] [-Y]

{-S slots | media device}
nsrjb -H [-j autochanger-name] [-E] [-v]
nsrjb -h [-j autochanger-name] [-v]
nsrjb -U uses [-j] [-S slots | -T tags]
nsrjb -V [-j autochanger-name] [-v]
nsrjb -d [-j autochanger-name] [-v] [-S slots]

[-P port] [volume-name]
nsrjb -w [-j autochanger-name] [-v] [-S slots]

[-P port] [volume-name]
nsrjb -a [-j autochanger-name] [-v] -T tags
nsrjb -x [-j autochanger-name] [-v] -T tags
nsrjb -F [-j autochanger-name] [-v] -f media-device 

nsrmm

nsrmm プログラムによって、Backup サーバーまたはストレージノードが使用するメディアデバイスとバックアップデバイスを管理するためのコマンド行インタフェースが提供されます。

nsrmm プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nsrmm [-C] [-v | -q] [-s server] [-f device]
nsrmm -m [-v | -q] [-s server] [-f device] [-r]

[volume-name]
nsrmm -l [-v | -q] [-s server] [-f device] [-myB] [-e expiration] [-c
capacity] [-o mode] [-b pool] [-R | volume-name]
nsrmm {-u | -j} [-v | -q] [-s server] [-y]

[-f device | volume-name]
nsrmm -p [-v | -q] [-s server] [-f device]
nsrmm {-d | -o mode} [-v | -q] [-s server] [-Py] [S ssid[/cloneid] |
-V volume-id | volume-name...] 

pmode

pmode プログラムは、msense プログラムを使って得られたデータ出力を構文解析し、ユーザーが読める書式で出力します。

pmode プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


pmode [-f filename]

relem

relem プログラムは、READ ELEMENT STATUS コマンドを、すべてのチェンジャまたは (-a オプションを使用して) 指定したデバイスに送信する場合に使用します。

relem プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


relem [-a b.t.l] [-fvtb] [-m {0|1|2}] [-r element-address.number-of-elements] 

sjidopen

sjidopen プログラムは、SJI 準拠のオートチェンジャ上で SJIDOOROPEN コマンドのテストを行います。SJIDOOROPEN コマンドは、オートチェンジャへのメインドアの開閉機能をテストする場合に使用します。オートチェンジャがこの機能をサポートしていない場合は、エラーメッセージが戻ります。sjidopen プログラムの適切な使用方法は、次のとおりです。


sjidopen device-name

sjidopen プログラムで使用する device-name オプションには、システムによって駆動される SJI 準拠のオートチェンジャで使用される任意のデバイス名を、通常は b.t.l の形式で指定します。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です (たとえば、scsidev@0.4.0)。

sjiielm

sjiielm プログラムは、SJI 準拠のジュークボックス上で SJIIELEM コマンドのテストを行います。SJIIELEM コマンドは、オートチェンジャの Initialize Element Status インタフェースをテストする場合に使用します。オートチェンジャが要素状態確認機能をサポートしていない場合は、エラーメッセージが戻ります。sjiielm プログラムの適切な使用方法は、次のとおりです。


sjiielm device-name [{drive | slot | inlt | mt} address number-of-elements]

sjiielm プログラムで使用する device-name オプションには、システムによって駆動される SJI 準拠のオートチェンジャで使用される任意のデバイス名を、通常は b.t.l の形式で指定します。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です (たとえば、scsidev@0.4.0)。

次に記載する追加オプションは、特定範囲の要素の初期化をサポートするオートチェンジャで使用する場合に使用します。オートチェンジャがこの機能をサポートしている場合は、次の要素タイプの中から 1 つを選択します。

sjiinq

sjiinq プログラムは、SJI 準拠のオートチェンジャで SJIINQ コマンドのテストを行います。SJIINQ コマンドは、オートチェンジャを識別する文字列を戻します。オートチェンジャがこの機能をサポートしていない場合は、エラーメッセージが戻ります。sjiinq プログラムの使用方法は、次のとおりです。


sjiinq device-name

sjiinq プログラムで使用する device-name オプションには、システムによって駆動される SJI 準拠のオートチェンジャで使用される任意のデバイス名を、通常は b.t.l の形式で指定します。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です (たとえば、 scsidev@0.4.0)。

sjirdp

sjirdp プログラムでは、SJI 準拠のオートチェンジャ上で SJIRDP コマンドのテストを行います。SJIRDP コマンドは、オートチェンジャから SJI の順番を示すデバイス位置を読み込む場合に使用します。sjirdp プログラムの使用方法は、次のとおりです。


sjirdp device-name

sjirdp プログラムで使用する device-name オプションには、システムによって駆動される SJI 準拠のオートチェンジャで使用される任意のデバイス名を、通常は b.t.l の形式で指定します。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です (たとえば、scsidev@0.4.0)。

通常、SJIRDP コマンドからの出力は、次の例のようになります。


scsidev@0.4.0 has 2 DATA TRANSPORT Elements starting at address 1

scsidev@0.4.0 has 1 MEDIA TRANSPORT Element starting at address 1

scsidev@0.4.0 has 25 STORAGE Elements starting at address 1

scsidev@0.4.0 has 1 IMPORT/EXPORT Element starting at address 1

sjirdtag

sjirdtag プログラムでは、SJI 準拠のオートチェンジャ上で SJIRTAG コマンドのテストを行います。SJIRTAG コマンドは、オートチェンジャから、メディアの有無およびタグデータを読み込む場合に使用します。sjirdtag プログラムの使用方法は、次のとおりです。


sjirdtag device-name

sjirdtag プログラムで使用する device-name オプションには、システムによって駆動される SJI 準拠のオートチェンジャで使用される任意のデバイス名を、通常は b.t.l の形式で指定します。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です (たとえば、scsidev@0.4.0)。

通常、SJIRTAG コマンドからの出力は、次の例のようになります。


Tag Data for 0.4.0, Element Type DATA TRANSPORT:

Elem[001]: tag_val=0 pres_val=1 med_pres=1 med_side=0

Tag Data for 0.4.0, Element Type STORAGE:

Elem[001]: tag_val=0 pres_val=1 med_pres=1 med_side=0

Elem[002]: tag_val=0 pres_val=1 med_pres=1 med_side=0

Elem[003]: tag_val=0 pres_val=1 med_pres=1 med_side=0

Elem[004]: tag_val=0 pres_val=1 med_pres=1 med_side=0

Elem[005]: tag_val=0 pres_val=1 med_pres=0 med_side=0

Elem[006]: tag_val=0 pres_val=1 med_pres=1 med_side=0

Elem[007]: tag_val=1 pres_val=1 med_pres=1 med_side=0

VolumeTag=<00000098>

Tag Data for 0.4.0, Element Type MEDIA TRANSPORT:

Elem[001]: tag_val=0 pres_val=1 med_pres=0 med_side=0

sjirelem

sjirelem プログラムでは、SJI 準拠のオートチェンジャ上で SJIRELEM コマンドのテストを行います。SJIRELEM コマンドは、オートチェンジャから、メディアの有無と元のデータを読み込む場合に使用します。sjirelem プログラムの使用方法は、次のとおりです。


sjirelem device-name

sjirelem プログラムで使用する device-name オプションには、システムによって駆動される SJI 準拠のオートチェンジャで使用される任意のデバイス名を、通常は b.t.l の形式で指定します。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です (たとえば、scsidev@0.4.0)。

通常、SJIRELEM コマンドからの出力は、次の例のようになります。


Element Data for 0.4.0, Element Type DATA TRANSPORT:

Elem[001]: pres_val=1 med_pres=1 med_side=0

Origin: type STORAGE, address 5

Element Data for 0.4.0, Element Type STORAGE:

Elem[001]: pres_val=1 med_pres=1 med_side=0

Elem[002]: pres_val=1 med_pres=1 med_side=0

Elem[003]: pres_val=1 med_pres=1 med_side=0

Elem[004]: pres_val=1 med_pres=1 med_side=0

Elem[005]: pres_val=1 med_pres=0 med_side=0

Elem[006]: pres_val=1 med_pres=1 med_side=0

Elem[007]: pres_val=1 med_pres=1 med_side=0

Element Data for 0.4.0, Element Type MEDIA TRANSPORT:

Elem[001]: pres_val=1 med_pres=0 med_side=0

sjirjc

sjirjc プログラムでは、SJI 準拠のオートチェンジャ上で SJIRJC コマンドのテストを行います。SJIRJC コマンドは、オートチェンジャに関する内部構成情報とオプションを読み込み、それを出力する場合に使用します。sjirjc プログラムの使用方法は、次のとおりです。


sjirjc device-name

sjirjc プログラムで使用する device-name オプションには、システムによって駆動される SJI 準拠のオートチェンジャで使用される任意のデバイス名を、通常は b.t.l の形式で指定します。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です (たとえば、scsidev@0.4.0)。

通常、SJIRJC コマンドからの出力は、次の例のようになります。


Device: scsidev@0.4.0

Number of Drives: 1

Number Drive Pairs: 1

Number of Import/Export Elements: 0

Number of Import/Export Pairs: 1

Number of Slots: 7

Number of Slot Pairs: 1

Number of Transport Elements: 1

Number of Transport Pairs: 1

Initialize Element Status Supported

Auto Eject Supported

tur

tur プログラムでは、TEST UNIT READY コマンドを、システムに接続されているすべての SCSI デバイス、あるいはオプションの -a b.t.l 引数が指定されている場合は、特定の順番に並べられた SCSI アドレスにあるデバイスに送信します。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です。tur プログラムに使用できる形式は、次のとおりです。


tur [-a b.t.l]

データ管理

この節では、データ管理に使用する Backup コマンドのコマンド行リファレンスを掲載しています。また、これらのコマンドのほとんどは、スケージュールされたバックアップの際に、Backup サーバーによって自動的に呼び出されます。HSM とアーカイブ用のコマンドは、この機能のオプションモジュールが Backup サーバー上で有効になっている場合にだけ使用できます。

savegrp

savegrp プログラムでは、ファイルシステムのデータをバックアップするための save プロセスにおいて、Backup クライアントのグループを実行します。このクライアントグループは、割り当てられている名前によって選択されます (「「NSR group」」を参照)。通常は、各グループの「NSR group」リソースを使って指定すると、savegrp プログラムが自動的に呼び出されます。

グループ名を指定しないと、「Default」グループに指定されている Backup グループが使用されます。グループ名を指定した場合は、「NSR client」リソースの「Group」属性にグループが設定されているクライアントが組み込まれます。-c client-name オプションを使用して明示的なクライアントリストを指定した場合は、savegrp プログラムは、指定したクライアントだけをバックアップに組み込み、これ以外のグループメンバーは無視します。

グループを指定する「Clone」属性が有効になっている場合は、savegrp プログラムは、save セッション中にバックアップされるセーブセットのクローンを自動的に呼び出します。クライアントのセーブセットとその関連ファイルインデックスのクローンが作成されてから、ブートストラップのセーブセットが生成されます。したがって、ブートストラップは、元のセーブセットとそのクローンの両方を追跡できます。ブートストラップのセーブセットも、同様にクローンが作成されます。クローンセーブセットは、「NSR group」リソースに指定されているクローンプールに割り当てられたボリュームに送信されます。

クライアントのセーブセット属性に「All」を指定した場合は、savegrp プログラムにより、セーブプログラムを実行する対象となるファイルシステムのリストが要求されます (これをプローブという)。プローブによってクライアントマシン上のローカルファイルシステムと自動的にマウントされたファイルシステムが検索され、1 つのリストに表示されます。NFS マウントポイントと手動でマウントされたファイルシステムは、通常、プローブによって検索されるリストには含まれません。

savegrp プログラムを同一グループ上で、同時に複数実行できません。このようにすると、プログラムは終了し、エラーメッセージが表示されます。異なるグループを同時に実行する場合は、各グループが、「NSR client」リソースの「Parallelism」属性に指定されている限界値までの save プログラムセッションを実行します。(「Parallelism」のデフォルト値は 4)。ただし、Backup サーバーでは、save プログラムセッションで一度にバックアップデバイスに書き込めるのは、サーバーの「Parallelism」属性に指定されている限界値までです。各セーブセットは、それがどのクライアントに属しているかにかかわらず、別々の save プログラムセッションを生成します。

保存プロセス (有効となっているクローンプロセスがあればそれも) が終了すると、「savegrp」を「Event」値に、また「notice」を「Priority」値に持つ通知が、nsr_notification のシステムに送信されます。このシステムは、通常、電子メールをスーパーユーザーに送信し、バックアップの成否、savegrp の実行中にバックアップされたクライアント、および保存されたデータを表示するように設定されています。

savegrp プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


savegrp [Options を参照] [-R | -G] [group-name]

Options


[-EIOmnpv] [-l level | -C schedule]

[- e expiration] [- t date] [-r retries]

[-P printer] [-W width] [-c client [-c client...]]

save

save プログラムは、各 Backup クライアントにあり、ファイルを保存する場合に使用します。save 処理の進行状況は、X Window System ベースの nwadmin プログラム、または curses(3X) ベースの nsrwatch 管理プログラムを使用して監視できます。

コマンド行で、あるいは -I オプションを使ってパス引数を指定しない場合は、save を呼び出した現在使用中のディレクトリが保存されます。save プログラムでは、ファイルとそのファイルに含まれているサブディレクトリをすべて保存することにより、ディレクトリを保存します。save プログラムでは、マウントポイントを通過したり、シンボリックリンクをたどったりすることはありません。指定したパスがネットワークファイルサーバーからマウントされている場合は、save プログラムにより、save プログラムをリモートマシンで実行するか、あるいは -L オプションを使用するように指示するメッセージが表示されます。

パスオプションで指定したサブディレクトリ構造の各ファイルは、Backup セーブストリーム内にカプセル化されます。このデータストリームは、Backup サーバーの受信プロセスに送信されます。この受信プロセスでは、データが処理され、ストリームのファイルごとにクライアントファイルインデックスにエントリが追加されます。次に、このデータは、サーバーまたは指定したストレージノードの長期保存用ストレージに送信されます。


注意 - 注意 -

サーバーのブートストラップとクライアントファイルインデックスは、savegrp プログラムを呼び出したスケジュールされたバックアップまたは手動のバックアップにおいてのみ、自動的にバックアップされます。スケジュールされたバックアップまたは手動のバックアップで savegrp プログラムを実行しないと、障害復旧処理に不可欠のサーバーブートストラップやクライアントファイルインデックスがないことになります。


save プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


save [-BEiLnqvx] [-s server] [-c client-name]

[- N name] [-e expiration] [-f directory-file]

[-b pool] [-F file] [-I input-file] [-g group]

[-l level] [-t date] [-m masquerade] [-W width]

[path...]

savefs

savefs プログラムは、savegrp プログラムがクライアントをプローブして、そのファイルシステムと最新の保存時刻を検索するのに使用します。1 回の保存操作のために直接 savefs プログラムを実行するのはお勧めできません。ただし、クライアントをプローブして、savegrp プログラムによってバックアップされるセーブセットとレベルのプレビューレポートを作成する場合には、savefs コマンドに -p オプションを指定して手動で起動できます。プローブ時には、savefs プログラムによって実際にデータが保存されることはありませんが、クライアントのファイルシステムのレイアウトを記述した、マシンによる構文解析が可能なレポートが作成されます。-p オプションを指定すると、コマンド行から、GUI 版の Administration プログラムでの「Group Control」->「Preview」機能を使って得られる情報と同じ情報にアクセスできます。

savefs コマンド行にファイルシステム引き数を指定しないと、「Save Set」属性に指定されているファイルシステムがプローブされます。セーブセットのリストにキーワード「All」を指定すると、ファイルシステムテーブル (Solaris の場合は /etc/vfstab) が調べられて、どのファイルシステムを保存するかが決められます。プローブされるのは、ローカルの、マウントされているファイルシステムだけです。

Sun Solaris Online DiskSuite のメタデバイスは、独立のディスクと同様に取り扱われます。これによって各ディスクが自分のセッションで保存されるので、十分な並列処理が可能となります。

「Clients」リソースでセーブセットを明示的に指定する場合には、注意が必要です。それには、2 つの理由があります。1 つは、保存操作を必要とする新しいファイルシステムが追加する場合は、このリストを手動で更新しなければならないからです。もう 1 つは、savefs プログラムはパスまたはマウントポイントの終わりで停止するので、同じファイルシステム内の 2 つのセーブセットを指定した場合、どちらかがもう一方のサブディレクトリであれば、そのサブディレクトリは 2 回保存されてしまうからです。

ファイルシステム引き数を指定するのは保存するファイルシステムを限定するためですが、ここで指定したファイルシステムは、このクライアントの「Save Set」属性のリストにも指定しなければなりません (-F オプションの説明を参照)。

savefs プログラムで使用する形式とオプションは、次のとおりです。


savefs -p [options] [filesystem...]

[-M filesystem...]

options に指定できる有効な値は、次のとおりです。


[-BEFnpqRv] [-s server] [-N name] [-g group]

[-l level | -C schedule] [-e expiration]

[-f filename] [-W width] [-t date] [-T seconds] 

savepnpc

savepnpc プログラムは、save プログラムと同様に、ファイルを長期間保存します。savepnpc は、1 回の保存処理を行う前に、/nsr/res/group_name.res ファイルにある前処理コマンドをすべて実行します。前処理コマンドの実行が失敗すると、savepnpc はエラーコードを表示して終了し、save プログラムは実行されません。クライアントの最後のセーブセットの保存処理が正常に終わると、savepnpc は、/nsr/res/group_name.res ファイルにある後処理コマンドをすべて実行します。最後のセーブセットのバックアップに至る前に後処理コマンドを実行させたい場合は、「Timeout」属性を使ってその時点を指定し、必要に応じてタイムアウトを起こす条件を設定できます。この「Timeout」属性は、前処理コマンド、および後処理コマンドが入っているのと同じ /nsr/res/group_name.res ファイルに設定します。savepnpc プログラムによる処理結果は、すべて /nsr/res/savepnpc.log に記録されます。

/nsr/res/group_name.res ファイルは、「Clients」リソースの「Backup Command」属性に savepnpc コマンドが入力されたクライアントを持つバックアップグループをはじめて実行した時点で、自動的に作成されます。形式は次のとおりです。


type: savepnpc;
precmd: /bin/true;
pstcmd: /bin/true, "/bin/sleep 5";
timeout: "12:00pm"; 

「precmd」フィールドを編集して、その中に、クライアントの最初のセーブセットの保存処理を開始する前に実行したいコマンドをいくつでも指定できます。コマンド間はコンマで区切ります。また「postcmd」フィールドを編集して、その中に、クライアントの最後のセーブセットの保存処理の終了後、または「timeout」フィールドに指定したタイムアウト条件のどちらかが先に起こった時点で実行したいコマンドをいくつでも指定できます。コマンド間はコンマで区切ります。ファイル内のフィールドの最後には、すべてセミコロン (;) を付ける必要があります。

savepnpc コマンドの構文は、saveの構文とまったく同じです。カスタマイズされたスクリプトを作成して、クライアントの「Backup Command」属性に入力する場合には、次の規則があります。

recover

recover プログラムでは、指定したクライアントのクライアントファイルインデックスを検索 (ブラウズ) して、バックアップボリュームのファイルを指定したクライアントで復旧します。クライアントファイルインデックスのエントリは、save コマンドを使用してファイルがバックアップされた時に作成されます。recover プログラムの対話型バージョン nwrecover を使用すると、クライアントファイルインデックスが UNIX ファイルシステムと同様のグラフィカルディスプレイフォーマットで表示されます。

自動モード (-a オプション) またはセーブセット復旧モード (-S オプション) では、コマンド行で指定したファイルは、クライアントファイルインデックスをブラウズせずに、即時に復旧されます。セーブセット復旧モード (-S オプション) が使用できるのは、オペレータグループ内のユーザーに限定されています。-S オプションを指定せずに recover プログラムを実行すると、オペレータグループ内のユーザーは、どのファイルでも復旧できます。

1 つまたは複数の引数を指定して、復旧するディレクトリとファイルを限定できます。パス引数を指定すると、セーブセット内に存在する各パス名の冒頭部分が、復旧される前のパスのいずれかと正確に一致している必要があります。メタ文字 (たとえば、*、?、または [...]) を使用してファイル名を照合することはできません。パスの最後にスラッシュ文字を付けて、指定したディレクトリと強制的に一致させることができます。

recover プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


recover [-f] [-n] [-q] [-i {nNyYrR}]

[-d destination] [-c client] [-t date]

[-s server] [dir]
recover [-f] [-n] [-q] [-i {nNyYrR}]

[-d destination] [-c client] [-t date]

[-s server] -a path
recover [-f] [-n] [-q] [-i {nNyYrR}]

[-d destination] [-t date] -s server

-S ssid[/cloneid] [-S ssid[/cloneid]] [path]

nsrmig

nsrmig プログラムでは、プールタイプ「Migration」のラベルが付けられたボリュームに、ファイルをマイグレートする場合に使用します。マイグレートされたファイルは、スタブ (シンボリックリンク) に置き換えられます。このスタブは、nsrpmig プログラムによる事前マイグレートの過程で作成されたファイルのコピーを指します。あとでスタブにアクセスすると、ファイルは、Backup サーバーまたはストレージノードによってマイグレートボリュームからディスクに自動的にもう一度呼び戻されます。

マイグレートの基準は、Backup サーバーの「Migration」リソースによって定義されます。マイグレートとは、通常、Backup サーバーによって制御される自動的な処理です。最も頻繁に使用される基準は、最終アクセス時間です。標準ファイルだけが事前マイグレートされ、最終的にマイグレートされます。

パス引数を指定しないと、現在使用中のディレクトリがマイグレートされます。nsrmig プログラムでは、マウントポイントを通過したり、シンボリックリンクをたどったりすることはありません。

nsrmig プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nsrmig [-nvx] [-l percent] -s server] [-t savetime] [-W width] [path]

nsrpmig

nsrpmig プログラムでは、Backup サーバーの「Migration」リソースで定義され、マイグレート候補として識別されたファイルの事前マイグレートを行います。事前マイグレートプロセスにより save プログラムが呼び出され、指定したファイルが、マイグレートデータ用にラベル付けされたバックアップボリュームに直ちにコピーされます。ファイルが後からマイグレートされるときに、常駐ファイルは、ボリュームに事前マイグレートされたコピーを参照するマーカーに置き換えられます。事前マイグレートできるのは、標準ファイルだけです。

nsrpmig プログラムでは、マウントポイントを通過したり、シンボリックリンクをたどったりすることはありません。保存されるパスがネットワークファイルサーバーからマウントされる場合は、nsrpmig プログラムにより、リモートマシンで save プログラムを実行するか、あるいは nsrpmig プログラムに -L オプションを指定するように指示するメッセージが表示されます。

nsrpmig プログラムは、各ディレクトリ内で検出されるディレクティブファイル (.nsrhsm) を調べて、ファイルを保存する時に使用する特別な命令 (たとえば、圧縮ディレクティブやスキップディレクティブ) を判別します。通常、Backup が保存や復旧の処理に使用するこのディレクティブファイル (.nsr は、nsrpmig プログラムでは無視されます。

nsrpmig プログラムは、Backup サーバーの HSM のイネーブラコードが Backup サーバー上に存在する場合にだけ使用できます。

nsrpmig プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nsrpmig [-BEiLnpqvx] [-s server] [-N name]

[- f dirfile] [-b pool] [-g group]

[-m masquerade] [-W width] [-C clone-pool]

[-I input-file] path

nsrhsmck

nsrhsmck プログラムは、HSM によりマイグレートされたファイルの、ファイルスタブとクライアントファイルインデックスのエントリとの整合性の検査と変更を行います。次の 4 つの状況が生じた場合に nsrhsmck プログラムで処理されます。

nsrarchive

nsrarchive プログラムでは、ファイル (ディレクトリまたはファイルシステム全体を含む) を Backup サーバーにアーカイブします。nwadmin または nsrwatch プログラムを使用して、アーカイブ処理の進行状況を監視できます。Administrator と Archive Users のリスト内にあるユーザーだけが、nsrarchive プログラムを実行するために必要な特権を与えられています。また、特定のクライアントマシンからアーカイブデータを復旧するための NSR (または Server) リソース内のオプションによって、パブリックアーカイブを許可あるいは不許可にすることができます。

パス引数を指定しないと、現在使用中のディレクトリがアーカイブされます。nsrarchive プログラムでは、ディレクトリ内に含まれるすべてのファイルとサブディレクトリをアーカイブしますが、マウントポイントをまたがったり、シンボリックリンクをたどったりすることはありません。アーカイブするパスがネットワークのファイルサーバーからマウントされている場合は、nsrarchive プログラムにより、nsrarchive プログラムをリモートマシンで実行するか、あるいは -L オプションを使用するように指示するメッセージが表示されます。

デフォルトでは、各ディレクトリ内で検出された .nsr ディレクティブファイルが読み込まれます。ディレクティブファイルには、特定のファイルをアーカイブする方法 (たとえば、圧縮) についての命令が格納されています。

サブディレクトリ構造内の各ファイルは、Backup セーブストリーム内にカプセル化されます。このデータストリームは、Backup サーバーの受信プロセスに送信されます。このプロセスでは、データが処理され、ストリーム内のファイルごとにクライアントファイルインデックスにエントリが追加されます。次に、このデータは、サーバーまたは指定したストレージノードの長期保存用ストレージに送信されます。

nsrarchive プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nsrarchive [-BiLnpqvxVy] [-b pool] [-C clone-pool]

[-f filename] [-G remove] [-N name] [-R name]

[-s server] [-T annotation] [-W width] [path...]

nsrretrieve

nsrretrieve プログラムは、Backup サーバーまたはストレージノードが管理するアーカイブボリュームから、アーカイブされたセーブセットを復旧する場合に使用します。通常のセーブセットはブラウズできますが、アーカイブされたセーブセットのクライアントファイルインデックスのエントリはブラウズできません。そのかわり、特定の注釈文字列を検索し、取り出すアーカイブセーブセットを識別します。

nsrretrieve を使用できるのは、Backup サーバーの Administrators リストと Archive Users リスト内のユーザーに制限されています。nsrretrieve プログラムがスーパーユーザーまたはオペレータグループ内に定義されているユーザーによって実行されていない場合、あるいは「Server」リソースの「Public Archives」属性が有効にされていない場合は、そのアーカイブファイルを取り出せるのは、そのファイルの所有者だけです。

nsrretrieve プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nsrretrieve [-f] [-n] [-q] [-i {nNyYrR}] [-d destination] -s server [-
S ssid[/cloneid]]... [-A annotation]...

[path]...

nsrclone

nsrclone プログラムを使って、既存のセーブセットの新しいコピーを作成します。この処理は、「NSR group」リソースの「Clones」属性が有効になっていれば、自動的に行われます。また、nsrclone は、コマンド行から手動で実行もできます。

コマンド行オプションを使用するとボリューム名または ID を指定できますが、nsrclone プログラムは、セーブセットコンポーネントが置かれるボリューム数に関係なく、必ず完全なセーブセットをコピーします。nsrclone プログラムは、ボリュームをコピーするのではなく、あるボリューム上の指定したオリジナルのセーブセットを、クローン用の特別なプールに割り当てられているボリュームにコピーします。最初の宛先ボリュームが、セーブセットのクローンのすべてを保持できない場合は、同じクローンプールの別のボリュームが選択されます。

-c オプションと -N オプションを同時に使用すると、nsrclone により、指定したクライアントのセーブセットのスーパーフルコピーが作成されます。スーパーフルコピーとは、HSM 機能のもとでだけサポートされる機能です。この機能では、指定されたクライアントとセーブセットについての最新の完全レベルのフルバックアップのクローンと、フルバックアップによって参照される HSM マイグレートセーブセットのクローンを自動的に作成します。スーパーフルコピーのクローンは、マイグレートクローンプールのボリュームに作成されなければなりません。マイグレートセーブセットが最新のフルバックアップによって参照されない場合は、フルセットだけがクローン化されます。

nsrclone プログラムを nsrmmd デーモンとともに使用すると、各セーブセットが、指定されたボリューム上に 1 つしかクローンを持たないことが保証されます。ボリューム名と ID が指定されている場合は、ボリューム上のセーブセットのコピーが、ソース (コピー元) として使用されます。セーブセットが明示的に指定されている場合は、既存の複数のコピーを持つセーブセットが自動的に選択されます。また、オートチェンジャやサイロ内のボリューム上に存在するセーブセットのコピーは、手動操作を必要とするセーブセットよりも優先して選択されます。また、-S オプションを使用して、ソースとしてどのセーブセットのコピーを使用するかについても正確に指定できます。

nsrclone プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nsrclone [-v] [-s server] [-b pool]

{-f file | volume-name}
nsrclone [-v] [-s server] [-b pool] -S

{-f file | ssid}
nsrclone [-v] [-s server] [-b pool] -V

{-f file | volumeid}
nsrclone [-v] [-s server] [-b pool]

-c client -N saveset

nsrstage

nsrstage プログラムは、手動で使用し、あるボリュームから別のボリュームに既存のセーブセットをマイグレートする場合に使用します。この処理課程では、まず、指定した新しいボリュームに特定のセーブセットのクローンを送信し、次に、メディアデータベースからそのセーブセットを削除し、最後に、可能であれば、元のソースボリュームから実際のセーブセットを削除します。新しいボリュームへのクローン作成が成功しなかった場合は、メディアデータベースのエントリとセーブセットは、削除されません。

セーブセットは、Backup がサポートするあらゆるメディアタイプに属するボリューム上にマイグレートできます。たとえば、ファイルボリューム上のセーブセットを光ディスクにマイグレートできます。ただし、nsrstage 処理の宛先に指定されたボリュームはすべて、「Clone」プールタイプに属していなければなりません。プールタイプの種類については、nsr_pool(1m) のマニュアルページを参照してください。

nsrstage プログラムは、単にボリュームをマイグレートするのではなく、セーブセット全体をマイグレートします。-S ssid を使用すると、マイグレート元として使用するセーブセットのコピー (クローン) を指定できます。

nsrstage プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nsrstage [-v] [-s server] [-b pool] -m

[-S {ssid/cloneid}]
nsrstage [-v] [-s server] -C -V volume

scanner

scanner プログラムは、Backup メディア (バックアップテープ、光ディスク、ファイルなど) を直接読み取り、ボリュームの内容の確認、ボリュームからのセーブセットの抽出、または Backup オンラインインデックスの再作成に使用します。このコマンドは、スーパーユーザーだけが実行できます。また、ここでは、デバイスを 1 つ指定する必要があります。このデバイスは、通常、Backup サーバーが使用するデバイス名のいずれかになります。このデバイスがテープドライブである場合は、非巻き戻し式のテープでなければなりません。

scanner プログラムをオプションを指定せずに (または -v オプションだけを指定して) 実行すると、指定したデバイス上のボリュームが読み取られ、目次が作成されます。この目次には、ボリューム上で検出された各セーブセットについての情報が格納されます。デフォルトでは、ボリューム上で検出されたセーブセットごとに、標準出力に情報が 1 行ずつ書き込まれます。この情報としては、クライアント名、セーブセット名、保存時間、レベル、サイズ、ファイル、セーブセット ID、フラグがあります。

scanner プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


scanner [-Bimnpqv] [-s server] [-S ssid]

[-c client] [-N name] [-f file] [-r record]

[-t type] [-b pool] device [-x command argument-list] 

ファイルインデックスとメディアデータベースの管理

Backup クライアントファイルインデックスには、Backup によりバックアップされたファイルをユーザーがブラウズし、復旧するためのエントリが格納されています。このファイルは、割り当てられているブラウズポリシーの期限を越えることはありません。サーバーによって管理される Backup メディアデータベースには、バックアップされたデータが置かれている場所についての情報が格納されています。ユーザーは、サーバーのメディアデータベースと Backup クライアントファイルインデックスに照会し、情報を取得できます。

mminfo

mminfo プログラムは、Backup メディアとセーブセットについての情報をレポートする場合に使用します。mminfo のデフォルトのレポートには、過去 24 時間以内に正常に終了したセーブセットの情報が表示されます。レポートに表示されるのは、ボリューム名、クライアント名、作成日付、ボリュームに保存されたデータの量、実行されたバックアップのレベル、セーブセットの名前です。

mminfo コマンドの使用例のリストは、mminfo レポートコマンドの例」を参照してください。

mminfo プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


mminfo [-avV] [-o order] [-s server] [report] [query] [volname...]
<report>: [-m | -B | -S | -X | -r reportspecification]
<query>: [-c client] [-N name] [-t time] [-q query specification]

name は、"name="hot"name="hot""Save Set" などのデータベース属性の名前です。comp は、属性についての有効な比較演算子で、「>」、「>=」、「=」のどれかです。value は、比較される値です。

比較演算子と値は、フラグ以外のすべての属性に対して指定する必要があります。文字列にコンマが入っている場合は、値全体を単一または二重の引用符で囲みます。次に、正しい文字列比較の例を示します。


name="Daily, ""hot"" Save Set"

文字列に複数の値を指定する場合を除いて、指定する制約事項はすべて、1 つのセーブセットまたはメディアボリューム、あるいはその両方に対応させなければなりません。数値の制約事項には 1 つの値を指定しますが、すべての文字列の制約事項には複数の値を指定できます。次に例を示します。


%used>20,%used<80
client=mars,client=saturn 

照会の指定に使用する構文の詳細は、mminfo(1m) のマニュアルページの「CUSTOM QUERIES AND REPORTS」セクションを参照してください。

複数行から成る各グループの先頭の行は左マージンから始まり、セーブセット識別子 (ssid)、保存時刻、クライアント名、セーブセット名が表示されます。2 行目以降はインデントされます。2 行目には、保存のレベル、セーブセットのフラグ、セーブセットのサイズ、セーブセット内のファイルの数、セーブセットの有効期限が示されます。3 行目以降には、セーブセットの拡張属性、クローン、インスタンスが表示されます。

mminfo レポートコマンドの例

次の例は、独自にカスタマイズした照会を作成する場合に従うべきガイドラインです。短縮構文も、できる限り記載しています。

サーバーが管理するすべてのボリュームについての情報をすべて表示するには、次のように入力します。


mminfo -m

mars.001mars.002 のラベルの付いたボリュームのメディア情報を表示する場合は、次のように入力します。


mminfo -m mars.001 mars.002

/usr という名前のファイルインデックス内で検出されたセーブセットをすべて表示する場合は、次のように入力します。


mminfo -N /usr

先週バックアップされた、venus という名前のクライアントによって生成された /usr という名前のセーブセットを表示する場合は、次のように入力します。


mminfo -N /usr -c venus

mars.001 というラベルが付いたボリューム上にある、venus という名前のクライアントによって生成された /usr という名前のセーブセットを表示する場合は、次のように入力します。


mminfo -N /usr -c venus mars.001

先週書き込まれた、すべてのボリュームのメディアレポートを表示する場合は、次のように入力します。


mminfo -m -t `last week'

空き領域のある各ボリュームについて、使用された割合、プール名、および実際の位置を示すメディアレポートを表示するには、次のように入力します。


mminfo -a -r `volume,%used,pool,location' -q `!full'

-m を指定したときのレポートと同様の形式でボリュームラベルの代わりにメディアのバーコードの情報を表示するには、次のように入力します。


mminfo -a -r ¥ `state,barcode,written,%used,read,space,volexp' ¥
-r`mounts(5),space(2),capacity'

複数のコピーがあるすべてのセーブセットのインスタンスのリストを冗長モードで表示するには、次のように入力します。このリストは、保存時間とクライアント名でソートされます。


mminfo -otc -v -q `copies>1' 

「my project」という注釈が付いた、過去 4 ヶ月間のすべてのアーカイブセーブセットを表示するには、次のように入力します。


mminfo -q'annotation=my project' ¥
-r"volume,client,savetime,sumsize,ssid,name,annotation" ¥ -t'four
months ago'

mmlocate

mmlocate プログラムを使用すると、メディアデータベースに格納されているボリューム位置の情報にアクセスし、管理できます。すべてのユーザーが、-l オプション (デフォルト) または -L オプションを指定してこのコマンドを使用できます。-c-d-u オプションを使用できるのは、Backup 管理者だけに限定されています。mmlocate プログラムを引数を指定せずに実行すると、指定したサーバーのすべてのボリュームとその位置が表示されます。サーバーを指定していない場合は、現在使用中のホストが使用されます。

nsrjb コマンドを使用してジュークボックス内にボリュームを移動させると、ボリュームの位置は、ジュークボックスの名前に設定されます。

mmlocate プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


mmlocate [-s server] [-l] [-n volume-name | -i volumeID | location]
mmlocate [-s server] -L
mmlocate [-s server] -d location
mmlocate [-s server] -c {-n volume-name | -i volumeID}
mmlocate [-s server] -u

{-n volume-name | -i volumeID} location

mmpool

mmpool プログラムは、Backup サーバーのメディアデータベース内に格納されているプール情報にアクセスする場合に使用します。また、このコマンドを使用して、特定のプール内のすべてのボリュームを削除できます。mmpool プログラムに 1 つまたは複数のボリューム名を指定すると、レポートには、指定した各ボリュームが属するプールが表示されます。デフォルトでは、すべてのボリュームとそのプールが表示されます。

ボリュームが属するプールは、ボリュームのラベルを付け直さないと変更できません。ボリュームのラベルを付け直さずに変更すると、ボリューム上のすべてのデータが破壊されます。プールは、nwadmin または nsradmin などの Backup 管理ツールを使って構成されます。これらの管理ツールを使って、独自のプールを作成して、変更できます (「「NSR pool」 」を参照)。

mmpool プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


mmpool [-s server] [volume...]
mmpool [-s server] -d pool-name
mmpool [-s server] -l [pool-name]
mmpool [-s server] -L

mmrecov

mmrecov プログラムを使用すると、Backup サーバーのオンラインファイルインデックスかメディアデータベースのどちらかのファイルが損失したか損傷を受けた時に、これらをバックアップボリュームから復旧できます。このコマンドにより、サーバー上にある既存のオンラインファイルインデックスとメディアデータベースが上書きされます。mmrecov プログラムは、Backup クライアントのファイルインデックスの復旧には使用できません。この場合には、通常の復旧プロシージャを使用します。

はじめて mmrecov プログラムを使用する前に、Backup サーバーソフトウェアを完全にインストールして正しく構成してから、サーバーのファイルインデックスとメディアデータベースを含めてバックアップを実行する必要があります。Backup ソフトウエアのどれかが損失した場合は、mmrecov を実行する前に、そのソフトウェアを配布ファイルからインストールし直してください。Backup と同じリリースを使用し、そのソフトウェアが損失する前に置かれていた同じ位置にインストールします。

mmrecov プログラムを開始すると、プログラムにより、ブートストラップセーブセットを抽出する対象となるデバイスが要求されます。次に、ブートストラップの ssid が要求されます。この番号は、savegrp プログラムが実行されるたびに出力されるブートストラップの最終行の 4 番目のカラム (ssid のラベルが付いている) で判別できます。ブートストラップレポートの例については、mmrecov(1m) のマニュアルページを参照してください。

mmrecov プログラムは、2 つのフェーズで実行されます。まず最初に、メディアデータベースとオンラインファイルインデックスの入っているブートストラップセーブセットの格納内容を抽出します。オンラインファイルインデックスには、それ自身に必要なエントリが 1 つしか格納されていません。第 2 フェーズでは、mmrecov プログラムは recover プログラムを実行して、サーバーのオンラインファイルインデックスを完全に復旧します。第 2 フェーズはバックグラウンドで実行されるため、ユーザーはこの後に続くメディアマウント要求に応答できます。

mmrecov プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


mmrecov [-q | -v] 

nsrck

nsrck プログラムは、クライアントのセーブセットの Backup オンラインインデックスの整合性をチェックする場合に使用します。

nsrck を使用して、Backup クライアントファイルインデックスの整合性が検査されます。通常、nsrck プログラムは、nsrindexd の起動の一部として、nsrindexd プログラムによって自動的に開始されます。.nsrck ファイルはプログラムの実行時にロックされるので、nsrck のインスタンスだけがサーバーで動作します。

nsrck プログラムは、その実行中であればいつでも再起動できます。そのため、システムのクラッシュ時やリソースの消耗時にも、データを失うことなく動作します。

インデックスの整合性検査は、4 つのフェーズを経て完了します。

nsrim

nsrim プログラムは、Backup サーバーのクライアントファイルインデックスとメディアデータベースを管理する場合に使用します。通常、nsrim プログラムは、スケジュールされたバックアップが開始される時に nsrmmdbd デーモンによって、バックアップの終了時に実行される savegrp プログラムによって、あるいは、最も古いインデックスサイクルを削除するためのオプションを選択した結果として nsrd によって、自動的に実行されます。通常は、nsrim プログラムは手動で実行する必要はありません。

nsrim プログラムは、定義されているポリシーにアクセスし、各クライアントファイルインデックスの管理方法を判別します。定義されているクライアントのブラウズポリシーに指定されている期限を過ぎてもインデックス内に残っているエントリは、クライアントファイルインデックスから削除されます。定義されているクライアントの保持ポリシーに指定されている期限を過ぎてもメディアデータベース内に残っているセーブセットは、メディアデータベース内で再利用可能なセーブセットとしてマークが付けられます。1 つのボリューム上に格納されているすべてのセーブセットが再利用可能としてマークが付けられると、ボリュームそのものが再利用可能とみなされます。再利用可能なボリュームはユーザーが選択できます。また、オートチェンジャによって管理されるボリュームの場合は、別のバックアップ用に書き込み可能なボリュームが要求されると、再利用可能ボリュームのラベルが自動的に付け直され、Backup が使用できるようになります。再利用されるボリュームのラベルが付け直されると、そこに格納されていたデータは破壊されます。ボリュームのラベルが変更される前であれば、scanner プログラムを使用して、そのセーブセットを復旧できます。scanner プログラムの使用方法については、scannerを参照してください。

nsrim プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nsrim [-b browse] [-c client] [-N saveset]

[- r retention] [-x percent] [-lnqvMX] 

nsrinfo

nsrinfo プログラムは、クライアントのファイルインデックスの内容についてのレポートを生成します。Backup クライアント名を指定する必要があります。これ以外のオプションを指定しないと、nsrinfo プログラムにより、指定したクライアントのバックアップ名前空間内で検出されたファイル名とオブジェクト名すべてのレポートが、1 行に 1 つずつ作成されます。また、nsrinfo プログラムにより、特定のクライアントファイルインデックスの名前空間のレポートや、一度にすべての名前空間のレポート、あるいは、特定の XBSA (X-Open Backup Services) アプリケーションのレポートも作成できます。このレポートは、保存時間と呼ばれる一定の時間に限定することもできます。保存時間とは、エントリがクライアントファイルインデックスに入力された時間です。

-L オプションを指定しないと、nsrinfo プログラムを使用するためには、ユーザー名が Backup サーバーの Administrator リスト内に指定されている必要があります。また、-L オプションを指定するには、システム管理者である必要があります (たとえば、UNIX システムのスーパーユーザー)。

nsrinfo プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nsrinfo [-vV] [-s server | -L] [-n namespace]

[- N filename] [-t time] [-X application] client 

nsrls

nsrls プログラムをオプションを指定せずに呼び出すと、クライアントファイルインデックス内のファイル数、クライアントファイルインデックスが現在必要とする K バイト数、および UNIX ファイルに割り当てられている K バイト数に対するクライアントファイルの利用率が出力されます。

nsrls プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。


nsrls [client-name...]
nsrls -f file-name...