ホストタイプとは、特定のホストに割り当てられた変数のコンテナです。これらの変数はホストタイプ属性と呼ばれ、機能、場所、構成などのホスト特性の組み合わせに基づきます。ホストタイプは、ホストに割り当てられた、一連のホストタイプ属性を決定します。
ホストタイプの作成、または既存のホストタイプの使用には、2 つの利点があります。
同様のホストをグループ化できます。
ホストタイプ属性と呼ばれる、動的に構成される変数のフレームワークを提供します。
各ホストにホストタイプを割り当てると、最も重要な特性ごとにホストを簡単にグループ化できます。たとえば、Web サーバーとして使用されるホストに、あるホストタイプを定義し、データベースサーバーとして使用されるホストに対して別のホストタイプを定義したりできます。
ホストタイプを定義すると、データセンターでの操作が実行されたときに、構成値を動的に設定することもできます。Web サーバーのホストタイプには、Location、WebServer_User、WebServer_Group、HTTP_Port、HTTPS_Port などの属性があります。データベースサーバーのホストタイプには、Location、DB_Directory、DB_InstanceName、DB_Port、DB_SecurePort などの異なる属性があります。たとえば、Web サーバーのホストタイプを定義して、そのホストタイプに HTTP ポート変数が含まれるとします。このホストタイプのホストでインストールを実行すると、インストールプランは各ホストに設定された HTTP ポート属性値に基づいて Web サーバーの HTTP ポート変数を自動的に設定します。
プロビジョニングシステムで管理するすべてのホストには、デフォルトのホストタイプである crhost か、ユーザー定義のホストタイプのいずれかが割り当てられます。1 台のホストに対して設定できるホストタイプは 1 つだけです。
ホストがターゲット可能コンポーネントで作成された場合は、ホストタイプは自動的に割り当てられます。ターゲット可能コンポーネントに関する詳細については、「ターゲット可能コンポーネント」を参照してください。
N1 Grid Service Provisioning System ソフトウェアには、デフォルトのホストタイプである system#crhost が含まれます。デフォルトでは、すべてのホストにこのホストタイプが設定されます。system#crhost ホストタイプは、変更または削除できません。system#crhost タイプには、次の 2 つの属性があります。
sys.hostName
sys.description
これらの属性には、デフォルト値はありません。名前値は、ホストを定義するときに、各ホストに対して指定する必要があります。説明値は省略可能です。
ホストタイプは、名前と属性によって区別されます。属性は、名前と値のペアで構成されます。
ホストタイプ属性の特性
各属性には、デフォルト値があります。
属性名は必ず文字で始まり、スペースは使えません。
属性名は、1 つのホストタイプにおいては一意でなければなりません。
ホストタイプに新しい属性を追加すると、そのタイプのすべてのホストに、その属性とデフォルト値が追加されます。
ホストタイプから属性を削除すると、そのタイプのすべてのホストから、それらの属性が完全に削除されます。
属性の名前は変更できません。属性を削除すると、再度追加するには新しい名前を使用する必要があります。その結果、そのタイプのすべてのホストの属性値がデフォルトにリセットされます。
属性値はリテラル値、または構成によって決定される値を表します。
これらの変数は、置換変数と呼ばれます。もっとも一般的に使用される置換変数の 1 つは、:[container:installPath] です。
ホストを定義するときに、ホストタイプのデフォルト属性値を選択的に無効にできます。無効化されていないデフォルト値がホストに適用されます。ホストを作成したあとに、ホストタイプ属性のデフォルト値が変更された場合、デフォルト値を無効にしていないすべてのホストに、新しい属性値が反映されて更新されます。
ホストタイプの使用により、特定の特性に応じてホストをグループ化できます。ホストタイプにより、動的構成値も設定できます。
置換変数と構成の生成については、『N1 Grid Service Provisioning System 5.0 プランとコンポーネントの開発者ガイド』の第 6 章「構成の生成」を参照してください。
ここでは、ブラウザインタフェースを使用してホストタイプを作成する方法について解説します。また、次のコマンドを使用してホストタイプを作成することもできます。
hdb.ht.add – 新規ホストタイプを作成します。
このコマンドに関する詳細については、『N1 Grid Service Provisioning System 5.0 コマンド行インタフェース (CLI) リファレンスマニュアル』の第 7 章「hdb:ホストを管理する CLI コマンド」を参照してください。
既存のホストタイプから、新しいホストタイプを作成するには、「ホストタイプを編集する」を参照してください。
ホストタイプを作成するには、ホストの Create、Edit、Delete 許可を持つユーザーグループに属する必要があります。
「Host Types」ページに移動します。
「ホストタイプを表示する」を参照してください。
「Host Types 」ページで、表の 1 行目に新規ホストタイプの名前と簡単な説明を入力し、「Create」をクリックします。
新規ホストタイプの「Host Types Details」が表示されます。
新規ホストタイプに割り当てる各属性について、以下の手順を実行します。
(省略可能) ホストタイプを非表示にするには、「Hidden」を選択します。
ホストタイプを保存するには、「Save」をクリックします。
ホストタイプを編集するには、ホストの Create、Edit、Delete 許可を持つユーザーグループに属する必要があります。
「Host Types」ページに移動します。
「ホストタイプを表示する」を参照してください。
「Host Types」ページで、編集するホストタイプが含まれる行を探し、「Details」をクリックします。
選択したホストタイプの「Details」ページが表示されます。
「Edit」ページのコントロールを使用して、ホストタイプを変更します。
変更したホストタイプを新規ホストタイプとして保存するには、「Save As」をクリックします。
別の「Details」ページが表示されます。
新規ホストタイプの名前を入力します。
新規ホストタイプ名は、既存のホストタイプに対して一意でなければなりません。
「Continue to Save As」をクリックします。
ここでは、ブラウザインタフェースを使用してホストタイプを表示する方法について解説します。また、次のコマンドを使用してホストタイプを表示することもできます。
hdb.ht.la – すべてのホストタイプを表示します。
hdb.ht.lo – 特定のホストタイプに関する詳細情報を表示します。
このコマンドに関する詳細については、『N1 Grid Service Provisioning System 5.0 コマンド行インタフェース (CLI) リファレンスマニュアル』の第 7 章「hdb:ホストを管理する CLI コマンド」を参照してください。
ナビゲーションメニューから「Administrative」を選択します。
ブラウザインタフェースは「Administrative」ページを表示します。
「Administrative」ページで「Host Types」をクリックします。
ブラウザインタフェースは「Host types」ページを表示します。
(省略可能) 非表示のホストタイプを含めるには、ページの右上の「Show Hidden Host Types」を選択します。
(省略可能) 特定のホストタイプに関する詳細を表示するには、表示するホストタイプが含まれる行で「Details」をクリックします。
ホストタイプの「Details」ページが表示されます。
ホストタイプには、次の変更を行えます。
属性の追加、変更、または削除
ホストタイプの名前または説明の変更
ホストタイプ属性の更新による影響については、「ホストタイプ属性」を参照してください。
特定のホストのホストタイプ属性を編集するには、「ホストのホストタイプ属性を変更する」を参照してください。
ここでは、ブラウザインタフェースを使用してホストタイプを編集する方法について解説します。また、次のコマンドを使用してホストタイプを編集することもできます。
hdb.ht.mod – ホストタイプを編集します。
このコマンドに関する詳細については、『N1 Grid Service Provisioning System 5.0 コマンド行インタフェース (CLI) リファレンスマニュアル』の第 7 章「hdb:ホストを管理する CLI コマンド」を参照してください。
ホストタイプを編集するには、ホストの Create、Edit、Delete 許可を持つユーザーグループに属する必要があります。
編集するホストタイプの「Details」ページを表示します。
「ホストタイプを表示する」を参照してください。
「Details」ページのコントロールを使用して、ホストタイプを変更します。
(省略可能) ホストタイプを非表示にするには、「Hidden」をクリックします。
ホストタイプを保存するには、「Save」をクリックします。
ホストタイプの削除は恒久的なものであり、取り消すことはできません。ホストタイプを削除するには、時間がかかることもあります。
ここでは、ブラウザインタフェースを使用してホストタイプを削除する方法について解説します。また、次のコマンドを使用してホストタイプを削除することもできます。
hdb.ht.del – ホストタイプを削除します。
このコマンドに関する詳細については、『N1 Grid Service Provisioning System 5.0 コマンド行インタフェース (CLI) リファレンスマニュアル』の第 7 章「hdb:ホストを管理する CLI コマンド」を参照してください。
削除対象のタイプを持つホストが存在する場合は、そのホストタイプは削除できません。また、プラグインによって所有されるホストタイプは削除できません。
ホストタイプを削除するには、ホストの Create、Edit、Delete 許可を持つユーザーグループに属する必要があります。
削除するホストタイプの「Details」ページに移動します。
「ホストタイプを表示する」を参照してください。
ページの下にある「Delete」ボタンをクリックします。
別のページが表示され、削除をキャンセルするオプションが表示されます。
使用中のホストタイプは削除できません。削除対象のホストタイプが使用されている場合は、そのホストタイプと、削除できない理由を示すメッセージが表示されます。
削除するホストタイプを確認して、「Continue to Delete」ボタンをクリックします。
削除したホストタイプは、「Host Types」ページの表に表示されなくなります。