Solstice Backup 5.1 障害復旧ガイド

オートチェンジャ (ジュークボックス) による復旧

この項では、Backup サーバーインデックスと構成ファイルだけが失われる障害からの復旧に、オートチェンジャをどのように使うかを説明します。構成ファイルは、/nsr/res ディレクトリにあります。

構成ファイルには nsrjb.res ファイルも含まれており、このファイルにオートチェンジャの構成情報があります。

この項の説明では、本来のサーバー上にある Backup サーバーインデックスと構成ファイルが失われた場合、あるいは、Backup を新しいサーバーに移し、既存のインデックスファイルと構成ファイルをその新しいサーバー上に復旧する必要がある場合を想定しています。

詳細は、「システムと Backup ソフトウェアの復旧」「Backup インデックスと構成ファイルの復旧方法 」を参照してください。

インデックスと構成ファイルを復旧するプログラムでは、オートチェンジャを認識できません。したがって、オートチェンジャを復旧作業のそれぞれの部分を担当する 1 台のスタンドアロンドライブとして使う必要があります。必要なバックアップボリュームをマウントまたはマウント解除するには、オートチェンジャのコントロールパネルを使います。

インデックスと構成ファイルを復旧したら、元のオートチェンジャの構成ファイルがすべて本来の場所に戻ります。したがって、オートチャンジャを再び残りのデータの復旧に使うことができます。


注意 - 注意 -

保存日数が 30 日を超えるサーバーインデックスが失われずに残っている場合、障害復旧時にオートチェンジャを使うためには、サーバーとオートチェンジャをもう一度使用可能な状態に設定しなければなりません。


この項の後半では、オートチェンジャを使うか、またはオートチェンジャ内に設置されているドライブを使うかを選択する際の問題と、サーバーのインデックスと構成ファイルを復旧する方法を説明します。

オートチェンジャの追加と構成

オートチェンジャを使用しての復旧を選択した場合は、サーバーインデックスと構成ファイルを復元する前にデータを復旧するにあたり、次の点に留意してください。

オートチェンジャによる復旧方法

オートチェンジャを使って障害復旧を行う場合は、次の手順で進めます。

  1. 必要に応じて、オペレーティングシステムと Backup ソフトウェアをインストールし直します。

    インストールし直す場合、インデックスに対しては、前回のバックアップに使われたパス名を使います。

  2. jbconfig コマンドを使って、オートチェンジャを追加し、構成します。

  3. nsrjb -vHE コマンドを発行します。

    このコマンドを使って、操作用にオートチェンジャをリセットし、バックアップボリュームを取り出し、要素状態を初期化し直して、ボリューム用の各スロットを確認します。使用しているオートチェンジャで -E オプションがサポートされていなければ、sjiielm プログラム (/etc/LGTOuscsi/sjiielm パスなど) を使って要素状態を初期化します。

    ドライブにボリュームがロードされていれば、そのボリュームは取り除かれてスロットに置かれます。この操作が終わるまでに、数分かかります。

    エラーが出た場合、通常は無人デバイスが、ドライブから取り除いたばかりのボリューム用のスロットを探し出せないでいることを示します。いくつかのバックアップボリュームを移動させて、そのボリューム用の空きスロットをつくるか、可能な場合には、そのボリュームを機械式のアームから取り除いて、手動でスロットに置きます。

  4. 電子ファイルまたはハードコピーで、ブートストラップデータを探します。

    このデータによって、サーバーインデックスと構成ファイルの復旧に必要なボリューム (複数の場合もある) をつきとめます。

  5. nsrjb -I コマンドを入力して、オートチェンジャの内容のインベントリを作成します。これによって、ブートストラップの復旧に必要なボリュームがオートチェンジャ内にあるかどうかを判断できます。

    現在ドライブにロードされているボリュームに、最新のブートストラップがある可能性があります。

    この操作を速く終わらせたい場合は、-S フラグを使ってコマンドを発行し、必要なバックアップボリュームがあると思われるスロットだけを一覧表示させます。これで、オートチェンジャの内容全体のインベントリを作成せずにすみます。スロットは、たとえば nsrjb -I -S 1-3 のように、スロットの連番で一覧表示させます。また、たとえば 1、3、6 のようにとびとびの番号でスロットのインベントリを作成したい場合は、各スロットに対して、それぞれ nsrjb -I -S コマンドを使います。現在オートチェンジャにロードされているすべてのボリュームにアスタリスクが付けられますが、これは、メディアインデックスがまだ復旧されていないからです。

  6. 次のコマンドを入力して、該当するボリュームをロードします。


    # nsrjb -l -S slot -f device-name 
    

    slot は第 1 ボリュームが置かれているスロットの番号、device-name は第 1 ドライブのパス名です。「Backup Mount」ボタンを使うこともできます。

  7. mmrecov コマンドを入力します。

    ブートストラップが複数のボリュームにまたがっている場合は、次のバックアップボリュームをロードするようプロンプトが表示されます。

  8. インデックスが復旧されたら、次のように nsrjb -u コマンドを入力してボリュームのマウントを解除します。


    # nsrjb -u -S slot -f device-name 
    

    「Backup Unmount」ボタンを使うこともできます。

  9. Backup を停止します。

  10. 元のディレクトリ名 /nsr/res/nsr/res.orig に変更します。

  11. 復旧されたディレクトリ名 /nsr/res.R/nsr/res に変更します。

    /nsr/res ファイルを復旧して名前を変更したら、インストールし直してオートチェンジャを構成したときに作成した構成ファイルを取り替えます。この手順によって、障害発生前の前回のバックアップ時の構成をすべて復旧することができます。

  12. Backup を再起動します。

    サーバーインデックスと構成ファイルが復旧されたら、オートチェンジャは完全に機能できます。オートチェンジャの内容のインベントリを作成します。障害復旧の作業でボリュームを手動で動かした場合は、特にこの作業が必要です。