Backup ソフトウェアには、コマンド行インタフェースとグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) が組み込まれています。GUI の使用方法については、プログラムに組み込まれているオンラインヘルプを参照してください。シェルプロンプトで nwadmin コマンドを実行すると、プログラムが起動します。
付録 B では、コマンド行インタフェースで使用できるオプションの一部を、要点をまとめたリファレンスとして掲載しています。掲載情報は、関連するタスクごとに編集してあります。各コマンドの詳細と使用例については、Backup ソフトウェアに組み込まれているオンラインマニュアルページを参照してください。
マニュアルページを参照する場合は、Backup マニュアルページがインストールされているディレクトリへのパスを MANPATH 環境変数に追加してから、man command-name と入力します。たとえば、man nsrjb のように入力します。マニュアルページについての説明ページを表示させるには、man man と入力します。Backup マニュアルページ全部を印刷するには、シェルプロンプトで、次の例のようにオプションを指定して troff コマンドを入力します。
$ troff -t -man `nsr_man -l'| lpr -t -P printer-name |
入力するコマンドは、使用しているマシンのオペレーティングシステムやインストールされている PostScript ソフトウェアのバージョンによって異なる場合があります。たとえば、印刷コマンド lpr が lp になることがあります。
イネーブラコードを入力すると、Backup 機能のロックが解除され、45 日間だけ使用できるようになります。45 日の期間が経過したあとも Backup を使い続けるためには、イネーブラ証明書に記載されている指示に従って、有効にしたソフトウェアを登録しなければなりません。ソフトウェアを登録すると、そのシステムの情報とイネーブラコードに基づいた一意の認証コードが生成されます。この認証コードを取得して入力すれば、Backup ソフトウェアを期限に制限なく使用できます。
対話型の nsr_ize プログラムは、Backup ソフトウェアとファイルをマシンにインストールしたり、マシンから削除したりする場合に使用します。質問が表示されて、ユーザーがそれに対して答えるというかたちで進められます。ほとんどの質問には、標準的な環境で使用するためのデフォルトの答えが用意されています。
nsr_ize プログラムでは、/etc/rpc などの一部のシステム管理ファイルを変更します。使用しているシステムが YP の場合は、nsr_ize プログラムによって /etc/rpc のローカルコピーが変更されたとおりに YP マスターの /etc/rpc ファイルを変更してください。
nsr_ize プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsr_ize [-i | -r -u] [-c | -s] [-kmnqxv> |
-c オプションは、クライアントソフトウェアだけをインストールまたは削除する場合に使用します。
-i オプションは、Backup ソフトウェアと関連ファイルをインストールする場合に使用します。
-k オプションは、Backup デーモンを確認せずに削除する場合に使用します。
-m オプションは、Backup マニュアルページのインストールまたは削除を行わない場合に使用します。
-n オプションは、ファイルシステムを変更するアクションを実行しない場合に使用します。-n オプションを使用すると、実際にコマンドは実行されずに、インストールスクリプトが印刷されます。
-q オプションは、nsr_ize をクワイエットモードで実行する場合に使用します。
-r オプションは、Backup ソフトウェアと関連ファイルを削除する場合に使用します。
-s オプションは、サーバーソフトウェアだけをインストールまたは削除する場合に使用します。
-u オプションは、Backup ソフトウェアのアップグレード用にシステムを準備する場合に使用します。既存の Backup ソフトウェアは削除されますが、nsr.res ファイル、クライアントファイルインデックス、サーバーブートストラップ、メディアデータベースは保持されます。
-v オプションは、冗長モードで nsr_ize を実行する場合に使用します。
-x オプションは、デバッグフラグを設定する場合に使用します。
nsrlic プログラムは、Backup サーバーで現在アクティブになっているすべてのライセンス情報に関するレポートを作成します。このコマンドは、Backup リソースデータベースに照会して、書式を設定し、標準出力にその結果を表示します。nsrlic を呼び出すためにスーパーユーザーになる必要はありません。
シェルプロンプトでオプションのフラグを付けずに nsrlic コマンドを入力すると、次の例に示すように、コマンドを呼び出したサーバーに関するレポートが得られます。
SERVER (UNIVERSAL) CLIENT LICENSES Available: 10 Used: 0 Borrowed from Server: 0 Remaining: 10 Connected Clients: ; Defined Clients: ; WORKSTATION CLIENT LICENSES Available: 0 Used: 0 Remaining: 0 Connected Clients: ; Defined Clients: ; SERVER CLIENT TYPES AIX: 0 HP: 0 Solaris: 0 SunOS: 0 Windows NT Server: 0 NetWare: 0 WORKSTATION CLIENT TYPES DOS: 0 Macintosh: 0 OS/2: 0 Windows 3.1x: 0 Windows 95: 0 Windows NT Workstation: 0 Others: 4 |
nsrlic プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrlic -vi -s server |
-i オプションは、nsrlic を対話型モードで使用する場合に使用します。このモードで、別のレポートの要求、情報の再表示、または別のサーバーへの切り替えが可能です。対話型モードでは、次のようにプロンプトと選択肢が表示されます。
connecting to jupiter... Available commands are: summary - display a summary report of licenses detail - display a detailed report of licenses connect [server name] - connect to server help - list command helps. quit - quit out of nsrlic command. nsrlic> |
一度要求した情報は、nsrlic> プロンプトで別の接続コマンドを実行するまでキャッシュに格納されています。
-s server オプションは、特定の Backup サーバーを選択して照会する場合に使用します。このオプションを省略すると、nsrlic プログラムを実行したサーバーが照会されます。
-v オプションは、詳細な長い文章のレポートを作成する場合に使用します。また、ライセンス数とクライアント数のほかに、接続、定義されているクライアントのリストが表示されます。
「NSR license」リソースには、イネーブラコードと認証コードが入力されている各 Backup ソフトウェアの機能が記述されています。Backup サーバーの「NSR license」リソースを検査するには、スーパーユーザーになり、GUI を使用して「Registration」ウィンドウを表示するか、シェルプロンプトで次のコマンドを入力します。
# nsradmin -c "type:NSR license" |
「NSR license」の作成、有効化、または認証の操作は GUI から行えますが、既存の「NSR license」リソースを更新する場合は nsrcap コマンドを使用しなければなりません。
nsrcap プログラムは、インストールした Backup ソフトウェアの機能を有効にするための固有のイネーブラコードを、Backup サーバーの「NSR license」リソースに入力する場合に使用します。nsrcap プログラムを使用して、新しい機能のイネーブラコードを入力します。あるいは nsrcap プログラムを使用して、既に使用している Backup ソフトウェアの機能をアップグレードまたはダウングレードするためのイネーブラコードを入力します。
nsrcap プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrcap [-vn] {-c | -u | -d} enabler-code |
nsrcap プログラムを使用する場合は、Backup サーバーのスーパーユーザーになり、次のオプションの中から 1 つだけ指定します。
-c オプションを使用して、まだインストールされていない機能を使用するためのイネーブラコードを入力できます。機能の読み込みは一度しかできません。イネーブラを二度以上読み込ませようとすると、エラーになります。
-d オプションを使用して、既存の基本イネーブラまたはジュークボックスイネーブラをダウングレードするためのイネーブラを入力できます。イネーブラをダウングレードすると、元のレベルに戻すことはできません。ご購入先からの指示がない限り、-d オプションは使用しないでください。
-u オプションを使用して、既存の基本イネーブラをアップグレードするためのイネーブラを入力できます。-u オプションはサーバーのイネーブラコードにのみ使用できます。イネーブラをアップグレードすると、元のレベルに戻すことはできません。
nsrcap プログラムには、上記以外にも、コマンドを入力する際に選択できるオプションが 2 つあります。
-v オプションを使用して、入力したイネーブラに関する詳細な説明を表示できます。
-n オプションを使用して、イネーブラコードの妥当性を検査できます。-n オプションを指定すると、コマンド行に入力したイネーブラコードが検査されますが、Backup サーバーの「NSR license」リソースには入力されません。
nsr_shutdown コマンドは、Backup サーバー上の Backup プロセスを識別し、停止する場合に使用します。Backup ソフトウェアをインストールまたは削除する必要がある場合は、必ずこのコマンドを使用します。スーパーユーザーになり、nsr_shutdown コマンドを使用します。
次の例で、nsr_shutdown に使用できる形式とコマンドオプションについて説明します。
-a オプションを使用して、すべての Backup デーモンを停止できます。このオプションは、-A、-d、および -s オプションと組み合わせても同じ結果になります。
-A オプションを使用して、任意の nsralist プロセスを停止できます。
-d オプションを使用して、Backup サーバーデーモンを停止できます。オプションを指定しないと、デフォルトで、この -d オプションが指定されているとみなされます。
-n オプションを使用して、実際に停止は行わずに停止コマンドをエコーバックできます。
-q オプションを使用して、確認のためのプロンプトを表示しないで停止できます。
-s オプションを使用して、任意の savegrp および nsrexecd プロセスを停止できます。
-v オプションを使用して、nsr_shutdown のコマンド実行時に、コマンドとその引数をエコーバックできます。
Backup ソフトウェアは、コマンド行インタフェースまたは GUI で使用できます。管理プログラムはネットワーク上の任意のマシンから開始できますが、管理特権を持つユーザーだけが実際に変更を加えることができます。バックアップと復旧、およびオプションのアーカイブと取り出しのためのユーザープログラムは、クライアントリソースでその機能が有効になっているクライアントマシンでのみ使用できます。
サーバーの選択に関連するクライアントコマンドは、管理と操作の 2 つのグループに分類されます。管理コマンドには nwadmin、nsrwatch、および mminfo があります。操作コマンドには save、savefs、および recover があります。どちらのコマンドグループも、明示的に Backup サーバーを指定するための -s server オプションを使用できます。
サーバーが明示的に指定されていなければ、操作コマンドは次の順序に従って、いずれかのサーバーを選択します。最初に検出されたサーバーが使用されます。
現在選択されているディレクトリが実際に存在するマシンの判定が実行されます。これは NFS サーバーかローカルマシンのどちらかです。RAP に照会して、そのマシンが Backup サーバーのクライアントであると判定されたら、その Backup サーバーが選択されます。現在選択されているディレクトリをバックアップするサーバーが複数ある場合は、いずれか 1 つのサーバーが選択され、他のサーバーの名前を示す情報メッセージが出力されます。
現在選択されているディレクトリが実際に存在するマシンが Backup サーバーであるかどうかが確認されます。Backup サーバーであれば、そのマシンが使用されます。
ローカルマシンが Backup サーバーであるかどうかが確認されます。Backup サーバーであれば、そのローカルマシンが使用されます。
これでも Backup サーバーが見つからない場合には、nsrhost というホスト名のマシンが選択されます。
nsradmin プログラムは、Backup システム用のコマンド行を使用する管理プログラムです。通常 nsradmin は、ネットワーク全域の Backup リソースの監視と変更に使用します。標準入力でコマンドを入力し、標準出力でそのコマンド出力が表示されます。
コマンドオプションを指定せずに nsradmin コマンドを入力すると、次のようなコマンドプロンプトが表示されて、必要な追加オプションを入力するように要求されます。
nsradmin> |
nsradmin プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsradmin [-c] [-i file] [-s server] [-p prognum] [v version] [query] nsradmin [-c] [-i file] [-f resource-file] [-t typefile] [query> |
-f resource-file オプションを入力すると、ネットワークに接続する代わりに、resource-file に指定した Backup リソースファイルを使用できます。Backup サーバーが現在バックアップを実行中の場合は、このオプションは使用できません。-f と resource-file 引数を繰り返し使用し、一度に複数のファイルにアクセスして nsradmin を開始できます。
-i file オプションを入力すると、標準入力の代わりにファイルから入力コマンドを取り出すように Backup に指示できます。nsradmin プログラムをこのモードで使用する場合には、対話型プロンプトは表示されません。
-p program オプションを入力すると、標準プログラム番号の代わりに指定された RPC プログラム番号を使用できます。標準プログラム番号は、390109 です。通常は、発生した問題をデバッグする場合にだけ使用します。
-s server オプションを入力すると、特定の Backup サーバーに接続できます。このコマンドは、サーバーが多数存在する場合にポーリングされるリソースの数を制限したり、RPC ロケーションサービスが稼動していない時に Backup サーバーを管理したりする場合に便利です。
-t typefile オプションを入力すると、代替ファイル typefile を使用して RAP タイプを定義できます。
-v version オプションを入力すると、Backup RAP サービスを指定のバージョン番号に設定できます。バージョンのデフォルト値は「2」です。通常、発生した問題をデバッグする場合にだけ使用します。
query オプションを属性リストの形式で指定すると、編集操作を実行できます。
attribute ::= name [: value [, value]*] |
属性とは、名前と、オプションでその後にコロンと 0 以上の値 (空白の場合もある) が入っているものです。複数の値を指定する場合は、コンマで区切ります。次の行に続ける場合は、行の末尾にコンマを付けます。
attribute list ::= attribute [; attribute]* |
属性リストとは、1 つまたは複数の属性をセミコロンで区切ったものです。次の行に続ける場合は、行の末尾にセミコロンを付けます。属性リストの最後には改行文字を入れ、この改行文字の前にはコンマやセミコロンは入れません。
name: mars; type: NSR client; remote access: mars, venus, jupiter |
nsradmin の入力プロンプトごとに、コマンド名とオプションの引数を入力します。コマンド名は、最も短い固有の文字列に短縮できます。たとえば、print コマンドの場合は、p と入力できます。コマンド引数は、属性リストの形式で指定します。通常 nsradmin コマンドは、照会によって得られる一連のリソースで動作します。照会には、次の規則に従ってリソースと照合する属性リストを指定します。
リソースは、指定した属性すべてと一致
ある属性に対して複数の値を指定した場合は、リソースはいずれかの値と一致すればよい
照会の値の指定には、正規表現も可能。パターン照合は、指定した属性が組み込まれているすべてのリソースに対して行われる
属性に値を指定していない場合は、リソースには、その名前の属性が組み込まれている必要がある
照会で、名前のほかに値が指定されていない場合は、nsradmin プログラムは、その名前に基づいて照会を判別しようとします。名前がホスト名である場合は、その指定したホスト上のすべてのリソースに対して照会が行われます。ホスト名でない場合は、その名前がタイプ名に変換され、指定したタイプのリソースがすべて選択されます。
以下に、使用できるコマンドとその機能を説明します。
bind query
照会によって指定されるリソースを所有するサービスに結合します。照会を指定しないと、RAP リソースディレクトリに照会を送信し、変更されるリソースを所有するサービスに update、create、delete コマンドを送信します。このコマンドが失敗した場合は、直前のサービスがそのまま使用されます。
create attribute-list
指定する属性でリソースを作成します。
delete query
現在の照会と一致するリソースを削除します。照会を指定すると、その照会が現在の照会になります。
edit query
現在の照会と一致するリソースを編集します。照会を指定すると、その照会が現在の照会になります。エディタを終了させると、nsradmin は、リソースの変更に基づいて更新、削除、作成処理を行います。リソース ID 属性は編集しないで、ファイルへの書き込みが終了してからエディタを終了させてください。
help command-name
? command-name
コマンドを説明するメッセージを出力します。コマンド名を指定しないと、すべてのコマンドの一覧表が出力されます。
print query
現在の照会と一致するリソースを出力します。照会を指定すると、その照会が現在の照会になります。現在の表示リストが空でない場合は、表示リストに名前が指定されている属性だけが表示されます。
server server-name
指定する Backup サーバー名にバインドします。サーバーを指定しないと、RAP ロケーションサービスが使用されます。このコマンドが失敗した場合は、直前のサーバーがそのまま使用されます。
show name
名前リスト (実際には値を指定していない属性リスト) を指定すると、これらの名前が表示リストに追加されます。これより後に出力されるコマンドでは、これらの属性だけが表示されます。名前リストを指定しないと表示リストは削除され、その結果、すべての属性が表示されます。
types
すべての既知のタイプのリストを出力します。
update attributes
現在の照会によって指定されるリソースを更新し、属性に一致させます。
quit
nsradmin プログラムを終了させます。
option dynamic:choice;hidden:choice;resource id:choice
一部のオプションでリソースの表示を変更できます。引数を指定しないと、現在のオプションが表示されます。オプションを指定すると、その指定したオプションに変更されます。option コマンドによって、指定した表示オプションが設定されます。各オプションはセミコロンで区切り、「on」または「off」のどちらかの値を指定できます。
有効なオプションを以下に示します。
dynamic を使用すると、nsradmin により、通常は隠されている属性も含めてすべての動的属性が表示されます。
hidden を使用すると、nsradmin により、通常は隠されている属性も含めてすべての属性が表示されます。
resource id を使用すると、nsradmin により、各リソースのリソース ID が表示されます。リソース ID とは、Backup がリソースに順番を付けて識別するために内部で使用する番号のことです。
unset dynamic;hidden;resource id
このコマンドは、指定するオプションをオフにする場合に使用します。
. query
照会を指定してある場合には、照会の結果を出力せずに現在の照会を設定します。指定していない場合には、現在の照会、表示リスト、サーバー割り当て、オプションが表示されます。
nsradmin プログラムは、nwadmin プログラムで使用できるリソースと同じリソースを管理するためのキャラクタベースのインタフェースを提供します。以下のリソースがあります。
「NSR client」リソースには、保存すべきファイル、バックアップスケジュール、ファイルを保存の対象から除外するための指示、ファイルのインデックスエントリをオンラインファイルインデックスとメディアインデックスに保持する期間、および、クライアントのファイルに対してバックアップ、ブラウズ、復旧の権限が与えられるユーザーが記述されます。Backup サーバーの「NSR client」リソースの編集には、「nsradmin 」または 「nwadmin」を使用します。
「NSR client」リソースには以下の属性があります。
「name」属性 - Backup クライアントのホスト名を指定します。
「server」属性 - クライアントの Backup サーバーのホスト名を指定します。
「archive services」属性 - システムがアーカイブサービスを使用できるかどうかを指定します。この属性を使用するためには、サーバー上でアーカイブサポートが有効になっている必要があります。
「schedule」属性 - 「save set」属性に指定されているセーブセットのバックアップレベルを制御するスケジュールの名前を指定します。
「browse policy」属性 - エントリがクライアントのオンラインファイルインデックスに保持される期間を制御するポリシーの名前を指定します。
「retention policy」属性 - メディアインデックス内のエントリが再利用可能としてマークされるまでの期間を制御するポリシーの名前を指定します。
「directive」属性 - クライアントのバックアップに使用する指示を指定します。
「group」属性 - クライアントが属しているグループを指定します。このグループによって、クライアント上でいつスケジュールされたバックアップを行うかを制御します。
「save set」属性 - クライアントについて保存するパス名を指定します。クライアントが異なるスケジュールで複数のファイルシステムを保存しなければならない場合には、個々のファイルシステムとスケジュールごとにクライアントリソースが必要となります。
「priority」属性 - クライアントに与えられるバックアップの優先順位を指定します。1 が最も高く、1000 が最も低い優先順位です。自動化されたセーブグループでは、高い優先順位のクライアントから先にバックアップしようと試みます。
「remote access」属性 - クライアントのファイルのバックアップ、ブラウズ、および復旧を行う権限を持つユーザーを指定します。この属性に名前を追加することで、新たにユーザー、ホスト、およびネットグループにクライアントのファイルへのアクセス権を与えることができます。ネットグループ名はアンパサンド (&) で始めます。user@host または host/user の形式で入力すると、指定されたユーザーに対してクライアントのファイルへのアクセス権が許可されます。
「remote user」属性 :
Backup サーバーがクライアントに対して自分自身を認証させるために使用するユーザーログイン名を指定します。このクライアントは、rsh または nsrexecd を使ってネットワークにアクセスできます。
Backup サーバーが、保存するファイルを判断するために使用します (savegrp -p コマンドで実行された場合)。
一部のクライアント (NetWare ファイルサーバーなど) が、バックアップされるファイルにアクセスできるようにします。この手順は、「remote user」属性と「password」属性を組み合わせて使用した場合にのみ有効です。
「password」属性 - savegrp プログラムが、クライアントマシン上で savefs コマンドおよび save コマンドを開始するために使用します。savefs コマンドおよび save コマンドは、このパスワードを使って、バックアップされるファイルへのアクセス権を取得します。パスワードを指定した場合には、クライアントリソースの「remote user」属性も定義する必要があります。
「backup command」属性 - クライアントのデータとセーブセットのリモートバックアップを実行します。このコマンドは、バックアップの前処理と後処理も実行できます。指定する値は「nsr」または「save」で始めます。
「executable path」属性 - Backup サーバーがクライアント上でコマンドを実行するために使用するパスを指定します。
「server network interface」属性 - サーバーが保存と復旧に使用するネットワークインタフェースを指定します。
「aliases」属性 - 照合が一致しうるクライアントマシンの別名を指定します。
「owner notification」属性 - システムの所有者/主ユーザーに、ステータスメッセージの内容を送信します。
「statistics」属性 - クライアントのオンラインファイルインデックスのサイズ、使用されている K バイト数、およびインデックス内のエントリ数から構成されます。
「index save set」属性 - インデックス操作が最も古いサイクルをパージするように設定されている場合に、クライアントファイルインデックスにあるパージ対象のセーブセットを指定します。
「index message」属性 - 前回のインデックス操作の結果として発生したステータスメッセージです。
「index operation start」属性 - 現在選択されているインデックス操作の開始時刻を指定します。この属性は、操作が「Idle」の場合にはヌル文字列 ("") です。
「index progress」属性 - インデックス操作で現在実行されているタスクがどの程度終了したかを示します。この属性は、操作が「Idle」の場合には空白で、パーセンテージで表現されます。
「index operation」属性 - 現在選択されているインデックス操作を指定します。
「parallelism」属性 - 1 台のクライアント上で同時に実行される保存操作の最大数を示します。
「archive users」属性 - クライアント上でアーカイブサービスへのアクセス権が与えられるユーザーを指定します。この属性は、サーバ−上でアーカイブサポートが有効になっている場合にのみ設定できます。
「application information」属性 - クライアントのアプリケーション情報を指定します。
「storage nodes」属性 - クライアントがデータの保存に使用できるストレージノードを指定します。クライアントの保存データは、使用可能なデバイスに接続されていて、メディアサービスが機能している最初のストレージノードに送られます。
「clone storage nodes」属性 - ストレージノードがデータのクローンの宛先として使用できるストレージノードを指定します。ストレージノードのクローンデータは、使用可能なデバイスに接続されていて、メディアサービスが機能している最初のストレージノードに送られます。
次の例は、saturn という名前のクライアントを定義するための「NSR client」リソースです。このクライアントは、すべてのファイルを Backup サーバー mars にバックアップします。
type: NSR client; name: saturn; server: mars; archive services: Disabled; schedule: Default; browse policy: Month; retention policy: Quarter; directive: ; group: engineering; save set: h:¥, c: ¥usr, c:¥usrsrc; remote access: venus, sam@*, jupiter/john; remote user: operator; password: ; backup command: ; aliases: saturn.sun.com; archive users: ; storage nodes: nsrserverhost; clone storage nodes: ; |
「NSR device」リソースには、Backup サーバーが使用する各ストレージデバイスが記述されます。Backup サーバーの「NSR device」リソースの編集には、「nsradmin 」または 「nwadmin」を使用します。
「NSR device」リソースには以下の属性があります。
「name」属性 - デバイスのパス名を指定します。オプションとしてクローズ時に「Berkeley スタイル」のテープ配置機能をサポートしているシステムでは、BSD スタイルのテープデバイス名を使用します。光ディスクの場合には、パス名は一般に「c」パーティションになります。
外部のメディア管理サービスとの通信を容易にするために、論理デバイスタイプが定義されています。この種のサービスと通信する場合には、ボリュームのロード先のデバイスがメディア管理サービスによって決まることがあります。論理デバイスは Backup デバイスリソースの定義に使用されます。
定義の時点では、デバイス名は特定のデバイスには関連付けられていません。メディアのタイプとファミリは、どちらもデフォルト値は「logical」に設定されています。Backup からの要求への応答としてメディア管理サービスがボリュームをデバイスにロードするまでは、名前、タイプ、およびファミリは決まっていません。その後、実際のデバイスの名前、タイプ、およびファミリが、それぞれ「logical name」、「logical type」、および「logical family」の各属性に格納されます。論理デバイスと実際のデバイスとの間の関連付けは、ボリュームがデバイスにロードされていて、Backup による使用のために割り当てられている間のみ有効です。
「media type」属性 - デバイスが使用するメディアタイプを指定します。この属性に使用できる値の例を以下に示します。
「4mm」 - 4mm デジタルオーディオテープ (1G バイト)
「8mm」 - 8mm ビデオテープ (2G バイト)
「dlt」 - デジタルリニアテープカートリッジ (10G バイト)
「vhs」 - VHSデータグレードビデオテープ (14G バイト)
「3480」 - 高速カートリッジテープ (200M バイト)
「logical」 - 外部のメディア管理サービスとの通信に使用
「enabled」属性 - デバイスが使用可能かどうかを示します。
「read only」属性 - デバイスが復旧や取り出しなどの読み取り操作専用かどうかを示します。
「target sessions」属性 - 1 つのデバイスに対して行われる保存操作のターゲット数を指定します。この属性は、負荷の調整のために使用されます。すべてのデバイスがそれぞれのターゲット数に達すると、それ以降のセッションはすべてのデバイスに均等に割り当てられます。
「media family」属性 - メディアタイプによって決定される、ストレージメディアのクラスを指定します。
「tape」 - テープストレージデバイス
「disk」 - ディスクストレージデバイス
「logical」 - 外部メディアデバイス
「message」属性 - 操作の進行状況や速度など、デバイスに関連する Backup サーバーからの最後のメッセージを指定します。
「volume name」属性 - デバイスのボリュームのマウントとマウント解除を監視します。
「write enabled」属性 - 現在選択されているボリュームへの書き込みが可能かどうかを示します。
「volume operation」属性 - 現在デバイスに入っているメディアボリュームを、いくつかの方法で操作します。
「Unmount」操作で、デバイスを解放します。
「Mount」操作で、ロードされているボリュームをデバイスにマウントします。
「Verify label」操作で、ボリュームのラベルとボリュームの属性を読み取り、ボリュームの有効期限を設定します。
「Verify write time」操作で、「volume write time」属性を設定します。
「Label」操作または「Label without mount」操作で、ボリュームのための新しいラベルを作成します。
「Eject」操作で、ボリュームをデバイスから排出します。
「Monitor device」操作で、デバイスを定期的にチェックして、ボリュームがデバイスにロードされているかどうかを確認します。読み取り可能な Backup ラベルが付いているボリュームがロードされると、そのボリュームは Backup サーバーのメディアデータベースに追加されます。ボリュームが書き込み可能であれば、そのボリュームは書き込みアクセス権があるものとしてマウントされます。そうでなければ、ボリュームは読み取り専用としてマウントされます。
「volume label」属性 - 「Verify label」操作によって設定されます。「Label」操作への入力として使用できます。
「volume default capacity」属性 - 「volume current capacity」属性が空白である場合に、「Label」操作によって使用されます。この属性により、デフォルトとは異なる容量を持つデバイス (またはテープ、あるいはその両方) を使用するときに、デフォルトのサイズを変更できます。
「volume current capacity」属性 - 「Label」操作の際のボリュームの容量を決定します。
「volume expiration」属性 - 「Verify label」操作によって設定される、ボリュームの有効期限を指定します。
「volume pool」属性 - ボリュームが属している、または割り当てられているプールを指定します。
「NSR operation」属性 - デバイスによって現在実行されている操作を指定します。
「minor mode」属性 - デバイスの現在のステータスを報告します。
「statistics」属性 - デバイスの操作に関する統計情報を報告します。統計情報には以下のものがあります。
「elapsed」 - 操作の所要時間
「error」 - エラーの数
「last rate」 - 最後の書き込み速度
「max clients」 - 同時に使用できるクライアントの最大数
「file marks」 - 書き込まれたファイルマークの数
「rewinds」 - 巻き戻しの回数
「files skipped」 - スキップされたファイルの数
「records skipped」 - スキップされたレコードの数
「current file」 - 現在使用しているファイルの番号
「current record」 - 現在使用しているレコードの番号
「seek files」 - 間に存在するファイルに対する相対番号
「seek records」 - 間に存在するレコードに対する相対番号
「estimated kb」 - ボリュームに対して行われた読み書きの量の推定値
「amount kb」 - ボリュームに対して読み書きを行なった k バイト数
「file amount kb」 - このファイルに対して読み書きを行なった k バイト数
「sessions」 - このデバイスに割り当てられている現時点でのセッション数
「cleaning required」属性 - デバイスのクリーニングが必要かどうかを示します。この属性の値を「yes」から「no」に変更した場合、「date last cleaned」属性の値を更新しなければ、「date last cleaned」属性は現在の時刻に設定されます。デバイスのクリーニングがスケジュールされている場合には、この属性は「yes」に設定されます。その後、デバイスのクリーニングが必要であることを示す「device cleaning required」通知が送信されます。
「cleaning interval」属性 - 「date last cleaned」属性の値から、そのデバイスの次のスケジュールされたクリーニングまでの期間を指定します。
「date last cleaned」属性 - デバイスが最後にクリーニングされた時刻と日付を記録します。
「volume block size」属性 - 現在マウントされているボリュームのブロックサイズを指定します。
「volumeid」属性 - 現在マウントされているボリュームのボリューム ID を指定します。
「access count」属性 - Backup デバイスとして構成されてから、このデバイスに対して操作が行われた回数を示します。
「access weight」属性 - デバイスに対して行われる 1 回の操作の重みを示します。デバイスの重みは、そのデバイスが使用されるたびに増えていき、新規の操作の対象として選択される頻度が低くなります。
「consecutive errors」属性 - デバイスで検出された、連続したエラーの現時点での数を指定します。
「max consecutive errors」属性 - 連続エラー数の上限を示します。この数に達すると、デバイスは使用不可能になります。
「operation arg」属性 - デバイス操作に関する追加のパラメータを指定します。パラメータは文字列にパックされ、解析されます。
「volume message」属性 - ボリュームの最後の操作の結果を示します。
「volume write time」属性 - セーブセットがこのボリュームに初めて書き込まれた時刻を示します。
「volume flags」属性 - 「Label」操作または「Label without mount」操作の対象となったボリュームの新しいフラグを示します。
「jukebox device」属性 - メディアデバイスがジュークボックス内にあるかどうかを示します。
「unlabeled volume loaded」属性 - デバイスにロードされているボリュームに、読み取り可能な Backup ボリュームラベルがあるかどうかを示します。
「auto media management」属性 - デバイスの自動メディア管理機能が有効になっているかどうかを示します。この値が「yes」に設定されていると、デバイスにロードされている再利用可能なボリュームは、再利用のために Backup によって自動的にラベルが付け直されることがあります。また、デバイスにロードされているラベルなしのボリュームは、自動的にラベルが付けられることがあります。このデバイスで読み取り可能なラベルが付いていないボリュームは、ラベルを持たないと見なされます。以下の場合にも、ボリュームにはラベルが付いていないと見なされます。
ボリュームに、このデバイスでは読み取り不可能な密度で書き込まれたラベルが付いている場合
ボリュームに、Backup 以外のアプリケーションによって書き込まれたデータが格納されていて、Backup が認識可能なラベルが付いていない場合
「logical name」属性 - 論理デバイスの名前を指定します。
「logical type」属性 - 論理デバイスのタイプを指定します。
「logical family」属性 - 論理デバイスに関連付けられているファミリを指定します。
「connection process id」属性 - 外部のメディア管理サービスとマウントされているボリュームとの間の接続を保持しているプロセス識別子を指定します。
「connection message」属性 - 外部のメディア管理サービスに接続されているプロセスが報告するエラーメッセージを指定します。
「connection status」属性 - 外部のメディア管理サービスに接続されているプロセスが報告する終了ステータスを指定します。
「save mount timeout」属性 - デバイスが置かれているストレージノードに対する最初の保存マウント要求のタイムアウト値を示します。要求が満たされなければ、ストレージノードは「save lockout」属性に指定されている時間 (分単位) だけ、保存の割り当ての対象から除外されます。
「save lockout」属性 - ストレージノードが保存の割り当ての対象から除外される時間を示します。
次に「NSR device」リソースの例を示します。
type: NSR device; name: /dev/nrst8; message: writing, done volume name: mars.017; media family: tape; media type: 8mm 5GB; enabled: Yes; write enabled: Yes; read only: No; target sessions: 4; volume label: mars.017; volume default capacity: ; volume current capacity: 5000 MB; volume expiration: "Thu Sep 21 17:23:37 1996"; volume pool: Default; volume flags: ; volume operation: ; volume write time: ; volume block size: 32 KB; volume id: 32449; accesses: 199; access weight: 1; consecutive errors: 0; max consecutive errors: 20; operation arg: ; volume message: ; NSR operation: ; minor mode: idle; jukebox device: Yes; statistics: elapsed = 257572, errors = 0, last rate = 397, max clients = 3, file marks = 22, rewinds = 4, files skipped = 1976, records skipped = 0, current file = 2389, current record = 162, seek files = 0, seek records = 0, estimated kb = 0, amount kb = 6273, file amount kb = 6273, sessions = 1; cleaning required: No; cleaning interval: 2 weeks; date last cleaned: "Tue Apr 11 15:10:32 1995"; auto media management: No; unlabeled volume loaded: No; logical name: ; logical type: ; logical family: ; connection process id: ; connection message: ; connection status: ; save mount timeout: 30; save lockout: 0; |
「NSR directive」リソースを使用して、保存するファイルと、特定のタイプのファイルに対する特殊な処理指定を制御します。Backup サーバー「 NSR directive」リソースの編集には、「nsradmin 」または 「nwadmin」を使用します。
「NSR directive」リソースには以下の属性があります。
「name」属性 - ディレクティブリソースの名前を指定します。これらの名前は、Backup クライアントリソースの作成または更新の際に選択項目として表示されます。
「directive」属性 - ディレクティブを定義する規則を示します。
次に、NTdirective という名前の「NSR directive 」リソースの例を示します。
type: NSR directive; name: NT directive; directive: " << / >> +skip : core skip : tmp << c:¥usr¥spool¥mail >> mailasm : * << c:¥nsr >> allow "; |
「NSR group」リソースを使用して、Backup クライアントのグループがデータの保存を開始する時刻と、スケジュールされたバックアップを毎日自動的に開始するかどうかを制御します。Backup サーバー「 NSR group」リソースの編集には、「nsradmin 」または 「nwadmin」を使用します。
「NSR group」リソースには以下の属性があります。
「name 属性」 - リソースによって定義されるグループの名前を指定します。この 「name」は「NSR client」リソースと「NSRpool」リソースで選択項目として表示されます。
「autostart」属性 - グループを毎日自動的に保存するかどうかを決定します。「autostart」を使って次の操作を開始できます。
「Enabled」操作で、「start time」属性に指定されている時刻に、グループのメンバーのデータの保存を開始します。
「Disabled」操作で、グループのメンバーに対して指定されている自動保存プロセスを無効にします。
「Start now」操作で、グループのメンバーのデータをただちに保存します。
「autorestart」属性 - 保存操作が完了しなかった場合に、グループに対して自動的に再度、保存操作を開始するかどうかを制御します。
「stop now」属性 - グループの保存プロセスをただちに中止します。
「start time」属性 - グループの保存プロセスを開始する時刻を指定します。
「last start」属性 - グループが最後に保存プロセスを開始した時刻です。
「interval」属性 - グループが自動保存操作を実行する頻度を指定します。
「force incremental」属性 - 「interval」属性が 24 時間未満である場合に、強制的にセーブグループの差分バックアップを行います。
「client retires」属性 - 保存に失敗したクライアントに対する再試行の回数を示します。この回数に達すると、savegrp は保存操作の失敗を通知します。クライアントのセーブセットの再試行は、savegrp コマンドが新しいセーブセットを開始できない場合に行われます。
「clones」属性 - グループの保存の際に、バックアップされる個々のセーブセットについて自動的にクローンを作成します。
「clone pool」属性 - セーブセットのクローンの送信先のプールを指定します。
「options」属性 - グループの保存に使われるオプションを指定します。
「level」属性 - Backup によって自動的に開始されるときに使用されるセーブグループのレベルを示します。この「level」が指定されていない場合は、各クライアントファイルシステムの「NSR Schedule」リソースによってレベルが決まります。
「printer」属性 - ブートストラップセーブセット情報の印刷に使用するプリンタを指定します。
「schedule」属性 - 実行される保存操作のレベルを指定します。
「shedule time」属性 - 保存操作が実行される時刻を指定します。
「inactivity timeout」属性 - savegrp コマンドがサーバーからの処理を待機する時間を指定します。この時間が経過すると、savegrp コマンドの子孫がハングしたと見なされます。
「work list」属性 - まだ完了していない保存操作を示します。このワークリストには、クライアント名、保存のレベル、および保存のパスが示されます。
「completion」属性 - 完了した各セーブセットの状態を示します。
「status」属性 - 「NSR group」の現在の状態を示します。
「idle」 - グループがアクティブでないことを示します。
「running」 - バックアップが実行中であることを示します。
「cloning」 - バックアップは完了しており、クローンの作成中であることを示します。
次に「NSR group」リソースの例を示します。
type: NSR group; name: Default; autostart: Enabled; start time: "3:33"; options: Restartable; printer: lp2; inactivity timeout: 30; work list: mars, incr, /g, mars, incr, index, completion: mars, /, succeeded, "mars: / level=incr, 31 KB 00:01:01 72 files |
「NSR jukebox」リソースには、Backup が「NSR Jukebox」という単一のリソースタイプで認識している各オートチェンジャの物理的特性が記述されます。Backup サーバーの「NSR jukebox」リソースの編集には、「nsradmin 」または 「nwadmin」を使用します。
「NSR jukebox」リソースには以下の属性があります。
「name」属性 - ジュークボックスの名前を指定します。
「model」属性 - ジュークボックスのモデルを指定します。
「physical slots」属性 - ジュークボックス内の最初と最後の物理スロット番号を指定します。最初のスロット番号は最後のスロット番号と同じか小さい番号を指定し、両者は 2 つの別々の属性値として指定します。サイロテープライブラリの場合は、この属性は Backup サーバーに割り当てられているボリュームの数と等しくなります。
「control port」属性 - ジュークボックスの機械的な機構のための制御ポートのパスを指定します。制御コマンドは、制御ポートからジュークボックスに送信されます。サイロテープライブラリの場合は、この属性にはサイロテープライブラリサーバーのホスト名とタイプを指定します。
「devices」属性 - ジュークボックス内に置かれている各デバイスのデバイスパス名を表します。エントリは、ジュークボックス内に物理的にインストールされた順に並べられます。
「number devices」属性 - ジュークボックス内に構成されているデバイスの数を表します。
「write enabled」属性 - マウントされているボリュームへの書き込みが可能かどうかを示します。
「bar code reader」属性 - ジュークボックスがバーコードラベルリーダーを備えている場合に、Backup がメディアのバーコードラベルを使用するかどうかを示します。
「match bar code labels」属性 - Backup が、メディアボリュームにラベルを付けるときに、ラベルテンプレートの代わりにバーコードラベルを使用するかどうかを示します。
「volume expiration」属性 - 現在ラベル付けが行われているボリュームの有効期限、あるいはジュークボックス内のボリュームが外部のメディア管理サービスとの通信を終える時点を指定します。
「available slots」属性 - Backup 要求による書き込みが可能なボリュームを格納しているスロットを指定します。単一のスロット番号で指定するか、2 つのスロット番号をダッシュで区切ったスロット範囲によって指定できます。最初の番号は 2 番目の番号と同じか小さい番号にします。特定のボリュームまたはスロットをマウントする要求への対応には、その物理スロット内のすべてのボリュームが使用できます。
「enabler code」属性 - ジュークボックスリソースに対応する「NSR license」リソースのイネーブラコードを表します。
「operation」属性 - 現在選択されているジュークボックス操作を表します。
「operation message」属性 - ジュークボックス操作が失敗したときに、エラーメッセージを表示します。
「operation device」属性 - デバイス名を現在実行中の操作に渡します。
「operation slots」属性 - スロットを現在実行中の操作に渡します。
「operation options」属性 - ボリュームのモードを現在実行中の操作に渡します。
「operation barcodes」属性 - ボリュームタグまたはバーコードを現在実行中の操作に渡します。
「operation response」属性 - 操作の実行中に行われる質問に対するデフォルトの応答を表します。
「operation report mode」属性 - 操作の実行の際に生成される出力の量を表します。
「operation label state」属性 - ラベル付けされたボリュームに対して行われる操作を指定します。再利用、またはラベルの取り消しのどちらかです。
「operation volume capacity」属性 - ボリュームの容量を指定します。
「operation volume type」属性 - ボリュームの割り当ての際の対象となるボリュームのタイプを指定します。
「operation ineligible」属性 - 現在実行中の操作の対象とならないボリュームを指定します。
「operation task」属性 - 現在実行中の操作とともに実行される二次的なタスクまたは操作を指定します。
「operation result」属性 - 複数の操作についてのエラーメッセージを報告します。この属性は、ジュークボックスに対して実行され、失敗した 32 個の同時操作のエラーメッセージを保持しています。
「operation instance」属性 - 操作に関連付けられているインスタンス番号を指定します。
「operation next instance」属性 - 次の同時操作に関連付けられているインスタンス番号を指定します。
「operation instances」属性 - 現在実行中の同時操作のそれぞれについてのインスタンス番号を指定します。
「operation hostname」属性 - 操作を実行するシステムの名前を表します。この属性は、ホストマシンが「operation device」などの他の属性から推論できるような場合に、複数のホストに接続されるデバイスをサポートしているジュークボックスに使用されます。
「operation template」属性 - ラベル操作で使用するテンプレートを指定します。
「operation volume pool」属性 - ラベル操作でのデフォルトのボリュームプールを指定します。
「operation source pool」属性 - 再利用のためにボリュームの選択が行われるプールを指定します。
「operation uses left」属性 - クリーニングカートリッジを使用できる回数を示します。
「volumes」属性 - 常駐しているボリュームの名前を、スロット番号に対応する順序で指定します。
「volume ids」属性 - 常駐しているボリュームのボリューム識別子 (volid) を指定します。
「volume cartridge ids」属性 - ボリュームが置かれている各カートリッジの識別子を追跡しています。
「loaded volumes」属性 - 現在ジュークボックスデバイスにロードされているボリュームの名前が入ります。
「loaded bar codes」属性 - ロードされているボリュームのバーコードを表します。
「loaded slots」属性 - ロードされているボリュームのスロット番号を表します。
「event tag」属性 - nsrd サービスに送られる最後の通知イベントのタグを指定します。
「event message」属性 - nsrd サービスに送られる最後の通知イベントのテキストを指定します。
「messages」属性 - nsrjb によって完了した前回の操作からのログメッセージを指定します。
「minimum space」属性 - 使用可能なスロットに格納されているボリューム上の残り領域の下限値を指定します。
「jukebox options」属性 - このジュークボックスのオプションを指定します。
「auto clean」属性 - 各デバイスのオートクリーニング機能の有効/無効を指定します。
「cleaning slots」属性 - クリーニングカートリッジのために予約されている、ジュークボックス内のスロットの範囲を表します。2 つのスロット番号を指定し、最初の番号は後の番号と同じか小さい値にします。「auto clean」属性が「yes」に設定されている場合には、この属性に指定されているスロットの範囲には、クリーニングカートリッジと、「available slots」属性で指定されているスロット範囲の両方が含まれているものと見なされます。
「default cleanings」属性 - nsrjb によってジュークボックスのインベントリを作成する際に、新しいクリーニングカートリッジに割り当てられる使用回数を指定します。
「auto media management」属性 - ジュークボックスの自動メディア管理機能が有効になっているかどうかを示します。この値が「yes」に設定されていると、ジュークボックス内のラベルを持たないボリュームは自動的にラベル付けされることがあります。
「STL device names」属性 - サイロテープライブラリの「devices」属性で識別されるデバイスのサイロデバイス名を指定します。
「STL interface lib」属性 - 動的にリンクされるサイロテープインタフェースライブラリのパス名を示します。
「STL device sharing」属性 - デバイス共有がどのように処理されるかを指定します。デバイス共有は、接続されているホスト間で、サイロテープライブラリ内のデバイスの切り替えを負荷に応じて自動的に行う機能です。この属性が perm-max として指定されている場合、perm と max は perm < max の条件を満たす数値で、perm は永久的に予約できるデバイスの数を表します。
「STL barcodes」属性 - サイロテープライブラリ内に置かれている、Backup が使用できるボリュームのバーコードを示します。
「STL device reservation」属性 - サイロテープライブラリ内の共有デバイスの予約状況を指定します。
「application name」属性 - サーバーが、ジュークボックス上のリソースにアクセスするための要求をサブミットするときに、自分自身を OpenVault に対して識別させるために使用する名前を指定します。
「application key」属性 - ジュークボックスのリソースにアクセスするための要求をサブミットするときに、Backup サーバーが、自分自身を OpenVault に対して識別させるために使用するキーを指定します。
「jukebox lock」属性 - 複数の同時操作をサポートしているジュークボックス内のリソースへのアクセスを同期化します。この属性を使って、ジュークボックス全体をロックおよびロック解除することができます。
「device locks」属性 - 複数の同時操作をサポートしているジュークボックス内のデバイスリソースへのアクセスを同期化します。この属性の最初の 2 つの数値はロックされるデバイスの範囲を示し、3 番目の数値はロック操作に割り当てられるインスタンス番号です。
「volume/slot locks」属性 - ジュークボックス内のボリュームおよびスロットのリソースへのアクセスを同期化します。この属性の最初の 2 つの数値はロックされるボリューム/スロットの範囲を示し、3 番目の数値はロックを保持する操作に割り当てられるインスタンス番号です。
次に、Huntington という名前の「NSR jukebox」リソースの例を示します。
type: NSR jukebox; name: Huntington; model: EXB-210; physical slots: 1-11; control port: scsidev@0.6.0; devices: c:¥dev¥rmt¥0mbn, c:¥dev¥rmt¥1mbn; number device: 2; write enabled: Yes; bar code reader: Yes; match bar code labels: Yes; volume expiration: ; available slots: 2-11; enabler code: 012345-6789ab-cdef00; operation: Load; operation device: h:¥dev¥rmt¥0mbn; operation slots: 1-10; operation options: manual; operation barcodes: A01B, A0/3-5/B; operation response: Yes; operation report mode: verbose; operation label state: recycle; operation volume capacity: 10G; operation volume type: 8mm, dlt; operation ineligible: ; operation task: mount after label; operation instance: 3; operation next instance: 2; operation hostname: host1; operation template: default; operation volume pool: NonFull; operation source pool: Default; volumes: venus.001, venus.002, venus.003; volume ids: 24198, 24199, 24200; STL device sharing: 2-4; STL device reservation: ; STL interface lib: h:¥usr¥lib¥libstl.sol; event tag: 6319962287;event message: could not unload device h:¥dev¥rmt¥1mbn; messages: "09/12/97 11:50:56 CREATED"; minimum space: 7g; jukebox options: two_sided; auto clean: Yes; cleaning slots: 1; default cleanings: 12; auto media management: Yes; reset class: initialize unload; jukebox lock: 10; device locks: 1-1-10; volume/slot locks: 1-5-10; |
「NSR label」リソースには、ボリュームラベルを生成するためのテンプレートが記述されます。Backup サーバーの「NSR label」リソースの編集には、「nsradmin 」または 「nwadmin」を使用します。
「NSR label」リソースには以下の属性があります。
「name」属性 - ラベルテンプレートの名前を指定します。
「fields」属性 - ラベルテンプレートを構成するフィールドを指定します。ボリューム名を生成するときには、各フィールドに現在指定されている値が連結されます。区切り文字が定義されている場合には、この区切り文字がフィールドの間に挿入されてボリューム名になります。
フィールドのタイプには、数値の範囲、小文字の範囲、大文字の範囲、および文字列の並びがあります。個々のフィールド位置は「next」属性に指定します。
「separator」属性 - フィールドラベルの区切り文字を指定します。
「next」属性 - 使用する次のボリューム名を指定します。ボリュームに名前が割り当てられたら、次のボリューム名が生成され、ここに格納されます。
次に「NSR label」リソースの例を示します。
type: NSR label; name: engineering; fields: aa-zz, 00-99; separator: .; next: aa.00; |
「NSR license」リソースには、Backup をインストールした時点で有効になっている機能が記述されます。Backup サーバーの「NSR license」リソースの確認には、「nsradmin 」または 「nwadmin」を使用します。
「NSR license」リソースには以下の属性があります。
「name」属性 - ライセンスリソースの名前を指定します。
「enable code」属性 - このリソースで指定されている機能を有効にするために nsrcap コマンドに入力されるコードを指定します。
「host id」属性 - コンピュータ、またはライセンス付与されたオペレーティングシステムに関連付けられている一意のホスト ID を指定します。
「expiration date」属性 - イネーブラが評価イネーブラあるいは未登録のライセンスイネーブラである場合に、イネーブラの有効期限が切れる日付を指定します。
「auth code」属性 - イネーブラを永続的に認証します。イネーブラのための一意の有効な認証コードは、購入した各ライセンスイネーブラを登録すると Sun から入手できます。
サーバーのホスト ID が変わると、すべての認証コードは即座に無効となります。新しい認証コードを入手するには、イネーブラを Sun に登録し直す必要があります。
「license type」属性 - 有効になっている特定の機能を記述します。
「checksum」属性 - NSR ライセンスリソースおよびライセンスリソース間の整合性を保持しています。
次に「NSR license」リソースの例を示します。
type: NSR license; name: Backup Advanced/10; enabler code: 123456-123456-123456; host id: 7260d859; expiration date: Authorized - no expiration date; auth code: abcdef00; license type: B10; checksum: xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx; |
「NSR migration」リソースには、保存するファイル、スケジュール、保存対象からファイルを除外するためのディレクティブ、事前マイグレートするグループファイル、マイグレートの判断に使用する上限値、下限値、アクセスするのにかかる最短時間と最小ファイルサイズ、マイグレート対象に含めるまたは除外するファイルの所有者とグループのリスト、およびマイグレートしないファイル名パターンのリストを指定します。
Backup サーバーの「NSR migration」リソースの編集には、「nsradmin 」または 「nwadmin」を使用します。
「NSR migration」リソースには以下の属性があります。
「name」属性 - このリソースにマイグレート用の属性が格納されている Backup クライアントとセーブセットを表します。
「client」属性 - セーブセットをマイグレート操作の制御下に置く HSM クライアントを表します。
「save set」属性 - 指定されたクライアントについて、マイグレート操作の制御下に置くファイルシステムまたはサブツリーのパス名を指定します。
「enabled」属性 - リソースに指定されているセーブセットを自動的にマイグレートするかどうかを指定します。
「directive」属性 - クライアントに対し、特定のファイルをどのようにマイグレートするかを指示します。選択肢は、既存のディレクティブを使って定義します。
「group」属性 - ここに示すグループ内のクライアントまたはセーブセットが、ステージングされる前のマイグレートファイルの一部となります。
「highwater mark %」属性 - ファイルのスタブによる置き換えが開始されるポイントを指定します。ファイルシステムの使用済み領域の比率で表します。
「low water mark %」属性 - ファイルのスタブによる置き換えが停止されるポイントを指定します。ファイルシステムの使用済み領域の比率で表します。
「last access time」属性 - 指定された相対時間内にアクセスされなかったファイルがマイグレートの対象となります。
「minimum file size (KB)」属性 - ここで指定するサイズよりも大きいファイルをマイグレートするように指示します。
「file owner」属性 - このユーザーの所有するファイルがマイグレートの対象となります。
「file group」属性 - このグループの所有するファイルがマイグレートの対象となります。
「preserve」属性 - クライアントのシェル構文での正規表現を表します。
「statistics」属性 - リソースを使って管理されているセーブセットの最新のマイグレート処理に関する統計情報を指定します。
「update statistics」属性 - このリソースの統計情報を、クライアント上の現在値を反映させて更新すべきかどうかを指定します。
「NSR notification」リソースを使用して、Backup 通知システムによって処理されるイベント、優先順位、およびアクションをそれぞれ組み合わせることができます。Backup 通知は、単一のイベントタイプ、単一の優先順位、および 1 つのメッセージから構成されています。通知システムでは、各メッセージは、イベントタイプと優先順位が指定されている個々の「NSR notification」リソースのアクションに送られます。Backup サーバーの「NSR notification」リソースの編集には、「nsradmin 」または 「nwadmin」を使用します。
「NSR notification」リソースには以下の属性があります。
「name」属性 - 通知リソースの名前を指定します。
「event」属性 - 特定の通知を発行するイベントのクラスを指定します。有効なクラスには以下のものがあります。
「Media」 - メディアマルチプレクササブシステムに関連するイベント
「Savegroup」 - savegrp プログラムによって生成されるイベント
「Index」 - オンラインファイルインデックスサブシステムに関連するイベント
「Registration」 - 製品の登録状態の変更によって引き起こされるイベント
「Server」 - 再起動などの Backup サーバーのイベント
「priority」属性 - 通知を発行する優先順位を指定します。有効な値には以下のものがあります。優先順位の低いものから順に示してあります。
「Info」 - サーバーの現在の状態に関する情報
「Notice」 - 重要な情報
「Waiting」 - サーバーが定型タスクを待機中
「Critical」 - 対処が必要なエラー条件
「Alert」 - ただちに対処すべき重大なエラー条件
「Emergency」 - Backup の操作が失敗する可能性のある重大な条件
「action」属性 - 特定のイベントが起こったときに実行されるコマンド行を示します。
次に「NSR notification」リソースの例を示します。
type: NSR notification; name: savegroup completion; administrator: root; action: h:¥usr¥ucb¥mail -s savegroup completion; event: Savegroup; priority: Info, Notice, Warning, Waiting; |
「NSR policy」リソースを使用して、クライアントのオンラインファイルインデックスにエントリをどれだけの期間残すか、また、セーブセットをいつ再利用可能としてマークするかを制御します。各「NSR client」リソースは、ブラウズポリシーと保持ポリシーの 2 つのポリシーを使用します。各ポリシーには、「period」と「number of periods」を使って一定の時間を定義します。
Backup サーバーの「NSR policy」リソースの編集には、「nsradmin 」または 「nwadmin」を使用します。
「NSR policy」リソースには以下の属性があります。
「name」属性 - このリソースによって定義されるポリシーの名前を指定します。この名前は、各「NSR client」リソースの選択項目として表示されます。
「period」属性 - ポリシーの基本単位を、以下のいずれかの値で指定します。
「Weeks」 - 7 日間
「Months」 - 31 日間
「Years」 - 366 日間
例 : period: Months;
「number of periods」属性 - 使用する基本単位の数を指定します。
次に、Quarter という名前の「NSR policy」リソースの例を示します。
type: NSR policy; name: Quarter; period: Months; number of periods: 3; |
「NSR pool」リソースには、各 Backup プールが記述されます。このリソースによって、ブラウズポリシーと保持ポリシーが決まります。また、ボリュームのセーブセットの特性に基づいて、ボリュームのセーブセットが書き込まれる位置が決まります。
プールには次の 4 つのタイプがあります。
「Backup」プール - savegrp と手動バックアップによって生成されたデータが書き込まれます。
「Archive」プール - アーカイブデータが書き込まれます。
「Backup clone pool」 - バックアッププールのデータのクローンが書き込まれます。
「Archive clone pool」 - アーカイブデータのクローンが書き込まれます。
Backup には、事前に有効になっている 4 つのプールが用意されています。
「Default pool」 - カスタマイズされたプールに送られなかったすべてのバックアップデータが入ります。
「Archive pool」 - カスタマイズされたプールに送られなかったすべてのアーカイブデータが入ります。
「Default clone pool」 - バックアップデータのクローンを格納できます。
「Archive clone pool」 - アーカイブデータのクローンを格納できます。
また、Backup には、デフォルトでは有効になっていないプールもいくつか用意されています。
「Full」プールと「NonFull」プールを使うと、フルレベルバックアップを他のレベルのバックアップから分離することができます。たとえば、フルバックアップと差分バックアップなどです。
「Offsite」プールを使って、オフサイトバックアップを生成します。メディアプールに対してはインデックスエントリは格納されず、通常の復旧の際には参照されません。
Backup サーバーの「NSR pool」リソースの編集には、「nsradmin 」または 「nwadmin」を使用します。
「NSR pool」リソースには以下の属性があります。
「name」 属性 - ボリュームにラベルを付ける際に使用するプールリソースの名前を指定し、セーブセットが置かれるボリュームを決定します。
「groups」属性 - プールに格納可能なグループを指定します。
「clients」属性 - プールに格納可能なクライアントを指定します。グループが指定されている場合には、そのグループのメンバーとなっているクライアントを指定できます。
「save sets」属性 - プールに格納可能なセーブセットを示します。セーブセットには、正規表現による照合を使用できます。
「levels」属性 - 指定されたプールに格納可能なレベルを指定します。
「archive only」属性 - プールをアーカイブ保存専用にします。
「status」属性 - プールの状態を、次のいずれかで示します。
「enabled」 - バックアップボリュームを選択するときに、セーブセットの保存先のプールと見なされます。
「clone」 - クローンの宛先と見なされます。
「disabled」 - 完全に無視されます。
「label template」属性 - プールのボリューム名を生成するときに参照されるラベルテンプレートを指定します。
「devices」属性 - このプール内の、マウントが可能なデバイスボリュームを示します。
「store index entries」属性 - バックアップのためにファイルインデックスに格納されるエントリを指定します。ファイルインデックスにエントリが格納されない場合には、セーブセットのメディアデータベースエントリだけが作成されます。
「auto media verify」属性 - このプールからボリュームに書き込まれるデータを検証します。データの検証は、以前にメディアに書き込まれたデータの部分を読み取れる位置にボリュームを再配置し、読み取ったデータを、書き込まれている元のデータと比較することによって行われます。読み取ったデータが書き込まれているデータと一致していれば、検証は成功で、不一致であれば失敗となります。
「recycle to other pools」属性 - このプールが、再利用可能なボリュームを他のプールに再利用させるかどうかを指定します。
「recycle from other pools」属性 - このプールが、書き込み可能で再利用可能なボリュームを使い尽くしたときに、他のプールのボリュームを再利用できるかどうかを指定します。
「volume type preference」属性 - 書き込み可能なボリュームに対する要求が行われたときの選択ファクタを指定します。ジュークボックスやスタンドアロンデバイスなどの優先されるタイプが先に選択されます。
次に「NSR pool」リソースの例を示します。
type: NSR pool; archive only: No; clients: ; devices: ; groups: ; label template: Default; levels: ; name: Default; save sets: ; status: Enabled; store index entries: Yes; auto media verify: Yes; recycle from other pools: Yes; recycle from other pools: Yes; volume type preference: 4mm; |
「NSR schedule」リソースには、Backup クライアントが保存するデータの量を制御するための一連のレベルが記述されます。各 Backup スケジュールについて 1 つの「NSR schedule」リソースが存在します。
Backup サーバーの「NSR schedule」リソースの編集には、「nsradmin 」または 「nwadmin」を使用します。
「NSR schedule」リソースには以下の属性があります。
「name」属性 - クライアントが使用するスケジュールの名前を指定します。
「period」属性 - スケジュールの期間を指定します。「Week」または「Month」です。
「action」属性 - スケジュール内の保存レベルのシーケンスを指定します。スケジュールの中の 1 日について 1 つのエントリが使用されます。有効なレベルは「full」、「incr」、「skip」、および 1 から 9 までの数値です。「action」属性に期間内のすべての日が指定されていない場合には、アクションリストの終わりに達すると、そのリストが繰り返し使用されます。
「override」属性 - 「action」属性に指定されているアクションを変更するためのアクションと日付のリストを指定します。スケジュール変更の指定の形式は、action date です。
次に「NSR schedule」リソースの例を示します。
type: NSR schedule; name: quarterly; period: Month; action: 5 incr incr incr 9 incr incr; override: f 1/1/1997, f 3/1/1997; |
「NSR Stage」リソースには、Backup サーバーが使用するステージングポリシーが記述されます。Backup サーバーの「NSR Stage」リソースの編集には、「nsradmin 」または 「nwadmin」を使用します。
「NSR stage」リソースには以下の属性があります。
「name」属性 - ステージングポリシーの名前を指定します。
「enabled」属性 - ポリシーに関連付けられているデバイスから、セーブセットを自動的にステージングするかどうかを指定します。また、定期的な領域復旧操作を有効または無効に設定します。
「max storage period」属性 - 特定のボリュームに含まれているセーブセットが別のボリュームにステージングされるまでの最大日数を指定します。
「high water mark %」属性 - セーブセットのステージングが行われる開始点を指定します。これは、ファイルシステムの使用領域の比率で表します。ステージングは下限値に達するまで続けられます。
「low water mark %」属性 - ステージングプロセスを停止する終了点を指定します。これは、ファイルシステムの使用領域の比率で表します。
「Save set selection」属性 - ステージング対象のセーブセットの選択基準を指定します。次の 4 つの値のいずれかです。
「largest save set」
「smallest save set」
「oldest save set」
「youngest save set」
「Destination pool」属性 - セーブセットの送信先のプールを指定します。
「Devices」属性 - デバイスに関連付けられているファイルタイプを指定します。
「Recover space interval」属性 - ファイルデバイスのメディアデータベースにエントリを持たないセーブセットのための領域復旧操作を実行する間隔を時間単位で指定します。
「Fs check interval」属性 - ファイルシステムの確認操作を実行する間隔を時間単位で指定します。
「Start now」属性 - ポリシーに関連付けられているすべてのデバイス上で、選択された操作をただちに開始するように指定します。操作は次のいずれかです。
「Check fs」 - ファイルシステムを確認し、必要に応じてデータをステージングします。
「Recover space」 - メディアデータベースにエントリを持たないセーブセットのための領域を復旧します。
「Stage all save sets」 - すべてのセーブセットを宛先プールにステージングします。
次に「NSR Stage」リソースの例を示します。
type: NSR stage; name: test stage1; autostart: Enabled; max storage period: 7; high water mark (%): 90; low water mark (%): 85; save set selection: largest save set; destination pool: Default Clone; devices:h:¥disk¥fd0; start now: ; |
「NSR」リソースには、Backup サーバーとそのクライアントが記述されます。各リソースは、管理が必要な Backup システムのコンポーネントを表しています。これらのリソースを操作することで、Backup システムを制御できます。ファイルとその中のリソースは、nwadmin および nsradmin プログラムを使ってアクセスできます。また、テキストエディタで見ることもできます。
各リソースは属性のリストによって記述されています。各属性は、名前と、必要な場合には値の並びで構成されています。属性名と属性オプションはコロン (:) で区切り、属性値どうしはカンマ (,) で区切り、各属性はセミコロン (;) で終了します。行の末尾にあるカンマ、セミコロン、またはバックスラッシュ (¥) は、次の行に継続することを示します。
次に、8 つの属性を持つリソースの例を示します。
type: NSR client; name: venus; server: earth; schedule: Default; directive: Unix standard directives; group: Default; save set: All; remote access: ; |
各「NSR」リソースには以下の属性があります。
「type」属性 - リソースが含むことができる属性を定義します。
「name」属性 - リソースが表しているオブジェクトの記述名を指定します。
「administrator」属性 - リソースの変更または削除ができるユーザーを指定します。この属性は、新しいリソースの作成時に、「type: NSR」リソースから継承されます。
「hostname」属性 - 指定されたリソースを制御するサービスが実行されているシステムのホスト名を指定します。
その他の属性 (「ONC program number」、「ONC version number」、および「ONC transport」) には、サービスの Open Network Computing 情報を指定します。
Backup では、以下のタイプのリソースを定義しています。
「NSR」リソースには Backup サーバーを記述します。これには、管理者の権限を制御する属性、進行中の操作に関する情報、および過去の操作に関する統計情報とエラー情報が含まれます。
「NSR client」リソースには Backup クライアントを記述します。これには、保存するファイル、使用するスケジュール、およびこのクライアントが属しているグループを指定する属性が含まれます。
「NSR device」リソースにはストレージデバイスを記述します。これには、特定のデバイス名、メディアタイプ、および現在マウントされているボリュームの名前を指定する属性が含まれます。
「NSR directive」リソースにはディレクティブを記述します。ディレクティブによって、クライアントのファイルを保存する際にどのように処理するかを制御します。
「NSR group」リソースには、Backup クライアントの論理的なグループ分けと、バックアップの開始時刻を指定します。
「NSR jukebox」リソースにはジュークボックスを記述します。これには、ジュークボックスのモデル、ジュークボックス内の最初と最後のスロット番号、およびジュークボックス内のデバイス名などの属性が含まれます。
「NSR label」リソースには、ボリュームにラベルを付けるときに使用される一連の名前が記述されたテンプレートを指定します。
「NSR license」リソースには、現在有効になっている各機能についてのライセンス情報が含まれます。ライセンスが与えられている機能を確認するための各種のイネーブラと認証コードが含まれます。
「NSR notification」リソースには、特定のタイプの Backup イベントが起こったときに実行されるアクションを指定します。
「NSR policy」リソースは、インデックス管理プロセスの一環で使用されます。これらのポリシーによって、クライアントのオンラインファイルインデックスの中にエントリが存在する期間と、セーブセットをいつ再利用可能としてマークするのかを制御します。
「NSR pool」リソースは、保存の特性に基づいて、ボリュームのセーブセットが書き込まれる場所を指定するために使用されます。
「NSR schedule」リソースには、保存レベルのシーケンスとスケジュール変更リストを定義します。スケジュール変更リストは、レベルと日付のペアで構成されています。レベルによって、クライアントがバックアップされるときに保存されるデータの量を制御します。
nsrwatch プログラムでは、カーソルを配置するための termcap 機能を備えた任意のシステムから、Backup サーバーの状態を表示することができます。nsrwatch プログラムは、指定されたサーバーへの遠隔手続き呼び出し (Remote Procedure Calls, RPC) を通じてサーバーの状態に関する情報を取得します。また、nsrwatch プログラムは、ネットワークを通じて Backup サーバーにアクセスできる任意のマシンから呼び出すことができます。特定のサーバーを指定しないと、サーバー選択規則が適用されます。
nsrwatch の表示は、ヘッダーといくつかのパネル (「Server」パネル、「Device」パネル、「Sessions」パネル、「Messages」パネル、「Pending」メッセージパネル) に分かれています。パネルの大きさは、使用する端末やウィンドウの大きさに応じて調節できます。
ヘッダーには、サーバー名と現在の時間が表示されます。「Server」パネルには、サーバーの現在の状態に関する情報 (エラーメッセージ、サーバーの連続稼動時間、このサーバーが使用する Backup ソフトウェアのバージョン) が表示されます。「Device」パネルには、Backup サーバーが認識するすべてのデバイスが表示されます。各デバイスごとに、デバイスタイプ、現在マウントされているボリューム名 (ボリュームがマウントされていない場合は「unmounted」)、そのデバイスの状態が表示されます。デバイス名の後に (J) が記載されている場合は、オートチェンジャまたはサイロ内にあるデバイスを表します。「Sessions」パネルには、アクティブセッションごとに現在のセーブセット情報 (保存、復旧、またはブラウズ) が表示されます。「Messages」パネルには、Backup メッセージの履歴が表示されます。「Pending」メッセージパネルには、手動操作を要求するメッセージが表示されます。
nsrwatch プログラムは、q キー、Control-z キーまたは Control-c キーでプログラムを停止するまで、稼動し続けます。Control-l のキーを押すと、画面がクリアされ、現在の情報が再表示されます。
nsrwatch プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrwatch [-s server] [-p polltime] |
-s server オプションを使用して、ネットワーク上の特定の Backup サーバーを指定できます。
-p polltime オプションを使用して、ポーリング間隔を polltime 秒で設定できます。
nwadmin プログラムは X Window System のアプリケーションで、Backup サーバーの管理と監視に使用します。nwadmin コマンドに -s オプションを使って、管理する Backup サーバーを指定します。このオプションを使わないと、「ユーザーインタフェースの始動」に説明されているサーバー選択の規則に従ってサーバーが選択されます。
nwadmin プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nwadmin [-s server] |
-s server オプションを使用して、ネットワーク上の特定の Backup サーバーを指定できます。
nwarchive プログラムは X Window System のアプリケーションで、nsrarchive プログラムの GUI 版です。nsrarchive プログラムは、手動でファイルを Backup サーバー上にアーカイブするのに使います。アーカイブデータの宛先となる Backup サーバーは、nwarchive コマンドに -s オプションを付けて指定できます。このオプションを使用しないと、「ユーザーインタフェースの始動」で説明されているサーバー選択の規則に従ってサーバーが選択されます。
nwarchive プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nwarchive [-s server] |
-s server オプションを使用して、ネットワーク上の特定の Backup サーバーを指定できます。
nwbackup プログラムは、Backup サーバーの管理と監視に使用する X Window System のアプリケーションで、save プログラムの GUI 版です。管理対象となる Backup サーバーは、nwbackup コマンドに -s オプションを付けて指定できます。このオプションを使わないと、「ユーザーインタフェースの始動」で説明されているサーバー選択の規則に従ってサーバーが選択されます。
nwbackup プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nwbackup [-s server] |
-s server オプションを使用して、ネットワーク上の特定の Backup サーバーを指定できます。
nwrecover プログラムは、Backup サーバーの管理と監視に使用する X Window System のアプリケーションです。復旧する Backup クライアントのデータは、nwrecover コマンドに -c オプションを付けて指定できます。また、復旧するデータを持った復旧元の Backup サーバーは、このコマンドに -s オプションを付けて指定できます。-s オプションを使用しないと、「ユーザーインタフェースの始動」で説明されているサーバー選択の規則に従ってサーバーが選択されます。
nwrecover プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nwrecover [-c client] [-s server] |
-s server オプションを使用して、ネットワーク上の特定の Backup サーバーを指定できます。
-c client オプションを使用して、ネットワーク上の特定の Backup クライアントを指定できます。
nwretrieve プログラムは X Window System のアプリケーションで、nsrretrieve プログラムの GUI 版です。nsrretrieve プログラムは、アーカイブファイルを Backup サーバーから手動で取り出すのに使います。アーカイブデータを持った取り出し元の Backup サーバーは、nwretrieve コマンドに -s オプションを付けて指定できます。このオプションを使わないと、「ユーザーインタフェースの始動」で説明されているサーバー選択の規則に従ってサーバーが選択されます。
nwretrieve プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nwretrieve [-s server] |
-s server オプションを使用して、ネットワーク上の特定の Backup サーバーを指定できます。
この節では、デバイスとメディアの管理に使用する Backup コマンド行のリファレンスを掲載しています。オートチェンジャまたはサイロ内に組み込まれているデバイスに関するコマンドや、スタンドアロンまたはオートチェンジャ内の SCSI デバイスに使用するコマンドもあります。
SCSI デバイスライブラリは、Backup が SCSI デバイスとの通信に使用する一連のインタフェースです。SCSI デバイスの名前は、プラットフォームに依存しない方法で命名します。SCSI デバイスに割り当てられる名前は、基本的には b.t.l を組み合わせたものです。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI 論理ユニット番号 (lun) です。
論理 SCSI バス番号は、特定のプラットフォームのハードウェアバス番号とは関連がありません。この番号は、密度の高い、正の整数のアドレス空間になることがあり、システムのハードウェア設定が同じであれば、システムの再起動を行なってもこの番号に固定されます。ターゲットと lun は、接続されている SCSI 周辺装置とその設定値によって決まります。プラットフォームによっては、SCSI デバイスを動的に追加したり削除したりできるものもありますが、この場合には、キャッシュに書き込まれたデバイス情報をフラッシュさせる必要があります。
通常、デバイスにシステムドライバが組み込まれていない場合は、ユーザーに SCSI デバイスライブラリコマンドを送信するアクセス権が与えられます。デバイスにシステムドライバが組み込まれている場合 (たとえば、テープドライブ) は、コマンドを送信するためにはシステム特権が必要です。
changers プログラムは、システムに接続されている SCSI オートチェンジャを一覧表示します。
changers プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
changers [-dv] [-a b.t.l] |
-d オプションを使用して、オートチェンジャのメディア要素 (たとえば、テープドライブ) の名前とアドレスを表示できます。
-v オプションを使用して、各オートチェンジャについての詳細情報を表示できます。詳細情報としては、オートチェンジャに組み込まれているメディアトランスポート (MT)、ストレージトランスポート (ST)、取り込み/エキスポート (IE)、およびデータトランスポート (DT) の数が表示されます。また、オートチェンジャでサポートされている要素移動マトリックスに関する情報も表示されます。
-a オプションを使用して、情報を表示させるときの、特定の順番に並べられた SCSI アドレスを表示できます。
hpflip プログラムでは、HP の光ディスクドライブから「Vendor Unique」モードページを読み込み、デバイスタイプを OPTICAL か DIRECT ACCESS に切り替えます。通常、ほとんどのシステムには、着脱可能なデバイスタイプである DIRECT ACCESS (通常、512 バイト/セクターフォーマットのディスクに限定されている) を処理できるドライバが組み込まれています。このデバイスタイプのシステムでは、ほとんどの場合、デバイスタイプ OPTICAL 用のデバイスドライバは装備していません。hpflip を使用して、HP の光ディスクドライブのレポート方式を制御し、これによって、デバイスタイプ OPTICAL を有効にします。有効にできない場合には、追加のデバイスドライバが必要です。
hpflip プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
hpflip -a b.t.l [-r] |
必須の -a b.t.l 引数を指定して、特定の順番に並べられた SCSI アドレスを選択します。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です。
オプションの -r 引数を使用して、指定したデバイスを、その現在の状態に関係なく、OPTICAL にリセットできます。-r オプションを指定しないと、デバイスタイプは単に、現在の状態ではない方のタイプに変更されます。
ielem プログラムを使用して、INITIALIZE ELEMENT STATUS コマンドを指定の SCSI デバイスに送信します。
ielem プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
ielem -a b.t.l [-r element-address.number-of-elements] |
必須の -a b.t.l 引数を使用して、特定の順番に並べられた SCSI アドレスを選択します。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です。
使用しているオートチェンジャが「Vendor Unique」にある EXABYTE オートチェンジャの INITIALIZE ELEMENT STATUS コマンドをサポートしている場合は、-r オプションを使用して、指定範囲の要素についてその状態を初期化できます。開始要素の 10 進アドレスと、ユーザーが状態を読み込む要素数を指定します。
Solaris システムの /etc/LGTOuscsi にある inquire プログラムを使用すると、使用可能な SCSI デバイスが一覧表示されます。inquire プログラムは、指定された SCSI デバイス (-a オプションで指定した場合)、あるいはシステムに接続されているすべての SCSI デバイスの INQUIRY データを戻します。
inquire プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
inquire [-c] [-a b.t.l] |
オプションの -a b.t.l 引数を入力して、特定の順番に並べられた SCSI アドレスを選択できます。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です。
オプションの -c 引数を入力して、INQUIRY コマンドを強制的に送信できます。これによって、古くなっている可能性があるキャッシュに書き込まれたデータを取り出すことはなくなります。
inquire プログラムは、組み込みのシステムドライバを使用して SCSI デバイスをテストします。inquire プログラムによって出力されたデバイスタイプまたはパス名が、特別なサン以外のメーカーのドライバを必要とするデバイスには適していない場合があります。
inquire プログラムは、HP-UX システムではサポートされていません。
jb_config プログラムには、Backup で使用するオートチェンジャリソースを構成するための対話型スクリプトがあります。jb_config プログラムを実行するためには、Backup サーバーまたはストレージノード上で nsrd デーモンが稼働している必要があります。
このスクリプトは、定期的に、ユーザーから応答が入力されるまで一時停止します。中括弧内に表示されているデフォルトの選択肢を受け入れる場合は、Return キーを押します。デフォルト以外の値を入力する場合は、その値を入力してから Return キーを押します。
オートチェンジャを構成したのち、nsrcap コマンドまたは「Registration」ウィンドウを使用して、オートチェンジャソフトウェアモジュールのイネーブラコードを入力します。Backup に使用するオートチェンジャごとに、別々のイネーブラが必要です。
ldunld プログラムは、指定したテープデバイスに LOAD コマンドまたは UNLOAD コマンドを送信し、メディアのロードとアンロードを行います。
ldunld プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
ldunld {-u | -l} -a b.t.l |
次の 3 つのコマンドオプションがあります。
必須の -a 引数は、特定の順番に並べられた SCSI アドレスを選択するために使用します。
オプションの -l 引数は、メディアをデバイスにロードする場合に使用します。
オプションの -u 引数は、メディアをデバイスからアンロードする場合に使用します。
libsji プログラムを使って、標準ジュークボックスインタフェース (Standard Jukebox Interface, SJI) ライブラリを指定します。SJI ライブラリの格納場所は、プラットフォームによって異なります。
SJI ライブラリとは、Backup がジュークボックスとの通信に使用する公共のインタフェースセットです。通常は、このライブラリを使って、Backup によって生成された SJI コマンドを適切な SCSI コマンドに変換します。このインタフェースは、ジュークボックスとの基本的な接続を行うためのものではありません。
SJI ライブラリへのエントリポイントは、次の 3 つがあります。
void * sji_open (char * device-name)
sji_open エントリポイントは、device-name に指定される SJI 準拠のジュークボックスへのチャネルを開きます。成功すると、タイプ void * のチャネルトークンが戻ります。失敗すると、NULL トークンが戻ります。デバイス名は、順番に並べられた SCSI タイプで表します (たとえば、scsidev@b.t.l)。また、Sun のデバイスドライバを使用していないプラットフォームでは、プラットフォーム固有の形式のデバイス名 (たとえば、/dev/sjid1u1) にすることも可能です。
int sji_cmd (void *token, int cmd, void *arg)
sji_cmd エントリポイントは、sji_open によって開かれたデバイスに SJI コマンドを送信します。
void sji_close (void *token)
sji_close エントリポイントは、sji_open によって開かれたデバイスに対するチャネルを閉じます。
使用できるコマンドとその引数の数は多いので、ここに一覧を掲載することはできません。これらのインタフェースの詳細は、sji@legato.com まで電子メールで請求してください。
lrescan プログラムは、SCSI ライブラリに、可能な場合はキャッシュに書かれた情報を破棄し、新しいデバイスでもう一度読み取るように命令します。
lreset プログラムは、SCSI ライブラリに、指定した論理 SCSI バスをリセットするように指示します。このコマンドを実行するには、管理特権を持っている必要があります。このコマンドの形式は次のとおりです。
lreset busnumber |
lreset コマンドによって SCSI バスがリセットされるため、このコマンドが原因で重要なデータが破損される場合があります。また、このコマンドにより、システムに障害が発生することもあります。この lreset コマンドは、応答のない処理を終了するための最後の手段として使用してください。
lusbinfo プログラムは、システムに接続されている SCSI バスに関する限定された量の情報を出力する場合に使用します。オプションの -v 引数を使用すると、SCSI バスに接続されているデバイスに関する詳細な情報も出力されます。lusbinfo プログラムに使用する形式は、次のとおりです。
lusbinfo [-v] |
lusdebug プログラムは、Backup SCSI デバイスドライバにデバッグレベルを設定する場合に使用します。デバッグレベルを 0 (ゼロ) にすると、デバッグ機能がオフになります。整数を大きくすればするほど、デバッグ情報のレベルも高くなります。無効なデバッグレベルを入力すると、lusdebug プログラムは、デフォルトのデバッグレベルである 0 に設定されます。lusdebug プログラムに使用できる形式は、次のとおりです。
lusdebug debug-level |
lusmode プログラムは、システムに接続されている SCSI デバイスに関する大量の MODE 情報を出力する場合に使用します。
msense プログラムは、指定した SCSI デバイスに MODE SENSE コマンドを送信する場合に使用します。また、msense プログラムは、pmode コマンドへの入力としてインデントされます。
msense プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
msense -a b.t.l. [-p pagecode] |
必須の -ab.t.l 引数は、特定の順番に並べられた SCSI アドレスを選択するために使用します。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です。
オプションの -p 引数は、特定のモードページを選択する場合に使用します。特定のモードページを指定しないと、すべてのページが読み出されます (コード 0x3f)。pagecode 引数は、16 進数で指定します。
nsrjb プログラムは、Backup サーバーのオートチェンジャを管理する場合に使用します。nsrmm コマンドではなく nsrjb コマンドを使用して、オートチェンジャ内に組み込まれているボリュームに対してラベル付け、ロード、アンロードの操作を行います。一度にオートチェンジャにアクセスできる nsrjb コマンドは 1 つだけです。
nsrjb プログラムは、オプション -j、-f、または volume_name に基づいて、使用するオートチェンジャを判別します。これらの 1 つまたは複数のオプションを使ってもオートチェンジャを一意に識別できないのに、1 つのオートチェンジャを選択しなければならない場合は、nsrjb プログラムは、オートチェンジャを選択するようにユーザーに要求します。別の方法として、環境変数 NSR_JUKEBOX に、nsrjb プログラムのデフォルトとして使用させるオートチェンジャ名を設定することもできます。
nsrjb プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrjb [-C] [-j autochanger-name] [-v] [-f media-device] [-S slots] [volume-name] nsrjb -L [-j autochanger-name] [-gnqvM] [-R | -B] [-Y | -N] [-b pool] [-f media device] [-e expire] [-c capacity] [-o mode] [-S slots | -T tags] [volume-name] nsrjb -l [-j autochanger-name] [-nvqrMR] [-f media-device] {-S slots | -T tags | volume-name} nsrjb -u [-j autochanger-name] [-qvM] [-f media-device] [-S slots -T tags] [volume-name] nsrjb -I [-j autochanger-name] [-Ev] [-f media-device] [-S slots | -T tags] nsrjb -p [-j autochanger-name] [-v] [-f media-device] [-S slots -T tags] nsrjb -o mode [-j autochanger-name] [-Y] {-S slots | media device} nsrjb -H [-j autochanger-name] [-E] [-v] nsrjb -h [-j autochanger-name] [-v] nsrjb -U uses [-j] [-S slots | -T tags] nsrjb -V [-j autochanger-name] [-v] nsrjb -d [-j autochanger-name] [-v] [-S slots] [-P port] [volume-name] nsrjb -w [-j autochanger-name] [-v] [-S slots] [-P port] [volume-name] nsrjb -a [-j autochanger-name] [-v] -T tags nsrjb -x [-j autochanger-name] [-v] -T tags nsrjb -F [-j autochanger-name] [-v] -f media-device |
-b オプションを使用すると、ボリュームを割り当てるプールを指定できます。このオプションを省略すると、ボリュームには「Default」プールが割り当てられます。
-B オプションを使用すると、ボリュームに判読可能な Backup ラベルが付けられていないことを確認できます。このオプションが指定されていて、Backup にラベルが付いている場合は、ラベル付け処理はキャンセルされ、エラーメッセージが表示されます。
-c オプションを使用すると、ボリュームのデフォルト機能を無効にできます。
-C オプションを使用すると、オートチェンジャの現在選択されているボリュームと、それに関連付けられているデバイスを表示できます。-C オプションを指定しても、インベントリは作成されません。
-d オプションを使用すると、カートリッジアクセスポートからカートリッジを格納 (ジュークボックスにロード) できます。
-e オプションを使用すると、ボリュームのデフォルトの有効期限を無効にできます。
-E オプションを使用すると、この機能を使用するオートチェンジャの要素状態を初期化できます。このオプションは、-I オプションまたは -H オプションとともに使用できます。
-f オプションを使用すると、ジュークボックスのコントロールポートの代わりにメディアデバイスを指定できます。ジュークボックスリソース内に表示されるメディアデバイスのパス名を使用します。
-h オプションを使用すると、過去に使用された 100 個のオートチェンジャコマンドの動作とその結果を表示できます。
-H オプションを使用すると、オートチェンジャハードウェア (およびオートチェンジャを表わす Backup データベース) を一定の状態にリセットできます。オートチェンジャの転送がクリアされ、ボリュームがマウント解除され、ドライブからスロットにアンロードされます。インベントリは作成されません (-I オプションを参照)。インベントリが古くなると、オートチェンジャからメッセージが出力されます。
-I オプションを使用すると、オートチェンジャの搭載メディアでインベントリが作成されます。指定されたスロット内のボリュームがデバイスにロードされ、そのラベルが読み込まれます。このオプションは、スロット番号とボリューム名が適切に対応しているかを確認する場合にも使用されます。このオプションを実行すると長時間かかることがあります。
要素状態確認機能を備えたジュークボックスでは (たとえば、EXB-120、EXB-60、または HP の光ディスクモデル)、-I オプションと -E オプションを使用して、オートチェンジャのインベントリ状態を初期化し直すことができます。-E オプションを使用すると、ハードウェアは、すべてのスロットとドライブを含む全コンポーネントを検査するため、オートチェンジャのインベントリ作成にかかる時間が長くなります。このオプションを使用するのは、メディアを手動でオートチェンジャ内にスワップインまたはスワップアウトした場合だけです。
クリーニングカートリッジ用に予約されているスロットにあるボリュームは、インベントリ作成時にはロードされません。使用しているオートチェンジャが要素状態確認機能またはバーコードリーダー機能をサポートしていない場合は、-U オプションを使用してクリーニングカートリッジをオートチェンジャのインベントリに入力する必要があります。使用しているオートチェンジャが上記機能のどちらもサポートしていない場合は、クリーニングカートリッジはインベントリ内で「cleaning tape」というボリューム名で表示されます。
-j オプションを使用すると、nsrjb プログラムが使用する特定のオートチェンジャを指定できます。ここで指定する名前は、オートチェンジャに NSR ジュークボックスリソースを作成した時に割り当てた名前です。-j オプションを使用すると、NSR_JUKEBOX 環境変数は無効になります。
-l オプションを使用すると、ボリュームのロードとマウントを実行できます。ここでは、ボリューム名またはスロット番号も同時に指定する必要があります。
-L オプションを使用すると、指定したスロット内のボリュームにラベルを付けることができます。スロットを指定しないと、オートチェンジャ用の「NSR」ジュークボックスリソース内に記載されているスロットの範囲が使用されます。オートチェンジャにバーコードラベルリーダー属性の「bar code reader」と「NSR」ジュークボックスリソース属性の「match bar code labels」が設定されている場合は、ボリュームラベルは、メディア上のバーコードラベルから生成され、メディアのバーコードラベルが Backup メディアデータベース内に格納されます。「NSR」ジュークボックスリソース属性の「match bar code labels」が設定されている場合は、ボリュームラベルはラベルテンプレートから生成されますが、メディアのバーコードラベルは Backup メディアデータベース内に格納されるため、インベントリ処理中でも使用できます。クリーニングカートリッジ用に予約されているスロット内のボリュームには、ラベルを付けることはできません。
-n オプションを -l オプションとともに使用すると、ボリュームをマウントせずに、ロードできます。このオプションを使用すると、nsrjb プログラムは、Backup 以外のボリュームが入っているオートチェンジャを制御できます。
-N オプションを、-LR オプションとともに使用すると、確認プロンプトを表示しないように nsrjb に指示できます。Backup がボリュームを再利用すると、通常は、再利用不可能とみなされたボリュームを上書きしてもよいかどうかを確認するためのプロンプトが表示されます。
-o オプションを使用すると、ボリュームのモードまたはスロットの範囲を設定できます。[not]recyclable、[not]readonly、[not]full、[not]manual のモード値から選択します。[not]manual モードは、-l オプションとともに使用する場合にのみ有効です。-Y オプションを指定しないと、ボリュームごとに処理を確認するためのプロンプトが表示されます。ボリュームごとのフラグの説明は、「nsrim 」を参照してください。
-p オプションを使用すると、ボリュームのラベルを確認し、出力できます。
-P オプションを使用すると、ボリュームをロードまたはアンロードする CAP を指定できます。
-q オプションを使用すると、nsrjb プログラムをクワイエットモードで実行できます。このオプションは、-L、-l、および -u オプションとともに使用します。
-R オプションを使用すると、ボリュームを再利用できます。ボリュームが再利用可能な場合は、再利用処理を確認するプロンプトは表示されません。
-r オプションを使用すると、ボリュームを読み取り専用としてロードできます。このオプションは、-l オプションとともに使用します。
-S オプションを使用すると、操作対象のスロットまたはスロットの範囲を指定できます。-S と -u オプションでは 1 つのスロットしか指定できませんが、これ以外のオプションではスロットの範囲で指定できます。スロットの範囲は、小さい整数から大きな整数の順に指定します。オートチェンジャが指定されているジュークボックスリソースに対してこの範囲で妥当性が検査されます。一度に指定できるスロット範囲は 1 つだけです。
-u オプションを使用すると、デバイスまたはスロットからボリュームをアンロードできます。
uses 引数を指定して -U オプションを使用すると、クリーニングカートリッジを使用できる回数を設定できます。また、-T オプションを同時に使用すると、サイロにクリーニングカートリッジを追加できます。また、このオプションにより、それぞれのクリーニングカートリッジを追加するサイロ内のスロットを予約できます。
-v オプションを使用すると、コマンドの実行に関して冗長モードで情報を表示するように nsrjb に指示できます。
-V オプションを使用すると、ベンダー固有の状態確認情報を表示できます。-V オプションと -v オプションを組み合わせると、オートチェンジャの構成情報も表示されます。
-w オプションを使用すると、カートリッジを CAP から取り外す (ジュークボックスからアンロードする) ことができます。
-Y オプションを使用すると、確認プロンプトを無効にできます。
以下のオプションは、サイロテープライブラリ (Silo Tape Library, STL) に対してのみ有効です。
-a オプションを -T オプションとともに使用すると、Backup サーバーまたはストレージノードが使用する STL 内にボリュームを割り当てることができます。Backup で使用するためのラベルを付ける前に、ボリュームを割り当てる必要があります。サイロの入出力ポートを使ってテープの格納 (取り込みまたは挿入ともいわれる) をサポートするサイロに対しては、-d オプションを付加できます。-d オプションは、コマンド行で -a オプションの後に入力します。この機能は、通常、サイロ管理ソフトウェアが処理しますが、使いやすいように、ここで提供されています。格納オプションは、Backup がサポートするすべてのサイロ上でサポートされているわけではありません。Backup サーバーが使用可能な STL のボリュームリストからボリュームを削除する方法については、-x オプションを参照してください。
-F オプションを使用すると、1 つの STL 内に組み込まれている共有デバイスを解放できます。このオプションは、共用デバイスをサポートするテープライブラリに対してのみ使用できます。
-T オプションを使用すると、STL に組み込まれているボリュームのタグまたはバーコードを指定できます。1 つのボリュームタグ、または、通常の Backup ラベルテンプレートに類似したボリュームタグテンプレートを指定できます。ボリュームタグテンプレートはテンプレートフィールドをスラッシュ (/) で区切って指定するのに対し、Backup ラベルテンプレートは英数字、アルファベット、または数字で指定します。
-x オプションを -T オプションとともに使用すると、Backup サーバーまたはストレージノードが使用可能な STL のボリュームリストからボリュームを削除できます。サイロの入出力ポートを使ってテープの取り外しまたは取り出し機能をサポートするサイロに対しては -w オプションを追加することも可能です。-w オプションは、コマンド行で -x オプションの後に入力します。この機能は、通常、サイロ管理ソフトウェアが処理しますが、使いやすいように、ここで提供されています。取り出しオプションは、Backup がサポートするすべてのサイロでサポートされているわけではありません。Backup サーバーが使用可能な STL のボリュームリストにボリュームを割り当てる方法については、-a オプションを参照してください。
nsrmm プログラムによって、Backup サーバーまたはストレージノードが使用するメディアデバイスとバックアップデバイスを管理するためのコマンド行インタフェースが提供されます。
nsrmm プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrmm [-C] [-v | -q] [-s server] [-f device] nsrmm -m [-v | -q] [-s server] [-f device] [-r] [volume-name] nsrmm -l [-v | -q] [-s server] [-f device] [-myB] [-e expiration] [-c capacity] [-o mode] [-b pool] [-R | volume-name] nsrmm {-u | -j} [-v | -q] [-s server] [-y] [-f device | volume-name] nsrmm -p [-v | -q] [-s server] [-f device] nsrmm {-d | -o mode} [-v | -q] [-s server] [-Py] [S ssid[/cloneid] | -V volume-id | volume-name...] |
-B オプションを使用すると、ラベルを付けるボリュームに読み取り可能な Backup ラベルが付いていないことを確認できます。このオプションが指定されていて、ボリュームに有効な Backup ラベルが付いている場合は、ラベル付け処理はキャンセルされ、エラーメッセージが表示されます。
-b pool オプションを使用すると、ボリュームを割り当てるプールを指定できます。このオプションを省略すると、ボリュームは自動的に Default プールに割り当てられます。プール名を指定してボリューム名を指定しないと、プールのラベルテンプレートリソースに関連付けられている次のボリューム名が使用されます。
-C オプションを使用すると、Backup の構成デバイスと現在これらのデバイスにマウントされているボリュームの一覧を表示できます。この情報はサーバーのインベントリから収集され、実際にボリュームに対して処理を行うわけではありません。この点が、後述する -p オプションとは異なります。-C オプションは、デフォルトです。
-c オプションを使用すると、ボリュームのデフォルト機能を無効にできます。Backup は、通常、デバイスのタイプに基づいて組み込みのデフォルト機能を使用します。デバイスタイプの指定の形式は、number multiplier です。number には、整数または小数点以下 3 桁の実数値を指定します。multiplier は、「K」(1024 バイト)、「M」(1000K)、または「G」(1000M) のいずれかです。ここでは、小文字は、特別な文字として使用できます。
-d オプションを使用すると、クライアントファイルインデックスとメディアデータベースのエントリを、Backup データベースから削除できます。この処理では、ボリュームに格納されているデータは削除されず、Backup が使用する、ボリュームとそのボリュームに格納されているユーザーファイルへのリファレンスがすべて削除されます。このオプションを使用して、Backup データベースのサイズを制御できます。
-e expiration オプションを使用すると、ボリュームにラベルを付け直すまでの有効期限を設定できます。このオプションにより、デフォルトのラベル有効期限 (2 年間) が無効になります。有効期限の値は、特別な値「forever」で入力します。この「forever」は、マイグレートとアーカイブのボリュームに使用され、ボリュームラベルが永久に期限切れにならないことを意味します。
-f device オプションを使用すると、デバイスを明示的に指定できます。複数のデバイスが構成されている場合は、nsrmm プログラムは、デフォルトで最初のデバイスを選択します。
-j オプションを使用すると、デバイスからボリュームを取り出すことができます。この処理は、可能な場合にボリュームが物理的にもデバイスから取り出されること以外は、マウント解除の処理と似ています。このオプションは、多数のデバイスとメディアタイプでは使用できません。
-l オプションを使用すると、Backup が認識し、使用できるように、ボリュームにラベルを付けることができます。オペレータまたはオートチェンジャによって物理的にデバイス内にボリュームをロードしてから、ラベル付け処理を進める必要があります。
-m オプションを使用すると、デバイス内にボリュームをマウントできます。マウント処理は、ボリュームがデバイス内に配置され、ラベル付けが行われてから実行されます。つまり、マウントできるのは、ラベルの付いたボリュームだけです。ラベル付け処理とマウント処理を組み合わせて、1 つのコマンド行に指定できます。
-o mode オプションを使用すると、ボリューム、セーブセット、またはセーブセットインスタンス (クローン) のモードを設定できます。[not]recyclable、[not]readonly、[not]full、[not]manual、[not]suspect から有効なモードを 1 つ選択します。[not]recyclable モードは、ボリュームまたはセーブセットには使用できますが、クローンには使用できません。-l オプションとともに使用できるモードは、[not]readonly、[not]full、[not]manual モードだけです。[not]suspect モードは、クローンだけに使用できます。ssid/cloneid を指定して -S オプションを使用する場合は、[not]suspect モードを指定する必要があります。ssid だけを指定して -S オプションを使用する場合は、[not]suspect モードを指定する必要はありません。特性のセーブセットクローンからデータを復旧しようとしている時に recover 処理にメディアエラーが発生した場合は、suspect フラグが自動的に設定されます。
-P オプションは、-d オプションとともに使用することにより、メディアデータベース内のエントリを削除せずに、対応するクライアントファイルインデックスのエントリを削除できます。このようにすると、scanner コマンドを使用して、ファイルインデックスエントリを復旧できます。
-p オプションを使用すると、ボリュームのラベルを確認して出力できます。このオプションを使用すると、マウントされているボリュームがマウント解除され、そのラベルが確認されます。
-R オプションを使用すると、ボリュームにラベルを付け直すことができます。このオプションでは、ボリュームのラベルを書き直し、ボリューム上に保存されているユーザーファイルすべてのクライアントファイルインデックスのエントリを削除します。ボリュームの使用情報の一部も保持されます。
-r オプションを使用すると、ボリュームを読み取り専用としてマウントできます。「full」とマーク付けされたボリュームと、-o オプションで読み取り専用モードに設定されたボリュームは、自動的に読み取り専用としてマウントされます。
-s server オプションを使用すると、Backup サーバーを指定して、そのサーバーで nsrmm を呼び出すことができます。
-S ssid オプションと -o オプションを組み合わせて使用すると、Backup データベースのセーブセットを変更できます。-S ssid オプションと -d オプションを組み合わせて使用すると、Backup データベースからセーブセットを削除できます。セーブセットは、ssid によって指定します。セーブセットインスタンス (クローン) を指定するには、-o オプションで ssid/cloneid 形式を使用します。mminfo プログラムを使用すると、ssid 値 と cloneid 値を設定できます。
-u オプションを使用すると、ボリュームをマウント解除できます。ボリュームをそのデバイスからアンロードする前に、必ずボリュームをマウント解除します。
-V volid オプションを -d オプションとともに使用すると、Backup サーバーのメディアデータベースからボリュームを削除できます。mminfo プログラムを使用すれば、ボリューム ID の値を設定できます。
-v オプションを使用すると、nsrmm プログラムを冗長モードで実行できます。
-y オプションを使用すると、nsrmm プログラムがデータを破壊する可能性のある処理を実行する際に表示される確認プロンプトをオフにできます。このオプションは、細心の注意を払って使用してください。
pmode プログラムは、msense プログラムを使って得られたデータ出力を構文解析し、ユーザーが読める書式で出力します。
pmode プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
pmode [-f filename] |
-f filename を使用すると、pmode プログラムに使用する入力ファイル (msense プログラムからのファイル出力) を指定できます。入力を指定しないと、標準入力とみなされます。
pmode プログラムからの出力は、次のようになります。
mars# msense -a 0.0.0 -p 0x03 | pmode Mode Header: mdl=35 mtype=0x0 dparm=0x10 bdlen=8 Block Desc[0]: dens=0x0 nblks=3933040 blklen=512 Fixed Page, code 0x03 (Format Device): tracks_per_zone: 0xf alt_sectors_per_zone: 0x22 alt_tracks_per_zone: 0x0 alt_tracks_per_vol: 0x0 sectors_per_track: 0x5e data_bytes_per_sect: 0x200 interleave: 0x1 track_skew_factor: 0x8 cylinder_skew_factor: 0x11 SSEC: 0x0 HSEC: 0x1 RMB: 0x0 SURF: 0x0 |
relem プログラムは、READ ELEMENT STATUS コマンドを、すべてのチェンジャまたは (-a オプションを使用して) 指定したデバイスに送信する場合に使用します。
relem プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
relem [-a b.t.l] [-fvtb] [-m {0|1|2}] [-r element-address.number-of-elements] |
-a b.t.l オプションを使用すると、特定の順番に並べられた SCSI アドレスを選択できます。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です (たとえば、scsidev@0.4.0)。
-b オプションは、戻された要素状態データを、デコードされた情報ではなく、ASCII の 16 進コードでダンプする場合に使用します。
-f オプションを使用すると、詳細な出力を受信できます。
-m{0|1|2} オプションを使用すると、要素状態データを取得するための方法を指定できます。-m 1 を指定すると、要素状態データは要素タイプごとに取り出されます。たとえば、すべてのドライブ要素が一度に読み込まれ、次に、すべてのスロット要素が読み込まれるという具合にデータが取得されます。デフォルトのメソッド -m 2 を指定すると、要素状態データは要素ごとに取り出されます。
-r element-address.number-of-elements オプションを使用すると、アドレスの範囲を指定して読み込むことができます。element-address には、読み込みを開始する要素の (オートチェンジャの数字列の) 開始アドレスを 10 進数で入力します。また、number-of-elements には、読み込む要素状態の数を入力します。
-t オプションを使用すると、検出されたボリュームタグを出力できます。
sjidopen プログラムは、SJI 準拠のオートチェンジャ上で SJIDOOROPEN コマンドのテストを行います。SJIDOOROPEN コマンドは、オートチェンジャへのメインドアの開閉機能をテストする場合に使用します。オートチェンジャがこの機能をサポートしていない場合は、エラーメッセージが戻ります。sjidopen プログラムの適切な使用方法は、次のとおりです。
sjidopen device-name |
sjidopen プログラムで使用する device-name オプションには、システムによって駆動される SJI 準拠のオートチェンジャで使用される任意のデバイス名を、通常は b.t.l の形式で指定します。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です (たとえば、scsidev@0.4.0)。
sjiielm プログラムは、SJI 準拠のジュークボックス上で SJIIELEM コマンドのテストを行います。SJIIELEM コマンドは、オートチェンジャの Initialize Element Status インタフェースをテストする場合に使用します。オートチェンジャが要素状態確認機能をサポートしていない場合は、エラーメッセージが戻ります。sjiielm プログラムの適切な使用方法は、次のとおりです。
sjiielm device-name [{drive | slot | inlt | mt} address number-of-elements] |
sjiielm プログラムで使用する device-name オプションには、システムによって駆動される SJI 準拠のオートチェンジャで使用される任意のデバイス名を、通常は b.t.l の形式で指定します。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です (たとえば、scsidev@0.4.0)。
次に記載する追加オプションは、特定範囲の要素の初期化をサポートするオートチェンジャで使用する場合に使用します。オートチェンジャがこの機能をサポートしている場合は、次の要素タイプの中から 1 つを選択します。
sjiinq プログラムは、SJI 準拠のオートチェンジャで SJIINQ コマンドのテストを行います。SJIINQ コマンドは、オートチェンジャを識別する文字列を戻します。オートチェンジャがこの機能をサポートしていない場合は、エラーメッセージが戻ります。sjiinq プログラムの使用方法は、次のとおりです。
sjiinq device-name |
sjiinq プログラムで使用する device-name オプションには、システムによって駆動される SJI 準拠のオートチェンジャで使用される任意のデバイス名を、通常は b.t.l の形式で指定します。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です (たとえば、 scsidev@0.4.0)。
sjirdp プログラムでは、SJI 準拠のオートチェンジャ上で SJIRDP コマンドのテストを行います。SJIRDP コマンドは、オートチェンジャから SJI の順番を示すデバイス位置を読み込む場合に使用します。sjirdp プログラムの使用方法は、次のとおりです。
sjirdp device-name |
sjirdp プログラムで使用する device-name オプションには、システムによって駆動される SJI 準拠のオートチェンジャで使用される任意のデバイス名を、通常は b.t.l の形式で指定します。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です (たとえば、scsidev@0.4.0)。
通常、SJIRDP コマンドからの出力は、次の例のようになります。
scsidev@0.4.0 has 2 DATA TRANSPORT Elements starting at address 1 scsidev@0.4.0 has 1 MEDIA TRANSPORT Element starting at address 1 scsidev@0.4.0 has 25 STORAGE Elements starting at address 1 scsidev@0.4.0 has 1 IMPORT/EXPORT Element starting at address 1 |
sjirdtag プログラムでは、SJI 準拠のオートチェンジャ上で SJIRTAG コマンドのテストを行います。SJIRTAG コマンドは、オートチェンジャから、メディアの有無およびタグデータを読み込む場合に使用します。sjirdtag プログラムの使用方法は、次のとおりです。
sjirdtag device-name |
sjirdtag プログラムで使用する device-name オプションには、システムによって駆動される SJI 準拠のオートチェンジャで使用される任意のデバイス名を、通常は b.t.l の形式で指定します。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です (たとえば、scsidev@0.4.0)。
通常、SJIRTAG コマンドからの出力は、次の例のようになります。
Tag Data for 0.4.0, Element Type DATA TRANSPORT: Elem[001]: tag_val=0 pres_val=1 med_pres=1 med_side=0 Tag Data for 0.4.0, Element Type STORAGE: Elem[001]: tag_val=0 pres_val=1 med_pres=1 med_side=0 Elem[002]: tag_val=0 pres_val=1 med_pres=1 med_side=0 Elem[003]: tag_val=0 pres_val=1 med_pres=1 med_side=0 Elem[004]: tag_val=0 pres_val=1 med_pres=1 med_side=0 Elem[005]: tag_val=0 pres_val=1 med_pres=0 med_side=0 Elem[006]: tag_val=0 pres_val=1 med_pres=1 med_side=0 Elem[007]: tag_val=1 pres_val=1 med_pres=1 med_side=0 VolumeTag=<00000098> Tag Data for 0.4.0, Element Type MEDIA TRANSPORT: Elem[001]: tag_val=0 pres_val=1 med_pres=0 med_side=0 |
sjirelem プログラムでは、SJI 準拠のオートチェンジャ上で SJIRELEM コマンドのテストを行います。SJIRELEM コマンドは、オートチェンジャから、メディアの有無と元のデータを読み込む場合に使用します。sjirelem プログラムの使用方法は、次のとおりです。
sjirelem device-name |
sjirelem プログラムで使用する device-name オプションには、システムによって駆動される SJI 準拠のオートチェンジャで使用される任意のデバイス名を、通常は b.t.l の形式で指定します。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です (たとえば、scsidev@0.4.0)。
通常、SJIRELEM コマンドからの出力は、次の例のようになります。
Element Data for 0.4.0, Element Type DATA TRANSPORT: Elem[001]: pres_val=1 med_pres=1 med_side=0 Origin: type STORAGE, address 5 Element Data for 0.4.0, Element Type STORAGE: Elem[001]: pres_val=1 med_pres=1 med_side=0 Elem[002]: pres_val=1 med_pres=1 med_side=0 Elem[003]: pres_val=1 med_pres=1 med_side=0 Elem[004]: pres_val=1 med_pres=1 med_side=0 Elem[005]: pres_val=1 med_pres=0 med_side=0 Elem[006]: pres_val=1 med_pres=1 med_side=0 Elem[007]: pres_val=1 med_pres=1 med_side=0 Element Data for 0.4.0, Element Type MEDIA TRANSPORT: Elem[001]: pres_val=1 med_pres=0 med_side=0 |
sjirjc プログラムでは、SJI 準拠のオートチェンジャ上で SJIRJC コマンドのテストを行います。SJIRJC コマンドは、オートチェンジャに関する内部構成情報とオプションを読み込み、それを出力する場合に使用します。sjirjc プログラムの使用方法は、次のとおりです。
sjirjc device-name |
sjirjc プログラムで使用する device-name オプションには、システムによって駆動される SJI 準拠のオートチェンジャで使用される任意のデバイス名を、通常は b.t.l の形式で指定します。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です (たとえば、scsidev@0.4.0)。
通常、SJIRJC コマンドからの出力は、次の例のようになります。
Device: scsidev@0.4.0 Number of Drives: 1 Number Drive Pairs: 1 Number of Import/Export Elements: 0 Number of Import/Export Pairs: 1 Number of Slots: 7 Number of Slot Pairs: 1 Number of Transport Elements: 1 Number of Transport Pairs: 1 Initialize Element Status Supported Auto Eject Supported |
tur プログラムでは、TEST UNIT READY コマンドを、システムに接続されているすべての SCSI デバイス、あるいはオプションの -a b.t.l 引数が指定されている場合は、特定の順番に並べられた SCSI アドレスにあるデバイスに送信します。ここで、b は論理 SCSI バス、t は SCSI ターゲット、l はそのターゲット上の SCSI lun です。tur プログラムに使用できる形式は、次のとおりです。
tur [-a b.t.l] |
この節では、データ管理に使用する Backup コマンドのコマンド行リファレンスを掲載しています。また、これらのコマンドのほとんどは、スケージュールされたバックアップの際に、Backup サーバーによって自動的に呼び出されます。HSM とアーカイブ用のコマンドは、この機能のオプションモジュールが Backup サーバー上で有効になっている場合にだけ使用できます。
savegrp プログラムでは、ファイルシステムのデータをバックアップするための save プロセスにおいて、Backup クライアントのグループを実行します。このクライアントグループは、割り当てられている名前によって選択されます (「「NSR group」」を参照)。通常は、各グループの「NSR group」リソースを使って指定すると、savegrp プログラムが自動的に呼び出されます。
グループ名を指定しないと、「Default」グループに指定されている Backup グループが使用されます。グループ名を指定した場合は、「NSR client」リソースの「Group」属性にグループが設定されているクライアントが組み込まれます。-c client-name オプションを使用して明示的なクライアントリストを指定した場合は、savegrp プログラムは、指定したクライアントだけをバックアップに組み込み、これ以外のグループメンバーは無視します。
グループを指定する「Clone」属性が有効になっている場合は、savegrp プログラムは、save セッション中にバックアップされるセーブセットのクローンを自動的に呼び出します。クライアントのセーブセットとその関連ファイルインデックスのクローンが作成されてから、ブートストラップのセーブセットが生成されます。したがって、ブートストラップは、元のセーブセットとそのクローンの両方を追跡できます。ブートストラップのセーブセットも、同様にクローンが作成されます。クローンセーブセットは、「NSR group」リソースに指定されているクローンプールに割り当てられたボリュームに送信されます。
クライアントのセーブセット属性に「All」を指定した場合は、savegrp プログラムにより、セーブプログラムを実行する対象となるファイルシステムのリストが要求されます (これをプローブという)。プローブによってクライアントマシン上のローカルファイルシステムと自動的にマウントされたファイルシステムが検索され、1 つのリストに表示されます。NFS マウントポイントと手動でマウントされたファイルシステムは、通常、プローブによって検索されるリストには含まれません。
savegrp プログラムを同一グループ上で、同時に複数実行できません。このようにすると、プログラムは終了し、エラーメッセージが表示されます。異なるグループを同時に実行する場合は、各グループが、「NSR client」リソースの「Parallelism」属性に指定されている限界値までの save プログラムセッションを実行します。(「Parallelism」のデフォルト値は 4)。ただし、Backup サーバーでは、save プログラムセッションで一度にバックアップデバイスに書き込めるのは、サーバーの「Parallelism」属性に指定されている限界値までです。各セーブセットは、それがどのクライアントに属しているかにかかわらず、別々の save プログラムセッションを生成します。
保存プロセス (有効となっているクローンプロセスがあればそれも) が終了すると、「savegrp」を「Event」値に、また「notice」を「Priority」値に持つ通知が、nsr_notification のシステムに送信されます。このシステムは、通常、電子メールをスーパーユーザーに送信し、バックアップの成否、savegrp の実行中にバックアップされたクライアント、および保存されたデータを表示するように設定されています。
savegrp プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
savegrp [Options を参照] [-R | -G] [group-name] |
Options
[-EIOmnpv] [-l level | -C schedule] [- e expiration] [- t date] [-r retries] [-P printer] [-W width] [-c client [-c client...]] |
-c client オプションを使用すると、特定のクライアントまたは複数のクライアントで savegrp を実行できます。このオプションを指定すると、指定した group-name で指定したクライアントだけが実行されます。
-C schedule オプションを使用すると、保存レベルの自動選択プロセスに使用する「NSR schedule」リソース名を指定できます。
-e expiration オプションを使用すると、保存データの有効期限が切れる日を指定できます。特別な値「forever」を使用すると、そのデータの入っているボリュームは、期限がなくなります。この値は、通常、マイグレートボリュームまたはアーカイブボリュームに使用します。デフォルトでは、明示的な有効期限は割り当てられていません。
-E オプションを使用すると、保存処理が行われる前に、各セーブセットによって生成されるデータの量を見積もることができます。このオプションを使用すると、ファイルシステムは 2 回処理されます。1 回目は見積もりを生成するためで、2 回目は実際の保存処理を行うためです。見積もり処理は、i ノード情報にアクセスして実行されるため、データそのものは最終パスが行われたディスクからのみ読み込まれます。
-G オプションを使用すると、セマンティクスを再起動せずにグループだけを実行できます。
-I オプションを使用すると、各クライアントのファイルインデックスで実行される保存処理を無効にできます。
-l level オプションを使用すると、保存レベルを指定できます。
-m オプションを使用すると、すべての nsr_notification アクションを含む状態監視レポートを無効にできます。
-n オプションを使用すると、保存の際の -E オプションで説明した見積もりが作成されますが、見積もりの作成後に、実際に保存処理は行われません。-n オプションを指定すると、-m オプションを指定したことになります。
-O オプションを使用すると、各クライアントのファイルインデックスだけを保存できます。サーバーの場合は、このオプションによってブートストラップも同時に保存されます。デフォルトでは、Backup サーバーのブートストラップは、ブートストラップのメンバーであるグループが、スケジュールされた、または手動で呼び出された savegrp を実行する時には必ずバックアップされます。クライアントファイルインデックスとサーバーのブートストラップは、障害復旧処理には不可欠です。
-p オプションを使用すると、各クライアントでプローブを実行できます。これにより、実際の保存処理は行わずに、ファイルシステムにある情報と各クライアントで実行する save のレベルが表示されます。-p オプションを指定すると、-m オプションも指定したことになります。
-P printer オプションを使用すると、バックアップが完了した時点で、savegrp プログラムがブートストラップ情報を送信するプリンタを指定できます。
-r retries オプションを使用すると、savegrp プログラムがクライアントバックアップの失敗を宣言する前に、Backup サーバーが失敗したクライアントを再試行する回数を指定できます。このオプションのデフォルト値は、「NSR group」リソースから取得されます。保存処理が放棄されても最終的には完了する場合があるため、再試行はされません。-p オプションが指定されている場合は、再試行は行われません。
-R オプションを使用すると、Backup サーバー上に格納されている情報を使用して、バックアップ中に Backup サーバーに発生した障害が原因で異常終了したグループを再起動できます。
-v オプションを使用すると、savegrp プログラムを冗長モードで実行できます。
-W width オプションを使用すると、savegrp の出力または通知メッセージを書式化できます。デフォルトの幅は、80 です。
save プログラムは、各 Backup クライアントにあり、ファイルを保存する場合に使用します。save 処理の進行状況は、X Window System ベースの nwadmin プログラム、または curses(3X) ベースの nsrwatch 管理プログラムを使用して監視できます。
コマンド行で、あるいは -I オプションを使ってパス引数を指定しない場合は、save を呼び出した現在使用中のディレクトリが保存されます。save プログラムでは、ファイルとそのファイルに含まれているサブディレクトリをすべて保存することにより、ディレクトリを保存します。save プログラムでは、マウントポイントを通過したり、シンボリックリンクをたどったりすることはありません。指定したパスがネットワークファイルサーバーからマウントされている場合は、save プログラムにより、save プログラムをリモートマシンで実行するか、あるいは -L オプションを使用するように指示するメッセージが表示されます。
パスオプションで指定したサブディレクトリ構造の各ファイルは、Backup セーブストリーム内にカプセル化されます。このデータストリームは、Backup サーバーの受信プロセスに送信されます。この受信プロセスでは、データが処理され、ストリームのファイルごとにクライアントファイルインデックスにエントリが追加されます。次に、このデータは、サーバーまたは指定したストレージノードの長期保存用ストレージに送信されます。
サーバーのブートストラップとクライアントファイルインデックスは、savegrp プログラムを呼び出したスケジュールされたバックアップまたは手動のバックアップにおいてのみ、自動的にバックアップされます。スケジュールされたバックアップまたは手動のバックアップで savegrp プログラムを実行しないと、障害復旧処理に不可欠のサーバーブートストラップやクライアントファイルインデックスがないことになります。
save プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
save [-BEiLnqvx] [-s server] [-c client-name] [- N name] [-e expiration] [-f directory-file] [-b pool] [-F file] [-I input-file] [-g group] [-l level] [-t date] [-m masquerade] [-W width] [path...] |
-b pool オプションを使用すると、セーブセットの特別な宛先プールを指定できます。
-B option オプションを使用すると、ルート (/) から呼び出しポイントまでの接続ディレクトリ情報をすべて強制的に保存できます。
-c client-name オプションを使用すると、保存セッションを開始するクライアント名を指定できます。このオプションは、複数のネットワークインタフェースを備えている複数のホスト名が存在するクライアントの場合に便利です。このオプションを使用すると、同じ物理クライアントマシンに、複数のクライアントファイルインデックスを作成できます。このオプションは、使用するネットワークインタフェースを指定するものではありません。ネットワークインタフェースは、「NSR client」リソースの「Network Interface」属性で指定します。
-e expiration オプションを使用すると、保存データの有効期限が切れる日を指定できます。セーブセットに明示的な有効期限がある場合は、そのセーブセットは、有効期限が切れるまではブラウズ可能ですが再利用不可能です。有効期限が切れると、そのセーブセットはブラウズ不可能になります。有効期限が切れて、さらにその保持期限も切れると、そのセーブセットは再利用可能になります。デフォルトでは、セーブセットの明示的な有効期限は指定されていません。
-E オプションを使用すると、保存処理が実際に実行される前に、各セーブセットによって生成されるデータの量を見積もることができます。このオプションを使用すると、ファイルシステムは 2 回処理されます。1 回目は見積もりを生成するためで、2 回目は実際の保存処理を実行するためです。見積もり処理は、i ノード情報にアクセスして実行されるため、データそのものは最終パスが実行されるディスクからのみ読み込まれます。
-f dirfile オプションを使用すると、save プログラムがプロトタイプのデフォルトディレクティブを読み込むファイルを指定できます。dirfile の値が - である場合は、標準入力からデフォルトのディレクティブが読み込まれます。
-F file オプションを使用すると、指定したファイルの変更日付以降に変更されたファイルだけを保存できます。
-g group オプションを使用すると、保存するグループを指定できます。このオプションは、指定したグループのセーブセットが書き込まれる特定のプールを指定する場合に使用します。
-i オプションを使用すると、save コマンドが保存されているサブディレクトリ構造内にある .nsr ディレクティブファイルをすべて無視するように指定できます。
-I input-file オプションを使用すると、コマンド行に指定したパスに加えて、指定したテキストファイルから、保存するパスを読み込むことができます。1 行に 1 つずつパスを指定します。コマンド行にパスを指定しないと、入力ファイルに指定されているパス内に格納されているファイルだけが保存されます。
-l level オプションを使用すると、保存レベルを指定できます。
-L オプションを使用すると、たとえファイルがネットワークのファイルサーバーのものであっても、ローカルのバックアップクライアントから保存処理を実行できます。ファイルを復旧するには、データの保存時に使用したのと同じ -c client 引数を指定して recover プログラムを実行します。
-LL オプションを使用すると、バックアップをローカルでの保存として処理し、完了レポートの末尾にさらにもう 1 行が complete savetime=number の形式で追加されて出力されます。この number には、このバックアップによって作成されたセーブセットの保存時間が入ります。このオプションは、自動的にクローンが作成される savegrp コマンドで使用するためのものです。
-m masquerade オプションを使用するとdsavegrp の完了レポートの、サマリー行の前に付けるタグを指定できます。
-n オプションを使用すると、実際の保存処理は実行せずに、データの量を見積もることができます。
-N オプションを使用すると、セーブセットの記号名を指定できます。デフォルトでは、パス引数の冒頭部分のうち最も頻繁に使用されるものがセーブセット名として使用されます。
-q オプションを使用すると、save プログラムをクワイエットモードで実行できます。このオプションでは、サマリー情報とエラーメッセージだけが生成されます。
-t date オプションを nsr_getdate(3) の形式で使用すると、保存用として識別するためにファイルを変更しなければならない期日を指定できます。
-v オプションを使用すると、save プログラムを冗長モードで実行できます。
-W width オプションを使用すると、サマリー情報の出力を書式化できます。
savefs プログラムは、savegrp プログラムがクライアントをプローブして、そのファイルシステムと最新の保存時刻を検索するのに使用します。1 回の保存操作のために直接 savefs プログラムを実行するのはお勧めできません。ただし、クライアントをプローブして、savegrp プログラムによってバックアップされるセーブセットとレベルのプレビューレポートを作成する場合には、savefs コマンドに -p オプションを指定して手動で起動できます。プローブ時には、savefs プログラムによって実際にデータが保存されることはありませんが、クライアントのファイルシステムのレイアウトを記述した、マシンによる構文解析が可能なレポートが作成されます。-p オプションを指定すると、コマンド行から、GUI 版の Administration プログラムでの「Group Control」->「Preview」機能を使って得られる情報と同じ情報にアクセスできます。
savefs コマンド行にファイルシステム引き数を指定しないと、「Save Set」属性に指定されているファイルシステムがプローブされます。セーブセットのリストにキーワード「All」を指定すると、ファイルシステムテーブル (Solaris の場合は /etc/vfstab) が調べられて、どのファイルシステムを保存するかが決められます。プローブされるのは、ローカルの、マウントされているファイルシステムだけです。
Sun Solaris Online DiskSuite のメタデバイスは、独立のディスクと同様に取り扱われます。これによって各ディスクが自分のセッションで保存されるので、十分な並列処理が可能となります。
「Clients」リソースでセーブセットを明示的に指定する場合には、注意が必要です。それには、2 つの理由があります。1 つは、保存操作を必要とする新しいファイルシステムが追加する場合は、このリストを手動で更新しなければならないからです。もう 1 つは、savefs プログラムはパスまたはマウントポイントの終わりで停止するので、同じファイルシステム内の 2 つのセーブセットを指定した場合、どちらかがもう一方のサブディレクトリであれば、そのサブディレクトリは 2 回保存されてしまうからです。
ファイルシステム引き数を指定するのは保存するファイルシステムを限定するためですが、ここで指定したファイルシステムは、このクライアントの「Save Set」属性のリストにも指定しなければなりません (-F オプションの説明を参照)。
savefs プログラムで使用する形式とオプションは、次のとおりです。
savefs -p [options] [filesystem...] [-M filesystem...] |
options に指定できる有効な値は、次のとおりです。
[-BEFnpqRv] [-s server] [-N name] [-g group] [-l level | -C schedule] [-e expiration] [-f filename] [-W width] [-t date] [-T seconds] |
-B オプションを使用すると、ルート (/) から呼び出しポイントまでの接続ディレクトリ情報をすべて強制的に保存できます。このオプションは、サーバーのブートストラップ情報を保存する場合などに、savegrp プログラムによって使われます。
-C schedule オプションを使用すると、自動的に保存レベルを決める場合に使用するスケジュールの名前を指定できます。このオプションを指定しないと、指定されたファイルシステムの「Clients」リソースで名前が指定されているスケジュールが使われます。
-e expiration オプションを使用すると、保存データの有効期限を nsr_getdate の形式で指定できます。デフォルトでは、有効期限は明示的には設定されていません。
-E オプションを使用すると、指定されたファイルシステムを探索して、保存処理によって生成されるデータの量を見積もることができます。このオプションを指定しないと、見積もりサイズはゼロになります。このオプションは、各ファイルシステム内のファイル数に応じて時間がかかることに注意してください。これは、保存処理が開始される前にディレクトリ全体が探索され、実際にディレクトリを保存する際にもう一度探索されるからです。ファイルのデータがディスクから読み取られるのは、最後の時点です。多くの場合、このオプションを使うことによるオーバーヘッドはわずかであり、無視できる範囲のものです。
-f filename オプションを使用すると、アプリケーション固有モジュール (ASM) にディレクティブを送る元のファイルを指定できます。デフォルトでは、これらのディレクティブは、各クライアントの「Clients」リソース内の「Directive」属性に指定されている「Directives」リソースから送られます。
-F オプションを使用すると、引き数がファイルシステムテーブルまたは「Clients」リソースに指定されていなくても、すべての引き数 (たとえば ファイルシステム) を保存できます。
-M オプションを使用すると、プローブの一環として、後続のすべてのファイルシステムがマイグレートの対象となり得るかどうかをプローブするように指定できます。このオプションは、ファイルのマイグレートをサポートしていないシステムでは無視されますが、問題はありません。
-g group オプションを使用すると、クライアントの範囲を特定のグループに限定できます。このオプションを指定しないと、どのグループかに関わらず、クライアントの「Clients」リソースのすべてのインスタンスにあるセーブセットが使われます。この値は save プログラムにも渡され、save プログラムはその値を使って特定のメディアプールを選択します。
-l level オプションを使用すると、実行する保存のレベルを指定できます。レベルは全部で 12 種類あり、full、レベル 1 から レベル 9、incr、および skip です。full では、すべてのファイルが保存されます。incr では、前回の保存 (レベルは問わない) 以降に変更されたファイルだけが保存されます (差分保存)。skip では、ファイルは保存されません。レベル 1 から レベル 9 までのどれかを指定すると、それよりも低いレベルの保存が行われたあとで変更されたファイルがすべて保存されます。たとえば、ある週の月曜日に full の保存、火曜日に レベル 3 の保存をしたあと、水曜日に レベル 3 の保存を実行すると、月曜日の full 保存以後に変更または追加されたファイルがすべて保存されます。レベルを指定しないと、保存レベルは Backup クライアントのスケジュールから自動的に決められます。savefs プログラムでは、nsrmmd プログラムによって保守されている Backup サーバー上のこれまでの保存履歴を使って、指定されたレベルの保存に必要な時間を正確に算出します。テープが削除されると、savefs は、サーバー上のメディア情報を使い、算出される保存に要する時間を、それまでの保存レベルに基づいて自動的に調整します。
-n オプションを使用すると、-E オプションで説明したように、データは保存せずに、生成されるデータの量を正確に見積もることができます。
-N name オプションを使用すると、セーブセットの記号名を指定できます。デフォルトでは、filename 引き数の最初の部分がセーブセット名として使用されます。
-p オプションを使用すると、実際の保存処理は行わずに、ファイルシステムの名前、実行する保存のレベル、保存するファイルの変更時刻を一覧表示できます。これらの情報は、オペレーティングシステムに固有のファイルと、「Schedules」リソースから収集されます。
-q オプションを使用すると、savefs プログラムを非確認モードで実行できます。サマリー情報とエラーメッセージだけが表示されます。
-qq オプションを使用すると、savefs プログラムを真の非確認モードで実行できます。この場合は、エラーメッセージだけが表示されます。
-R オプションを使用すると、処理完了時に succeeded または failed という簡単なメッセージを表示できます。このオプションは、savegrp プログラムから savefs プログラムを実行するときに自動的に使用されます。
-s server オプションを使用すると、savefs プログラムで使用する Backup サーバーを指定できます。
-t date オプションを nsr_getdate の形式で使用すると、savefs でのレベルの算出のための基準となる日付を指定できます。 このオプションを指定しないと、現在の時刻が使われます。
-T seconds オプションを使用すると、非活動タイムアウトの期間を秒単位で指定できます。savefs プログラムは、ローカルなサーバーでの処理がこのオプションで指定された時間内に進行していないことを検出すると、save プログラムが応答していないと判断します。メッセージが標準エラー出力上に表示され、savefs プログラムは正常に終了します。このオプションが使えるのは、Backup サーバーマシン上だけです。
-v オプションを使用すると、savefs を冗長モードで実行できます。このオプションを使用すると、大量のデバッグ用の出力が得られます。このオプションは、savegrp プログラムが、複数バージョンをサポートするためにクライアントが持つ savefs プログラムの機能をプローブする際に自動的に使用されます。
-W width オプションを使用すると、出力または通知メッセージを書式化するのに使われる幅 (文字数) を指定できます。width のデフォルト値は 80 です。
savepnpc プログラムは、save プログラムと同様に、ファイルを長期間保存します。savepnpc は、1 回の保存処理を行う前に、/nsr/res/group_name.res ファイルにある前処理コマンドをすべて実行します。前処理コマンドの実行が失敗すると、savepnpc はエラーコードを表示して終了し、save プログラムは実行されません。クライアントの最後のセーブセットの保存処理が正常に終わると、savepnpc は、/nsr/res/group_name.res ファイルにある後処理コマンドをすべて実行します。最後のセーブセットのバックアップに至る前に後処理コマンドを実行させたい場合は、「Timeout」属性を使ってその時点を指定し、必要に応じてタイムアウトを起こす条件を設定できます。この「Timeout」属性は、前処理コマンド、および後処理コマンドが入っているのと同じ /nsr/res/group_name.res ファイルに設定します。savepnpc プログラムによる処理結果は、すべて /nsr/res/savepnpc.log に記録されます。
/nsr/res/group_name.res ファイルは、「Clients」リソースの「Backup Command」属性に savepnpc コマンドが入力されたクライアントを持つバックアップグループをはじめて実行した時点で、自動的に作成されます。形式は次のとおりです。
type: savepnpc; precmd: /bin/true; pstcmd: /bin/true, "/bin/sleep 5"; timeout: "12:00pm"; |
「precmd」フィールドを編集して、その中に、クライアントの最初のセーブセットの保存処理を開始する前に実行したいコマンドをいくつでも指定できます。コマンド間はコンマで区切ります。また「postcmd」フィールドを編集して、その中に、クライアントの最後のセーブセットの保存処理の終了後、または「timeout」フィールドに指定したタイムアウト条件のどちらかが先に起こった時点で実行したいコマンドをいくつでも指定できます。コマンド間はコンマで区切ります。ファイル内のフィールドの最後には、すべてセミコロン (;) を付ける必要があります。
savepnpc コマンドの構文は、「save 」の構文とまったく同じです。カスタマイズされたスクリプトを作成して、クライアントの「Backup Command」属性に入力する場合には、次の規則があります。
スクリプトに savepnpc コマンドが含まれている
スクリプトのファイル名は save または nsr で始まり、長さは 64 文字以内である
スクリプトは、save プログラムのディレクトリと同じディレクトリ (通常は /usr/bin) に格納する
recover プログラムでは、指定したクライアントのクライアントファイルインデックスを検索 (ブラウズ) して、バックアップボリュームのファイルを指定したクライアントで復旧します。クライアントファイルインデックスのエントリは、save コマンドを使用してファイルがバックアップされた時に作成されます。recover プログラムの対話型バージョン nwrecover を使用すると、クライアントファイルインデックスが UNIX ファイルシステムと同様のグラフィカルディスプレイフォーマットで表示されます。
自動モード (-a オプション) またはセーブセット復旧モード (-S オプション) では、コマンド行で指定したファイルは、クライアントファイルインデックスをブラウズせずに、即時に復旧されます。セーブセット復旧モード (-S オプション) が使用できるのは、オペレータグループ内のユーザーに限定されています。-S オプションを指定せずに recover プログラムを実行すると、オペレータグループ内のユーザーは、どのファイルでも復旧できます。
1 つまたは複数の引数を指定して、復旧するディレクトリとファイルを限定できます。パス引数を指定すると、セーブセット内に存在する各パス名の冒頭部分が、復旧される前のパスのいずれかと正確に一致している必要があります。メタ文字 (たとえば、*、?、または [...]) を使用してファイル名を照合することはできません。パスの最後にスラッシュ文字を付けて、指定したディレクトリと強制的に一致させることができます。
recover プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
recover [-f] [-n] [-q] [-i {nNyYrR}] [-d destination] [-c client] [-t date] [-s server] [dir] recover [-f] [-n] [-q] [-i {nNyYrR}] [-d destination] [-c client] [-t date] [-s server] -a path recover [-f] [-n] [-q] [-i {nNyYrR}] [-d destination] [-t date] -s server -S ssid[/cloneid] [-S ssid[/cloneid]] [path] |
-a オプションを使用すると、recover プログラムは、クライアントファイルインデックスをブラウズせずに、自動的にファイルを復旧します。
-c client を使用すると、セーブセットが本来格納されているマシン名を指定できます。別のクライアントによって保存されたディレクトリをブラウズすると、表示されるパス名は、ファイルを保存したクライアントのファイルシステムになります。デフォルトでは、save プログラムおよび recover プログラムは、ファイルシステムテーブルからクライアントマシン名を判定します。save プログラムに -L オプションを指定している場合には、-c client オプションは必要ない場合があります (save プログラムで使用できるオプションについては、「save 」を参照)。-c client オプションは、-S ssid[/cloneid] とともに使用できません。
-d destination オプションを使用すると、復旧されたファイルを再配置する宛先ディレクトリを指定できます。関連パスは、現在の作業用ディレクトリに関連して変換されます。
-f オプションを使用すると、復旧されたファイル名が重複した場合に、既存のファイルを強制的に上書きさせることができます。このオプションを指定すると、-iY オプションを指定する場合と同じ結果になります。
-i オプションに、nNyYrR のいずれかの文字を指定すると、ファイル名が重複した時に使用される、初期デフォルトの上書き応答を指定できます。-i オプションに組み合わせて指定できるのは、1 つの文字だけです。-i オプションを使用すると、uasm が復旧モードで稼動している時の uasm -i オプションと同じ結果になります。
-n オプションを使用すると、実際にディレクトリやファイルを作成せずに recover プログラムを使用できます。
-q オプションを使用すると、recover プログラムでデフォルトの冗長モードを無効にできます。
-s server オプションを使用すると、データを復旧する Backup サーバーを指定できます。セーブセットの復旧モード (-S) を使用する場合には、このオプションが必要です。-s server オプションを省略すると、サーバーがネットワークファイルサーバーであると同時に Backup サーバーであれば、復旧用にマークされた最初のディレクトリのサーバーがデフォルトのマシンになります。サーバーがネットワークファイルサーバーや Backup サーバーでない場合は、現在使用中のサーバー、またはホストテーブルに入力された論理名 nsrhost を持つマシンがデフォルトのマシンになります。
-S ssid[/cloneid] オプションを使用すると、recover プログラムをセーブセット復旧モードで使用できます。このモードは、クライアントファイルインデックスを必要とせずにバッチファイルの復旧を行う場合に使用します。ssid には、復旧するセーブセットのセーブセット ID を指定します。1 つのセーブセットに対して複数のクローンインスタンスが存在する場合は、復旧するクローンインスタンスのクローン ID を選択できます。パス引数を指定しないと、セーブセットの全内容が復旧されます。
-t date オプションを使用すると、指定した日付のファイルを表示、または復旧できます。このオプションは、-S ssid オプションとともに使用できません。
recover プログラムを対話型モードで使用する方法と一般的なエラーメッセージについては、recover(1m) のマニュアルページを参照してください。
nsrmig プログラムでは、プールタイプ「Migration」のラベルが付けられたボリュームに、ファイルをマイグレートする場合に使用します。マイグレートされたファイルは、スタブ (シンボリックリンク) に置き換えられます。このスタブは、nsrpmig プログラムによる事前マイグレートの過程で作成されたファイルのコピーを指します。あとでスタブにアクセスすると、ファイルは、Backup サーバーまたはストレージノードによってマイグレートボリュームからディスクに自動的にもう一度呼び戻されます。
マイグレートの基準は、Backup サーバーの「Migration」リソースによって定義されます。マイグレートとは、通常、Backup サーバーによって制御される自動的な処理です。最も頻繁に使用される基準は、最終アクセス時間です。標準ファイルだけが事前マイグレートされ、最終的にマイグレートされます。
パス引数を指定しないと、現在使用中のディレクトリがマイグレートされます。nsrmig プログラムでは、マウントポイントを通過したり、シンボリックリンクをたどったりすることはありません。
nsrmig プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrmig [-nvx] [-l percent] -s server] [-t savetime] [-W width] [path] |
-l percent オプションを使用すると、nsrmig プログラムで使用する目標のパーセンテージを指定できます。マイグレート処理は、目標のパーセンテージに達すると停止します。nsrmig プログラムを呼び出す前に既に目標のパーセンテージに達している場合は、マイグレート処理はそれ以上行われずにプログラムは終了します。-l オプションを指定しないと、目標のパーセンテージは適切なクライアントリソースから読み込まれます。
-n オプションを使用すると、マイグレート対象のファイルをスタブに置き換えることによって解放されるファイルの数と合計サイズを見積もることができます。このファイルがスタブに置き換わることはありません。
-s server オプションを使用すると、Backup サーバーとして使用するマシンを指定できます。このオプションを省略すると、現在使用中のマシン (Backup サーバーの場合) またはホストテーブルに入力された nsrhost の論理名の付いたマシンがデフォルトのマシンとみなされます。
-t savetime オプションを使用すると、事前マイグレートされたファイルを、指定した savetime にマイグレートできます。
-v オプションを使用すると、nsrpmig によって呼び出された save プログラムによって詳細な情報が得られます。
-W width オプションを使用すると、nsrmig がサマリー情報を書式化するために使用する幅を指定できます。デフォルトの幅は、80 です。
-x オプションを使用すると、マウントポイントを通過するように nsrmig に指示できます。
nsrpmig プログラムでは、Backup サーバーの「Migration」リソースで定義され、マイグレート候補として識別されたファイルの事前マイグレートを行います。事前マイグレートプロセスにより save プログラムが呼び出され、指定したファイルが、マイグレートデータ用にラベル付けされたバックアップボリュームに直ちにコピーされます。ファイルが後からマイグレートされるときに、常駐ファイルは、ボリュームに事前マイグレートされたコピーを参照するマーカーに置き換えられます。事前マイグレートできるのは、標準ファイルだけです。
nsrpmig プログラムでは、マウントポイントを通過したり、シンボリックリンクをたどったりすることはありません。保存されるパスがネットワークファイルサーバーからマウントされる場合は、nsrpmig プログラムにより、リモートマシンで save プログラムを実行するか、あるいは nsrpmig プログラムに -L オプションを指定するように指示するメッセージが表示されます。
nsrpmig プログラムは、各ディレクトリ内で検出されるディレクティブファイル (.nsrhsm) を調べて、ファイルを保存する時に使用する特別な命令 (たとえば、圧縮ディレクティブやスキップディレクティブ) を判別します。通常、Backup が保存や復旧の処理に使用するこのディレクティブファイル (.nsr は、nsrpmig プログラムでは無視されます。
nsrpmig プログラムは、Backup サーバーの HSM のイネーブラコードが Backup サーバー上に存在する場合にだけ使用できます。
nsrpmig プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrpmig [-BEiLnpqvx] [-s server] [-N name] [- f dirfile] [-b pool] [-g group] [-m masquerade] [-W width] [-C clone-pool] [-I input-file] path |
-b pool オプションを使用すると、事前マイグレートされるデータを保存しておくボリュームプールを指定できます。バックアップデータやアーカイブデータとは別のボリュームにマイグレートされたデータを置く必要があります。プールを指定しないと、デフォルトで「Migration」プールが選択されます。
-B オプションを使用すると、ルート (/) から呼び出しポイントまでの接続ディレクトリ情報をすべて強制的に保存できます。
-C clone-pool オプションを使用すると、指定したクローンプールに、事前マイグレートされたセーブセットのクローンを生成できます。マイグレートデータのクローンは、バックアップされたクローンデータやアーカイブされたクローンデータとは別のボリュームに置く必要があります。クローンプールを指定しないと、デフォルトで「Migration Clone」プールが選択されます。
-E オプションを使用すると、save プログラムによって生成されるデータの量を見積もってから実際の保存処理を実行するように、nsrpmig に指示できます。この見積もりは、i ノード情報から生成されるため、データが読み込まれるのは一度だけです。
-f dirfile オプションを使用すると、nsrpmig がプロトタイプのデフォルトディレクティブを読み込むファイルを指定できます (デフォルトディレクティブの詳細は、nsr(5) のマニュアルページを参照)。dirfile の値が - の場合は、標準入力からデフォルトのディレクティブが読み込まれます。
-g group オプションを使用すると、セーブセットが所属するグループ名を指定できます。このオプションは、Backup サーバーが、特定のメディアプールを選択する場合に使用します。
-i オプションを使用すると、事前マイグレートプロセス中に検出した .nsrhsm ディレクティブファイルをすべて無視するように nsrpmig に指示できます。
-I input-file オプションを使用すると、nsrpmig のコマンド行に記述されているパスに加えて、入力ファイルとして指定したテキストファイルから保存するパスを読み込むように nsrpmig に指示できます。input-file で指定したファイル内に 1 行に 1 つずつパスを指定します。コマンド行でパスを指定しないと、input-file に指定されているパスだけが保存されます。
-L オプションを使用すると、たとえファイルがネットワークのファイルサーバーのものであっても、Backup クライアントから、ローカルで保存を実行するように nsrpmig に指示できます。ローカルで事前マイグレートされたファイルを復旧するには、-c client オプションを指定して recover プログラムを実行します。ここで、client には、保存処理を実行した Backup クライアントのマシン名が入ります。
-LL オプションを使用すると、nsrpmig コマンドにローカルでの保存を実行し、完了レポートの末尾にさらにもう 1 行が complete savetime=number の形式で追加されて出力されます。number には、作成されたセーブセットの保存時間が入ります。このオプションは、自動的にクローンを作成するよう指定した場合に savegrp プログラムで使用します。
-m masquerade オプションを使用すると、savegrp のサマリー通知行の前に付けるタグを指定できます。このオプションは、savegrp のサマリー通知を補うために、savegrp と savefs によって使用されます。
-n オプションを使用すると、保存処理を実行せずに、保存によって生成されるデータの量を見積もることができます。このオプションは、見積もりが完了した後でデータがボリュームに保存されないことを除いては、-E オプションと似ています。
-N name オプションを使用すると、セーブセットの記号名を使用するように nsrpmig に指示できます。デフォルトでは、path 引数がセーブセット名として使用されます。
-p オプションを使用すると、nsrpmig によって呼び出された save プログラムを、状態値 0 で終了させることができます。このオプションは、クライアントが適切にインストールされているかどうかを判別するために、サーバーによって使用されます。
-q オプションを使用すると、nsrpmig によって呼び出された save プログラムに、サマリー情報とエラーメッセージだけを表示させることができます。
-s server オプションを使用すると、Backup サーバーとして使用するマシンを指定できます。このオプションを省略すると、現在使用中のマシン (Backup サーバーの場合)、またはホストテーブルに入力された nsrhost の論理名の付いたマシンがデフォルトマシンとみなされます。
-v オプションは、nsrpmig によって呼び出された save プログラムから、詳細な情報を取得する場合に使用します。
-W width オプションを使用すると、nsrpmig が、サマリー情報を標準出力に書式化するために使用する幅を指定できます。デフォルトの幅は、80 です。
-x オプションを使用すると、マウントポイントを通過するように nsrpmig に指示できます。
この章で説明した save および savegrp プログラムのオプションの詳細は、「save 」と 「savegrp 」を参照してください。さらに、詳細情報と一般的なエラーメッセージは、nsrpmig(1m) のマニュアルページを参照してください。
nsrhsmck プログラムは、HSM によりマイグレートされたファイルの、ファイルスタブとクライアントファイルインデックスのエントリとの整合性の検査と変更を行います。次の 4 つの状況が生じた場合に nsrhsmck プログラムで処理されます。
第 1 の状況は、マイグレートされたファイルのスタブ名が変更された時に発生します。この状況では、元のファイル名の付いたスタブは、すでに存在しません。ここで、nsrhsmck により、スタブに付けられた新しい名前が反映されるように、クライアントファイルインデックスのエントリを更新することによって、この状況を修正します。
第 2 の状況は、Backup IB (Instruction Buffer) 名前空間内で他のシンボリックリンクと同じ名前のシンボリックリンクが作成された場合に発生します。この状況を修正するための処置として、この重複リンクを、Backup IB 名前空間を直接指すものではなく、元のシンボリックリンクを指すシンボリックリンクと置き換えます。
第 3 の状況は、マイグレートファイルを指すスタブが削除された場合に発生します。これは、削除する可能性があるものとしてみなされます。スタブがあとからもう一度現れることがあるからです。たとえば、Backup を使用してスタブが復旧された場合などです。削除の可能性があるマイグレートファイルのインデックスエントリに、60 日後に削除の可能性ありというマークを付けることによって、この状況を修正します。削除の可能性ありというマークが付けられたファイルが、インデックスエントリが削除される前にディスク上で検出されると、そのインデックスエントリの削除の可能性ありというマークは消えるので注意してください。
nsrhsmck によって処理される第 4 の状況は、削除の可能性ありというマークが付けられたインデックスエントリが、60 日の有効期限を過ぎた時点で発生します。この場合、期限切れのエントリを HSM ファイルインデックスから削除することによって、この状況を修正します。エントリが HSM ファイルインデックスから削除される前に、このファイルがディスク上に存在していないことを確認するための検査が行われます。
nsrhsmck を実行するときは、コマンド行でパスを指定する必要があります。指定したパスの下のファイルとインデックスエントリだけが、整合性を検査されます。
次の例では、nsrhsmck プログラムで使用できるオプションについて説明しています。
-c オプションを使用すると、HSM ファイルインデックスを検索し、削除の可能性ありというマークが付けられたエントリのうち、60 日の有効期限が切れたものを削除するように nsrhsmck プログラムに指示できます。
-d オプションを使用すると、HSM ファイルインデックスを検索し、検出された削除される可能性のあるものにマークを付けるように nsrhsmck に指示できます。
-f オプションを使用すると、ディスク上のファイルシステムを検索し、重複したリンクと名前が変更されたスタブを検出するように、nsrhsmck プログラムに指示できます。
-M オプションを使用すると、nsrexecd または他の Backup デーモンによってマスターモードで実行するように nsrhsmck プログラムに指示できます。その結果、nsrexecd によって要求されるこれ以外の処理が実行されると同時に、タイムスタンプの付いたメッセージがログに記録されます。このオプションを手動で操作することはお勧めできません。このオプションは、nsrhsmck が自動的に呼び出された時に使用します。
-n オプションを使用すると、検出された不一致を変更せずにレポートするように nsrhsmck プログラムに指示できます。
-s server オプションを使用すると、Backup サーバーとして使用するマシンを指定できます。このオプションを省略すると、現在使用中のマシン (Backup サーバーの場合)、またはホストテーブルに入力された nsrhost の論理名の付いたマシンがデフォルトマシンとみなされます。
-v オプションを使用すると、nsrhsmck プログラムを冗長モードで実行できます。このフラグは、最高の冗長レベルに達するために、コマンド行で最高 3 回まで指定できます。冗長モードで大量の出力が生成される場合があります。ほとんどの状況において、このオプションの使用はお勧めできません。
nsrarchive プログラムでは、ファイル (ディレクトリまたはファイルシステム全体を含む) を Backup サーバーにアーカイブします。nwadmin または nsrwatch プログラムを使用して、アーカイブ処理の進行状況を監視できます。Administrator と Archive Users のリスト内にあるユーザーだけが、nsrarchive プログラムを実行するために必要な特権を与えられています。また、特定のクライアントマシンからアーカイブデータを復旧するための NSR (または Server) リソース内のオプションによって、パブリックアーカイブを許可あるいは不許可にすることができます。
パス引数を指定しないと、現在使用中のディレクトリがアーカイブされます。nsrarchive プログラムでは、ディレクトリ内に含まれるすべてのファイルとサブディレクトリをアーカイブしますが、マウントポイントをまたがったり、シンボリックリンクをたどったりすることはありません。アーカイブするパスがネットワークのファイルサーバーからマウントされている場合は、nsrarchive プログラムにより、nsrarchive プログラムをリモートマシンで実行するか、あるいは -L オプションを使用するように指示するメッセージが表示されます。
デフォルトでは、各ディレクトリ内で検出された .nsr ディレクティブファイルが読み込まれます。ディレクティブファイルには、特定のファイルをアーカイブする方法 (たとえば、圧縮) についての命令が格納されています。
サブディレクトリ構造内の各ファイルは、Backup セーブストリーム内にカプセル化されます。このデータストリームは、Backup サーバーの受信プロセスに送信されます。このプロセスでは、データが処理され、ストリーム内のファイルごとにクライアントファイルインデックスにエントリが追加されます。次に、このデータは、サーバーまたは指定したストレージノードの長期保存用ストレージに送信されます。
nsrarchive プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrarchive [-BiLnpqvxVy] [-b pool] [-C clone-pool] [-f filename] [-G remove] [-N name] [-R name] [-s server] [-T annotation] [-W width] [path...] |
-b pool オプションを使用すると、アーカイブセーブセットの転送先プールを指定できます。このオプションにより、通常、サーバーが使用する自動プール選択は無効になります。アーカイブデータは、「Archive」プールタイプとして特別にラベル付けされたボリュームに送信される必要があります。プールを指定しないと、デフォルトで「Archive」プールが選択されます。
-B オプションを使用すると、ルート (/) から呼び出しポイントまでの接続ディレクトリ情報すべてを強制的にアーカイブできます。
-C clone-pool オプションを使用すると、指定したクローンプールに、アーカイブセーブセットのクローンを自動的に生成できます。クローンアーカイブデータは、「Archive Clone」プールタイプとして特別にラベル付けされたボリュームに送信される必要があります。クローンプールを指定しないと、デフォルトで「Archive Clone」プールが選択されます。
-E オプションを使用すると、アーカイブによって生成されるデータの量を見積もってから、実際のアーカイブ処理を実行できます。この見積もりは i ノード情報から生成されるため、実際には、データは一度しか読み込まれません。
-f filename オプションを使用すると、nsrarchive が、アーカイブデータに使用するデフォルトのディレクティブを読み取るファイルを指定できます (ディレクティブの詳細は、nsr(5) のマニュアルページを参照)。filename の値が - の場合は、デフォルトのディレクティブは標準入力から読み込まれます。
-G remove オプションを使用すると、アーカイブの完了後、ファイルをグルーミング (消去) できます。クローン作成オプションまたは検証オプションも指定した場合は、これらの処理が完了するまでは、グルーミング処理は行われません。-y オプションも同時に指定しない限り、最上位ディレクトリを削除するように要求されます。nsrarchive プログラムは、消去されたすべてのファイルとディレクトリのリストが入った一時ファイルを作成します。この一時ファイルは、環境変数 TMPDIR によって指定されているディレクトリに配置され、また、環境変数が定義されていない場合は、/tmp ディレクトリ内に配置されます。
-i オプションを使用すると、アーカイブするサブディレクトリ内で検出されるディレクティブファイルをすべて無視するように nsrarchive プログラムに指定できます。
-L オプションを使用すると、たとえファイルがネットワークファイルサーバーのものであっても、Backup クライアントからローカルアーカイブを実行できます。
-n オプションを使用すると、実際のアーカイブ処理は実行せずに、アーカイブによって生成されるデータの量を見積もることができます。このオプションは、見積もりが完了した後でデータがボリュームに保存されないこと以外は、-E オプションと同じです。
-N name オプションを使用すると、アーカイブセーブセットの記号名を使用するように nsrarchive に指示できます。デフォルトでは、最初の path 引数が name の値として使用されます。
-p オプションを使用すると、状態値 0 で終了するように nsrarchive に指示できます。このオプションは、クライアントが適切にインストールされているかを判別するために、Backup サーバーで使用されます。
-q オプションを使用すると、nsrarchive がクワイエットモードで動作し、サマリー情報とエラーメッセージだけが表示されます。
-R name オプションは、アーカイブ要求を実際に実行する nsralist プログラムに対してのみ使用してください。このオプションが Backup サーバーによって指定されると、指定したアーカイブ要求リソースが更新されます。
-s server オプションを使用すると、Backup サーバーとして使用するマシンを指定できます。このオプションを省略すると、現在使用中のマシン (Backup サーバーの場合)、またはホストテーブルに入力された nsrhost の論理名の付いたマシンがデフォルトマシンとみなされます。
-T annotation オプションを使用すると、1024 文字以下の任意のテキスト文字列をアーカイブセーブセットに割り当てることができます。注釈として指定された文字列は、nsrretrieve プログラムがアーカイブセーブセットエントリのメディアデータベースをブラウズし、ローカルディスクに取り出すために使用されます。この注釈は、すべてのアーカイブセーブセットにおいて必須です。このオプションを省略すると、処理が続行される前に、入力するように要求されます。
-v オプションを使用すると、nsrarchive プログラムを冗長モードで実行できます。
-V オプションを使用すると、各アーカイブセーブセットを確認できます。
-W width オプションを使用すると、nsrarchive がサマリー情報を標準出力に書式化する場合に使用する幅を指定できます。デフォルトの幅は、80 です。
-x オプションを使用すると、マウントポイントをまたがって処理を行うように nsrarchive に指示できます。
-y オプションを使用すると、nsrarchive プログラムによって生成されるあらゆる照会に対して、自動的に肯定応答が入力されます。
nsrretrieve プログラムは、Backup サーバーまたはストレージノードが管理するアーカイブボリュームから、アーカイブされたセーブセットを復旧する場合に使用します。通常のセーブセットはブラウズできますが、アーカイブされたセーブセットのクライアントファイルインデックスのエントリはブラウズできません。そのかわり、特定の注釈文字列を検索し、取り出すアーカイブセーブセットを識別します。
nsrretrieve を使用できるのは、Backup サーバーの Administrators リストと Archive Users リスト内のユーザーに制限されています。nsrretrieve プログラムがスーパーユーザーまたはオペレータグループ内に定義されているユーザーによって実行されていない場合、あるいは「Server」リソースの「Public Archives」属性が有効にされていない場合は、そのアーカイブファイルを取り出せるのは、そのファイルの所有者だけです。
nsrretrieve プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrretrieve [-f] [-n] [-q] [-i {nNyYrR}] [-d destination] -s server [- S ssid[/cloneid]]... [-A annotation]... [path]... |
-A annotation オプションを使用すると、取り出すアーカイブセーブセットを指定できます。注釈とは、1 つのアーカイブセーブセットを一意に識別するための正規表現です。正規表現は、grep(1) コマンドによって使用される形式です。
-d destination オプションを使用すると、取り出されたファイルを再配置する、転送先ディレクトリを指定できます。
-f オプションを使用すると、ファイル名が重複した場合に、取り出されたファイルで既存のファイルを強制的に上書きできます。このオプションは、-iY オプションを指定する場合と同じ結果になります。
-i オプションに、nNyYrR のいずれかの文字を指定すると、ファイル名が重複した時に使用される、初期デフォルトの上書き応答を指定できます。-i オプションに組み合わせて指定できるのは、1 つの文字だけです。-i オプションは、uasm -i が復旧モードで稼動している時の uasm -i オプションと同じ結果になります。uasm -i オプションの使用方法については、usam(1m) のマニュアルページを参照してください。
-n オプションを使用すると、実際にディレクトリやファイルを作成せずに nsrretrieve プログラムを使用できます。
-q オプションを使用すると、nsrretrieve はクワイエットモードで動作し、サマリー情報とエラーメッセージだけが表示されます。
-s server オプションを使用すると、Backup サーバーとして使用するマシンを指定できます。このオプションを省略すると、現在使用中のマシン (Backup サーバーの場合)、またはホストテーブルに入力された nsrhost の論理名の付いたマシンがデフォルトマシンとみなされます。
-S ssid[/cloneid] オプションを使用すると、取り出すセーブセットの ssid を指定できます。1 つのアーカイブセーブセットに対し複数のクローンインスタンスが存在する場合は、クローン ID を指定して、データを取り出すクローンインスタンスを選択することもできます。パスを指定しない場合は、アーカイブセーブセットの全体が取り出されます。指定したパスの冒頭部分と一致する特定のディレクトリやファイルだけに限定して取り出すには、正確なパス名を指定します。
nsrclone プログラムを使って、既存のセーブセットの新しいコピーを作成します。この処理は、「NSR group」リソースの「Clones」属性が有効になっていれば、自動的に行われます。また、nsrclone は、コマンド行から手動で実行もできます。
コマンド行オプションを使用するとボリューム名または ID を指定できますが、nsrclone プログラムは、セーブセットコンポーネントが置かれるボリューム数に関係なく、必ず完全なセーブセットをコピーします。nsrclone プログラムは、ボリュームをコピーするのではなく、あるボリューム上の指定したオリジナルのセーブセットを、クローン用の特別なプールに割り当てられているボリュームにコピーします。最初の宛先ボリュームが、セーブセットのクローンのすべてを保持できない場合は、同じクローンプールの別のボリュームが選択されます。
-c オプションと -N オプションを同時に使用すると、nsrclone により、指定したクライアントのセーブセットのスーパーフルコピーが作成されます。スーパーフルコピーとは、HSM 機能のもとでだけサポートされる機能です。この機能では、指定されたクライアントとセーブセットについての最新の完全レベルのフルバックアップのクローンと、フルバックアップによって参照される HSM マイグレートセーブセットのクローンを自動的に作成します。スーパーフルコピーのクローンは、マイグレートクローンプールのボリュームに作成されなければなりません。マイグレートセーブセットが最新のフルバックアップによって参照されない場合は、フルセットだけがクローン化されます。
nsrclone プログラムを nsrmmd デーモンとともに使用すると、各セーブセットが、指定されたボリューム上に 1 つしかクローンを持たないことが保証されます。ボリューム名と ID が指定されている場合は、ボリューム上のセーブセットのコピーが、ソース (コピー元) として使用されます。セーブセットが明示的に指定されている場合は、既存の複数のコピーを持つセーブセットが自動的に選択されます。また、オートチェンジャやサイロ内のボリューム上に存在するセーブセットのコピーは、手動操作を必要とするセーブセットよりも優先して選択されます。また、-S オプションを使用して、ソースとしてどのセーブセットのコピーを使用するかについても正確に指定できます。
nsrclone プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrclone [-v] [-s server] [-b pool] {-f file | volume-name} nsrclone [-v] [-s server] [-b pool] -S {-f file | ssid} nsrclone [-v] [-s server] [-b pool] -V {-f file | volumeid} nsrclone [-v] [-s server] [-b pool] -c client -N saveset |
-b pool オプションを使用すると、データをマイグレートする宛先となるクローンプールの名前を指定できます。このオプションを省略すると、セーブセットのクローンは自動的に「Default Clone」プールに送信されます。
-c client オプションを -N オプションとともに使用すると、所有するセーブセットがスーパーフルコピーとみなされるクライアントを指定できます。
-f file オプションを使用すると、nsrclone に、指定したテキストファイルから、ボリューム名、ボリューム ID またはセーブセット ID を読み込ませることができます。
-s server オプションを使用すると、セーブセットをマイグレートする送信元となる Backup サーバーを指定できます。このオプションを省略すると、デフォルトで、現在使用中のマシンが選択されます。
-S オプションを使用すると、1 つまたは複数の特定の ssid を指定できます。mminfo -v コマンドを実行すると、ssid に使用できる値が判別できます (詳細は、「mminfo 」を参照)。
-v オプションを使用すると、nsrclone を冗長モードで実行できます。このモードにより、処理中の追加情報を取得できます。たとえば、ボリュームを通過したセーブセットについてのメッセージなどです。
-V volid オプションを使用すると、ボリューム名を指定できます。
nsrclone プログラムの例とエラーメッセージについては、nsrclone(1m) のマニュアルページを参照してください。
nsrstage プログラムは、手動で使用し、あるボリュームから別のボリュームに既存のセーブセットをマイグレートする場合に使用します。この処理課程では、まず、指定した新しいボリュームに特定のセーブセットのクローンを送信し、次に、メディアデータベースからそのセーブセットを削除し、最後に、可能であれば、元のソースボリュームから実際のセーブセットを削除します。新しいボリュームへのクローン作成が成功しなかった場合は、メディアデータベースのエントリとセーブセットは、削除されません。
セーブセットは、Backup がサポートするあらゆるメディアタイプに属するボリューム上にマイグレートできます。たとえば、ファイルボリューム上のセーブセットを光ディスクにマイグレートできます。ただし、nsrstage 処理の宛先に指定されたボリュームはすべて、「Clone」プールタイプに属していなければなりません。プールタイプの種類については、nsr_pool(1m) のマニュアルページを参照してください。
nsrstage プログラムは、単にボリュームをマイグレートするのではなく、セーブセット全体をマイグレートします。-S ssid を使用すると、マイグレート元として使用するセーブセットのコピー (クローン) を指定できます。
nsrstage プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrstage [-v] [-s server] [-b pool] -m [-S {ssid/cloneid}] nsrstage [-v] [-s server] -C -V volume |
-b pool オプションを使用すると、データをマイグレートする宛先となるクローンプール名を指定できます。このオプションを省略すると、クローンセーブセットは自動的に「Default Clone」プールに送信されます。
-C オプションを使用すると、セーブセットがマイグレートされ、それに関連付けられたエントリがメディアデータベースから削除された後で、ボリュームのクリーニング処理を実行するように nsrstage に指示できます。このオプションは、ファイルボリュームからマイグレートされるエントリがある時にだけ使用できます。
-m オプションを使用すると、実際にマイグレート処理を実行できます。
-s server オプションを使用すると、セーブセットをマイグレートする送信元となる Backup サーバーを指定できます。このオプションを省略すると、デフォルトで、現在使用中のマシンが選択されます。
-S ssid (または ssid/cloneid) オプションを使用すると、マイグレートする特定の ssid とクローン ID (またはこのいずれか) を 1 つまたは複数指定できます。ssid オプションは、ボリュームからセーブセットを個別にマイグレートする場合に便利です。cloneid オプションは、特定のセーブセットのコピーをマイグレートするように指定する場合に便利です。ID の値は、符号のない整数です。両方とも指定する場合は、スラッシュ (/) 文字で区切ります。mminfo -v コマンドを実行すると、ssid または cloneid に使用できる値を判別できます (詳細は、「mminfo 」を参照)。
-v オプションを使用すると、nsrstage を冗長モードで実行できます。このモードにより、処理中の追加情報を取得できます。たとえば、ボリュームをまたがるセーブセットについてのメッセージなどです。
-V volume オプションを使用すると、nsrstage がクリーニング処理を行うボリューム名を指定できます。このオプションは、-S または -m オプションとともに使用できません。
nsrstage プログラムの例とエラーメッセージについては、nsrstage(1m) のマニュアルページを参照してください。
scanner プログラムは、Backup メディア (バックアップテープ、光ディスク、ファイルなど) を直接読み取り、ボリュームの内容の確認、ボリュームからのセーブセットの抽出、または Backup オンラインインデックスの再作成に使用します。このコマンドは、スーパーユーザーだけが実行できます。また、ここでは、デバイスを 1 つ指定する必要があります。このデバイスは、通常、Backup サーバーが使用するデバイス名のいずれかになります。このデバイスがテープドライブである場合は、非巻き戻し式のテープでなければなりません。
scanner プログラムをオプションを指定せずに (または -v オプションだけを指定して) 実行すると、指定したデバイス上のボリュームが読み取られ、目次が作成されます。この目次には、ボリューム上で検出された各セーブセットについての情報が格納されます。デフォルトでは、ボリューム上で検出されたセーブセットごとに、標準出力に情報が 1 行ずつ書き込まれます。この情報としては、クライアント名、セーブセット名、保存時間、レベル、サイズ、ファイル、セーブセット ID、フラグがあります。
scanner プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
scanner [-Bimnpqv] [-s server] [-S ssid] [-c client] [-N name] [-f file] [-r record] [-t type] [-b pool] device [-x command argument-list] |
-b pool オプションを使用すると、ボリュームが属するプールを指定できます。このオプションは、メディア上にプール情報を格納していない Backup バージョンによってバックアップされたボリュームに対してだけ使用できます。
-S オプションを指定せずに -B オプションを使用すると、ブートストラップのセーブセットの開始位置まで、即座にテープを読み取ります。テープ全体が読み取られると、最新のブートストラップセーブセットの ssid とテープファイル位置が標準出力に出力されます。
-c client オプションを使用すると、client に指定したマシンのセーブセットだけを処理するように scanner に指示できます。同じコマンド行で複数のクライアント名を指定できます。また、-c オプションは、-N オプションとともに使用できますが、-i オプションまたは -x オプションも同時に指定しなければなりません。
-f file オプションを使用すると、特定のメディアファイル番号で読み取りを開始できます。メディアファイル番号の判別方法については、「mminfo 」を参照してください。
-i オプションを使用すると、クライアントファイルインデックスとメディアデータベースの両方を、読み込まれるボリュームから再作成するように scanner に指示できます。-S ssid オプションを使用して 1 つのセーブセットを指定すると、指定したセーブセットのエントリだけからクライアントファイルインデックスが作成されます。
-m オプションを使用すると、読み込まれるボリュームのメディアデータベースだけを再作成するように scanner に指示できます。
-n オプションを使用すると、クライアントファイルインデックスまたはメディアデータベースを再作成せずに scanner を実行できます。このオプションにより、クライアントファイルインデックスまたはメディアデータベースを変更せずにメディアを検査できます。
-N name オプションを使用すると、指定した名前と一致するセーブセットだけを処理できます。名前は、リテラル文字列で指定します。このオプションに -c client オプションを組み合わせて使用すると複数の名前を指定できますが、-i オプションまたは -x オプションも同時に指定する必要があります。
-p オプションを使用すると、各セーブセットが処理された時に、そのセーブセットについての情報を出力できます。
-q オプションを使用すると、エラーメッセージまたは重要なメッセージだけが表示されます。
-r record オプションを使用すると、特定のメディアレコード番号で読み取りを開始でき、使用しない可能性のある情報は読み取りません。メディアレコード番号の判別方法については、「mminfo 」を参照してください。
-s server オプションを使用すると、scanner プログラムをストレージノード上で実行する時に、制御元の Backup サーバーを指定できます。
-S ssid オプションを使用すると、ssid で指定したセーブセットを抽出できます。このオプションを -i オプションまたは -x オプションとともに使用すると、複数の ssid 値を指定できます。選択したセーブセットは、-c オプションおよび -N オプションを使用して選択したものに追加されます。-B オプションも同時に指定すると、ssid の値は、ブートストラップセーブセットの ssid 値とみなされます。ただし、この場合には、ssid は 1 つしか指定できません。
-x command オプションを、オプションのコマンド引数リストとともに使用すると、読み取られる各セーブセット上で実行する UNIX コマンドを指定できます。このオプションは、デバイスの指定後、scanner コマンド行 1 行につき 1 つだけ指定できます。
scanner コマンドの使用例と一般的なエラーメッセージについては、scanner(1m) のマニュアルページを参照してください。
Backup クライアントファイルインデックスには、Backup によりバックアップされたファイルをユーザーがブラウズし、復旧するためのエントリが格納されています。このファイルは、割り当てられているブラウズポリシーの期限を越えることはありません。サーバーによって管理される Backup メディアデータベースには、バックアップされたデータが置かれている場所についての情報が格納されています。ユーザーは、サーバーのメディアデータベースと Backup クライアントファイルインデックスに照会し、情報を取得できます。
mminfo プログラムは、Backup メディアとセーブセットについての情報をレポートする場合に使用します。mminfo のデフォルトのレポートには、過去 24 時間以内に正常に終了したセーブセットの情報が表示されます。レポートに表示されるのは、ボリューム名、クライアント名、作成日付、ボリュームに保存されたデータの量、実行されたバックアップのレベル、セーブセットの名前です。
mminfo コマンドの使用例のリストは、「mminfo レポートコマンドの例」を参照してください。
mminfo プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
mminfo [-avV] [-o order] [-s server] [report] [query] [volname...] <report>: [-m | -B | -S | -X | -r reportspecification] <query>: [-c client] [-N name] [-t time] [-q query specification] |
-a オプションを使用すると、過去 24 時間以内のものだけでなく、完了したブラウズ可能なセーブセットすべてを照会できます。このオプションは、-c、-N、-q、-m、および -o オプションを指定したことになります。メディアだけのレポート (メディア情報だけを表示する -m オプションまたはカスタマイズしたレポート) と組み合わせると、完了したブラウズ可能なセーブセットだけでなく、すべてのボリュームに -a オプションが適用されます。
-B オプションを使用すると、過去 5 週間に生成されたブートストラップのリストを作成できます。このリストにはブートストラップのレポート形式が使用され、照会に一致したセーブセットが 1 行ずつ出力されます。各行には保存の日付と時刻、保存のレベル、ssid、最初のファイル番号、最初のレコード番号、ボリュームが表示されます。
-c client オプションを使用すると、レポート情報を、指定したクライアントに属するメディアとセーブセット (またはこのいずれか) に限定できます。
-m オプションを使用すると、メディア専用のレポートを表示できます。このレポートには、指定された Backup サーバーのメディアデータベース内の各ボリュームについての情報が表示されます。
内部ボリューム識別子 (volid)、次に書き込まれるファイルの番号、メディアタイプを表示するには、-v オプションと -m オプションを同時に指定します。
ボリューム特性を表示するには、-V オプションと -m オプションを同時に指定します。このボリューム特性のフラグ d とフラグ r は、次のことを示します。
d フラグは、現在、ボリュームへの書き込みが行われていることを示す
r フラグは、ボリュームが読み取り専用としてマークされていることを示す
-N saveset-name オプションを使用すると、レポート情報を、指定したセーブセット名に属するメディアとセーブセット (またはこのいずれか) に限定できます。
-o order オプションを使用すると、指定した順序で出力をソートできます。order には、次に示す 8 文字を自由に組み合わせて使用できます。各文字の意味は、次のとおりです。
c - クライアント
e - ボリュームの有効期限
l - ボリュームで使われている領域の長さまたはパーセンテージ
m - メディア
n - セーブセット名
o - ファイル名とレコード番号
R - 逆の順序
t - 前回メディアがアクセスされた時刻
セーブセットレポートのデフォルトのソート順序は、m、o、c、n、t、l です。
-q query-specification オプションを使用すると、現在の照会に加えられた制約事項のリストに、指定した照会の制約事項を追加できます。-q オプションは複数指定できます。また、照会の制約事項の短縮形 -c、-N、-t と組み合わせることもできます。query_specification の構文は次のとおりです。
[!] name [comp value] [ , ... ] |
name は、"name="hot"name="hot""Save Set" などのデータベース属性の名前です。comp は、属性についての有効な比較演算子で、「>」、「>=」、「=」のどれかです。value は、比較される値です。
比較演算子と値は、フラグ以外のすべての属性に対して指定する必要があります。文字列にコンマが入っている場合は、値全体を単一または二重の引用符で囲みます。次に、正しい文字列比較の例を示します。
name="Daily, ""hot"" Save Set" |
文字列に複数の値を指定する場合を除いて、指定する制約事項はすべて、1 つのセーブセットまたはメディアボリューム、あるいはその両方に対応させなければなりません。数値の制約事項には 1 つの値を指定しますが、すべての文字列の制約事項には複数の値を指定できます。次に例を示します。
%used>20,%used<80 client=mars,client=saturn |
照会の指定に使用する構文の詳細は、mminfo(1m) のマニュアルページの「CUSTOM QUERIES AND REPORTS」セクションを参照してください。
-r reportspecification オプションを使用すると、レポートの表示方法を指定できます。表示するメディアとセーブセットの属性、カラムの順序、カラムの幅 、行の区切りを指定します。reportspecification の構文は、次のとおりです。
name [(width)] [, name [(width)]...] |
name はデータベース属性の名前で、width はカラムの幅です。
-s server オプションを使用すると、指定した Backup サーバーのボリュームとセーブセット情報を表示できます。server のデフォルト値は、現在使用中のシステムです。
-t time オプションを使用すると、レポートされた情報を、作成された、またはこれから作成されるセーブセットに属するメディアとセーブセット (またはこのいずれか) に限定できます。時間の形式については、nsr_getdate(3) のマニュアルページを参照してください。time のデフォルト値は「yesterday」です。
-v オプションを使用すると、レポートを冗長モードで表示できます。以下の内容がレポートされます。
異常終了、完了、パージ、未完了のセーブセット
作成時刻
内部セーブセット識別子 (ssid)
ボリュームに格納されているセーブセットの部分を示す次の文字
c - セーブセット全体が格納されている
h - セーブセットの先頭部分が格納されている
m - セーブセットの中間部分が格納されている
t - 複数のボリュームにまたがっているセーブセットの最終部分が格納されている
次の文字で示されるセーブセットの状態
b - recover コマンドによってブラウズできる
r - scanner コマンドによって復旧できる
E - 再利用可能としてマークされていて、いつでも上書きできる
S - scanner コマンド実行済みで、メモリにロールインされている。ロールインされたセーブセットは標準のインデックス管理手順には従わず、ユーザーが手動でパージするまでファイルインデックスに残る
a - 完了せずに異常終了した。異常終了したセーブセットは、nsrck プログラムによってオンラインファイルインデックスから削除される
i - 保存処理がまだ進行中である
-S オプションを使用すると、長い、複数行のセーブセットレポートをデバッグ用に表示できます。セーブセットの各属性は、次の形式のどちらかで表示されます。
name=value client:name |
複数行から成る各グループの先頭の行は左マージンから始まり、セーブセット識別子 (ssid)、保存時刻、クライアント名、セーブセット名が表示されます。2 行目以降はインデントされます。2 行目には、保存のレベル、セーブセットのフラグ、セーブセットのサイズ、セーブセット内のファイルの数、セーブセットの有効期限が示されます。3 行目以降には、セーブセットの拡張属性、クローン、インスタンスが表示されます。
-V オプションを使用すると、-v オプションを指定して表示されるレポートよりも詳細なレポートを表示できます。
先頭の行には、次の情報が表示されます。
ボリュームに格納されているセーブセットの各部分のサイズ
作成日付と時刻
2 行目には、次の情報が表示されます。
1970 年 1 月 1 日のグリニッジ標準時 (GMT) 00:00:00 から起算した保存時間 (秒)
内部のセーブセット識別子 (ssid)
セクション内のセーブセットの先頭バイトと最終バイトの間のオフセット
メディアファイルの番号
セーブセットのデータを持つメディアファイル内の先頭レコード
内部ボリューム識別子 (volid)
セーブセットの全サイズ
メディアファイルに格納されているセーブセットの部分を示すフラグ (c、h、m、または t)
セーブセットの状態 (b、r、a、または i)
-X オプションを使用すると、サマリーレポートを作成できます。このサマリーレポートでは、セーブセットは次のカテゴリに分類されます。カテゴリ間には重複があります。
1 つのセーブセットに対して実行される各レベルのバックアップ数のタイプ別内訳
アーカイブされたセーブセット、マイグレートされたセーブセット、空のセーブセット、パージされたセーブセットの数
インデックスセーブセットの数
不完全なセーブセットの数
最近の使用状況については、次の情報についての週次と月次の要約が表示されます。
指定された時間間隔内に保存されたファイルの数
セーブセットの数
全サイズとセーブセットの平均サイズ
ファイルの平均サイズ
差分バックアップで保存された量の、フルバックアップで保存された量に対する割合
次の例は、独自にカスタマイズした照会を作成する場合に従うべきガイドラインです。短縮構文も、できる限り記載しています。
サーバーが管理するすべてのボリュームについての情報をすべて表示するには、次のように入力します。
mminfo -m |
mars.001 と mars.002 のラベルの付いたボリュームのメディア情報を表示する場合は、次のように入力します。
mminfo -m mars.001 mars.002 |
/usr という名前のファイルインデックス内で検出されたセーブセットをすべて表示する場合は、次のように入力します。
mminfo -N /usr |
先週バックアップされた、venus という名前のクライアントによって生成された /usr という名前のセーブセットを表示する場合は、次のように入力します。
mminfo -N /usr -c venus |
mars.001 というラベルが付いたボリューム上にある、venus という名前のクライアントによって生成された /usr という名前のセーブセットを表示する場合は、次のように入力します。
mminfo -N /usr -c venus mars.001 |
先週書き込まれた、すべてのボリュームのメディアレポートを表示する場合は、次のように入力します。
mminfo -m -t `last week' |
空き領域のある各ボリュームについて、使用された割合、プール名、および実際の位置を示すメディアレポートを表示するには、次のように入力します。
mminfo -a -r `volume,%used,pool,location' -q `!full' |
-m を指定したときのレポートと同様の形式でボリュームラベルの代わりにメディアのバーコードの情報を表示するには、次のように入力します。
mminfo -a -r ¥ `state,barcode,written,%used,read,space,volexp' ¥ -r`mounts(5),space(2),capacity' |
複数のコピーがあるすべてのセーブセットのインスタンスのリストを冗長モードで表示するには、次のように入力します。このリストは、保存時間とクライアント名でソートされます。
mminfo -otc -v -q `copies>1' |
「my project」という注釈が付いた、過去 4 ヶ月間のすべてのアーカイブセーブセットを表示するには、次のように入力します。
mminfo -q'annotation=my project' ¥ -r"volume,client,savetime,sumsize,ssid,name,annotation" ¥ -t'four months ago' |
mmlocate プログラムを使用すると、メディアデータベースに格納されているボリューム位置の情報にアクセスし、管理できます。すべてのユーザーが、-l オプション (デフォルト) または -L オプションを指定してこのコマンドを使用できます。-c、-d、-u オプションを使用できるのは、Backup 管理者だけに限定されています。mmlocate プログラムを引数を指定せずに実行すると、指定したサーバーのすべてのボリュームとその位置が表示されます。サーバーを指定していない場合は、現在使用中のホストが使用されます。
nsrjb コマンドを使用してジュークボックス内にボリュームを移動させると、ボリュームの位置は、ジュークボックスの名前に設定されます。
mmlocate プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
mmlocate [-s server] [-l] [-n volume-name | -i volumeID | location] mmlocate [-s server] -L mmlocate [-s server] -d location mmlocate [-s server] -c {-n volume-name | -i volumeID} mmlocate [-s server] -u {-n volume-name | -i volumeID} location |
-a オプションを使用すると、過去 24 時間以内のものだけでなく、完了したブラウズ可能なセーブセットすべてを照会できます。このオプションは、-c、-N、-q、-m、および -o オプションを指定したことになります。メディアだけのレポート (メディア情報だけを表示する -m オプションまたはカスタマイズしたレポート) と組み合わせると、完了したブラウズ可能なセーブセットだけでなく、すべてのボリュームに -a オプションが適用されます。
-c オプションを使用すると、指定したボリュームの位置フィールドをクリアできます。
-d location オプションを使用すると、指定した位置を示すすべてのボリュームを削除できます。各ボリュームが削除される前に、確認プロンプトが表示されます。
-i volid オプションを使用すると、指定したボリューム ID だけに mmlocate 処理を限定できます。
-l query オプションを使用すると、与えられたボリューム名、ボリューム ID または位置を使用して、データベースを照会できます。特定の照会要求をせずに -l オプションを指定すると、設定位置なしのボリュームが表示されます。
-L オプションを使用すると、データベース内で検出されたすべての位置を一覧表示できます。
-n volname オプションを使用すると、指定したボリューム名だけにこの処理を制限できます。
-s server オプションを使用すると、サーバーのメディアデータベースにアクセスできます。
-u オプションを使用すると、ボリュームの位置を更新できます。位置は、最大 64 文字の長さに制限されています。-n volname または -i volid オプションも指定して、位置を指定する必要があります。
mmpool プログラムは、Backup サーバーのメディアデータベース内に格納されているプール情報にアクセスする場合に使用します。また、このコマンドを使用して、特定のプール内のすべてのボリュームを削除できます。mmpool プログラムに 1 つまたは複数のボリューム名を指定すると、レポートには、指定した各ボリュームが属するプールが表示されます。デフォルトでは、すべてのボリュームとそのプールが表示されます。
ボリュームが属するプールは、ボリュームのラベルを付け直さないと変更できません。ボリュームのラベルを付け直さずに変更すると、ボリューム上のすべてのデータが破壊されます。プールは、nwadmin または nsradmin などの Backup 管理ツールを使って構成されます。これらの管理ツールを使って、独自のプールを作成して、変更できます (「「NSR pool」 」を参照)。
mmpool プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
mmpool [-s server] [volume...] mmpool [-s server] -d pool-name mmpool [-s server] -l [pool-name] mmpool [-s server] -L |
-d pool-name オプションを使用すると、指定したプールのボリュームすべてを削除できます。各ボリュームが削除されるごとにプロンプトが表示されます。
-l pool-name オプションを使用すると、すべてのボリュームとそのボリュームが属するプールが表示されます。1 つのプールを指定すると、mmpool は、そのプール内のボリュームだけを表示します。
-L オプションを使用すると、サーバーに構成されているすべてのプールリソース名を表示できます。
-s server オプションを使用すると、このプログラムを実行する Backup サーバーを指定できます。サーバーの選択については、nsr(1m) のマニュアルページを参照してください。
mmrecov プログラムを使用すると、Backup サーバーのオンラインファイルインデックスかメディアデータベースのどちらかのファイルが損失したか損傷を受けた時に、これらをバックアップボリュームから復旧できます。このコマンドにより、サーバー上にある既存のオンラインファイルインデックスとメディアデータベースが上書きされます。mmrecov プログラムは、Backup クライアントのファイルインデックスの復旧には使用できません。この場合には、通常の復旧プロシージャを使用します。
はじめて mmrecov プログラムを使用する前に、Backup サーバーソフトウェアを完全にインストールして正しく構成してから、サーバーのファイルインデックスとメディアデータベースを含めてバックアップを実行する必要があります。Backup ソフトウエアのどれかが損失した場合は、mmrecov を実行する前に、そのソフトウェアを配布ファイルからインストールし直してください。Backup と同じリリースを使用し、そのソフトウェアが損失する前に置かれていた同じ位置にインストールします。
mmrecov プログラムを開始すると、プログラムにより、ブートストラップセーブセットを抽出する対象となるデバイスが要求されます。次に、ブートストラップの ssid が要求されます。この番号は、savegrp プログラムが実行されるたびに出力されるブートストラップの最終行の 4 番目のカラム (ssid のラベルが付いている) で判別できます。ブートストラップレポートの例については、mmrecov(1m) のマニュアルページを参照してください。
mmrecov プログラムは、2 つのフェーズで実行されます。まず最初に、メディアデータベースとオンラインファイルインデックスの入っているブートストラップセーブセットの格納内容を抽出します。オンラインファイルインデックスには、それ自身に必要なエントリが 1 つしか格納されていません。第 2 フェーズでは、mmrecov プログラムは recover プログラムを実行して、サーバーのオンラインファイルインデックスを完全に復旧します。第 2 フェーズはバックグラウンドで実行されるため、ユーザーはこの後に続くメディアマウント要求に応答できます。
mmrecov プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
mmrecov [-q | -v] |
-q オプションを使用すると、発生したエラーメッセージのみが表示されるクワイエットモードで mmrecov を実行できます。
nsrck プログラムは、クライアントのセーブセットの Backup オンラインインデックスの整合性をチェックする場合に使用します。
nsrck を使用して、Backup クライアントファイルインデックスの整合性が検査されます。通常、nsrck プログラムは、nsrindexd の起動の一部として、nsrindexd プログラムによって自動的に開始されます。.nsrck ファイルはプログラムの実行時にロックされるので、nsrck のインスタンスだけがサーバーで動作します。
nsrck プログラムは、その実行中であればいつでも再起動できます。そのため、システムのクラッシュ時やリソースの消耗時にも、データを失うことなく動作します。
インデックスの整合性検査は、4 つのフェーズを経て完了します。
フェーズ 0 では、クライアントのインデックスをさらに調査すべきかどうかを判別します。このフェーズでは、インデックスの内部状態が検査され、その状態に整合性がある場合は、検査はこれ以上続行されません。また、フェーズ 0 では、適切でないインデックス名 (たとえば、有効なネットワークアドレスに名前が対応していないインデックスなど) もレポートされます。
フェーズ 1 では、データベースレコードファイル db 内で検出されたあらゆるエラーが処理され、さらに必要に応じて、データベースの b- ツリーインデックスが再構築されます。
-X オプションが指定されている場合は、nsrck によりフェーズ 2 が呼び出され、クライアントファイルインデックスとメディアデータベースが相互に検査されます。既存のブラウズ可能なセーブセットエントリがないレコードは、削除されます。
フェーズ 2 で解放されたスペースが生じたことにより、あるいは前回のプログラムの実行によりフラグが付けられたことによりデータベースを圧縮する必要がある場合は、フェーズ 3 でそのインデックスが圧縮されます。
インデックスを圧縮するには、2 つ、または 3 つの手順で処理を行います。まず、データベースのレコードが一時データベース db.CMP にコピーされます。この処理が完了すると、フラグファイル db.SVC が作成され、古い、圧縮されていないデータベースは削除されます。さらに、圧縮されたデータベースは、名前が db に変更されます。最後に、db.SVC ファイルが削除されます。db ファイルが格納されているファイルシステムに一時データベースが入るだけのスペースがない場合は、nsrck は、他の書き込み可能なファイルシステムに一時ファイルを作成します。次に、db.PTR という名前のファイルにこの一時ファイルへのポインタを格納します。この場合、データを追加コピーする必要があります。それは、データが適切な場所にコピーされる前に、圧縮されていないデータベースをまず最初に削除する必要があるからです。これらの手順がすべて完了した後で、db.PTR ファイルが削除されます。
nsrck プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrck [-qM] | [-T tempdir] [-X [-x percent] | -C | -F | -m] [clientname...] |
-C オプションを使用すると、指定したクライアントで、またクライアントを指定していない場合はすべてのクライアントで、強制的にインデックスを圧縮できます。データベース内にエラーが検出された場合にだけ、他のフェーズのチェックが行われます。
-F オプションを使用すると、指定したクライアント名について強制的に検査を実行します。名前を指定していない場合は、強制検査は、すべてのクライアントインデックスに対して実行されます。このオプションでは、インデックス検査のすべてのフェーズが強制的に実行されます。下位互換の場合は、-F オプションにより、インデックスの圧縮を指定したことになり、またこのオプションを使用して、強制的にインデックスを圧縮できます。このオプションは、通常、ブラウズポリシーが短縮された時にのみ必要です (たとえば、ブラウズポリシーが 1 年から 6 か月に変更された場合)。ポリシーリソースについては、「「NSR policy」」を参照してください。
-M オプションを使用すると、nsrck プログラムをマスターモードで使用できます (手動処理の場合は、お勧めできません)。このオプションは、nsrck を呼び出した nsrd または他の Backup デーモンを nsrck に通知し、さらに、nsrd が要求するその他の処理を実行すると同時に、タイムスタンプを付けてメッセージを記録します。
-m オプションを使用すると、クライアントのオンラインファイルインデックスを検査する代わりに、強制的にメディアデータベースの b- ツリーインデックスを検査して、作成し直します。
-q オプションを使用すると、nsrck をクワイエットモードで実行できます。クワイエットモードでは、報告メッセージは表示されません。
db ファイルが格納されているファイルシステムに十分な空き容量がない場合に、-T オプションを使用して、圧縮中に一時データベースを保持するために nsrck が使用するディレクトリを指定できます。このオプションが指定されていて、指定された一時ディレクトリ内に十分なスペースがない場合は、nsrck プログラムは失敗します。db ファイルが格納されているファイルシステムに十分な容量がある場合は、この引数は無視されます。
-X オプションを使用すると、(フェーズ 0 でエラーが発生しない限り) インデックスデータベースを検査する代わりに、インデックスレコード内の ssid と、メディアデータベース内で検出されたセーブセットとの相互検査を行うように nsrck に指示できます。メディアセーブセットと対応していないレコードは破棄されます。ここに特定のクライアントを指定すると、相互検査は、そのクライアントインデックスに限定して行われます。
-x オプションを使用すると、データベースの UNIX ファイルの利用率が指定した割合よりも低い場合は、相互検査の終了後にデータベースを圧縮できます。使用されていないページは、ファイルシステムに戻されます。-x オプションのデフォルトの利用率は、30 % です。
nsrim プログラムは、Backup サーバーのクライアントファイルインデックスとメディアデータベースを管理する場合に使用します。通常、nsrim プログラムは、スケジュールされたバックアップが開始される時に nsrmmdbd デーモンによって、バックアップの終了時に実行される savegrp プログラムによって、あるいは、最も古いインデックスサイクルを削除するためのオプションを選択した結果として nsrd によって、自動的に実行されます。通常は、nsrim プログラムは手動で実行する必要はありません。
nsrim プログラムは、定義されているポリシーにアクセスし、各クライアントファイルインデックスの管理方法を判別します。定義されているクライアントのブラウズポリシーに指定されている期限を過ぎてもインデックス内に残っているエントリは、クライアントファイルインデックスから削除されます。定義されているクライアントの保持ポリシーに指定されている期限を過ぎてもメディアデータベース内に残っているセーブセットは、メディアデータベース内で再利用可能なセーブセットとしてマークが付けられます。1 つのボリューム上に格納されているすべてのセーブセットが再利用可能としてマークが付けられると、ボリュームそのものが再利用可能とみなされます。再利用可能なボリュームはユーザーが選択できます。また、オートチェンジャによって管理されるボリュームの場合は、別のバックアップ用に書き込み可能なボリュームが要求されると、再利用可能ボリュームのラベルが自動的に付け直され、Backup が使用できるようになります。再利用されるボリュームのラベルが付け直されると、そこに格納されていたデータは破壊されます。ボリュームのラベルが変更される前であれば、scanner プログラムを使用して、そのセーブセットを復旧できます。scanner プログラムの使用方法については、「scanner 」を参照してください。
nsrim プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrim [-b browse] [-c client] [-N saveset] [- r retention] [-x percent] [-lnqvMX] |
-b browse オプションを使用すると、クライアントリソース内に定義されているブラウズポリシーの代わりに、browse に指定したポリシーを使用できます。このオプションは、-n オプションと組み合わせて、クライアントファイルインデックス上でポリシーを変更した場合の潜在的な影響を判定するときに便利です。
-c client オプションを使用すると、指定したクライアントのクライアントファイルインデックスだけが処理されます。このオプションを指定しないと、Backup サーバーによって管理されるクライアントファイルインデックスがすべて処理されます。複数の -c client オプションを、同じコマンド行で繰り返し指定できます。
-l オプションを使用すると、最も古いレベルのフルセーブセットと、それに依存するすべてのセーブセットをクライアントファイルインデックスから削除できます。このオプションは、クライアントファイルインデックス内に複数のセーブセットのサイクルがある場合にのみ機能します。このオプションは、クライアントのリソースに割り当てられているブラウズポリシーと保持ポリシーは無視します。セーブセットのヘッダー情報により、現在クライアントファイルインデックス内に保持されているブラウズ可能なフルサイクルの数が表示されます。このオプションでは、インデックス内に格納されているアーカイブセーブセットまたはマイグレートセーブセットは無視します。手動でバックアップされたセーブセットエントリは、差分レベルのセーブセットとして実行されたものとみなされます。-l オプションでは、利用率のしきい値を 30 %に設定します。
-M オプションを使用すると、nsrim プログラムをマスターモードで使用できます (手動処理の場合は、お勧めできません)。このオプションは、nsrim を呼び出した nsrd または他の Backup デーモンを nsrim に通知し、さらに、nsrd が要求するその他の処理を実行すると同時に、タイムスタンプを付けてメッセージを記録します。
-N save-set オプションを使用すると、指定したセーブセットだけが処理されます。指定したセーブセット以外はすべてスキップされます。このオプションは、同じコマンド行で複数回繰り返して指定できます。
-q オプションを使用すると、nsrim をクワイエットモードで実行できます。このオプションでは、ヘッダー、トレーラ、またはセーブセットメッセージの生成は省略されます。
-r retention オプションを使用すると、クライアントのリソースによって定義されている保持ポリシーではなく、retention に指定したポリシーを使用するように nsrim に指示できます。このオプションは、-n オプションと組み合わせて、クライアントファイルインデックス上でポリシーを変更した場合の潜在的な影響を判定するときに便利です。
-x percent オプションを使用すると、利用率のしきい値を設定できます。エントリを削除したあとで、クライアントファイルインデックスの使用率が指定した量よりも少ない場合は、相互検査が要求された時点で percent の値が nsrindexd に渡されます。デフォルト値は、50 です。-X オプションまたは -l オプションのどちらかを指定すると、利用率のしきい値は 30 %に変更されます。
-v オプションを使用すると、nsrim を冗長モードで実行できます。このオプションにより、特別に大容量の出力が作成されます。-q オプションと -v オプションを同時に指定した場合は、お互いにその効果がキャンセルされます。
-X オプションを使用すると、セーブセットのデータ構造とボリュームのデータ構造の整合性が検査されます。このオプションが必要とされるのは、Backup に障害が発生した時だけです。このオプションでは、利用率のしきい値は 30 %に設定されます。
nsrinfo プログラムは、クライアントのファイルインデックスの内容についてのレポートを生成します。Backup クライアント名を指定する必要があります。これ以外のオプションを指定しないと、nsrinfo プログラムにより、指定したクライアントのバックアップ名前空間内で検出されたファイル名とオブジェクト名すべてのレポートが、1 行に 1 つずつ作成されます。また、nsrinfo プログラムにより、特定のクライアントファイルインデックスの名前空間のレポートや、一度にすべての名前空間のレポート、あるいは、特定の XBSA (X-Open Backup Services) アプリケーションのレポートも作成できます。このレポートは、保存時間と呼ばれる一定の時間に限定することもできます。保存時間とは、エントリがクライアントファイルインデックスに入力された時間です。
-L オプションを指定しないと、nsrinfo プログラムを使用するためには、ユーザー名が Backup サーバーの Administrator リスト内に指定されている必要があります。また、-L オプションを指定するには、システム管理者である必要があります (たとえば、UNIX システムのスーパーユーザー)。
nsrinfo プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrinfo [-vV] [-s server | -L] [-n namespace] [- N filename] [-t time] [-X application] client |
必須の client 引数を指定することにより、nsrinfo プログラムがレポートするクライアントが決まります。
-L オプションを使用すると、Backup サーバーを使用せずにクライアントファイルインデックスを直接開くことができます。このオプションは、Backup が稼動していない時に、デバッグやクライアントファイルインデックスの照会を行う場合に便利です。
-n namespace オプションを使用すると、照会するクライアントファイルインデックスの名前空間を指定できます。デフォルトでは、バックアップ名前空間が照会されます。nsrinfo プログラムがこれ以外に認識できるものとして、migrated、archive (今後の使用のために予約されている)、nsr、informix、および all があります。
-N filename オプションを使用すると、クライアントファイルインデックス内で検索するファイルの正確なファイル名を指定できます。指定したファイル名と正確に一致するインデックスエントリだけが出力されます。クライアントシステム (たとえば、NetWare) によっては、クライアントファイルインデックス内に格納されているファイル名が、出力可能な ASCII 文字で作成されていない場合が多くあります。このようなシステムでは、このオプションの使用は制限されます。
-t time オプションを使用すると、nsrinfo が照会する際の正確な保存時間を限定できます。time の値には、Backup の形式であればどれでも使用できます。Backup によって作成されるすべてのセーブセットには、固有の保存時間が割り当てられます。mminfo プログラムを使用して、保存時間を判別できます (詳細は、 「mminfo 」を参照)。
-v オプションを使用すると、冗長モードで実行するように nsrinfo に指示できます。このオプションでは、ファイル名に加えて、ファイルのタイプ、指定されている内部ファイルのインデックス識別子、ファイルの大きさ (UNIX ファイルのみ)、およびその保存時間が表示されます。このオプションは、-V オプションと組み合わせることができます。
-V オプションを使用すると、別の冗長モードで動作するように nsrinfo に指示できます。このオプションでは、ファイル名に加えて、ファイルが格納されているセーブセット内のオフセット、セーブセット内のそのファイルの大きさ、アプリケーションの名前空間、およびその保存時間が表示されます。このオプションは、-v オプションとともに使用できます。
-s server オプションを使用すると、nsrinfo で照会する Backup サーバー名を定義できます。デフォルトでは、ローカルシステムのサーバーが照会されます。
-X application オプションを使用すると、照会の対象を、特定の X/Open Backup Services (XBSA) アプリケーションの情報リストに限定できます。有効な application は、All、Informix、および None です。application に指定する値は、大文字と小文字の区別はされません。
namespace の有効値についての詳細な説明、クライアントファイルインデックス内で検出されるファイルタイプ、nsrinfo の使用例、および一般的なエラーメッセージについては、nsrinfo(1m) のマニュアルページを参照してください。
nsrls プログラムをオプションを指定せずに呼び出すと、クライアントファイルインデックス内のファイル数、クライアントファイルインデックスが現在必要とする K バイト数、および UNIX ファイルに割り当てられている K バイト数に対するクライアントファイルの利用率が出力されます。
nsrls プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrls [client-name...] nsrls -f file-name... |
client-name オプションを使用すると、特定の Backup クライアントファイルインデックスを指定して調査できます。デフォルトでは、現在のシステムがインデックスを調査する対象のクライアントであるとみなされます。
-f file-name オプションを使用すると、Backup クライアント名のリストではなく、ファイル名のリストを入手するように nsrls に指示できます。それぞれ正当なインデックスファイルが指定されると、nsrls プログラムは、内部ボリューム ID とファイル名を出力し、統計情報バナーの後に、インデックス内の各内部ファイルに関する統計情報を続けて出力します。各内部ファイルの統計情報としては、内部ファイル ID (Fid)、ファイルが消費した K バイト数 (Kbytes)、ファイル内の論理レコード数 (Count)、および内部ファイルの内容を表す名前 (Name) があります。内部ファイルについては、nsrls(1m) のマニュアルページを参照してください。