Solstice Backup 5.1 障害復旧ガイド

オペレーティングシステムの復元

障害復旧でオペレーティングシステムを復元するには、2 つの方法があります。全体的再インストールと部分的再インストールです。全体的再インストールでは、オペレーティングシステムのすべてのファイルをインストールして、データの消失またはディスククラッシュの発生以前にあった固有な構成をすべて作成し直します。部分的再インストールでは、十分に機能し得るネットワークシステムの作成に最低限必要な数のファイルだけをインストールおよび作成します。あとで Backup を使って、残りのオペレーティングシステムのファイルと構成ファイルを復旧します。

図 1-5 に、ディスククラッシュによってオペレーティングシステム、Backup ソフトウェア、サーバーインデックスファイル、および構成ファイルが失われた場合に復旧する手順を説明しています。また、この図では、オペレーティングシステムを再インストールするための 2 つの選択肢も説明しています。

図 1-5 ディスククラッシュによってオペレーティングシステムを消失した場合の復旧

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Backup サーバーと Backup クライアントとで、障害復旧方法はほとんど同じですが、クライアントシステムではサーバーインデックスと構成ファイルの復旧は不要という点が異なります。

全体的再インストール

場合によっては、たとえばオペレーティングシステムを CD からインストールしていて、作成し直すべき固有の構成が非常に少ない場合などには、オペレーティングシステムを全体的にインストールし直すほうが迅速に復旧できることがあります。部分的再インストールでは、使用しているバックアップデバイスとネットワークの速度によっては、Backup で残りのファイルと構成を復旧するのに、全体的再インストールよりも時間がかかる場合があります。

オペレーティングシステムによって直接サポートされていないデバイスをデフォルトの構成で使う場合は、インストールの際に、次のようにデバイスの構成ファイルを変更しなければなりません。

残りのデータを復旧する時点で、インストールし直したばかりのオペレーティングシステムのファイルを、Backup でバックアップされたオペレーティングシステムのファイルに置き換えるかどうかを決められます。障害以前と同じ構成に確実に戻したい場合には、再インストール時に作成したファイルと構成を元のものに置き換えます。

部分的再インストール

一方、部分的再インストールでは、Backup サーバーをすばやく起動できる場合があり、とりあえずサーバーの起動は済ませておいて、続けて障害復旧に専念できます。オペレーティングシステムの残りのファイルは、あとで Backup を使って復旧できます。構成作業が必要なクライアントとデバイスがネットワーク上に多数ある場合は、IP アドレスとホスト名を探して、構成を作成し直すのに時間がかかるので、部分的再インストールによって特に時間を節約できます。

さらに、オペレーティングシステムの残りのファイルを Backup で復旧できるようになってから、サーバー、クライアント、デバイスを障害発生前とまったく同じように構成し直すことができます。

部分的再インストールを選択すると、次の作業が必要になります。

全体的再インストールの場合も部分的再インストールの場合も、オペレーティングシステムをインストールし直したあと、tar コマンドを使って、テープドライブが正常に動作しているかどうかを検証します。