コンポーネントとは、アプリケーションを定義するソース情報 (ソフトウェア/ファイル構造などのコンポーネント) の論理グループです。
N1 Service Provisioning System ソフトウェア は、単純コンポーネントと複合コンポーネントの 2 種類をサポートしています。 単純コンポーネントは、1 つのソース項目を参照するコンポーネントです。 単純コンポーネントにより参照されるソース項目の型は、そのコンポーネントのコンポーネント型に対応します。 ファイル、ファイルのディレクトリ、レジストリキー、COM オブジェクト、JavaTM Archive (JAR)、EAR、IIS Web サイトなどがその例です。複合コンポーネントは、その他のコンポーネントを参照するコンポーネントです。 複合コンポーネントが含むことができる単純コンポーネントまたは複合コンポーネント、あるいはその両方の数は、制限されていません。
単純、複合に関係なく、すべてのコンポーネントには次の特性が共通しています。
コンポーネントを識別するテキストフィールドです。 これには、コンポーネントが保存されているパスが含まれます。
ソース情報の処理方法の制御に使用される、ユーザー定義可能なオブジェクト (コンポーネント型) です。 コンポーネント型オブジェクトは、実際には別のコンポーネントで、ファイル、ディレクトリ、設定などのソースオブジェクトの取得と配備を管理します。 プロビジョニングソフトウェア には、WebLogic、Windows、UNIX® およびいくつかの汎用モデルをサポートする多数のコンポーネント型が装備されています。
コンポーネントのバージョン番号です。 コンポーネントを変更するたびに、リポジトリによってバージョン番号が増分されます。
コンポーネントの配備に有効なターゲットである、プラットフォームまたはオペレーティングシステムを識別します。
コンポーネントのソース情報の発生源を識別します。 これにはパスが含まれています。
コンポーネントがチェックインされた日付と時刻です。 つまり、作成または変更された日付と時刻です。
コンポーネントをチェックインしたユーザーのユーザー ID です。 これにより、問題や矛盾の障害追跡を行う際の監査トレールが提供されます。
「components」ページでの並べ替えの制御に使用できる、ユーザー定義可能なテキスト文字列です。
コンポーネントオブジェクトを説明するテキスト文字列です。 この属性は プロビジョニングソフトウェア によっては使用されませんが、ユーザーに有意義な情報を提供できます。
コンポーネントの属性の詳細な説明については、「コンポーネントの構築」を参照してください。
N1 Service Provisioning System ソフトウェア は、次の操作の実行方法を含む、コンポーネントに関する重要な情報が含まれるメタデータとともに、各コンポーネントを保存します。
コンポーネントのインストールおよびアンインストール
コンポーネントの構成
管理コンソールなどのインタフェースを介した、コンポーネントの制御
ほかのアプリケーションコンポーネントと比較したコンポーネントの分析。たとえば、比較においてログファイルと/tmp ディレクトリを考慮する必要があるかどうかの指定
コンポーネントの起動とシャットダウン
このメタデータを読み込み、コンポーネントを比較することで、プロビジョニングソフトウェア はコンポーネントを識別し、コンポーネント間の依存性を追跡することができます。
図 1–2 に、コンポーネントの内容を示します。
このメタデータ以外に、コンポーネントには設定テンプレートが含まれます。IT オペレーターは設定テンプレートを使用すると、サーバーごとに、または実行プランで定義されている規則に従って、ポート番号などの特定の設定パラメータを調整することができます。 これらの変数は、従来のデータセンタースクリプトにハードコードされているのではなく、操作の実行時に設定可能です。
コンポーネントモデルは XML で記述します。 オブジェクトモデルには、Common Information Model (CIM) と、J2EE コンポーネントの標準管理モデルの提案である Java Specification Request (JSR-77) の機能が組み込まれています。 N1 Service Provisioning System ソフトウェア のコンソールを介して、コンポーネントテンプレートを使用して、依存のコンポーネントを素早くカスタマイズすることができます。 また、社内で開発されるアプリケーション用の新しいテンプレートを作成することもできます。 複雑な J2EE コンポーネントに対して高度なカスタマイズを行うために、コンソールの HTML インタフェースや、XML Spy などの XML 編集ツールを用いてコンポーネントを編集することができます。
プロビジョニングソフトウェア では、コンポーネントとプランはセキュリティー保護されたリポジトリに保存されます。 コンソールを使用すると、コンポーネントおよびプランをリポジトリとの間でチェックインまたチェックアウトし、比較を実行して、変更を行うことができます。
配備などのデータセンター操作を実行するには、コンポーネントにプランを適用します。 N1 Service Provisioning System ソフトウェアを介して、データセンターのあらゆる操作には、各コンポーネントに関して入手可能なすべての情報が組み込まれます。 またエラーは自動的に検出され、 失われた情報にはフラグが付けられます。 自動化によって、配備と設定変更はより迅速かつ正確に行われるようになります。
N1 Service Provisioning System ソフトウェア では、IT オペレーターがコンポーネントモデルをすぐ簡単に使用できるようになっています。 Master Server には、インターネットデータセンターで最も使用頻度が高いコンポーネント用のテンプレートが付属する、コンポーネントライブラリが含まれています。 表 1–2 に、ライブラリに含まれるテンプレートの一覧を示します。
表 1–2 コンポーネントライブラリのテンプレート
アプリケーションコンポーネントテンプレート |
シンプルなファイルおよびディレクトリ J2EE Enterprise Archive (EAR) J2EE Web Archive (WAR) J2EE Java Archive (JAR) Solaris パッケージ Solaris OS パッチ IIS Web サイトまたは仮想ディレクトリ COM+ アプリケーション COM コンポーネント MSI アプリケーション Windows レジストリキー Windows データソース .Net アプリケーション ASP .Net アプリケーション |
Web サーバーテンプレート |
SunTMONE /iPlanetTM (管理対象インスタンスが付属する admin) Apache Web サーバー Microsoft IIS (Metabase 設定が付属) |
アプリケーションサーバーテンプレート |
(単純、管理対象、およびクラスタ化インスタンスが付属する admin) IBM WebSphere (単純および複製されたインスタンスが付属する admin) Microsoft コンポーネントサービス/COM+ Microsoft Transaction Server (MTS) |
これらのコンポーネントとの連携に加えて、プロビジョニングソフトウェア は、アプリケーションの配備、設定、および分析の一部として、標準的なデータベース、ロードバランサーおよびオペレーティングシステムと協調して処理を行うことができます。 表 1–3 に、アクションの対象にすることができる、データベース、ロードバランサー、およびオペレーティングシステムの一覧を示します。
表 1–3 アクションの対象にすることができる、データベース、オペレーティングシステム、およびロードバランサー
データベース |
Oracle Enterprise Microsoft SQL Server |
サポートされるオペレーティングシステム |
SolarisTM 6、Solaris 7、または Solaris 8 の各リリース IBM AIX 4.3.x、5.1、5.2 Red Hat Linux 7.2、7.3、8.0 Red Hat Advanced Server 2.1 Microsoft Windows Server 2000 |
ロードバランサー |
Nortel/Alteo WebSystems ACEdirector Foundry ServerIron |